【設定】
連邦軍の伝統量産機であるアナハイム製ジム系量産型MS。
サナリィ(S.N.R.I.: Strategic Naval Research Institute, 正式名称:海軍戦略研究所)が連邦軍に提案したMSの小型化計画を受けてアナハイムが開発したのが本機である。
基本設計としては
ジェガンを小型化しただけであるが、その分出力に余裕が出て機動力が向上している。また機体の軽量化によって想定よりも高い性能を示している。
生産・運用コストは低く整備性も良いという利点が開発・ロールアウト当時の世相を反映している。
しかし旧式機を小型化しただけという微妙な性能(特にジェネレータ出力)と開発当時は存在していなかったビーム・シールドなどの最新技術には対応できず、性能面ではビーム・シールドなど最新鋭の装備を持つクロスボーン・バンガードの機体には劣っていた。
さらには
第2次ネオ・ジオン抗争以降大きな戦争が起こっていなかった事による連邦軍パイロットの錬度不足(正確には腕利きは半ば機密部隊的な状態で残党狩り等に就いていた為、一般パイロットとの差が大きく開く様になっていた。)により、劇中では機体の性能差だけでは片付かないほどのヤラレっぷりを晒していた。
上述の通りMS小型化計画に消極的なアナハイムに見切りをつけたサナリィは、独自のMS小型化計画「フォーミュラー計画」を発動、
ガンダムF91を開発するのであった。
上記の通り劇中の時代ではもう時代遅れという悲しい機体(?)ではあるものの、ジム系MSの特徴ともいえる生産性の高さによりクロスボーン・バンガード建国戦争以降も使用され続け、ザンスカール帝国侵略戦争でもその姿が確認されている。
余談だが、劇中には本機に良く似た機体「Gキャノン」も登場する(基本バックパックにガトリング砲2門を装備。ヘビーガン共々ヤラレ役)。この機体の開発に関してサナリィとアナハイムの間に諍いが生まれ、両者の対立を決定付けたらしい。
【武装】
頭部バルカン砲
頭部に2門内蔵された小型機関砲。
ビーム・ライフル
銃身保護と射撃精度向上のため、フルバレル構造を採用している。
コロニー内ではコロニー構造物を傷付け穴を開けたり等しないようにサブセンサーがコロニーの構造物を
射線に捉えた場合コロニーを傷付けない出力に抑えるリミッター機能が搭載されている。
ビーム・サーベル
標準的な近接戦闘用武装。1基のみ装備されている。
ハンドグレネード
腰の左右に4基ずつ、計8基装備。コロニー内戦闘を考慮して威力を抑えている為、対MS戦には不向き。
シールド
一般的な腕部マウントのみの実体盾。Eパック搭載や武装搭載機能などは無いシンプルな物。
【劇中での活躍】
劇中ではビルギット・ピリヨ他連邦一般兵が搭乗。GM系の怨念というかやっぱりというべきか連邦軍のやられ役である。
しかしビルギット機は、撃墜数自体は1機と少ないが、シーブック・アノーのガンダムF91と連携して性能差をものともせずかなりの戦果を上げている。
作品終盤、バグによって集中攻撃を受け撃破される。
コスモ・バビロニア建国戦争の前日談である第2次オールズモビル戦役および10年後の木星戦役においても、連邦軍の一般配備MSとして登場。
ザンスカール戦争時にもマケドニアコロニーの防衛用として運用されている。
改修はされているものの、この頃には時代遅れもいい所であり、ザンスカール帝国軍のモビルスーツには一方的に撃破されている。
【パイロット説明】
ビルギット・ピリヨ
CV:塩屋翼
地球連邦軍のモビルスーツパイロット候補生。
「ニュータイプなんて言っても~」の台詞に代表される様に、若干皮肉屋である。が、F91に乗せられる羽目になったシーブックのフォローをしたり、難民船と化していながらも戦場に出されそうになったスペースアークの脱出経路を探すなど、性根は優しい人物。数少ない軍人としてクロスボーン軍と戦うがコロニー内に入ったバグとの戦闘で突出した為、囲まれて撃破され死亡した。
【原作名言集】
- 昔さ、ニュータイプってモビルスーツに関してはスペシャリストがいたよな。そういうのって大概、個人的には不幸だったんだよな?
- 父のレズリーを失ったシーブックに言った言葉。
確かにニュータイプに覚醒した人のほとんどは不幸な結末を迎えているが、シーブックは(紆余曲折あったものの)セシリーと結婚し、子供を授かる事ができた。
- 俺が牽制するから貴様が落とせ。
- シーブックとF91の実力を認めて自ら囮役を買って出る。
- 人間だけを殺す機械かよ!
- バグに対して。ビルギットはバグの攻撃で戦死するためか、「ビルギットだけを殺す機械かよ!」とネタにされることも。
【ゲーム内での活躍】
ガンダムVS.ガンダム
ガンダムF91のアシストとして登場。
敵機に3回ビーム・ライフルを発射するが、命中精度が著しく低い為、ダメアシストの烙印を押されている。
ガンダムVS.ガンダム NEXT
前作と引き続きF91のアシストとして登場。
登場直後に1発発射するので、ズンダに挟むなどある程度コンボに組み込め無印よりは使い勝手が良くなっている。
ビルギットの言葉通り「俺が牽制するから貴様が落とせ」ということか。
また、バグか仕様かは不明だがシールドの硬直をアシストでキャンセルできる。NEXT-PLUSでもできるからおそらく仕様。
これによって相手の格闘をシールドガードした瞬間、相手のよろけ中にアシストの攻撃>本体の攻撃が確定する。
ゲームの仕様上格闘をシールドガードするのが難しいが、一度当てれば(特に格闘機に対して)いいプレッシャーになるので狙ってみる価値はある。過度に狙いすぎて立ち回りが崩れるのもあれだが。
どうでもいいがアシスト召喚→敵の弾でアシスト破壊と味方機撃破が連続して起こると「ビルギット!」「迂闊だ、出すぎだ!」という原作の台詞再現が行える。誰が得するのかは不明。……多分、状況から考えると敵が得する。
EXVS.シリーズ
F91のアシストとしての役目は
ビギナ・ギナに譲ったが、モブ機として参戦。
単発ダウンのライフル、受身の取れないダウンになるタックル、と鬱陶しい方向に武装が一通りそろっている。
【その他の活躍】
ガンダムビルドファイターズ
第14話の第7回ガンプラバトル選手権世界大会予選第5ピリオドの玉入れで登場。
勝利した白組の一員として勝鬨を上げていた。