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奔走する喜劇の役者は、集い始める。
狂気の道化師という『引力』に惹き付けられて。
◆◆◆◆
マフラーから轟くけたたましい咆哮。
荒々しく加速するエンジン。
駆け抜ける車体は自動車の行き交う公道を巧みに潜り抜ける。
ジェイソン・トッドはバイクを走らせ、街中を吹き荒ぶ風と化す。
ヘルメット越しに覗く眼は、鋭い眼差しで先を見据える。
ジェイソンにとって僥倖とも言える情報だった。
この街に、あの男が現れた。
場所はMIDTOWN FORT CLINTONの喫茶店。
そこで被害者が全員『笑い死に』するという凄惨な殺人事件が発生した。
街中での臨時ニュースで伝えられていた情報は、ただそれだけ。
それでもジェイソンにとって、犯人があの男であると確信するには十分だった。
計画性のない、「笑い死に」の殺人。
そんな悪趣味な真似をするのは、あの男しかいない。
犯罪界の道化王子。ヘドが出る程のクソッタレ野郎。
その名は、
ジョーカー。
ジェイソンはこの街で
レッドフードとして活動し、数々の犯罪者を粛清してきた。
その過程で彼は裏社会の情報を幾度と無く得てきた。
裏社会の情勢。粛清対象である犯罪者の情報。その者と繋がりのあるマフィア。
悪を制するためには悪についての知識が必要だ。
それを得るために情報屋を使ったこともあるし、時にはギャング相手に手荒な手段で引き出したこともある。
それ故にジェイソンは生半可なチンピラよりも余程多くの情報を持っているつもりだった。
だが、ジョーカーに関する噂を耳にしたことは一度もなかった。
あの目立ちたがり屋のピエロは、今日この日に至るまで一片たりとも痕跡を残すことは無かった。
だからジェイソンはこの街にはジョーカーが存在しないのだと思い込んでいた。
しかし、奴は現れた。
ジョーカーが聖杯戦争に関わっている可能性は極めて高い。
マスターかサーヴァント、そのいずれかで招かれたヤツが聖杯戦争の開幕と共に行動を開始した。
十中八九、そういった所だろう。
あの性根までイカレた男が何を考えているのか等、理解するつもりはない。
だが、奴がこの街に存在するというのならば、やることはただ一つ。
必ず、この手で殺す―――それだけだ。
耳に入り続ける風切り音とエンジンの轟音に、一瞬だけ音楽が混じる。
それは陽気で明るい曲調のクリスマス・ソング。
通り過ぎた何処かの店のスピーカーから流されていたのだろう。
聖夜の日は近い。
街は華やかな装飾に着飾られていく。
人々は街を蝕む病から目を逸らし、夢と宴に身を沈める。
◆◆◆◆
たった一瞬で、空気が変わった。
たった一人の客の存在でシャルモンは沈黙した。
誰もが驚愕し、言葉を失っていた。
沈黙の舞台、主演を務めるのは白い面をにやつかせる狂気の道化師。
黙りこくった観客を嘲笑うように、椅子にふんぞり返る。
サーカスが始まった。
主演たるピエロが登場した。
なのに観客は誰も喜びやしない。
狂気の化粧に染め上げられた顔に、皆畏れ戦くのみだ。
「貴方は……何者、なのですか」
「オイオイ、揃いも揃って顔引き攣らせやがって。
ここはシャルモンだろ?菓子でも食いながら楽しくやろうぜ」
警戒を強める舞弥の問い掛けを無視し、コートを着込んだ道化師(ジョーカー)は周囲の客を見渡しながら言う。
不敵な笑みを浮かべるジョーカーに対し、周囲の人間はぴくりとも笑わない。
店員も、来客も、皆一様に顔を引き攣らせるのみだ。
そんな彼らを見てジョーカーは愉快げに笑い、テーブルに置かれた冷水を乱暴に飲み干す。
ガタリと、再び椅子から立ち上がった。
ひっ、と近くにいた客が恐怖の声を上げる。
そんな彼らにもお構い無しに、ジョーカーは壁の張り紙を眺める。
「ほぉ、クリスマスキャンペーンで各種スイーツが割引か!
そいつァいい!気前がいいってモンだぜ」
ニヤニヤと笑いながら独り言を呟き、ふらりとジョーカーは歩き出す。
店内の人間は皆、一様にジョーカーへと目を向け。
彼が近付く度に恐怖に顔を歪ませ、僅かに後ずさる。
かつ、かつ、かつ、かつ。
足音が響く。
そして、唐突にジョーカーは足を止めた。
席に座る細身の婦人の傍で立ち止まり。
彼女のテーブルの上に置かれたストロベリー・ケーキを見下ろす。
「なァそこのお客さん、折角だ―――――」
ジョーカーが懐から瓶を取り出し、ケーキに液体をぶち撒けた。
ジュー、ジュー、と焼け焦げるような奇怪な音が何度も響き。
婦人はただ、愕然とした顔でジョーカーを見上げる。
瞬間、ジョーカーが皿を掴みながら動いた。
まるでパイ投げのように、婦人の口へ強引にケーキを突っ込んだのだ。
店内に、絶叫が響いた。
「俺からの『クリスマスキャンペーン』、スペシャルスイーツだ!
たっぷりと味わいな! HA HA HA HA HA HA HA!!!」
大量の『硫酸』が掛けられたケーキを叩き込まれ、婦人は悶える。
口内を焼き尽くされるような痛みに苦しみ、何度も地面をのたうち回る。
そんな婦人の様子を、ジョーカーは見下ろして笑う。
けたけたと、気が狂ったように笑い続ける。
シャルモンの店内を包む沈黙は、戦慄へと変わる。
目の前で笑う男の異常性を、はっきりと認識する。
誰もが言葉を失い、誰もが恐怖し―――――動くことさえ出来なくなる。
この場を支配するのは、たった一人の道化師。
誰もが動くことが出来ない。
そう、思われていた。
カチャリ。
異音に気付いたジョーカーが、顔を動かす。
視線の先に立っていたのは、相席の相手―――
久宇舞弥。
舞弥が銃を構え、ジョーカーへと銃口を向けたのだ。
だが、舞弥の動作の直後にジョーカーもまた動いた。
近くの席に座っていた細身の男性を強引に引っ張って立たせ、盾にしたのだ。
男性は突然の出来事に驚愕し、そして表情を引き攣らせながら恐怖に震える。
「仏頂面のお嬢さん、スイーツ屋で射的遊びでもするかい?
全部撃ち抜いてやりゃあ死体のタルトが出来上がるだろうぜ」
「貴方の戯れ言に付き合うつもりはありません。……その男性を離しなさい」
舞弥は無感情な顔のまま、銃を構え続ける。
彼女は人としての感情が欠落している。
それ故に他者を傷付けることにも、殺害することにも躊躇は無い。
だが、それは『必要があれば』の話。
不要な殺人を犯すほど彼女は愚かではなく、無関係に巻き込まれた人質を簡単に見捨てる程非情でもない。
だから彼女は道化師へと警告を行った。
人質となれば、すぐには殺さない筈。
舞弥は当然のようにそう考えていた。
「いいぜ」
だが、飛び出たのは何の躊躇も無い一言。
そして、舞弥の顔に僅かながらも驚愕の表情が浮かぶ。
男性の左胸から、真紅の血が勢いよく吹き出たのだ。
彼の背中を貫通し、胸を突き破って飛び出したもの。
それは槍のように先端が鋭く尖った『旗』。
ジョーカー特製の改造拳銃から華を放ち、男性の背中を撃ち抜いたのだ。
旗の先端から血液が滴る。
男性はただ唖然とした表情で自らの胸を見下ろす。
そんな男性を強引に蹴り飛ばし、ジョーカーはケタケタと笑い続ける。
「男の胸から旗が飛び出すマジックさ!皆様ァ、お楽しみ頂け―――――」
ジョーカーが戯けた台詞を吐いた、次の瞬間。
黒い影が、舞弥の傍より疾風の如く駆け抜けた。
「好き放題に、笑ってんじゃねえッ!!」
それは舞弥の従者たる戦士。
道化の面を被りし悪魔(デモン)が、憤怒の表情で狂気の道化師に迫る。
デストロイヤーのサーヴァント、
加藤鳴海。
彼は、人々の笑顔を守るために戦ってきた男だ。
罪無き者を手にかける道化師の凶行を黙って見過ごすこと等、出来る筈が無かった。
瞬時に実体化した笑顔の守護者は、最悪の笑顔を浮かべる道化師を否定する。
構えられし右腕が、道化師めがけて迫る―――――!
だが、その腕は瞬時に弾かれる。
ジョーカーの目の前に突如として出現した『怪物』が、右腕を振るって払いのけたからだ。
それは、甲虫を連想させる白い装甲を身に纏いしもう一人の悪魔(デモン)。
バーサーカー、
ン・ダグバ・ゼバはグロンギとしての戦闘形態へと変身していたのだ。
装甲の下で不敵な笑みを浮かべながら、道化の仮面を被る悪魔(デモン)を見据えていた。
「ハハハハハ―――!」
瞬間、放たれるは屈強な左腕。
砲弾の如しバーサーカーの拳が、デストロイヤーを捉えんと迫る。
圧倒的な筋力。驚異的な瞬発力。
並のサーヴァントならば、この一撃で戦闘不能に陥っても不思議ではない。
だが、それをデストロイヤーは凌いでみせた。
咄嗟に体勢を整えた右腕を構え、一直線に迫る左腕を巧みに受け流したのだ。
そして、『防御と同時に』放たれた左拳の突き――――崩拳がバーサーカーの腹部を捉える。
まるで鉄槌を叩き込んだかのような衝撃と轟音がバーサーカーの内側から響く。
形意拳。
それは太極拳や八卦拳と同様の内家拳に属する中国拳法。
迅速な動作で敵を屠る理念を前提する攻撃的な武術と言える。
その特徴の一つとして、攻撃と防御を僅かな時間で両立する動作が挙げられる。
一瞬の防御行動と同時に、瞬時の攻撃を叩き込む。
まさに攻防一体。疾風迅雷の行動。
更にデストロイヤーは『気』を上乗せし、強力な破壊力を実現している。
並のサーヴァントならば一撃で沈められる、という点に於いてはデストロイヤーも同様なのだ。
しかし、その身が崩れたのはデストロイヤーの方だった。
カウンターと言わんばかりに放たれた右拳の打撃が、彼を吹き飛ばしたのだ。
バーサーカーは崩拳によって確かに体勢を崩した。
だが、即座に攻撃を続行した。
バーサーカーは極めて高ランクの耐久値と戦闘続行スキルを備える。
そのしぶとさは、究極の力を備えたリントの戦士―――クウガ―――とも互角の殴り合いを果たせるほどである。
それは気を上乗せした崩拳が直撃してもなお、即座に反撃出来る程のタフネスの照明となる。
先程の一撃で確かはダメージを与えられたが、その程度で沈むグロンギの王ではない。
「ッてえな……!」
壁に叩き付けられたデストロイヤーは、即座に復帰する。
彼もまた、先程のような『小手調べの攻撃』で沈むような戦士ではない。
勢いよく床を蹴り、そのまま瞬時にバーサーカーへと接近したのだ。
「ハハ、ハハハハ、ハ――――――」
バーサーカーが、右手をデストロイヤーに向ける。
閃光のような炎が迸った。
突如としてデストロイヤーの肉体が、発火したのだ。
機械の四肢と生身の肉体で構成されたデストロイヤーが、炎に包まれる。
―――『究極の闇(キュグキョブンジャリ)』―――。
グロンギの長であるバーサーカーが備える宝具。
モーフィングパワーの応用により物質の原子を自在に操りプラズマ化させ、そして焼き尽くす。
余りにも無慈悲で残忍な、虐殺のための暴力。
「こんなモンで、俺を止められると思ったかよ」
だが、デストロイヤーは止まらない。
その身が炎に包まれようと、決して止まらない。
生命の水による治癒能力を備えるしろがねとしての体質。
『限界状況を超える悪魔の舞踏(デモンダンス・フォア・ザ・ハリー)』 によるダメージ半減。
『怒りと悲しみを覆う笑顔の仮面(ラフィング・クライング・アルルカン)』 による強力な自己暗示。
それらはデストロイヤーというサーヴァントに圧倒的な継戦能力を与えていた。
一撃の破壊力という点でも、驚異的なタフネスという点でも、バーサーカーとは近い。
例えその身が傷つこうと、その身に苦痛が迸ろうと。
その魂が朽ち果てぬ限り、デストロイヤーは戦場の花形(アルルカン)として戦い続ける。
デストロイヤーは疾走と共に全身の炎を振り切り、払いのける。
その勢いに乗せた一撃を、バーサーカーに放たんとした――――!
「ボーイ!戯れ合いはおしまいだぜ!」
しかし、バーサーカーとデストロイヤーの『10秒にも満たぬ戦闘』は唐突に終わりを告げる。
瞬時に攻撃の体勢を取ったバーサーカーが、動きを止める。
同時に攻撃を放たんとしたデストロイヤーもまた制止し、声の主へと顔を向けた。
そう―――――ジョーカーである。
彼の呼びかけによってバーサーカーが止まったのだ。
「アンタもサーカスの花形かい?
だがな、観客のお嬢さんはピクリとも笑ってないぜ」
ジョーカーの視線は、デストロイヤーと舞弥へと向けられる。
彼が口にしたのは、道化の仮面を被った男とその主人に対する皮肉めいた言葉。
憤怒のままに敵を否定し、遊び心を持とうともしない道化師。
道化を見守る観客でありながら一欠片もの笑顔を見せない女。
そんな彼らを嘲笑い、ジョーカーは目を細める。
「ユーモアのねェコメディアンに用はねえよ。
アンタはそこで指でも加えながら眺めてな」
「願い下げだ。テメェの方こそ失せやがれ」
二人の道化師が、視線を交錯させた。
狂気の道化師は不敵に笑いつつも、仮面の道化師を睨む。
此処は己の舞台だ。お前のようなつまらない道化に出番をやるつもりはない。
そう主張するかのように。
対して、仮面の道化師はその素顔に怒りの表情を作る。
狂った理念のために周囲の人間を不幸に巻き込む狂人を、嫌悪する。
お前の好きにはさせないと、憤怒を募らせる。
暫しの間、睨み合いが続いた。
緊張で張り詰めた店内が、再び沈黙する。
そして――――――狂気の道化師が、唐突に口を開いた。
「この街は相変わらず寝ぼけてやがる。
イカレたパリアッチのことは愚か、闇の騎士サマのことさえ覚えてねえと来た。
ひでえモンだぜ。怪人もクリスティーヌもいねえオペラ座の怪人なんざ、楽しくもねえ――――」
コートを翻しながら店内を歩き、ジョーカーは高説を始める。
パリアッチ。闇の騎士。主役が不在の『オペラ座の怪人』。
この場に居る者達は、その言葉の意味を知る由も無い。
理解不能な狂人の言葉を、ただ呆気に取られたように聞くことしか出来ない。
舞弥は、拳銃をいつでも抜ける体勢を取る。
デストロイヤーもまた、その拳を構える。
ジョーカーによって制止されたバーサーカーも、彼らを牽制するように見据える。
客と店員らは、そんな彼らを眺めることしか出来ず。
舞台を支配する道化師(ジョーカー)だけが気まぐれに跳ね回る。
そんな中、ジョーカーは床に踞っていた一人の客を無理矢理立たせる。
それは硫酸漬けのケーキを食べさせられた婦人。
口内の痛みと熱で苦しみ悶えていたが、道化師の顔を見て再び顔を引き攣らせる。
ジョーカーが婦人に小声で何かを囁いた直後。
婦人は、一目散に走り出した。
そのまま彼女は出入り口の扉を開け、店外へと逃げ去っていった。
それを見ていた客人達に、ジョーカーは手を突き出して制止する。
お前達が逃げることは許さない、と言わんばかりに。
そして―――――直後に道化師が、身に纏っていたコートを脱ぎ捨てた。
「あの喫茶店だけじゃ足りねェ。
だからもっと思い出させてやるのさ。
この街にはとびっきりのコメディアンがいるってことをなァッ!」
凶悪な笑みと共に、ジョーカーは宣言する。
コートの下から出現したのは、胸部に装備されたガスボンベだった。
噴射口と接続されたチューブがだらしなく伸びており。
ニヤリと笑みを浮かべた道化師は、ゆっくりと手を動かす。
「マスターッ!!」
危機を察知したデストロイヤーが、声を上げる。
舞弥もまた、ジョーカーの動作を見て察知した。
そのまま彼女は即座に銃を構え、ジョーカーの頭部目掛けて射撃。
しかしその弾丸は、割り込んだバーサーカーの腕の一振りで難なく防がれる。
続いてデストロイヤーが突撃。
『マンバ』の右腕でバーサーカーに拳撃を放つも、左腕のガードによって防がれる。
狂戦士が悪魔(デモン)に足止めされている隙を狙い、側面へと走りながら舞弥が拳銃の引き金を引く。
甲高い銃声と共に、弾丸が道化師へと迫る。
ジョーカーは咄嗟に避けようとするも、弾丸が左肩へと着弾。
僅かに仰け反りながら出血するも、負傷すらも厭わずジョーカーは止まらない。
咄嗟に身を屈めて地を這うように店内を走り、続いて放たれた数発の弾丸をテーブルや客人を盾にして凌ぐ。
そしてボンベから伸びる噴射機には、既にジョーカーの両手が添えられていた。
「よく覚えときな、仮面の兄ちゃん」
ジョーカーが、にやついた笑みを浮かべながらデストロイヤーへと話し掛ける。
最中、舞弥は周囲の客へと一瞬だけ目を向ける。
――――――間に合わない。助けられない。
即座にそう理解した舞弥の動きは早く。
彼女は瞬時に駆け出し、窓ガラスへと目掛けて走る。
デストロイヤーはバーサーカーを切り抜けようとするが、ジョーカーを止めるには間に合わず。
「『道化師(アルルカン)』は二人もいらねェ」
噴射機よりガスが店内を蝕むように放たれ。
店の中に居た者達は、死の笑顔へと誘われる。
◆◆◆◆
「警部補!COLGATE HEIGHTSの菓子店『シャルモン』に、例の白い顔の男が姿を現したと…!」
MIDTOWN FORT CLINTONの喫茶店にて。
警察の一団らは喫茶店の怪死事件の現場検証と推理を続けていた。
そんな中で、その報せは唐突に訪れた。
現場に残り続けていたジェームズ・ゴードン警部補らは、驚愕の表情を浮かべる。
「何―――それは本当か!?」
「ええ、通報したのは店内から“命辛々逃げた”という女性です!
彼女の弁によれば、白い顔をした男がシャルモンに立て篭っているとのこと!」
若い警官は、ゴードンに伝言を告げる。
通報者は店内から逃げたとされる女性。
彼女によれば、COLGATE HEIGHTSのシャルモンに白い面の男が現れたとのこと。
男は多数の客や店員と共に店内へと立て篭っているという。
目的も動機も不明だが、正気ではないのは確かだったらいし。
事件を受け、先に近くの警官達がパトロールカーを用いて現場へと向かった。
そして同様の容疑者の犯行として、喫茶店の警官らにも応援要請が掛かったのだ。
まさか、容疑者がこんなにも早く姿を現すとは思わなかった。
それどころか『次の犯行』を既に行っているという。
一体何が目的なのか。
未だ推理できていない目的があるのか。
あるいは、単に狂っているのか。
そのいずれが答えなのかは解らない。
だが、容疑者が姿を現したというのならば一刻も早く駆け付けるのみだ。
「君達は現場の検証を続けているんだ!
我々は応援に向かうぞ―――――ディック!」
ゴードンは数名の警察官に喫茶店の検証続行を指示。
自らは複数名の警察官と共に現場へと急行する。
ディック・グレイソンもまた、ゴードンに呼び寄せられることとなった。
彼はゴードンに敬礼で返した後、懐から携帯電話を取り出す。
恐らく『念話』では届かない距離にいる筈だ。
そもそも彼が何処にいるのかも解らない。
だが、確実に連絡できる相手はいる。
それ故に彼は携帯電話による連絡という手段を選んだのだ。
暫しの通知音が響いた後、電話が繋がった。
「アニー、今どこにいる!?」
『今はCOLUMBIA PTに。どうやら、急ぎの用事のようですね』
「ああ、敵が現れた。それも僕が知る限りで――――最悪の敵だ」
自らのサーヴァント、その従者であり相棒とも言える存在。
アニー・チャールストンに電話を行ったのだ。
アーチャー/
ジョン・『プルートー』・スミスは普段姿を現さない。
彼への連絡は、専らアニーを介して行われるのだ。
ディックは伝えた。
『本来のゴッサム・シティ』でも名の知れた凶悪な犯罪者がこの街にいるということを。
その男がCOLGATE HEIGHTSのシャルモンに姿を現したということを。
この街を守る為にも、奴を止めなくてはならないということを。
ディックの連絡を、アニーは粛々と聞き入れる。
与えられた情報を咀嚼した後に、彼女は答えた。
《解りました。すぐに『スミス』をお呼びします》
そう答えた後に、電話が切られた。
アーチャーを呼ぶ為に何らかの準備をするのだろうか。
解らないが、兎に角彼女は『スミス』を呼び寄せるつもりだ。
ジョーカーがどれだけの戦力を備えているか解らない以上、サーヴァントも連れていく必要はある。
(ジョーカー……奴がこの街にいるのが確かだというのなら。
それを止めるのが、『ナイトウィング』の役目だ)
この街に
バットマンがいるのかは、定かではない。
もしかすれば、彼が存在しない可能性も否定は出来ない。
ならば、どうするのか。
そうなった時にこの街を守れるのは、自分だ。
ヒーローである自分が動かなければ、どうする。
己はディック・グレイソンであると同時に――――ナイトウィングなのだから。
パトロールカーへと乗り込んだディックの脳裏に、噂に聞いたある人物が過る。
赤い覆面を被り、犯罪者を私刑しているというヒーロー。
レッドフード――――かつての二代目ロビン、ジェイソン・トッドと思われる人物。
もしも彼がこの件に気付いていたとすれば。
もしも彼が何らかの形で情報を掴んでいたとすれば。
その場合、鉢合わせとなる可能性もあるのではないか。
恐らく彼は、ジョーカーを殺そうとするだろう。
だが、ディックはそれを許すつもりはなかった。
彼の怒りと憎悪は、理解している。
彼が多くの犯罪者を殺めていることも知っている。
それでもディックは、ジェイソンを止めたいと願う。
彼は自身の友人であり、弟分のような存在でもあるのだから。
そして、ディック・グレイソンは闇の騎士の『不殺の理念』を確かに受け継いでいるのだから。
◆◆◆◆
バイクに跨がって街を駆け抜けるジェイソンの脳内に声が響き渡る。
彼の従者、アサシンこと
チップ=ザナフが念話を飛ばしてきたのだ。
《聞こえるか、マスター!》
《アサシンか、どうした!?》
《COLGATE HEIGHTSの方角に魔力の反応がある!例の喫茶店からそう遠くはない!
もしかしたらお前の探してるジョーカーって野郎がいるかもしれねえ!》
その知らせに、ジェイソンは目を見開く。
彼は事件現場である喫茶店へ向かい、情報を掴むことを考えていた。
そうしてジョーカーの情報を集め、奴の居所を突き止めようとしていた。
だが、事件発生からそう遅くない時間に、そう遠くない場所で『魔力の反応』が発生した。
あの目立ちたがり屋の道化師のことだ。
犯行直後に再び行動し、何かをやらかしている可能性は高い。
もしも思い違いであったとしても、そこに聖杯戦争の敵がいるのならば始末するのみ。
後で再び喫茶店へと向かい、情報を集めればいい。
もし、ジョーカーが本当にいたならば。
そのまま殺すのみだ。
《なあ、マスターよ》
《何だ》
《ヤツを殺したら、聖杯はどうする?》
COLGATE HEIGHTSへと進路を変えた後、唐突にアサシンがそんなことを問い掛けてくる。
元々ジェイソンの願いは、ジョーカーを殺すことだった。
闇の騎士に妨害され続け、業を煮やしたジェイソンは聖杯に頼る道を選んだ。
だが、この街にジョーカーがいることが判明した。
もし奴がマスターならば、此処で殺せば聖杯は不要となる。
その場合、聖杯はどうするか。
412 :BLACK LAGOON
◆1k3rE2vUCM:2016/07/16(土) 23:54:47 ID:.Ayf6/4I0
《……さあな。もしジョーカーを殺したとして、その後はどうするのか……
正直な所、考えちゃあいない》
ジェイソンは、ただぽつりとそう答える。
実際、この地でジョーカーを殺したとして。
彼はその後どうするか、ということは考えていない。
何か別の願いに聖杯を使うか。
あるいは脱出の手段を探すか。
方針は定かではない。
だが、しかし。
《だが……奴がこのゴッサム・シティにいるというのなら必ず殺す。
俺が味合わされた苦痛を、俺が抱いた憤怒を、奴に叩き付けてやる
それが母と俺を殺した、あの道化師への復讐だ。そして――――――――》
確かなことは、一つ。
この偽りのゴッサム・シティにジョーカーがいるというのならば。
己が憎み続けた男が存在しているというのならば。
奴をこの手で、必ず殺す。
それだけは事実であり、彼の確固たる方針だった。
そして、それこそが復讐だった。
《奴を決して殺さない『バットマンの正義』への、復讐だ》
この街で出会った“法曹界の正義の剣”は、人間の善性を信じた。
師であり相棒であった“闇の騎士”は、不殺という己の掟を貫き続けた。
そんな行儀のいい理念で悪を潰せるものか。
レッドフードは、レッドフードの
ルールで連中を裁く。
赦しの機会を与える必要は無い。
哀みを感じてやる必要も無い。
救えぬ者を救ってやる必要は、無い。
だからレッドフードは奴を殺す。
それがレッドフード/ジェイソン・トッドの戦いであり、復讐だ。
◆◆◆◆
とある高層ビルの屋上。
『闇の騎士』はそこに佇み、街を見下ろしていた。
漆黒を基調とした衣装に身を包むその姿は、余りにも異質で。
しかし、だからこそ彼は己が何者であるかを認識できる。
この街の守護者。世界一の探偵。闇の騎士。
そう―――――『バットマン』と。
あの『白亜のサーヴァント』に勝利する為には、より確実な手段が必要だ。
夜を待ち、自身の能力を強化した上で戦いを挑むか。
何らかの策や搦め手を駆使して追い詰めるか。
あるいは、他の主従との同盟か。
数々の手段を考えつつも、マスターの殺害という選択肢は選ばなかった。
サーヴァントは死者であり、倒しても問題は無い。
だが、マスターは生者だ。
例え敵対するサーヴァントの主と言えど、生ける者を殺害するのは己の理念に反する。
ましてやあのような少女を殺す等、犯してはならない。
恐らく彼女は、何らかの形で聖杯戦争に巻き込まれてしまった者か。
もしそうだとすれば、そういった者達を戦わずして脱出させる手段を探す必要がある。
ゴッサムの守護。
白亜のサーヴァントの攻略。
罪無きマスターを救う方法の模索。
行うべきことは幾つもある。
だが、最も優先すべきことが一つあった。
彼は街頭のラジオである情報を耳にした。
『喫茶店で多数の人間が笑い死にした』という、猟奇的な事件。
彼はすぐにその黒幕を理解した。
胸騒ぎがした。
その異常性に、彼は既知感があった。
あのような狂った犯行をする者には、憶えがある。
自らのマスターであり、最悪の敵。
――――――『ジョーカー』だ。
彼が既に犯行を行っているというのならば。
闇の騎士であるバットマンは、動かなければならない。
犯罪界の道化王子を止める為に、戦わなくてはならない。
このゴッサム・シティを護る為にも、奴を野放しにはしない為にも。
黒い翼を広げ、闇が飛んだ。
◆◆◆◆
シャルモン・ゴッサムシティ支店の構造は沢芽市の本店によく似ている。
洒落た一軒家のような店舗が広い庭に囲まれるように建っている。
その広々とした空間は、都市に揉まれた人間にとっての癒しとして機能していた。
店舗の窓ガラスが、勢い良く割れた。
そこから飛び出したのは黒尽くめの装いをした女性。
久宇舞弥はすぐさま受け身を取り、店舗から距離を取った。
彼女は道化師の行動に危機感を抱いた。
彼が客人らに危害を加えようとしていることを直感した。
客人らの救出も考えたが、猶予はなかった。
だから自らの身の安全を優先し、飛び出したのだ。
「―――デストロイヤー」
「ああ……此処に居るぜ」
舞弥は、自らの従者の名を呼ぶ。
直後に彼女の傍へと仮面の男が降り立った。
デストロイヤーはダグバとの攻防で押し負け、ジョーカーの凶行を許してしまった。
救出するにも、一人では無理がある。
『長足クラウン号』を使うにしても、店内では狭すぎる上にバーサーカーの妨害に合う可能性の方が高い。
故に彼はマスターの安全の確保へと移った。
その仮面の下で、悔しさを滲ませながら。
そんなデストロイヤーの姿を一瞬だけ見つめながら、口を挟む。
「あの男は、客人を一人だけ逃がした。
何の目的があるのかは解りませんが、彼女が通報する可能性は高いでしょう」
道化師は、硫酸入りのケーキを食べさせた婦人だけを店外へと逃がした。
あの狂った男が何故そんな行動を取ったのかは解らないが、推測は出来る。
己の犯行を知らせるためのメッセンジャーとして解き放ったのではないか。
道化師は『この街に己の存在を知らしめる』といった旨の発言をしていた。
それを踏まえれば、自身の行動を知らせる為の存在が必要となる。
あの婦人は、その役割を任されたのではないか。
尤も、これは推測に過ぎない。
もっと別の動機がある可能性もあるし、単なる気まぐれかもしれない。
だが、あの婦人が警察へと通報する可能性自体はそれなりに高いだろう。
「いずれ人々が騒ぎに気付き、警察や野次馬が現れるでしょう。
そんな状況下で戦闘をすれば必然的に目立ってしまいます」
「だがよ、だからってアイツらを野放しに―――――」
腑に落ちぬ態度のデストロイヤーを、視線で制止する。
彼の言う通り、舞弥も道化師らを野放しにすることは危険だと思っている。
あの道化師への嫌悪感も抱いている。
今まで見てきた人間とは明らかに違う。
幼き頃より兵士として育てられた舞弥自身、醜い人間を幾度と無く目の当たりにしてきた。
自らの命や功績の為に他者を犠牲にする人間を何度も見てきた。
自らの欲望の為に人を人とも思わず陵辱を繰り返す男達を何度も見てきた。
世界の穢さを、脳裏に焼き付けられた。
だが、あの笑う道化師は違う。
異常、狂人、怪物――――――そうとしか形容が出来ない。
アレは余りにも異質だった。
戦場で幾度と無く見てきた人間とは一線を画す、異常者だった。
舞弥はそんな道化師に嫌悪を感じた。
あの道化は危険だと、その身で感じた。
だが、かといって無謀な橋を渡るよりは策を練る方が得策だろう。
自分達はあの道化師に関する情報を何も持っていない。
下手に手出しすることは危険だ。
それに、騒ぎに気付いた人々が集まれば自身らの存在も注目されてしまう。
聖杯戦争とは情報戦であり、下手に存在を衆目に晒されるのは不味い。
魔術師殺し『衛宮切嗣』の部下として動き続けたからこそ、彼女はそう思えた。
彼の狡猾で慎重な戦術は、弟子であり部下でもある舞弥にも確かに受け継がれていた。
「……今は、退きます。いいですか、デストロイヤー」
故に彼女は、撤退を宣言する。
有無を言わさない言葉にデストロイヤーは苦虫を噛むような表情を浮かべる。
少しの沈黙の後、渋々とした態度で舞弥に追従した。
笑顔を失った女と笑顔を守る道化師は、狂気の道化師が支配する舞台から離れる。
正門からではなく、周囲から気付かれにくい近くの路地へと入り込むように。
彼女らは、足早に逃げ出す。
直後に、ボンと爆発するような音が耳に入った。
一瞬だけ振り返った舞弥が見たもの。
それは、店内から出火するシャルモンの店舗だった。
【MIDTOWN COLGATE HEIGHTS/1日目 午後】
【久宇舞弥@Fate/zero】
[状態]健康
[令呪]残り三画
[装備]サバイバルナイフ、グロック17
[道具]キャリコM950短機関銃、スタングレネード二つ、発煙筒二つ、手榴弾、タブレット
[所持金]不明(少なくはない)
[思考・状況]
基本:聖杯戦争の調査。
1.警察や野次馬が現れる前に現場から離れる。
2.他の聖杯戦争参加者と接触する。
3.危険人物の迅速な排除。
[備考]
※バーサーカー(ン・ダグバ・ゼバ)のパラメーターを視認しました。
【デストロイヤー(加藤鳴海)@からくりサーカス】
[状態]魔力消費(小)、肉体にダメージ(小)
[装備]特筆事項なし
[道具]『怒りと悲しみを覆う笑顔の仮面』
[思考・状況]
基本:舞弥の力になりたい。
1.今は舞弥の支持に従う。
2.舞弥にも笑顔になってほしい。
3.ジョーカーへの強い嫌悪と怒り。いつか必ず止める。
[備考]
カチ、カチ、カチ。
「はぁッ――――はぁッ―――――」
口が焼けるような痛みが、漸く引いてきた。
彼女は、街中を逃げるように走り続ける。
あの恐ろしい道化師から逃げるように、人目も気にせず歩道を走る。
彼女は、道化師によって逃げさせられたシャルモンの客。
硫酸のケーキを食べさせられた哀れな婦人。
彼女は道化師に耳打ちされ、指示を出された。
『お前は外に出ろ』。
『そしてシャルモンの事件を警察に通報しろ』。
『後は警察に保護されるなり何なり勝手にしろ』。
婦人は言われるがままに外へと飛び出し、呂律の回らない舌で警察に通報したのだ。
何とか意味は通じた。時期に警察が現場に来ると言う。
その後、彼女は逃げ出した。
あの恐ろしい道化師のいる場所からすぐにでも離れるために。
一刻も早く、離れなければ。
このままだと、殺される。
嫌だ、嫌だ、嫌だ、死にたくない。
カチ、カチ、カチ、カチ。
体内に異物の感覚を、少しだけ感じる。
あのケーキを飲み込まされてしまったせいなのか。
わからない。何なのか、わからない。
直後、けたたましいサイレンの音が耳に入る。
ふと正面の公道の方へと目を向ければ、複数台のパトロールカーが走ってくるのが見えた。
通報を聞いて駆け付けた警察官達なのだろう。
まるで救世主を目の当たりにしたように、婦人は歓喜の表情を浮かべる。
警察に保護されれば安全だと、彼女は安心する。
だから彼女は、焼け焦げた舌で必死に声を上げた。
「たすけ――――――たすけて、くらさい――――――!!」
カチ、カチ、カチカチカチカチカチカチ。
彼女は気付いていない。
あの硫酸のケーキと同時に、ジョーカーに『小型の事件爆弾』を飲み込まされたことを。
彼女の身体にはネオナチ特製の炸裂爆弾が仕込まれていることを。
婦人を逃がしたのは、自分の存在を通報させるついでに余興として『爆弾人間』を解き放つため。
そんなことにも気付かず、彼女は警察へと両手を振り。
カチリ。
爆音と破裂音。
そして轟音。
婦人の身体が、爆ぜる。
彼女の肉体を破裂させた強烈な爆炎が、通行人らと一台のパトロールカーを飲み込んだ。
◆
「HA HA HA HA HA HA!!!!」
シャルモンが燃え盛る。
常に人々で賑わう菓子店が、灰燼へと帰す。
中に居た者達は笑顔のまま事切れており、そして炎に包まれる。
菓子を食べに訪れたことで笑い悶え、そして焼き殺されるなど―――――誰が予想したか。
炎に包まれた店を背に、踊るようなステップと共に道化師が飛び出す。
シャルモンを燃やした張本人は、笑う。
笑う。笑う。笑う笑う笑う笑う笑う。
けたけたけたけたと、狂ったように笑う。
遅れて、遠くから聞こえた『爆発の音色』に気分を良くしたかのように口笛を吹く。
道化師は『威力を弱めた笑気ガス』によって店内の人間を行動不能にした。
彼らは笑いながら死ぬことも出来ず、息苦しさに悶えることしか出来なかった。
そんな中で道化師はキッチンを漁り、食用油を店内にばらまいた。
そして、ライターを用いて着火。
店内に放火し、自らは外へと飛び出し。
悶えていた店員や客達は、『笑顔』で『焼き殺された』。
余りにも残忍かつ、非情な凶行。
だというのに―――――彼は、心底愉しそうに笑っていた。
「さあ、キャンドルに火は灯った!目前に迫るクリスマスを祝っちまおうぜ!
Merry Christmas!!! HA HA HA HA,HA HA HA HA HA!!!!!」
たった一人の拍手喝采。
道化師は何度も手を叩き、シャルモンの庭を跳ね回る。
この火の手を見れば、じきに『野次馬』や『警察』もやってくるだろう。
それでいい。それが一番いい!
観客がいてこそのコメディアン!ヒーローに気付かれてこそのヴィラン!
独りぼっちのジョーカーなんてのはつまらない!
道化師は、ほくそ笑む。
この街には誰がいるのか、思い出させてやると嗤う。
寝ぼけた住民達に。奔走する参加者共に。
ゴッサム・シティに、最悪のジョークを叩き付けてやる。
自分が笑い死んでしまうのではないかと思ってしまう程に笑い転げ。
笑い、笑い、笑い、笑い。
笑い、笑い、笑い。
笑い、笑い。
笑い。
笑――――――――
「―――――ああ、メリークリスマスだ。クソッタレ野郎が」
唐突に、声が聞こえた。
忌々しげに、憎たらしげな一言が、耳に入った。
それは道化師にとっても聞き覚えのある声であり。
直後、道化師が吐血した。
道化師の脇腹は何かで貫かれていた。
そして、あるはずのなかった一筋の刃が脇腹より突き出ていることに気付く。
直後、ジョーカーの背後から突如下手人の姿が出現する。
銀色の髪を靡かせるアサシン――――チップ=ザナフ。
アサシンはブレードをジョーカーの背中から勢いよく引き抜いた。
その衝撃によって再び血を吐き、ジョーカーは脇腹を押さえながら膝を突く。
「後は任せるぜ、マスター。
アンタのけじめは、アンタが好きに付けていい」
アサシンは、ジョーカーを見下ろしながら呟いた。
彼は気配遮断スキルと宝具『殻式迷彩』によって誰にも感付かれる事無く、道化師の背後を取った。
そして不可視の姿のまま右腕のブレードでジョーカーの腹部を貫き、手傷を負わせた。
彼の力量があれば、ジョーカーの首を掻き切ることも不可能ではなかった筈だ。
そんなアサシンが、何故敢えて急所を外したのか。
それが彼のマスターの意向だったからだ。
決着を付けるのは己自身であり、奴を簡単に死なせるつもりもない。
この身に詰まった怒りと憎しみを徹底的に叩き付け、苦痛を味合わせた上で死に至らしめる。
それがジョーカーによって運命を狂わされた男の方針であり、レッドフードによる報復だった。
他人を利用し、踏み躙る外道への怒りは、よく理解できる。
アサシン―――チップはかつて、己の心の弱さに付け込まれた。
彼は麻薬の売人として犯罪組織に所属していた。
自らも麻薬漬けとなってしまったチップは、組織に始末されそうになった。
そんな時に彼は忍者の師と出会い、救われた。
チップは彼の教えによって忍者としての鍛錬を積み重ね、技術を備えていった。
しかし―――――――組織の追手に、師は殺された。
大切な者の命を悪党の手で理不尽に奪われたアサシンは、己のマスターの感情を理解できる。
不条理に対する怒りとは、簡単に抑えられるものではない。
外道を野放しにしたまま過去を忘れて生きることなど、苦痛でしかない。
復讐とは、『怒り』と『過去』への決別の為にある。
故に彼はマスターの復讐を肯定した。
次の瞬間、膝を突くジョーカーの目の前に一人の男が立ちはだかる。
赤い覆面を被った男が、道化師を見据える。
覆面によってその表情は伺えず。
だが、怒りに震えた手は拳銃を握り締め。
道化師の頭部へと、銃口を向けた。
「久しぶりだな。会いたかったぜ、ジョーカー」
「……こちらこそ、『赤ずきん』くん」
レッドフード/ジェイソン・トッドが、道化師を見下ろす。
ジョーカーが、赤い覆面の男を見上げる。
不敵に笑う道化師の顔に、赤い覆面の男は拳銃を押し付ける。
「なあ、その物騒なモンを退けちゃくれないかい?」
「……俺が退かすとでも、思ったか」
「バッツが悲しむぜ」
「お前を殺せるのならそれで十分だ」
拳銃の銃身で、道化師の顔面を勢いよく殴りつけた。
口を切り、微かな血を吐きながら道化師は転倒する。
直後、再び銃声が轟いた。
ジョーカーの右足を、レッドフードの銃弾が撃ち抜いたのだ。
出血と共に足を押さえて悶えるジョーカー。
苦しむ道化師を、覆面に侮蔑の表情を秘めながらレッドフードは見下ろす。
優位に立っているのは、レッドフード。
ジョーカーの生殺与奪は彼の手に握られている。
だが、すぐに殺すつもりは無い。
己が味わった苦痛と怒りを嫌という程に叩き込んでから、殺す。
瞬間、轟音と共に凄まじいプレッシャーが撒き散らされる。
バーサーカーが、再度の実体化を遂げたのだ。
狙うはジョーカーを痛めつけるレッドフード。
そのまま荒々しく突進と共に接近し、強烈な裏拳を放たんとした。
「スローだな」
しかし、その直前に一筋の風が割り込んだ。
バーサーカーの前に立ちはだかったのは、アサシン。
アサシンは地を這うような姿勢のまま駆け抜け、擦れ違い様にバーサーカーの脇腹にブレードの斬撃を叩き込んだ。
バーサーカーは咄嗟に対応しようとするも、敏捷性で勝るアサシンのが速い。
彼が振り返った瞬間に、アサシンがバーサーカーの顎へと肘鉄を叩き込んだ。
「ッ―――――」
顎への衝撃によって一瞬だけ怯んだバーサーカー。
一瞬。それはコンマ数秒程度の時に過ぎない。
驚異的な耐久力を持つバーサーカーを止められる時間は、ただそれだけ。
だが、そのごく短い隙を見逃すアサシンではない。
「らあああぁぁぁぁぁぁッ!!!!!!」
疾風迅雷。
そう形容するに相応しいスピードで、アサシンが駆け抜けた。
擦れ違い様の切り上げで、バーサーカーを空中へ打ち上げる。
空中に放り上げられた狂戦士はすぐさま体勢を整えようとするも、アサシンが即座に跳躍。
周囲の虚空を法力の制御によって壁のように蹴り、隼にも似た超高速の跳躍をしながらバーサーカーへと接近。
そして、二度目の一閃。
バーサーカーの身に斬撃が刻まれる。
アサシンは跳躍しながらの一閃の勢いのまま別の虚空を蹴り、再度の跳躍。
凄まじい速度で接近、再び一閃ッ!
四方八方からの跳躍と共に、無数の連撃を叩き込む。
バーサーカーは空中で成す術も無く、その身を幾度と無く切り刻まれ――――
そして、アサシンがバーサーカーの『真上』へと跳躍した。
「―――――『サヨナラ』だッ!!!」
そして放たれる、渾身の―――――斬撃ッ!!
振り下ろされた『気を纏った刃』がダグバを切り裂き、そのまま地面へと叩き付ける。
白い狂戦士の衝突と共に、地面には巨大な亀裂が生まれた。
斬星狼牙。
忍者であるアサシンが厳しい修行と数々の戦の果てに編み出した奥義の一つ。
周囲を飛び交い、擦れ違い様の斬撃を幾度と無く叩き込み。
そして、最後に気を籠めた斬撃でとどめを刺す。
必殺技――――――そう形容すべき、強力無比な技だった。
斬撃を終え、地面に着地したアサシンはバーサーカーを見据える。
並の者ならば、この技で再起不能に陥る。
だが、目の前の狂戦士はどうか。
「ハハ、ハ」
笑い声が、耳に入った。
「ハハ、ハハハハ、ハハハ―――――『これ』で終わり?」
ゆっくりと、バーサーカーが立ち上がった。
笑い声が、幾度と無く響く。
その身に傷を負っているというのに、まるで動じる事も無く。
強靭な四肢で、威風堂々とした態度のままその場から立ち上がった。
「………バケモンが」
アサシンは目を細め、毒づいた。
確かに攻撃を直撃させた。
だが、奴は立ち上がった。
それも怯むこともよろけることもなく、堂々と。
彼は即座に直感したのだ。
目の前にいるこの狂戦士は、紛う事無きバケモノであると。
そのプレッシャー、実力――――下手をすれば、あの『破壊神』に匹敵するのではないか。
そう思えてしまえる程の威圧感を、狂戦士は放っていた。
「ヒヒ、ヒ………うちのボーイの方が出来がいいみたいだぜ」
「そうか。だが、お前を此処で殺せば関係のない話だ」
そんな彼らの様子を見て、踞る道化師は軽口を叩く。
彼の身体は幾度と無く殴打され、傷付いていた。
道化師を見下ろし、レッドフードは肩を揺らす。
幾度と無く、この道化師を痛めつけた。
だと言うのに、まるで笑みを絶やさない。
自らの危機も楽しむかのように、余裕を貫いている。
それが、どうしようもなく苛立たしかった。
これ以上の暴力が無意味だというのなら。
最早、すぐにでも終わらせてやるだけの話だ。
「……俺を殺すのかい?」
「ああ」
「もう一度言うぜ、バッツが悲しむぞ」
「お前のジョークも『ネタ切れ』か」
カチャリと、再び拳銃を構える。
今度こそ、道化師の脳天へと照準を定める。
ジョーカーは不敵に笑う。
レッドフードは怒りの表情を覆面の下で浮かべる。
そして、引き金に指が掛かる。
たった一瞬。
コンマ数秒の動作で、道化師の命は奪われる。
それで、レッドフードの復讐は終わる。
自らと母の命を奪った男への復讐。
正義を貫き、この男を生かした師の掟への復讐。
怒りの表情に、自然と『笑み』が溢れていた。
無論、ジョーカーがそれに気付く筈も無い。
覆面の下に隠れた感情は、間違い無く『喜び』だった。
これが己の本性なのか。ラザラス・ピットに放り込まれたことで生まれた狂気なのか。
今の自分には、解らない。
でも、どうだって構わない。
ここで復讐を果たせるのなら。
「坊や、これだけは言っておくぜ」
覆面の下での笑みと同時に。
復讐者が、引き金を弾いた。
道化師もまた、笑っていた。
「俺とバッツのロマンスにガキはいらねェ」
瞬間。
復讐者の身体に、想像を絶する『熱』と『痛み』が迸った。
「が、アアアアアアアアアアアアアァァ―――――――――ッ!!!!?」
拳銃の照準が逸れ、銃弾は明後日の方向へと放たれる。
レッドフードの身体は、灼熱の炎に包まれていた。
堪らずのたうち回るその姿を尻目に、ジョーカーは咄嗟に後方へ転がって距離を取る。
「言ったろ、『その物騒なモンを退けてくれ!バッツが悲しむぜ!』って。
銃を退けてくれないからお前をこんな目に遭わせちまった!
きっとバッツも悲しんじまうだろうぜ!HAHAHAHAHAHA!!」
悶えるレッドフードを嘲るように、ジョーカーはけたたましく哄笑する。
レッドフードに手を下したのは、一定の距離が離れている筈のバーサーカーだった。
彼はただ腕を少し動かすだけで、その身を焼き付く舌のだ。
超自然発火能力――――原始を操作することでプラズマを発生させ、対象を自在に焼き尽くす攻撃。
彼の宝具として連ねられる、凶悪な力だ。
「テメェ―――――ッ!!!」
アサシンが驚愕と共に吼えた。
何が起こったのかは謎だが、バーサーカーらが手を下したのは間違い無い。
そう判断したのだ。
無数のクナイを、バーサーカー目掛けて放つ。
彼は迫り来る刃を詰まらなそうに見つめる。
そして、片手で容易く掴み取った。
だが、それは囮に過ぎない。
真の狙いは別に存在する。
そう、ジョーカーだ。
バーサーカーがクナイに気を取られている隙に、アサシンが一瞬で駆け抜けた。
漆黒の風となって彼の真横を通り過ぎ、道化師へと目掛けて走る。
アサシンは危機を目前にし、マスターの怨敵であるジョーカーの殺害を優先したのだ。
バーサーカーは即座にアサシンへと拳を叩き付けようとするも、敏捷性で勝るアサシンの方が速く。
彼の刃が、道化師への首へと目掛けて振るわれ。
そして、薙ぎ払わんとした―――――――
――――――キィン。
突如として割り込んだ黒い影。
甲高い金属音と共に、ブレードが防がれた。
目を見開くアサシン。
彼のブレードを左腕のアーマーで防いでいたのは。
「奴は、殺させない」
漆黒の、騎士だった。
「HA HA HA HA HA HA HA HA!!!
バァァァァッツ!!やっぱりアンタがいなくっちゃなアアアアア!!!」
心底嬉しそうに、道化師が笑う。
アサシンの目の前に立ちはだかったのは漆黒の衣装を纏った男。
尖った耳のようなヘルメット。黒一色のマントとスーツ。
その容貌を見れば、誰もがこう形容するだろう。
蝙蝠の男(バットマン)、と。
ライダーのサーヴァントにして、このゴッサム・シティの英雄。
それが闇の騎士(ダークナイト)―――――『バットマン』だ。
「テメェ、退きやがれ」
鋭い視線で、蝙蝠の男(バットマン)を睨みつける。
しかしバットマンは決して退こうとはしない。
「断る。その男は殺させない」
一言、そう告げた。
己のマスターであり『宿敵』であるジョーカーを、彼は守ったのだ。
彼の根底にあるのは不殺の理念。
バットマンは悪に容赦はしない。
しかし、例えどれだけの外道であろうと、決して殺しはしない。
それが彼がヒーローとして胸に刻んだ信念だった。
否、妄執とでも言うべきか。
一線を越えること等、容易い。
悪を赦せない、憎い、殺してやる。
そう思った日は、幾度と無く存在した。
だからこそ彼は、己を律する。
己が『怪物』とならぬよう、殺人という札を封印する。
人を殺し、一線を越えてしまえば。
自分はきっと、本物の狂人になってしまう。
バットマンには、そんな自覚があった。
故に彼は―――――殺しを否定した。
それが例え、己が憎む宿敵であったとしても。
「あの男は、私のやり方で止める」
「テメェのやり方なんざ、知ったことか―――――――」
互いに視線を交錯させる。
黒き蝙蝠と黒き忍びが、睨み合う。
腕と刃をギリギリと鍔競り合わせながら、歯軋りをする。
どちらが先に押し負けるか。
その決着は―――――――
一瞬。
ほんの刹那の出来事だった。
アサシンの背後に、突如としてバーサーカーが『出現』したのだ。
空間転移。バーサーカー/ン・ダグバ・ゼバが備え、これまでに行使していなかった能力。
狂戦士のクラスとして召還されたことで燃費や性能において弱体化している。
それでも、乱入者によって虚を突かれたアサシンの隙を突くには十分であり。
そして。
「がはッ、が、ああ―――――!」
アサシンの胸から、右腕が突き出した。
彼は堪らず、口から血液を吐く。
腕を覆う純白の装甲は、吹き出た大量の血によって真紅に染まる。
バットマンはその光景を、ただ目を見開いて眺めることしか出来なかった。
「ハハ、ハハハハハハ――――――」
バーサーカーが、アサシンの胸から腕を引き抜く。
アサシンがライダーによって足止めされ、動きが止まった。
その一瞬の隙を突いたバーサーカーが、アサシンの背後から手刀による刺突を放った。
彼の身体を背中から胸に掛けて、鋭い槍の如し一撃で貫いたのだ。
◆
耳障りな喧噪が聞こえてくる。
放火だの、殺し合ってるだの、やかましい声が耳に入る。
騒ぎを聞きつけ、集ってきた野次馬共か。
恐らく店の敷地の外から眺めているのだろう。
不愉快で、騒々しい。
地面を何度ものたうち回ったことで、全身から発した炎は掻き消えていた。
それでも身体中の火傷は消えることはない。
苦痛を通り越し、感覚そのものが消失しているようだった。
何とか、立ち上がろうとした。
だが、無理だった。
全身の火傷による消耗が大きく。
そして、俺の右足は銃弾によって撃ち抜かれていた。
「バッツが来たぜ、レッドフード。助けを呼ぶといい」
全身に手傷を負っているにも関わらず、ジョーカーはその笑みを絶やすことは無い。
傷付いているにも拘らず、この男はのらりくらりと立っていた。
その右手に、のたうち回っていた俺から奪った拳銃を握り締めながら。
銃口からは硝煙が発せられている。この銃で俺の右足は撃ち抜かれた。
ジョーカーの右足を撃ち抜いたのと、同じように。
視線を、動かした。
アサシンはバーサーカーによって胸を貫かれ、ゴミのように薙ぎ払われていた。
地面に崩れ落ちたアサシンはそのまま立ち上がることも出来ず。
歯軋りをしながらバーサーカーを見つめ、その身を光の粒子へと変えていく。
アサシンを構成する身体――――その魔力の霧散、ということは傍目から見ても理解できた。
そして、バーサーカーはあの男に襲い掛かった。
漆黒のコスチュームを身に纏うヒーローに。
俺の師であり、相棒であり、憎むべき相手。
闇の騎士――――バットマンに。
結局の所、レッドフードとしての戦いは最後まで邪魔をされ続けた。
俺が幾らジョーカーを殺そうとしても、奴は俺の前に立ちはだかってきた。
殺してはならない、私はお前を救いたい、そんなことを口にしながら奴は俺の壁となった。
俺が救いたいというのなら、ジョーカーを殺せ。
俺の救いは、奴の死でしか得られない。
なあ、ブルーシィ。
アンタはまた俺の邪魔をするのか。
己を律して、周囲を犠牲にしたって構わないのか?
己が狂わない為に、周囲を死に至らしめるのか?
きっと奴は、同じように答え続けるだろう。
『殺さない』と。
『絶対に一線は越えない』と。
はは、はははははは。
例えどれだけの矛盾にぶつかろうと、悪党に恐怖を振りまくことだけを答えとするのか。
アンタはやっぱり――――――とっくに狂ってる。
ブルーシィ。
俺も、狂っているさ。
怒りと憎しみがあべこべになって、イカレちまってるさ。
だがな。
アンタとは違う。
自己満足で掟を貫くだけのアンタとは、絶対に違う。
俺は、奴を殺せる。
奴を、殺せる。
殺せる。殺せる。殺せる。
そう、殺す。
殺してやる―――――――――――――――
「殺、す…………殺してやる………お前だけ、は………―――――」
ゴキリ。
【レッドフード@バットマン 死亡】
【アサシン(チップ=ザナフ)@GUILTY GEARシリーズ 消滅】
◆
怨嗟の言葉を吐き出し切る前に、ジェイソンの意識が暗転した。
何が起こったのか、理解することも出来なかった。
ジョーカーに頭部を掴まれ、首をへし折られたことさえ認識することは無かった。
たった一瞬。1秒にも満たぬ動作だったからだ。
それが、ジェイソン・トッドが命の灯火を消すまでの時間。
首を捩じ曲げられたジェイソンは、糸の切れたマリオネットのように静止した。
「HA HA HA HA HA HA HA HA !!!!!!」
レッドフード―――ジェイソンの亡骸を蹴り飛ばし、ジョーカーは嘲笑う。
バーサーカーの一撃によって吹き飛ばされ、地面を転がるバットマンへと視線を向ける。
バットマンは体勢を整えて再び立ち上がらんとした。
だが、気付いてしまった。
ジェイソン・トッドの末路に。
かつてのサイドキックの最期に。
バットマンは目を見開き、ジェイソンの亡骸を見据えた。
物言わぬ屍と化した彼を、ただ無言で見つめていた。
―――――過去の悪夢がフラッシュバックする。
ジョーカーの罠に嵌り、小屋へと監禁された『ロビン』。
現場へと必死に駆け付け、彼を助けんとした己自身。
ついに小屋へと到着し、救出せんとした直後。
眩い閃光と共に、小屋が爆炎に包まれ―――――――――
「自分の掟を貫いた結果、『また』ロビンを失うことになっちまうなんてなァ!!」
「黙れ」
バットマンは、再びジェイソン・トッドを喪った。
一度目は、ジョーカーの卑劣な罠に掛かる形で。
二度目は、自らの行動によって『ジョーカーが勝利する猶予を与えた』ことで。
闇の騎士は、ただ道化師の言葉を拒絶することしか出来ない。
「HA HA HA HA HA HA HA HA HA――――――最ッ高のジョークだ!!」
「………黙れ!」
「バァァァッツ!!アンタは掟の為に過去のサイドキックを殺した!!バットマンは狂わない為の掟に狂わされちまったのさァァァァ!!!」
道化師は心底楽しそうに嘲笑う。
かつて宿敵の謀略によって喪われた相棒は、思わぬ形で蘇生を果たした。
彼は宿敵を殺さず野放しにしたままのバットマンを憎んだ。
何故奴を生かしている。
何故俺を殺した奴を赦している。
奴を生かせば更なる犠牲が出る。
彼は、ジェイソン・トッドは憤った。
それでも尚、バットマンは掟を貫き続けた。
不殺の誓いを決して破らず、ジョーカーの殺害という道を否定した。
同時に、ジェイソン・トッドを救うことを望んだ。
この聖杯戦争に於いても、バットマンは変わらずにそう在り続けた。
その結果、ジェイソンは――――――――――
「黙れ――――――――ッ!!!!!」
道化師の言葉を掻き消すように、闇の騎士が吼えた。
瞬時に地を蹴り、ジョーカーへと目掛けて駆け抜ける。
彼を捕まえるべく、止めるべく、その腕を構える。
だが、バットマンは突如として弾き飛ばされた。
彼の行動に即座に反応し、立ちはだかったバーサーカーが右腕を振るったのだ。
スペックで遥かに劣るバットマンが叶う筈も無く。
彼の肉体は、容易く吹き飛ばされる。
「ねえ、この男って」
「ああ、こいつが俺の『サイドキック』さ。
まさか愛しの王様がこんなにも早く駆け付けてくれるなんてなァ」
バーサーカーがジョーカーに問い掛ける。
この男が君のサーヴァントなのかと、直感したのだ。
笑い顔を絶やさぬまま、ジョーカーはそれに答える。
まさかここまで早くバットマンが駆け付けてくれるとは思わなかった。
とはいえ、来たなら来たで万歳とでも言うべきだろう。
彼が来た御陰で、かつての相棒が目の前で命を落とすという『悲劇』を見せつけることができたのだから。
それだけでも、心底楽しかった。
「殺すべきかな?」
「いいや、まださ。俺とバッツのロマンスを終わらせるにはまだ早ェ。
もっともっと楽しませてやんなきゃ気が済まねえのさ」
バーサーカーの提案を一蹴し、ジョーカーは語る。
この程度で終わらせる等、笑止。
主演の役者であるジョーカーにはもっと頑張ってもらわないと詰まらない。
自分もこれからまだまだジョークを叩き付けてやらねばならない。
故に、ここで決着はつけられない。
不敵な笑みを浮かべながら、ジョーカーがバットマンを見据えていた矢先。
何処からともなく、閃光が走った。
それは近くの建物の屋上からか。
雷のような残光と共に、一筋の流星が放たれ。
一直線に、バーサーカーへと目掛けて飛んでいく。
バーサーカーは、目を見開いた。
まるで星にも似た輝きが、己へと迫り来るのを見据えた。
異様な速さで迫り来るソレを、ただ眺めることしか出来なかった。
其の名は『魔弾の射手(アルテミス)』。
それはギリシャ神話に名を連ねる狩猟の神より簒奪した権能。
どこまでも獲物を追い立てる神速の光矢。
狙った獲物を必ず穿つ、究極とも言える飛び道具。
無銘の冥王――――「ジョン・『プルートー』・スミス」が弓兵として召還された所以。
流星の如く駆け抜けた魔弾を叩き付けられ、バーサーカーは眩い光に包まれた。
◆
光が晴れた頃には、二人の影は姿を消していた。
狂気の道化師。白の狂戦士。
彼らの姿は綺麗さっぱり『いなくなっていた』。
恐らくは狂戦士が道化師を抱え、その場から逃走したのだろうが。
あの魔弾が直撃して尚、即座に撤退することが出来たのか。
生半可な耐久力の持ち主ではない、ということは悠に理解できる。
そもそもこの極僅かな時間で逃走することが可能なのか。
恐らく、それが白い狂戦士の能力なのだろう。
アーチャー/スミスは知らないことだが、バーサーカーは矢の攻撃を受けた直後に『空間転移』を行った。
それによって瞬時にジョーカーを回収し、そのまま再度の空間転移で逃亡したのだ。
幾らジョーカーと言えど、あれだけの負傷を負ったまま再び戦闘に縺れ込めば、ただでは済まなかっただろう。
《申し訳ない――――逃げられてしまった。
随分と逃げ足の速い『こそ泥』だったようでね》
遅れて現場に駆け付けたディック・グレイソンは、念話でそう伝えられる。
近場から駆け付けた数名の警察官、そして通行人らは謎の爆発事故の犠牲となった。
更に爆発に巻き込まれたパトロールカーが吹き飛び、他の車両と衝突する等の形で二次災害が発生した。
そのことで現場を中心に交通網が混乱し、ディックら喫茶店の警官達の救援が遅れることになった。
更に犯人らは乱入者の出現によって逃亡してしまった為、現場到着も事後になってしまった。
尤も、アーチャーがサーヴァントの身体能力を活かして先んじて到着したことにより、犯人を知ることは出来た。
《アーチャー、この件の犯人は――――》
《ああ、恐らく君の言っていた男だ。
あれはまさしく道化師だったよ。場違いなまでのね》
やはりか、とディックは思う。
喫茶店でほぼ確信していたことだったが、今回の件で確定したと言ってもいい。
この街にはジョーカーが存在している。
それも聖杯戦争の参加者として、だ。
アーチャーによれば、彼は『白い装甲を身に纏ったサーヴァント』と共にいたらしい。
サーヴァントは敵からジョーカーを守るような行動を取っていたという。
恐らく、アレがジョーカーのサーヴァント。
ジョーカーはマスターとしてこの地に呼び寄せられたのだ。
あの男が聖杯を手にすれば、どうなるのか。
最悪という他無い。
混沌を望む狂人の手に奇跡の願望器が渡ること等、絶対にあってはならない。
ジョーカーは必ず止めなければならない―――――ディックはそう決意する。
同時に、アーチャーが再び念話を飛ばしてきた。
ディックにあることを伝えたのだ。
《――――残っているのは、「彼」だけさ》
その言葉を聞き、ディックは敷地の外から燃え盛るシャルモンを見つめる。
店舗のすぐ側に、一つの影が立っているのが見えた。
あれは一体何者だ。
そう思った直後、彼は気付く。
その姿を見て、ディックは目を見開いた。
その容貌、衣装を忘れる筈もなかった。
この偽りの街で姿を見せなかった彼が、目の前にいる。
漆黒の衣装。
蝙蝠を思わせるデザイン。
闇の騎士とでも言うべき出で立ち。
それはまさしく、ディック・グレイソンのかつての相棒だった。
「ブルース、なのか」
ブルース・ウェイン。
ゴッサムの守護者――――バットマンだった。
バットマンがいることは、不思議ではない。
この街にはディック・グレイソンがおり、レッドフードがおり、そしてジョーカーがいる。
ならばバットマンがいても不思議ではない。
否、これだけの役者が揃っているのだ。彼がいない方がおかしい。
ディックはそんなバットマンを見つめ、接触しようとした。
だが彼はシャルモンの庭で、沈黙していた。
足下に転がる亡骸を、ただ無言で見つめていた。
それは赤い覆面を被った男であり。
バットマンと同じく、ディックと縁のある人物だった。
「ジェイソン…………?」
ディックはその名を、ぽつりと呟いた。
ジェイソン・トッド。
初代ロビン――――ディック・グレイソンの解雇後、バットマンが新たなロビンとして選んだ人物。
高い身体能力と格闘能力を駆使し、バットマンの相棒として遜色の無い活躍をしてきた青年。
そして、ジョーカーの罠に嵌って命を落とし。
その後『レッドフード』として犯罪者殺しへと身を落とした、かつての仲間。
ジェイソン・トッドを救いたいと思っていた。
人殺しの道を歩んだ彼を止めたいと思っていた。
ジェイソンもまたディックには心を開き、『昔の関係に戻りたい』と伝えたこともあった。
それでもレッドフードとして突き進み続けるジェイソンと、ディックは幾度と無く衝突した。
だが、そんなジェイソンは死んだ。
今此処で、眼前に、死体が転がっていた。
ディックはただ、唖然としたまま彼の遺体を見つめることしか出来なかった。
そんなディックを一瞬だけ見た後、闇の騎士は再び跳ぶ。
そのまま空中へと飛び去り、その姿を消した。
闇の騎士が去った直後、サイレンの音が耳に入る。
通報によって出動した消防隊が漸く到着したらしい。
炎上するシャルモンの消火に当たるべく、彼らは急ぎホースを握り締めた。
ゴードン警部補はそんな彼らを眺めた後、ちらりと上空へと顔を向ける。
あの蝙蝠男は何者だったのか。
白い面の男を追っていたのか。
グラスホッパーとも明らかに違う――――彼は何者なのか。
疑問を胸に抱きつつ、ゴードンはディックに顔を向ける。
「ディック。検察から連絡があったが……『あの男』がやけに喫茶店の事件に興味を示しているらしい」
「……あの、男?」
ジェイソンの死体を前にし、唖然と立ち尽くすディックにそう告げるゴードン。
それに対するディックの疑問の声に、彼は答える。
『喫茶店の怪死事件』に興味を持つとされる者の名を。
◆◆◆◆
ヤン・バレンタインへの尋問で解ったことが一つ。
つい最近になり、ピエロのような男がナチ共の下を訪れたらしい。
その男は常に口を歪め、まるで世界を嘲笑うかのように戯けていたという。
下らぬヤク中の類いかと思った。
あの町内のラジオを耳にするまでは。
喫茶店での大量殺人事件。
被害者は全員笑い死に。
容疑者は直前に店内へと足を踏み入れた『白塗りの顔の男』。
現場に残されていたのは『JOKER』のカード。
胸騒ぎがした。
俺はすぐに現場へと向かった。
だが、その途中で俺の従者が敵の存在を告げた。
近くにサーヴァントの気配があると、伝えてきたのだ。
俺は一先ず、敵を優先することにした。
その結果、俺は奴を目撃した。
あのヤン・バレンタインが言及していた『ピエロのような男』を。
俺は燃え盛る菓子店の周囲集う野次馬共の脇で、一瞬だけ奴を目撃した。
奴は己の白い面に、赤い笑みを貼り付けていた。
あの瞬間、奴が狂人であることをすぐに理解した。
すぐさま攻撃しようとしたが、結局逃げられてしまった。
赤覆面の男の姿も見えたが、すでに事切れていた。
どうやらあの道化の手で殺されたらしい。
時期に警察が来るだろうと踏んだ。
それ故に俺はすぐさまその場から離れた。
僅かに見ただけでも理解できた。
あの道化は恐らく、愉快犯だ。
悪を楽しみ、悪に生き甲斐を見出す、救いようのない存在だ。
生かしておける筈の無い屑そのもの。
犯罪者の分際で世界を嘲る存在にでもなったつもりか。
あの下衆な道化よりも余程世界の本質を理解したコメディアンを俺は知っている。
その男に比べれば、奴など所詮は三流の外道に過ぎない。
そして、奴のような外道を摘むのがヒーローの役目だ。
舞台は聖夜の装飾に包まれた街。
着飾られた華美な照明の下、道化師は堂々と姿を現した。
よもや己が聖夜の主演とでも思い込んだか。
だが、それはとんだ妄想に過ぎない。
恥知らずの道化師は、暴力を以て舞台を引き摺り下ろされるだろう。
そんな道化師を見て、大衆は阿呆のように嘲笑う。
どれだけ目立とうとした所で、道化は道化に過ぎない。
哀れで愚かしいジョークだ。
そう、ジョークにしてやる。
お前の下らん凶行も、悪徳も。
この
ロールシャッハが、全て覆してやる。
【MIDTOWN COLGATE HEIGHTS/1日目 午後(夜間より少し前)】
【ディック・グレイソン@バットマン】
[状態]精神的疲労(小)、ジェイソンの死への衝撃と悲しみ
[令呪]残り3画
[装備]警官としての装備
[道具]なし
[所持金]5千円程度
[思考・状況]
基本:街の治安を守る
1.???
2.昼は警官としての職務をこなし、夜はナイトウィングとして自警活動を行う
3.ジョーカーを追う
4.喫茶店の事件に興味を示していると言う御剣怜侍が気になる。
5.元のゴッサムシティには存在しなかった企業・団体等を調査して聖杯戦争の参加者を割り出す
6.街や知人にバットマンに関する記憶、痕跡が一切ない状況に困惑と動揺
[備考]
※ロールシャッハの噂(コートとマスクの怪人)から彼がクエスチョン@DCコミックスである可能性を考慮しています
※令呪は右手の甲に存在します
※ジョーカーがマスターとしてこの街に存在すると半ば確信しています
※ジョーカーの活動から、バットマンも存在している可能性を考慮しています
※レッドフード(ジェイソン・トッド)の死を知りました。
※ライダー(バットマン)のパラメーターを視認しました。
【アーチャー(ジョン・『プルートー』・スミス)@カンピオーネ!】
[状態]魔力消費(小)、ジョン・『プルートー』・スミスの姿
[装備]闇エルフ製の魔銃
[道具]携帯電話
[思考・状況]
基本:ディックのやりたい事に協力する。
1.ディックと情報を共有し、次の行動を考える。
2.「白いアーマードライダー」「緑の……(アーマードライダー?)」とは何者だろうか。
[備考]
※「変身」スキルの副次的恩恵により、アニーの姿の時は擬似的な気配遮断効果・情報秘匿効果が発生します。
※ユグドラシル傘下のハイスクール内で調査活動を行いました。
※グラスホッパー団員の女子生徒から連絡先を入手しました。
※アーマードライダー、インベス、
ヘルヘイムの森の存在を確認しました。
※12月20日以前における活動状況については後続の書き手さんにお任せします。
【ロールシャッハ@ウォッチメン】
[状態]健康
[令呪]残り3画
[装備]ワイヤーガン
[道具]ベイクドビーンズの缶詰、角砂糖
[所持金]5千円程度
[思考・状況]
基本:誰が何と言おうと、聖杯を破壊する。悪党は殺す
1.ジョーカーを追跡し、殺す。
2.
多田李衣菜らとの共闘。ただしあくまで自分の目的を優先。
3.ネオナチの組織を潰す。
4.
ヤモト・コキについては見つけ次第罰する。
[備考]
※アサシン(チップ=ザナフ)バスター(ノノ)の外見、パラメーターを確認しました
※多田李衣菜と連絡先を交換しました。
他にも何かしらの情報を共有しているかもしれません。
※NPCのヤン・ヴァレンタインに尋問を行いました。
ネオナチの組織に関して何かしらの情報を掴んだようです。
※ジョーカーの姿を少しだけ視認しました。
※ライダー(バットマン)、バーサーカー(ン・ダグバ・ゼバ)のパラメーターを確認しました。
【アサシン(
シルバーカラス)@ニンジャスレイヤー】
[状態]健康、気配遮断
[装備]ウバステ
[道具]なし
[思考・状況]
基本:マスターに従う
1.多田李衣菜達と共闘。
2.赤い覆面の男(レッドフード)に警戒。
3.多田李衣菜、バスターへの複雑な心境。
4.ヤモト・コキについては……
[備考]
※アサシン(チップ=ザナフ)バスター(ノノ)の外見を確認しました
【バーサーカー(ン・ダグバ・ゼバ)@仮面ライダークウガ】
[状態]魔力消費(大)、魔力回復中、肉体にダメージ(中)、ちょっと上機嫌
[装備]特筆事項なし
[道具]特筆事項なし
[思考・状況]
基本:もっと、もっと笑顔になりたい。
1.ジョーカーに期待。
2.少佐の話す"戦争"への興味。
[備考]
※しばらくジョーカーと行動を共にするつもりです。
※宝具『白き闇』に魔力炉としての機能があるため、マスターの魔力が少なくとも十分な能力を発揮できます。
また魔力炉によって通常のサーヴァントよりも効率よく魔力回復が行われます。
※空間転移は行使可能ですが、消費魔力が大きく乱発は出来ません。
※どこへ逃走したのかは不明です。
【ジョーカー@バットマン】
[状態]左肩と右足に銃創、全身に打撲、腹部に刺傷、愉快
[令呪]残り三画
[装備]拳銃(ジョーカー特製)、造花(硫酸入り)、笑気ガス、等
[道具]携帯電話
[所持金]不明
[思考・状況]
基本:聖杯戦争にとびきり悪趣味なジョークを叩き付ける。
1.?????
2.バーサーカー(ダグバ)を"腹の底から"笑わせてやる。
3.バッツに捧げるジョークの下準備も忘れない。
[備考]
※車は既に破棄している模様です。
※デストロイヤー(加藤鳴海)のパラメーターを視認しました。
※どこへ逃走したのかは不明です。
【ライダー(バットマン)@バットマン】
[状態]魔力消費(極小)、疲労(小)、肉体的ダメージ(中)、苦悩
[装備]バットスーツ、疑似的な飛行(滑空に近い)を可能とするマント
[道具]バッタラン、殺生以外の様々な用途に用いる手榴弾、グラップルガン、爆破ジェル、ショックグローブ等
[思考・状況]
基本:ゴッサムシティを守る
1. ???
2. ジョーカーの野望を挫く
3. 赤髪のアーチャー(ジャスティス)に最大限の警戒
4. アーチャーのマスター(前川みく)への僅かな驚愕
5. あの鎧の戦士(龍玄)とアーチャー(
暁美ほむら)に警戒
[備考]
※現在ジョーカーの位置を探しています
※並行してゴッサムに迫る危機も守ろうとしています
※アルフレッドの姿を、可能なら見てみたいと思っています
※ジャスティスと交戦しました
※宝具『衆愚の街、背徳の翼』は日没~夜明けまでの夜間にのみ発動します。
自動発動のため夜間では常に宝具による能力補正が与えられます。
※MIDTOWN COLGATE HEIGHTSのシャルモンは放火によって全焼し、中にいたNPCの従業員や客は全員死亡しました。
またNPC(細身の婦人)に仕込まれた爆弾によってCOLGATE HEIGHTSで複数の通行人と数名の警察官が犠牲になりました。
※バットマンとジョーカー、ン・ダグバ・ゼバが多くの野次馬に目撃されました。
またバットマンは複数の警官にも目撃されました。
最終更新:2016年08月21日 16:44