「両目という器官は状況把握において非常に優れた代物だ。身体が対処に追いつくかどうかは別としても、見えている限りは情報を収集できるわけだからな」
荒れ果てた教室の中、腰元まで伸びた、蒼い髪が特徴の女は、荒れた部屋で悠然と語る。
見る者すべてが美しいと称するような整った顔立ち、抜群のプロポーションに透き通るような青い肌。
この美女の名はエスデスという。
見る者すべてが美しいと称するような整った顔立ち、抜群のプロポーションに透き通るような青い肌。
この美女の名はエスデスという。
「両目を失い視界を失えばどうなるかわかるか?まず、何も見えない恐怖に苛まれ精神をやられる。慣れるまでには相応の時間を必要とするだろう」
彼女の語りを冷や汗混じりに聞くのは、氷の十字架に括りつけられた金髪の小柄な少女。
彼女の名は北条沙都子。雛見沢という村に住む小学生である。
彼女の名は北条沙都子。雛見沢という村に住む小学生である。
「ならば最初から目を瞑り暗闇に慣れておけばいい...という考えも無駄だな。『その気になれば見える』のと『どうあがいても見えない』のでは精神的な疲労は比べ物にならない。その為、拷問の際に最初から目を潰す方法もあるにはある」
「......」
「だが私は最後まで目を潰すことはせん。何故だかわかるか?」
「......?」
「目を潰せば恐怖の効率は断然いいが、それでは過程が楽しめない。自分がどうやって、なにをされているかをその目で見せた時の反応が見れなくなってしまう。
両手足の爪を一枚一枚剥がした時の苦痛を。尻から耳まで男の精を注がれた時の屈辱を。身体の皮膚を少しずつ、少しずつめくっていって、内臓が露わになっても死ねない時の絶望を味わった時の表情がな」
「ッ!!」
「......」
「だが私は最後まで目を潰すことはせん。何故だかわかるか?」
「......?」
「目を潰せば恐怖の効率は断然いいが、それでは過程が楽しめない。自分がどうやって、なにをされているかをその目で見せた時の反応が見れなくなってしまう。
両手足の爪を一枚一枚剥がした時の苦痛を。尻から耳まで男の精を注がれた時の屈辱を。身体の皮膚を少しずつ、少しずつめくっていって、内臓が露わになっても死ねない時の絶望を味わった時の表情がな」
「ッ!!」
これから私は宣言通りにお前を甚振る。
そんな、エスデスの宣告に沙都子はなにも答えない。否、答えられないのだ。
彼女の口は猿轡で塞がれているからだ。
そんな、エスデスの宣告に沙都子はなにも答えない。否、答えられないのだ。
彼女の口は猿轡で塞がれているからだ。
「当然、拷問の際には自殺する権利も没収する。相手の都合で終わられては困るからな。さて、貴様はどんな顔を見せてくれるかな?」
妖艶さすら感じる美しい微笑みでそっと沙都子の頬に手を添える。
沙都子は何もできない。
目を閉じれば、気を失ってしまえば己の末路を知らなくて済むかもしれないのにそれすらも許されない。
拘束されているのを除いても、エスデスの醸し出す空気に圧倒されているのだ。
沙都子は何もできない。
目を閉じれば、気を失ってしまえば己の末路を知らなくて済むかもしれないのにそれすらも許されない。
拘束されているのを除いても、エスデスの醸し出す空気に圧倒されているのだ。
「最初はそうだな...軽めのやつからにしよう」
つぅ、とエスデスの指が沙都子の頬から頸をなぞり、ほのかに膨らんだ胸をなぞり、腹部に辿り着いたところでピタリと止まる。
トンッ、と軽くエスデスの指が沙都子の腹を押す。
触れたかどうかも怪しいほどの優しさでだ。
トンッ、と軽くエスデスの指が沙都子の腹を押す。
触れたかどうかも怪しいほどの優しさでだ。
「~~~~~~~ッッ!!!」
だが、それだけで沙都子の腹部に激痛が走り、身体が震えガシャリと氷の十字架を鳴らし、両目は見開かれ、轡を噛まされた口からは涎が滲み出る。
苦痛にもがく沙都子を見ながらエスデスは口端を吊り上げた。
苦痛にもがく沙都子を見ながらエスデスは口端を吊り上げた。
「肝臓を押した。軽い力でも正確に突けばそれなりの痛みを与えることが出来るのだ」
息を切らしながら俯く沙都子の髪を掴み、ぐいと持ち上げる。
「次はどうしてやろうか。爪をはぐか、耳を削ぐか。片目だけ抉るのも面白そうだ」
笑みと共に齎される提案に、沙都子の目から涙が滲み、轡を噛む歯がキリキリと音を鳴らす。
己の末路が嫌でも脳裏を過り脳髄は恐怖に支配される。
己の末路が嫌でも脳裏を過り脳髄は恐怖に支配される。
(助けて)
自然と、心の中で助けを求めていた。
そんな都合のいいことなんてないのはわかっている。それでも縋らずにはいられない。
そんな都合のいいことなんてないのはわかっている。それでも縋らずにはいられない。
(助けてにーにー!!)
涙が頬を伝い、地面に落ちて跳ねる。
「沙都子ォ!」
それに応えるかのように第三者の声が響く。
己の名を呼ぶ叫びに希望を抱き、顔を上げ、その表情はそのまま停止した。
己の名を呼ぶ叫びに希望を抱き、顔を上げ、その表情はそのまま停止した。
現れた男は金髪の髪に厳つい顔、アロハシャツというチンピラじみた中年オヤジ。
それは沙都子のよく知る顔だった。
それは沙都子のよく知る顔だった。
「このクソ女がァ、前歯へし折ってやろかいぃ!!」
男の名は北条鉄平。沙都子の最も会いたくない男だった。
☆
「なんねこれは...」
北条鉄平は転送された平屋の中、壁に背を預け虚空を見つめ黄昏ていた。
ここに連れて来られる前のことを思い出す。
日々、孤独死やヤクザによる粛正という末路を悪夢という形で見せられ続けていた彼は、己の人生の虚しさから心身を摩耗していき、ふと姪である沙都子に会いに雛見沢へ足を運んだ。
それからは沙都子を気に掛けるようになり、パチンコで手に入れたお菓子をあげ、更には不良に絡まれた彼女を助けたりもした。
そして、二人きりで歩く夕暮れの歩道で、少しの時間だけだがお喋りをして、彼女から「虫がいい」「都合のいい看護役が欲しかっただけではないのか」と厳しい指摘はあったものの、どこか和やかな雰囲気で会話をし、また今日のようにお喋りでもしたいと思いながら孤独なアパートの部屋への帰宅途中だった。
気が付けばあの惨状を見せられ、この小屋に送られていた。
ここに連れて来られる前のことを思い出す。
日々、孤独死やヤクザによる粛正という末路を悪夢という形で見せられ続けていた彼は、己の人生の虚しさから心身を摩耗していき、ふと姪である沙都子に会いに雛見沢へ足を運んだ。
それからは沙都子を気に掛けるようになり、パチンコで手に入れたお菓子をあげ、更には不良に絡まれた彼女を助けたりもした。
そして、二人きりで歩く夕暮れの歩道で、少しの時間だけだがお喋りをして、彼女から「虫がいい」「都合のいい看護役が欲しかっただけではないのか」と厳しい指摘はあったものの、どこか和やかな雰囲気で会話をし、また今日のようにお喋りでもしたいと思いながら孤独なアパートの部屋への帰宅途中だった。
気が付けばあの惨状を見せられ、この小屋に送られていた。
(いつものワシなら、迷うこと無かった筈やろ)
鉄平は自分が禄でもない人間であることを自覚している。
金を稼ぐために人を騙し、傷つけ、言うことを聞かなければ暴力で従わせて。
それらの行為になんら疑問を抱かず、むしろ楽しんでいた節もある。
だから、こんな状況であれば率先して他人を切り捨て己の保身に走ったことだろう。
配られた支給品も、優勝を目指すにはおあつらえ向きのものだった。
だが、己のことばかり優先した末の結末を知ってからは、どうにもそういう気分になれない。
他者を切り捨ててまであのアパートに戻ったところでどうなるというのか。
金を稼ぐために人を騙し、傷つけ、言うことを聞かなければ暴力で従わせて。
それらの行為になんら疑問を抱かず、むしろ楽しんでいた節もある。
だから、こんな状況であれば率先して他人を切り捨て己の保身に走ったことだろう。
配られた支給品も、優勝を目指すにはおあつらえ向きのものだった。
だが、己のことばかり優先した末の結末を知ってからは、どうにもそういう気分になれない。
他者を切り捨ててまであのアパートに戻ったところでどうなるというのか。
(...帰ったところで、なんもないねんなあ)
元々、今までの罪に見合うよう苦しみぬいて誰にも迷惑をかけず死ぬつもりだった。
己の行いでできた沙都子との溝は埋められないことも理解させられた。沙都子が苦しむくらいなら、もう会わない方がいいとまで思っている。
だというのに、元の生活に戻るために他人を犠牲にしてしまえば本末転倒だ。
ただ、自殺ができるほど勇気も無いため、流れに身を任せるしかないというのが彼の出した結論だった。
己の行いでできた沙都子との溝は埋められないことも理解させられた。沙都子が苦しむくらいなら、もう会わない方がいいとまで思っている。
だというのに、元の生活に戻るために他人を犠牲にしてしまえば本末転倒だ。
ただ、自殺ができるほど勇気も無いため、流れに身を任せるしかないというのが彼の出した結論だった。
あのアパートを思い出すボロ小屋を後にし、鉄平は充てもなく歩き続けた。
やがて見つけたのがそこそこ年季が入った校舎。
沙都子は普段はこういう学校に通ってるのだろうかとなんとなく足を踏み入れ散策をしていた時だった。
ガシャン、ドン、となにかが壊れるような音が上階から響いた。
やがて見つけたのがそこそこ年季が入った校舎。
沙都子は普段はこういう学校に通ってるのだろうかとなんとなく足を踏み入れ散策をしていた時だった。
ガシャン、ドン、となにかが壊れるような音が上階から響いた。
誰かが上の階にいる。
そう確信した鉄平は逃げようとしたが、しかし今さら警戒して延命したところでどうにもなるまいと、半ば失意のもと、音の主と接触する為に足を運んだ。
やがて辿り着いた先にあったのは割れたガラス窓に、床に散らばる包丁やバット、針などのたくさんの凶器の類。
部屋の中の役者は、透き通るような水色の髪の女と、氷の十字架に張り付けられ苦しみえづく金髪の少女。
そう確信した鉄平は逃げようとしたが、しかし今さら警戒して延命したところでどうにもなるまいと、半ば失意のもと、音の主と接触する為に足を運んだ。
やがて辿り着いた先にあったのは割れたガラス窓に、床に散らばる包丁やバット、針などのたくさんの凶器の類。
部屋の中の役者は、透き通るような水色の髪の女と、氷の十字架に張り付けられ苦しみえづく金髪の少女。
その少女を。北条沙都子を見た瞬間、鉄平は弾けるように駆け出し、掌の中のソレを口の中に含んだ。
「このクソ女がァ、前歯へし折ってやろかいぃ!!」
拳を握りしめ迫る鉄平にも、女―――エスデスはなんら怯むことなく、むしろ邪悪な笑みを浮かべたまま待ち受ける。
それに構わず鉄平は拳を振るった。エスデスにではなく、沙都子を拘束している氷の十字架目掛けて。
ガシャン、と派手な音と共に氷が砕け、沙都子の拘束もまた解ける。
それに構わず鉄平は拳を振るった。エスデスにではなく、沙都子を拘束している氷の十字架目掛けて。
ガシャン、と派手な音と共に氷が砕け、沙都子の拘束もまた解ける。
ほう、とエスデスが感嘆の声を漏らすのも束の間、すぐに鉄平へと右脚での蹴りが放たれる。
鉄平はそれを左腕で防御するも、しかし蹴りの衝撃は殺しきれず地から足が離れてしまう。
このままでは吹き飛ばされると判断した鉄平は、咄嗟に沙都子の服を掴み、共に吹き飛ばされることでエスデスとの距離を空けた。
鉄平はそれを左腕で防御するも、しかし蹴りの衝撃は殺しきれず地から足が離れてしまう。
このままでは吹き飛ばされると判断した鉄平は、咄嗟に沙都子の服を掴み、共に吹き飛ばされることでエスデスとの距離を空けた。
「沙都子!大丈夫か沙都子!?」
衝撃と痛みに耐えつつ、鉄平は沙都子の猿轡を外し、頭に手を添えながら呼びかける。
「―――ぃやああああああああ!!!」
しかし、沙都子は絶叫と共に鉄平の腕を振り払った。
「さとっ...!」
「ぁ...あぁ...!」
「ぁ...あぁ...!」
この異常事態においても怯え震える沙都子に鉄平は息を呑む。
原因は解っている。
かつて、沙都子の兄、悟史がいた頃から二人に振るっていた暴力。
自分と妻から刷り込まれた恐怖の記憶が、沙都子の心には根付いているのだ。
原因は解っている。
かつて、沙都子の兄、悟史がいた頃から二人に振るっていた暴力。
自分と妻から刷り込まれた恐怖の記憶が、沙都子の心には根付いているのだ。
「なんだ、親子かなにかと思えばそういう関係か」
己を助けた鉄平に感謝することもなくひたすら拒絶する沙都子の様子を見て、彼らの関係を察したエスデスは愉快気に嗤う。
そんな彼女の邪悪に歪んだ笑みに鉄平の背筋には悪寒が走り、確信する。
そんな彼女の邪悪に歪んだ笑みに鉄平の背筋には悪寒が走り、確信する。
鉄平は曲がりなりにも裏社会を垣間見ている。
その為、気性は横暴でも辺りかまわず噛みつくのではなく、園崎家のような本物の極道や、警察や児童相談所などの公的機関などの手を出してはいけない領域は弁えている。
そんな経験で培われた生存本能は確かに告げていたのだ。この女には絶対に関わってはいけない。二人纏めて殺されると。
その為、気性は横暴でも辺りかまわず噛みつくのではなく、園崎家のような本物の極道や、警察や児童相談所などの公的機関などの手を出してはいけない領域は弁えている。
そんな経験で培われた生存本能は確かに告げていたのだ。この女には絶対に関わってはいけない。二人纏めて殺されると。
(...すまんなあ、沙都子)
心の中で彼女に詫びる。
このまま沙都子を連れて二人で逃げるのは無理だ。一人で逃げ出したところで逃げ出せるかもわからない。
どう転んでもこちらが損をするしかない最低最悪の賭けだ。
このまま沙都子を連れて二人で逃げるのは無理だ。一人で逃げ出したところで逃げ出せるかもわからない。
どう転んでもこちらが損をするしかない最低最悪の賭けだ。
「このクソガキが!いつまでもガタガタとうざったいんや!」
だから、鉄平は己の命を諦めた。沙都子が逃げられる万に一つの可能性に賭けて。
恫喝と共にパァン、と小気味のいい平手打ちの音が鳴り響く。
「おうガキ、ワシはなあ、この別嬪な姉ちゃんと大人の話すんねや。お前みたいなガキいるだけでも邪魔になんね。わかったらとっとと去ねやこのダラズ!!」
虐待をしていた時を思い出し、同じように唾を吐き捨て、罵声を浴びせ手を挙げる。
その一連の流れをその身で受けた沙都子は、怯えた顔のままわたわたと鉄平の言葉に従い立ち上がる。
振り返ることもせず、エスデスとも鉄平とも目すら合わせず、沙都子は去っていく。
背中越しに消えていく気配を感じながら鉄平は彼女へと想いを馳せる。
その一連の流れをその身で受けた沙都子は、怯えた顔のままわたわたと鉄平の言葉に従い立ち上がる。
振り返ることもせず、エスデスとも鉄平とも目すら合わせず、沙都子は去っていく。
背中越しに消えていく気配を感じながら鉄平は彼女へと想いを馳せる。
(もう叩かんッて約束、破っちまったなあ)
沙都子を逃がす為とはいえ、別れ際に交わした約束を反故にした後ろめたさに気が重くなり、そんな善良ぶる自分に、今さらなにを虫のいいことをと自嘲する。
(せめてもの詫びじゃ。こんなもんで今までの行いを無くせるなんて思っとらんが...)
再び掌で口元を隠し、その裏で仕込まれた支給品を舌に乗せる。
(こいつはワシが食い止める!)
鉄平が取り込むのは、ヘルズ・クーポンと呼ばれる身体能力を増強させる麻薬。
極道が人外の忍者に対抗する為に生み出された地獄への回数券。
極道が人外の忍者に対抗する為に生み出された地獄への回数券。
鉄平の決意に満ちた眼差しを受け止めるエスデスは、闘争への愉悦に心を躍らせた。
☆
はあ、はあ、と息を切らしながら沙都子は走る。
覚束ない足取りで、ただただ我武者羅に逃げ続ける。
覚束ない足取りで、ただただ我武者羅に逃げ続ける。
(どうして)
ぶたれた頬の熱さに困惑する。
(どうしてあの人が)
沙都子にとって北条鉄平は災害のようなものだ。
彼との思い出の中に、安らぎや喜びは一切なく、あるのは心身に刻まれた恐怖と痛みだけだ。
彼との思い出の中に、安らぎや喜びは一切なく、あるのは心身に刻まれた恐怖と痛みだけだ。
なのに、確かに彼は自分をエスデスから護る為に殿を引き受けてくれた。
自分を逃がす為に、憎まれ口をたたいて、後くされが無いように送り出してくれた。
不器用ながらも、彼が自分を想ってやってくれたことくらいはわかる。
自分を逃がす為に、憎まれ口をたたいて、後くされが無いように送り出してくれた。
不器用ながらも、彼が自分を想ってやってくれたことくらいはわかる。
だからこそわからない。あの理不尽で横暴な男が、自分を庇うこと自体が。
(っ...か、関係ありませんわ)
それでも忘れた訳ではない。
彼から受けた恐怖を。痛みを。屈辱を。
大好きな兄・悟史の失踪を。
あんな気まぐれ一つで全てを許せるはずもない。
彼から受けた恐怖を。痛みを。屈辱を。
大好きな兄・悟史の失踪を。
あんな気まぐれ一つで全てを許せるはずもない。
だから沙都子は止まらなかった。
一度も振り返らず、鉄平のこともエスデスのことも振り払うように一心不乱に走り続けた。
一度も振り返らず、鉄平のこともエスデスのことも振り払うように一心不乱に走り続けた。
「きみ、どうしたの?」
かけられた声に、思わず身体が震え足が止まる。
「ひっ」
「ご、ごめん。驚かせるつもりはなかったんだけど」
「ご、ごめん。驚かせるつもりはなかったんだけど」
震え、喉を鳴らした沙都子に、声をかけてきた青年は汗をかきながら慌てて弁明する。
その優し気な声音に、躊躇いつつも、少なくともいまここで害を為そうというわけでは無いと判断。
その優し気な声音に、躊躇いつつも、少なくともいまここで害を為そうというわけでは無いと判断。
震える身体で、勇気を振り絞り沙都子は叫んだ。
助けて、と。
☆
散弾銃のように降り注ぐ氷の粒を、鉄平は必死に身を捩り、机や椅子を盾にし、ダメージを避け続ける。
本来ならば当に地に伏せている鉄平の身体能力はヘルズクーポンで底上げされている。
その為、常人ならばとうに捕まっている勢いのエスデスの攻撃を視て辛うじて対処することが出来ている。
だからこそ鉄平は焦っていた。
ヘルズクーポンの効果がいつ切れるかわからないのもあるが、なによりエスデスがこれほどの猛攻においても息も切らさず余裕の笑みすら浮かべているからだ。
本来ならば当に地に伏せている鉄平の身体能力はヘルズクーポンで底上げされている。
その為、常人ならばとうに捕まっている勢いのエスデスの攻撃を視て辛うじて対処することが出来ている。
だからこそ鉄平は焦っていた。
ヘルズクーポンの効果がいつ切れるかわからないのもあるが、なによりエスデスがこれほどの猛攻においても息も切らさず余裕の笑みすら浮かべているからだ。
「こんのクソ女がぁ...!」
毒づく鉄平だが、しかしこれは逆に好機ととらえる。
相手がこちらをなめているのならそれだけ時間を稼ぎやすく、自分も下手に倒そうとせずに防御に専念できる。
時間をかければかけるだけ沙都子を逃がせるならば、この勝負は鉄平に有利であるのは間違いない。
相手がこちらをなめているのならそれだけ時間を稼ぎやすく、自分も下手に倒そうとせずに防御に専念できる。
時間をかければかけるだけ沙都子を逃がせるならば、この勝負は鉄平に有利であるのは間違いない。
「どうやらそれで手詰まりのようだな」
エスデスが状況の膠着を許せばの話だが。
それは突然だった。
エスデスの放つ氷弾が威力と速度を増し鉄平へと降り注ぐ。
これは避けきれないと即座に判断した鉄平は、両腕で頭を抱え込むようにして防御の構えを取る。
その為に、防御に回した腕と目が一瞬だけ重なったその瞬間。
エスデスは瞬く間に鉄平との距離を詰め、顔面を掴み地面に叩きつけた。
背中から身体中を走り回る衝撃に鉄平がくぐもった悲鳴を上げるが、そんなことはお構いなしと言わんばかりに鉄平の四肢が氷で拘束され床に縫いつけられる。
これは避けきれないと即座に判断した鉄平は、両腕で頭を抱え込むようにして防御の構えを取る。
その為に、防御に回した腕と目が一瞬だけ重なったその瞬間。
エスデスは瞬く間に鉄平との距離を詰め、顔面を掴み地面に叩きつけた。
背中から身体中を走り回る衝撃に鉄平がくぐもった悲鳴を上げるが、そんなことはお構いなしと言わんばかりに鉄平の四肢が氷で拘束され床に縫いつけられる。
時間稼ぎしか考えない敵などエスデスにとっては闘争相手に成りえない。
故に、ここからは戦闘狂としてではなく、彼女のもう一つの顔―――拷問狂としてのお楽しみの時間だ。
故に、ここからは戦闘狂としてではなく、彼女のもう一つの顔―――拷問狂としてのお楽しみの時間だ。
「んぎっ!」
「ふふっ、醜くくぐもったいい鳴き声だ」
「ふふっ、醜くくぐもったいい鳴き声だ」
鉄平の肩に氷の剣が突き立てられる。
エスデスは鉄平の両手足を拘束し拷問を兼ねた実験にとりかかっていた。
エスデスは鉄平の両手足を拘束し拷問を兼ねた実験にとりかかっていた。
「なるほど。これが貴様が飲んだ薬の効果か」
鉄平の肩口に刻まれた傷口が再生していく様を観察し感心する。
エスデスの生きた世界にも薬で身体能力を異常に強化する術があったため、鉄平の再生の種をすぐに見破ることが出来た。
エスデスの生きた世界にも薬で身体能力を異常に強化する術があったため、鉄平の再生の種をすぐに見破ることが出来た。
エスデスが鉄平の懐から取り出したヘルズクーポンを指で摘まみピラピラと振り検める。
「どれ」
連なるシートの内、一枚を口に含む。しかし身体にはなんら変化が生じず、ただエスデスの舌で麻薬が転がされるだけだ。
「ふむ。どうやらこの薬は身体能力の劣る者が強者に追い縋る為のものらしいな。私に効かぬのも無理はない」
興味を無くしたエスデスはヘルズクーポンを破り、再び鉄平の身体に剣を突き立て始める。
その度にあがる悲鳴に、エスデスの笑みはより深まり妖艶さも増していく。
その度にあがる悲鳴に、エスデスの笑みはより深まり妖艶さも増していく。
再生と破壊が繰り返される鉄平の身体だが、しかし心まではそうはいかない。
―――もうやめてくれ。沙都子の逃げる時間は稼いだのだ。もう終わらせてくれ
絶え間なく与えられる激痛と齎される恐怖に、鉄平の脳裏にはそんな弱い考えが満ちつつあった。
どんどん恐怖と焦燥が表情に表れていく鉄平を見ながら、エスデスは嗤う。
こんな楽しいことを終わらせる訳がないだろうと。
どんどん恐怖と焦燥が表情に表れていく鉄平を見ながら、エスデスは嗤う。
こんな楽しいことを終わらせる訳がないだろうと。
(沙都子...)
切り刻まれ痛めつけられ続けられながら、鉄平は朦朧とした頭で考えるのは沙都子のことだった。
彼女は目の前に迫る死の脅威よりも自分を恐れていた。
あの光景に改めて己の所業の愚かさを思い知らされ、こんな自分が彼女を心配するなど滑稽なものだと自嘲する。
それでも祈らずにはいられない。せめて最期くらいは伯父らしくありたい。
彼女は目の前に迫る死の脅威よりも自分を恐れていた。
あの光景に改めて己の所業の愚かさを思い知らされ、こんな自分が彼女を心配するなど滑稽なものだと自嘲する。
それでも祈らずにはいられない。せめて最期くらいは伯父らしくありたい。
(...この期に及んで自分のことばっかやんなあ)
結局のところ、沙都子に指摘された通り、自分が寂しくなって都合のいい相手を求めただけなのだろう。
だからこんな最期を迎える。自業自得とはこのことだ。
だからこんな最期を迎える。自業自得とはこのことだ。
(ほんま、くだらん男やなあ)
もう飽きたと言わんばかりに眼前に突き付けられる氷の剣にも抵抗する気力はない。
剣が眼球を貫く瞬間を見るのも恐いため、鉄平は諦めるように己の瞼を閉じた。
剣が眼球を貫く瞬間を見るのも恐いため、鉄平は諦めるように己の瞼を閉じた。
「......」
だが、来ると思っていた痛みが来ない。疑問のままに鉄平は瞼をあげる。
氷の剣は、鉄平の眼球を貫く寸前で黒い影に纏わりつかれ止められていた。
氷の剣は、鉄平の眼球を貫く寸前で黒い影に纏わりつかれ止められていた。
遅れて、エスデスと鉄平に覆いかぶさるように影が躍り出る。
エスデスが飛び退き影の襲撃を躱すと、代わりに鉄平が影に包まれる。
影は鉄平を中心に渦巻くように蠢き壁を作る。
エスデスが飛び退き影の襲撃を躱すと、代わりに鉄平が影に包まれる。
影は鉄平を中心に渦巻くように蠢き壁を作る。
「な、なんねこれは」
「間に合った」
「間に合った」
パチクリと目を瞬かせる鉄平の眼前に、一人の男の背中が現れる。
ヒーロー。
氷の女帝を前にしても臆さぬ凛としたその背中に、鉄平はその文字を見ずにはいられなかった。
氷の女帝を前にしても臆さぬ凛としたその背中に、鉄平はその文字を見ずにはいられなかった。
☆
許せない。
佐神善は胸中で怒りを燃やしていた。
彼は吸血鬼(ヴァンパイア)だ。殺し合いの経験は何度もある。
だが、慣れているからといって生物の殺害になんの躊躇いもないわけではない。
だが、慣れているからといって生物の殺害になんの躊躇いもないわけではない。
そもそも彼は戦いなんて嫌いだ。吸血鬼と戦うのも己の力を誇示する為でなく、親友が殺され悲しみを知り、もう二度と失わないと決意したからである。
故に善は誰も彼もに殺人を強要するこの殺し合いに、主催の子供たちに憤慨していたのだ。
故に善は誰も彼もに殺人を強要するこの殺し合いに、主催の子供たちに憤慨していたのだ。
(いけない...冷静さだけは失うな)
深呼吸と共に、熱くなる思考を落ち着ける。
クリアになったその頭でまずするべきことを考える。
まずあの子供たちとの戦力差。
自分をこうも容易く拘束しここまで連れて来たのだ。
恐らく、いや、確実に自分一人でどうこうなる相手ではないだろう。
だからといって素直に従う訳にもいかない。
つまり、必要なのは協力者。それも、他の参加者と殺し合うのを良しとしない実力者というあまりにも都合のいい存在だ。
クリアになったその頭でまずするべきことを考える。
まずあの子供たちとの戦力差。
自分をこうも容易く拘束しここまで連れて来たのだ。
恐らく、いや、確実に自分一人でどうこうなる相手ではないだろう。
だからといって素直に従う訳にもいかない。
つまり、必要なのは協力者。それも、他の参加者と殺し合うのを良しとしない実力者というあまりにも都合のいい存在だ。
それでも成し遂げなければならない。誰かの命を護るために戦う。それが佐神善の信念だから。
周囲の探索を始めてほどなくして、校舎のある方角から金髪の少女が駆けてきた。
まだこちらに気が付いていないようだったので、声をかけると少女は怯えるように身体を震わせた。
脅かすつもりではなかったと口ごもりながら弁明する善。
それが功を為し、少女は意を決したかのように叫んだ。
まだこちらに気が付いていないようだったので、声をかけると少女は怯えるように身体を震わせた。
脅かすつもりではなかったと口ごもりながら弁明する善。
それが功を為し、少女は意を決したかのように叫んだ。
助けて。叔父が私を逃がす為に校舎で戦っている―――と。
(そんな、もう戦いが始まっているなんて!)
善は少女から、名前と事情をかいつまんで聞くと、すぐに校舎へと駆け出した。
争いを止める為に、命を救う為に。
争いを止める為に、命を救う為に。
校舎に近づけば、なるほど確かに何者かが争う物音が聞こえる。
善はすぐに吸血鬼(ヴァンパイア)の姿に変身し、棟内には入らず翼を生やし外から観察する。
善はすぐに吸血鬼(ヴァンパイア)の姿に変身し、棟内には入らず翼を生やし外から観察する。
(見つけた)
一部が倒壊し凍てついている棟内で、女に押し倒されている男を見つけた。
彼が少女、沙都子の言った叔父だろう。
善は迷うことなく、己の能力である"影"を分裂させ、女と叔父の間に壁を作り分断、救助した。
彼が少女、沙都子の言った叔父だろう。
善は迷うことなく、己の能力である"影"を分裂させ、女と叔父の間に壁を作り分断、救助した。
「なんねこれは...」
呆ける鉄平をチラ、と横目で見ながら観察する。
エスデスから付けられていた傷は見る見るうちに再生している。常人なら既に動けないほどの深さのものもだ。
鉄平も自分と同じヴァンパイアなのだろうか。
鉄平も自分と同じヴァンパイアなのだろうか。
(いや、そんなのは関係ない)
鉄平の正体がどうであれ、彼を助けることには変わりない。
「沙都子ちゃんの叔父さんですね。あなたを助けに来ました」
「ど、どういう...」
「頼まれたんです。沙都子ちゃんに、あなたを助けてくれって」
「......!」
「ど、どういう...」
「頼まれたんです。沙都子ちゃんに、あなたを助けてくれって」
「......!」
善の言葉に、鉄平は己の服の裾を掴みながら唇を噛み締める。
あれほど恐れていた自分を助けようとしてくれた。
あの夕暮れ時の歩道で諦めかけていた想いへと沙都子が歩み寄ってくれたのだと思うと、嬉しく思うのと同時にこれまでの非道が胸に重くのしかかってくる。
あれほど恐れていた自分を助けようとしてくれた。
あの夕暮れ時の歩道で諦めかけていた想いへと沙都子が歩み寄ってくれたのだと思うと、嬉しく思うのと同時にこれまでの非道が胸に重くのしかかってくる。
その様子から、沙都子と鉄平の間には並々ならぬ事情があるのだろうと善は察する。
それを解決するには恐らく一朝一夕で済まされないのだろう。
それを解決するには恐らく一朝一夕で済まされないのだろう。
それでも。
「ここは僕に任せて行ってください。沙都子ちゃんが待ってます!」
善は信じる。
真っ先に彼を助けてくれといった沙都子を。沙都子を護るために己の命すら賭けていた鉄平を。
真っ先に彼を助けてくれといった沙都子を。沙都子を護るために己の命すら賭けていた鉄平を。
「...すまんなあ、兄ちゃん」
しわがれた、普段の彼からは想像もつかないほどに掠れた声で、感謝を兼ねた謝罪と共に鉄平は駆け出し戦場から去っていく。
過去の後悔を胸に。護るべきものを護る為に。もう二度と過ちを繰り返さない為に。
鉄平は、刻まれた痛みすら凌駕し走り続ける。
鉄平は、刻まれた痛みすら凌駕し走り続ける。
【北条鉄平@ひぐらしのなく頃に 業】
[状態]:疲労(大)、精神的疲労(中)、身体にダメージ(大、ヘルズクーポンで治癒中)
[装備]:ヘルズクーポン(半数以上使用及び廃棄)@忍者と極道
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]
基本方針:沙都子を助ける。
0:沙都子と合流する。
1:園崎家の面々がいれば注意する。
[備考]
※参戦時期は本編23話より。
[状態]:疲労(大)、精神的疲労(中)、身体にダメージ(大、ヘルズクーポンで治癒中)
[装備]:ヘルズクーポン(半数以上使用及び廃棄)@忍者と極道
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]
基本方針:沙都子を助ける。
0:沙都子と合流する。
1:園崎家の面々がいれば注意する。
[備考]
※参戦時期は本編23話より。
鉄平が去ってからほどなくして、氷柱が影の壁を突き破り善に迫る。
その速度に驚愕し目を見開くも、顔を傾けて辛うじて回避する。
その速度に驚愕し目を見開くも、顔を傾けて辛うじて回避する。
「私の名はエスデス。お前の名前を聞かせてもらおうか」
影が霧散し、改めて対峙することになる二人。
エスデスは愉快気に口角を吊り上げ、そんな彼女に善は険しい表情で返す。
エスデスは愉快気に口角を吊り上げ、そんな彼女に善は険しい表情で返す。
「佐神善だ」
「その顔、なにか言いたいことがあるようだな」
「なんであんなことをしていた」
「その顔、なにか言いたいことがあるようだな」
「なんであんなことをしていた」
善の言うあんなこと、とは、鉄平にしていた拷問まがいのことだ。
万が一正当防衛だとしても、悪戯に甚振るあのやり方は悪意を持っていなければ起こることはありえない。
万が一正当防衛だとしても、悪戯に甚振るあのやり方は悪意を持っていなければ起こることはありえない。
「あんなこと...ああ、あの男にしていたことか。なに、なんてことはない。ただの趣味だ」
ピクリ、と善のこめかみが動く。
「威勢よく啖呵を切ってきたのでどの程度やれるか期待していたのだがな。私から逃げるばかりで大して面白くもなかった。だからせめて甚振ることで発散したかったのだ」
「そんなことで...」
「そんなことで...」
いっそ朗らかにさえ見えるほどの調子で語るエスデスに、善の声に怒気が孕まされていく。
こんな異常事態なのだ。己が生きる為に戦い殺してしまったというだけならば、まだ理解はできるし、どうにか説得したいとも思う。
だが、エスデスは違う。明確な愉悦の欲求を満たす為だけに鉄平や沙都子を痛めつけていた。
こんな異常事態なのだ。己が生きる為に戦い殺してしまったというだけならば、まだ理解はできるし、どうにか説得したいとも思う。
だが、エスデスは違う。明確な愉悦の欲求を満たす為だけに鉄平や沙都子を痛めつけていた。
仲間である狩野京児も似たようなことはやっているが、少なくとも彼は何の罪もない人々を傷つける真似はしない。
言い方は悪いが、しっかりと相手を選んでやっている。それを好ましく思う訳ではないしむしろその部分だけは相も変わらず嫌悪しているが。
言い方は悪いが、しっかりと相手を選んでやっている。それを好ましく思う訳ではないしむしろその部分だけは相も変わらず嫌悪しているが。
ともかく。エスデスも京児と同じ残虐非道の拷問狂ではあるが、彼のように人を思いやる心が無く、周囲に災害を撒き続けるというならば許せない。許せるはずもない。
だから善は叫ぶ。己の怒りを訴え、覚悟を示す為に。
だから善は叫ぶ。己の怒りを訴え、覚悟を示す為に。
「そんなことでお前は人を傷つけるのか!!」
激昂し放たれる敵意と殺意を身に受けたエスデスの背筋にゾクゾクと寒気が走る。
(おお、これだ...この緊張感こそが戦いだ!!)
エスデスはここに連れて来られる前―――生前のことを思い出す。
生きていた頃はその実力を以て己の欲するままに世界を蹂躙していた。
部隊の将として戦に勝利し。欲望を発散する為に戦闘と拷問に興じ。気に入った者を武力で手に入れた権力で引き抜いたりもした。
その中で、唯一成就しなかったのが想い人、タツミへの愛。
彼は異形と化しても尚、エスデスの美貌にも強さにも屈服することなく抗い続けた。
きっと、マインという恋人がいなくとも自分の想いが叶うことはなかっただろう。
しかしそれで諦められるエスデスではない。
己の死という形で一度は敗北で終わってしまった恋だが、だからこそチャンスがあればそれを掴む。
イェーガーズ屈指の愛妻家且つ円満家族であるボルスですら、二度もフラれて尚機会を見つけてはアタックを繰り返し恋を成就させた。
ならば自分にもその権利はまだあるはずだ。
この殺し合いを制し、再び生の権利を手に入れ帰還し、タツミのハートを掴むためにアプローチをかける。
優勝の褒美でタツミを歪めるのではない。生還し、己の力でタツミを射止めるのだ。
生きていた頃はその実力を以て己の欲するままに世界を蹂躙していた。
部隊の将として戦に勝利し。欲望を発散する為に戦闘と拷問に興じ。気に入った者を武力で手に入れた権力で引き抜いたりもした。
その中で、唯一成就しなかったのが想い人、タツミへの愛。
彼は異形と化しても尚、エスデスの美貌にも強さにも屈服することなく抗い続けた。
きっと、マインという恋人がいなくとも自分の想いが叶うことはなかっただろう。
しかしそれで諦められるエスデスではない。
己の死という形で一度は敗北で終わってしまった恋だが、だからこそチャンスがあればそれを掴む。
イェーガーズ屈指の愛妻家且つ円満家族であるボルスですら、二度もフラれて尚機会を見つけてはアタックを繰り返し恋を成就させた。
ならば自分にもその権利はまだあるはずだ。
この殺し合いを制し、再び生の権利を手に入れ帰還し、タツミのハートを掴むためにアプローチをかける。
優勝の褒美でタツミを歪めるのではない。生還し、己の力でタツミを射止めるのだ。
かといって、それまでの過程で合理的に物事へと取り掛かり、エスデス自身を曲げられるのも癪に障る。
だからこの殺し合いを思う存分満喫する。
血を。死を。戦闘を。拷問を。己の欲するままに振りまいてこそ『エスデス』だ。
だからこの殺し合いを思う存分満喫する。
血を。死を。戦闘を。拷問を。己の欲するままに振りまいてこそ『エスデス』だ。
(佐神善。単純な戦闘力では負ける気はせんが、しかしその威圧感、非常に興味深いぞ!!)
人の為に戦う者でありながらエスデスの本能にすら響くほどの殺意を放てる者などそうはいない。
信念のもとに鍛え上げられたのか、なにか秘めているものがあるのかはわからないが、これほどまでに戦闘意欲を掻き立てられるのは久々だった。
信念のもとに鍛え上げられたのか、なにか秘めているものがあるのかはわからないが、これほどまでに戦闘意欲を掻き立てられるのは久々だった。
わざわざ鉄平を見逃しただけのことはあった。
もはやこの戦いに雑音は不要。
もはやこの戦いに雑音は不要。
「さあ楽しませてもらうぞ佐神善!」
「うおおおおおおおお!!」
「うおおおおおおおお!!」
両者の叫びと共に、互いに駆け出し、氷のグローブに纏われた拳とヴァンパイアの拳が衝突し―――闘争は始まった。
【校舎】
【佐神善@血と灰の女王】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:殺し合いを止めて主催を倒す。
0:エスデスに対処する。
1:犠牲者は出したくない。
[備考]
※参戦時期は燦然党決戦前。
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:殺し合いを止めて主催を倒す。
0:エスデスに対処する。
1:犠牲者は出したくない。
[備考]
※参戦時期は燦然党決戦前。
【エスデス@アカメが斬る!】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:この催しを楽しむ。
0:佐神善で遊ぶ
1:気が向いたら鉄平と沙都子を追う
[備考]
※参戦時期は漫画版死亡後より。
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:この催しを楽しむ。
0:佐神善で遊ぶ
1:気が向いたら鉄平と沙都子を追う
[備考]
※参戦時期は漫画版死亡後より。
ああ、そうだ。
佐神善。
私を満足させてくれたら褒美として教えてやろう。
私を満足させてくれたら褒美として教えてやろう。
お前があの小娘にどう吹き込まれたかはわからん。
だが、最初に罠で攻撃を仕掛けてきたのは。
明確な殺意を込めて私を殺そうとしたのは―――あの小娘だ。
☆
パチン。
指を鳴らすその動作は、かつての時間を再びやり直す合図。
パチン。パチン。パチン。
どれほどの回数指を鳴らし続けてきただろう。どれほどの惨劇を目の当たりにしてきただろう。
そんな経験を経た沙都子ですら、首輪を着けての殺し合いという状況は初めての経験だった。
この世界は失敗だ。そう判断し己の命を断とうとして、ふと手を止める。
スタート地点が雛見沢でなく。見る景色が全て初めてのもので。なにより傍に古手梨花がいない。
この異様すぎる世界で、果たして自分の魔法は適用されるのか?もしかして、万が一死んでしまえば、梨花と会うことすらできなくなってしまうのではないか?
ではこの状況はなんなのか。繰り返す力を使った弊害かバグなのか。それとも...
この世界は失敗だ。そう判断し己の命を断とうとして、ふと手を止める。
スタート地点が雛見沢でなく。見る景色が全て初めてのもので。なにより傍に古手梨花がいない。
この異様すぎる世界で、果たして自分の魔法は適用されるのか?もしかして、万が一死んでしまえば、梨花と会うことすらできなくなってしまうのではないか?
ではこの状況はなんなのか。繰り返す力を使った弊害かバグなのか。それとも...
(...とにかく今は生き残るしかありませんわね)
ここで死ぬのは安直にすぎる。ひとまずはルールに則り優勝を目指すべきだ。
沙都子はさっそく、飛ばされた校舎で道具を集め、己の潜伏する校舎の一室に罠を張り巡らせた。
敵を殺せる鉄パイプや包丁等も用いての本気の罠だ。
しかし、その罠も最初に表れたエスデスに容易く破壊された上に、沙都子自身も捕まってしまった。
嬉々として甚振ってくる彼女に耐えている時に現れたのが鉄平だった。
沙都子はさっそく、飛ばされた校舎で道具を集め、己の潜伏する校舎の一室に罠を張り巡らせた。
敵を殺せる鉄パイプや包丁等も用いての本気の罠だ。
しかし、その罠も最初に表れたエスデスに容易く破壊された上に、沙都子自身も捕まってしまった。
嬉々として甚振ってくる彼女に耐えている時に現れたのが鉄平だった。
普段の彼ならば平然と沙都子を差し出し己の保身を測るだろう。しかし、今回の鉄平は常に沙都子を護るために行動している。明かなイレギュラーだ。
そして逃がされた先に出会ったのが佐神善だった。彼は会ったばかりの沙都子の頼みを引き受け、現場に向かってくれている。
過程はどうあれ、今の彼らを見れば彼らを邪悪に分類する者はいないだろう。
しかし、優勝しか手段ないというなら彼らもまた犠牲にしなければならない。
そして逃がされた先に出会ったのが佐神善だった。彼は会ったばかりの沙都子の頼みを引き受け、現場に向かってくれている。
過程はどうあれ、今の彼らを見れば彼らを邪悪に分類する者はいないだろう。
しかし、優勝しか手段ないというなら彼らもまた犠牲にしなければならない。
『うまい話がタダであろうはずもない。だがそなたは対価を払うことを意識する必要はない。繰り返す者として...時の渦を巡ることそのものが、我が鑑賞に値すれば。それで対価には十分だからな』
力を与えたあの女は確かにこう言った。
ならばこれはあの女からの試練なのか?如何な犠牲を払ってでも願いを達成するという覚悟を試しているのか?
ならばこれはあの女からの試練なのか?如何な犠牲を払ってでも願いを達成するという覚悟を試しているのか?
「梨花...」
震える己の掌を見つめる。
梨花を取るか、多数の善なる命を取るか。
かつて梨花に投げかけたものに似た選択肢を突きつけられる。
ちがうのは、梨花が受験を受けてもその手を汚すことはないが、自分の場合は間接的にせよ直接的にせよ善なる者すら排除することになる。
別の世界のカケラで見た部活メンバーたちのように、互いを信じあい奇跡を起こすこともできなくなるだろう。
梨花を取るか、多数の善なる命を取るか。
かつて梨花に投げかけたものに似た選択肢を突きつけられる。
ちがうのは、梨花が受験を受けてもその手を汚すことはないが、自分の場合は間接的にせよ直接的にせよ善なる者すら排除することになる。
別の世界のカケラで見た部活メンバーたちのように、互いを信じあい奇跡を起こすこともできなくなるだろう。
(それでも私は)
それでも、雛見沢で向けてくれた梨花の笑顔が。共に紡いできた絆が。あの輝かしかった日々が忘れられない。
あの日々を取り戻す為にあんな力にまで手を染めたのだ。
だからもう引き返せない。
例えどれだけ手を汚そうとも。
自分を救おうとしてくれる者がいても。
鉄平のような歪みによって生じた善性でさえ。
あの日々を取り戻す為にあんな力にまで手を染めたのだ。
だからもう引き返せない。
例えどれだけ手を汚そうとも。
自分を救おうとしてくれる者がいても。
鉄平のような歪みによって生じた善性でさえ。
世界も可能性も。
摘んで。
摘んで。
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
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摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
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摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
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摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
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摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで摘んで
その果てに理想(あのこ)を掴み取る。
それこそが己が目指す未来。つまりは約束された絶対の未来。
(待っていてくださいませ梨花。大好きな梨花。二人の幸せな世界を掴むまで、私は諦めませんわ)
先ほどまでの困惑が嘘だったかのように、クスクスと笑い嗤う。
紅い月に照らされたその笑みは。
三日月状に歪んだその口角は。
三日月状に歪んだその口角は。
誰が見ても魔女そのものだった。
【校舎近辺】
【北条沙都子@ひぐらしのなく頃に 業】
[状態]:疲労(大)、精神的疲労(中)、身体にダメージ(大)
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:覚悟を示して願いを叶える。手段は択ばない。
0:エスデスから離れる。鉄平や善が消耗させてくれるのを願う。
1:暗躍し、鉄平や善のような味方をしてくれる者を利用しつくす。
[備考]
※参戦時期はシャンデリアで心中後~23話の鉄平を知る前。
[状態]:疲労(大)、精神的疲労(中)、身体にダメージ(大)
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:覚悟を示して願いを叶える。手段は択ばない。
0:エスデスから離れる。鉄平や善が消耗させてくれるのを願う。
1:暗躍し、鉄平や善のような味方をしてくれる者を利用しつくす。
[備考]
※参戦時期はシャンデリアで心中後~23話の鉄平を知る前。