――その眼で世界を視てきた
だが、いくら世界が変わろうと人の本質は変わらない
富士山の大噴火、未曾有の大災害により多くの人々は死んだ。だが、その『程度』の犠牲では世界は変わらない
人は何処までも愚かだ。すぐに忘れ、学ばず、何が起きても国が「なんとかしてくれると」思っている
愚民が臣民の光を翳らせる。それが続く限り、世界は腐り続けるだろう
―――その翳を打ち払い、世界に燦然たる天照の輝きを齎せるのは我らしかいない
世界に平等を、公正明大な世を、全ての民にふさわしい光を
○ ○ ○
「……ほう、制限されているとは言え私の一撃を防ぐか、天晴な男だ」
その触発とも言うべき邂逅は一瞬の内に終えた
黒肌の偉丈夫が、見るからに好漢とも言うべき黒スーツの男が眼前の相手を視る
「……私の専門はあくまで裏方です」
偉丈夫とは対象的に、白衣に身を包んだ男は同じく偉丈夫を見据る。その首元に冷や汗を流しながら
最初の邂逅、もとい触発は一瞬であった。偉丈夫は決戦の日を待つ存在であり、その刻が近づいた
だが、来たのは決戦の日ではなく理想もなにもないただの殺し合い
だが、来たのは決戦の日ではなく理想もなにもないただの殺し合い
偉丈夫の方も気配に敏感だったのだろう。故に放った牽制の一撃。そしてそれを既の所で『隔離』し、いなした白衣の男
だが、牽制だとしても偉丈夫は真祖が一人。ただの人間や並の異能者は即死する。だが白衣の男は偉丈夫の知らぬ力を以ってその攻撃に対応した。さらに言えばそれに興味を持った
だが、牽制だとしても偉丈夫は真祖が一人。ただの人間や並の異能者は即死する。だが白衣の男は偉丈夫の知らぬ力を以ってその攻撃に対応した。さらに言えばそれに興味を持った
「だが、素晴らしいものだぞ、その力は。吸血鬼の力とも別種。しかも私の攻撃を防いでみせた。その力、確かなものだぞ!」
「……吸血鬼?」
「いや失敬。未知の力を前に思わず口を漏らしてしまった。その事は後にしよう。それと警戒していたとは言え否があったのは此方側だ。せっかく出会ったのだ。そちら側から聞きたいことはあるかね?」
「……吸血鬼?」
「いや失敬。未知の力を前に思わず口を漏らしてしまった。その事は後にしよう。それと警戒していたとは言え否があったのは此方側だ。せっかく出会ったのだ。そちら側から聞きたいことはあるかね?」
未知への探究心が先走り、白衣の男に困惑の一言を漏らさしてしまった。先の牽制の謝罪も口にし、その対価も与える
白衣の男は、偉丈夫の言葉に少しばかり意外そうな顔をしながら、相手の真意を探るのを兼ねて言葉を発する
白衣の男は、偉丈夫の言葉に少しばかり意外そうな顔をしながら、相手の真意を探るのを兼ねて言葉を発する
「……では一つ。あなたは、今の世界の在り方をどうお思いでしょうか?」
白衣の男が、問いかけるが如く偉丈夫に言葉を紡ぐ
「愚か。その一言に尽きる。世界は何もしない愚民どもで溢れ返り、臣民はその翳に覆われ、衆愚政治は続いてゆく。だからこそ、我らはこの世界を変えようと立ち上がったのだ」
「世界を変えんが為に、と?」
「そう受け取ってもらっても構わん。が、私が本当に望むのは、誰もが相応しい光に照らされる、公正明大な世――陰無き世界だ!」
「世界を変えんが為に、と?」
「そう受け取ってもらっても構わん。が、私が本当に望むのは、誰もが相応しい光に照らされる、公正明大な世――陰無き世界だ!」
公正明大。光。偉丈夫の根幹に刻まれた柵。悪く言ってしまえば実力主義である。が、それ故に平等。力があるからこそ誰もが高みへと上り詰める機会は平等。そこに弱者強者という差による柵は存在しない
「――貴様はどうだ?」
太陽の輝きの如く神々しくその理想を言い切り、改めて白衣の男の理想を問いただす
「――私は、医者です。医者は人を救う者。命の価値は千差万別無く平等に」
白衣の男は医者だ。その生命に善惡の区別なく。ただ命を救うもの
「だけど、私は愛想が尽きたのです。一人の命を救うたびに、世界では何万人のも命が失われる事に」
だが世界とはあまりにも残酷だ。誰かが救われると同時に、それ以上に誰かが死ぬ。戦争、飢餓、その他諸々の理由で。救える命など世界という視点で見れば砂漠に広がる砂をほんのひとすくいぐらいだ
「私はこの世から権力闘争を無くしたいのですよ。地球の資源とは無限大ではない。愚民どもの下らぬ争いが資源を食い尽くし、何処かで犠牲を生む。それが永遠に続く」
白衣の男はその現実を前に無力感を覚えた。救っても救っても救い続けても人災によって死者は増え続ける。全ては救いきれない。救った所で犠牲は増え続ける
「同じ権力であろうと闘争は止められない。戦争が止むことはない。それは人という種に課せられた原罪そのもの。人の手で争いを止めることが出来ぬのならば―――」
人と人が争う。それはアダムとイヴが知恵の実を食べた結果。知恵を得て、欲を得て、戦う力を得て、欲と欲がぶつかり合い、その果てに戦いが起き、戦争が起きた
人の世から戦争という災害を無くさんが為には
人の世から戦争という災害を無くさんが為には
「それこそ、世界の再編が必要なのだ」
白衣の男は知っている。それほどの力を持った存在を。人を幻創へと進化させる神の子の存在を
それを知っているからこそ、本来ならば届かぬ理想に手が届く。伸ばすことが出来る。人知を超えた、神の領域を知っているからこそ
それを知っているからこそ、本来ならば届かぬ理想に手が届く。伸ばすことが出来る。人知を超えた、神の領域を知っているからこそ
偉丈夫から見た白衣の男の瞳は、余りにも蒼く、そして黒かった
同じ医者でも、あの男と、正義のヒーローを名乗るあの吸血鬼とは全く別種の。その眼は、世界を知らなければ出来ない眼。自分と同じ、その眼で世界の愚かさを目の当たりにしてきた者だけが出来る、絶望の瞳であった
同じ医者でも、あの男と、正義のヒーローを名乗るあの吸血鬼とは全く別種の。その眼は、世界を知らなければ出来ない眼。自分と同じ、その眼で世界の愚かさを目の当たりにしてきた者だけが出来る、絶望の瞳であった
「貴様は医師ではなく、理想家になるべきだったな」
偉丈夫は、そんな思いのまま言葉を掛けた。その男は医師として、余りにも世界を知りすぎた。特に命に関わる存在として、その事実に耐えられなかったか、それ故に理想に順ずる程に狂ってしまったか
「かつての仲間に似たようなことを言われましたよ」
白衣の男は、まるで気にしないかのように言い返す。偉丈夫は少しだけ考え込んだ後に
「そうか。では一つ提案だ。私と手を組まないか?」
「……構いませんよ、こちらとしては」
「……構いませんよ、こちらとしては」
白衣の男に提案。それに対しほぼ瞬時に言い返していた。元より白衣の男はあの一瞬で偉丈夫の実力を感じ取った。ある意味妥当な判断だ
「あっはっは!! 決断が早いのは感心するぞ!」
「元よりそれしか選択肢は無かったでしょうに」
「元よりそれしか選択肢は無かったでしょうに」
だが、それを含めてもこの白衣の男は有能かつ活用できる。自分の攻撃を『隔離』した能力は未知数だ。それはこちらが情報を提供する際に聞き出すとして
白衣の男からすれば選択肢は無かった。実力差を理解していたが故に
白衣の男からすれば選択肢は無かった。実力差を理解していたが故に
「名乗りがまだだったな。私は日ノ元士郎。……燦然党が首魁。吸血鬼の『真祖』だ。一時とは言えこれからは仲間だ、よろしく頼むぞ!」
「マザー・クラスタ『水の使徒』、そしてアースガイド北米支部長。オフィエル・ハーバート。以後お見知り置きを」
「マザー・クラスタ『水の使徒』、そしてアースガイド北米支部長。オフィエル・ハーバート。以後お見知り置きを」
お互いに世界をその眼で視て、知り、絶望と諦めの果てに理想へとひた走った二人
それは、余りにも世界にとっての災厄であることに変わりはなかった
それは、余りにも世界にとっての災厄であることに変わりはなかった
○ ○ ○
(……日ノ元士郎。なるほど)
オフィエル・ハーバート。マザー・クラスタ『水の使徒』。アースガイド北米支部長。行き詰まった地球(ほし)を救い、世界の再編を望むもの
どのような最新技術があろうとも、救える命には限度があり、その限度を超える犠牲が世界各地で勃発している。それを無くさんがため、彼は世界の再編を望んだ
どのような最新技術があろうとも、救える命には限度があり、その限度を超える犠牲が世界各地で勃発している。それを無くさんがため、彼は世界の再編を望んだ
(アーデム卿よりも人間味はあるということか)
サー・アーデム・セークリッド。アースガイドの長。進化を以って世界を変えようとした者。人の形をした神の子。己が部下にすら何の感傷も持たず幻創種への進化のために結果として奪う人とは違う生き物。その奥底の本心は、自分では考えの及ばぬ御使い
(……日ノ元士郎。もしあなたがマザーやアーデム卿以上の可能性を示すのであれば、私はあなたに忠誠を誓いましょう)
オフィエルがマザーやアーデムに仕えたのは己が理想の為。そのためならば他者を切り捨てることすら厭わない。それが単純無比な虐殺であろうと
日ノ元士郎。彼の理想はオフィエルからしてもお世辞とは言え素晴らしいと思えるものだ。公正明大、そして光。それが日ノ元士郎の根幹にあるもの
これはオフィエルの個人的な妄想であるが、彼は日陰たる立場、その存在故に光を求めたであろう。故に、そんな翳の住人すらも平等に光を浴びることの出来る世界を望んだのかも知れない。いや、おそらく本当に光を望んでいるのは彼自信か―――
日ノ元士郎。彼の理想はオフィエルからしてもお世辞とは言え素晴らしいと思えるものだ。公正明大、そして光。それが日ノ元士郎の根幹にあるもの
これはオフィエルの個人的な妄想であるが、彼は日陰たる立場、その存在故に光を求めたであろう。故に、そんな翳の住人すらも平等に光を浴びることの出来る世界を望んだのかも知れない。いや、おそらく本当に光を望んでいるのは彼自信か―――
(―――ですが、もしそうでなければ)
だが、残酷にも世界には適正というものが存在する。幻創種への進化の適正の有無のように
日ノ元士郎。もし彼が『可能性』にたり得ないならば―――
日ノ元士郎。もし彼が『可能性』にたり得ないならば―――
(今はまだ、時期尚早ですが)
だが、この男は自分よりもよっぽど格上だ。単純な実力ならばマザー・クラスタ最強の使徒やアーデム卿に匹敵する程に。故に見極めなければならない。この、日ノ元士郎という男を
【日ノ元士郎@血と灰の女王】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:??????
1:??????
[備考]
※参戦時期は最低でもドミノ組との開戦前
※真祖としての力に制限が課せられています
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:??????
1:??????
[備考]
※参戦時期は最低でもドミノ組との開戦前
※真祖としての力に制限が課せられています
【オフィエル・ハーバート@ファンタシースターオンライン2】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:日ノ元士郎に同行し、彼を見極める
1:??????
[備考]
※参戦時期はEP4-8「壊れた進化」から
※隔離術式による対象の隔離及び空間接合による転移に制限が課せられています
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:日ノ元士郎に同行し、彼を見極める
1:??????
[備考]
※参戦時期はEP4-8「壊れた進化」から
※隔離術式による対象の隔離及び空間接合による転移に制限が課せられています