「クソッ!」
銀髪の青年、成島光我は苛立ちと共に砂を蹴った。
彼はこの数か月、闘技者・十鬼蛇王馬打倒の目標を掲げ、闘技者見習いとして様々な鍛錬を積んできた。
そんな折、『蟲』と名乗る謎の集団からの襲撃を受け重傷を負い、入院していたところこの殺し合いに参加させられることになった。
彼はこの数か月、闘技者・十鬼蛇王馬打倒の目標を掲げ、闘技者見習いとして様々な鍛錬を積んできた。
そんな折、『蟲』と名乗る謎の集団からの襲撃を受け重傷を負い、入院していたところこの殺し合いに参加させられることになった。
「殺し合いだぁ?あのガキどもふざけやがって!」
拳を握りしめ、唾と共に怒りを吐き散らす。
彼自身、道場破りの常習犯であり、かつては思うままに暴力を振るって生きてきた男である。
勿論、己がろくでもない人間であることは自覚している。
しかし、そんな彼でも殺人を犯せと命令されてハイ喜んでと承諾できるほど人でなしではなかった。
戦友、臥王龍鬼が殺人を犯し平然としていた時には涙が出るほど悲しく思い、彼が殺人鬼にならなくて済む道があるならそちらに尽力したいと願うほどには良識があるのだ。
彼自身、道場破りの常習犯であり、かつては思うままに暴力を振るって生きてきた男である。
勿論、己がろくでもない人間であることは自覚している。
しかし、そんな彼でも殺人を犯せと命令されてハイ喜んでと承諾できるほど人でなしではなかった。
戦友、臥王龍鬼が殺人を犯し平然としていた時には涙が出るほど悲しく思い、彼が殺人鬼にならなくて済む道があるならそちらに尽力したいと願うほどには良識があるのだ。
「...あの子、可愛い顔してたよなあ...もったいないことしやがる」
見せしめにされた少女への黙祷を捧げつつ、気持ちを落ち着ける。
いつまでも苛立ち冷静さを欠いたままでは命とりになってしまうからだ。
いつまでも苛立ち冷静さを欠いたままでは命とりになってしまうからだ。
(ひとまずこれからの方針を考えるか)
当然ながら、光我は殺し合いに賛同するつもりはない。
目下目指すは脱出である。
その為に優先すべきは首輪の解除。こればかりは、機械に詳しくない光我にはお手上げだ。
協力者は必須であり、光我に出来るのはその協力者に降りかかる火の粉を払うことだ。
目下目指すは脱出である。
その為に優先すべきは首輪の解除。こればかりは、機械に詳しくない光我にはお手上げだ。
協力者は必須であり、光我に出来るのはその協力者に降りかかる火の粉を払うことだ。
『いい目をしている。仕合ならさぞ便利だろうよ。けど「実戦の経験値」が圧倒的に足りてねえ』
『テメーが何をどれだけやってきたか知らんがな。甘いんだよ。たった半年で俺らに肩を並べたつもりか?』
『テメーが何をどれだけやってきたか知らんがな。甘いんだよ。たった半年で俺らに肩を並べたつもりか?』
「......」
敵に、闘技者に言われたことを思い返す。
光我の成長速度には目を見張るものがある、とこの半年間を見てきた者たちは口々に言う。
もしもあと数年修行を積めば、一人前の闘技者になれるのはほぼ間違いない。
しかし、光我が望む仕合はまさに今。煉獄との対抗戦である。
残る期間は僅か一か月。怪我が完治したとて、とても訓練だけで一級線の闘技者たちとの差を縮められるものではない。
ならばこそ。
一般人ですら武器を持てば戦力になる、この地獄のような環境は光我にとってこれとない鍛錬場になり得るのではないか。
無論、無差別に襲い掛かるような真似はしないが、殺し合いに賛同した者を相手取るのは確かな経験値になる。
光我の成長速度には目を見張るものがある、とこの半年間を見てきた者たちは口々に言う。
もしもあと数年修行を積めば、一人前の闘技者になれるのはほぼ間違いない。
しかし、光我が望む仕合はまさに今。煉獄との対抗戦である。
残る期間は僅か一か月。怪我が完治したとて、とても訓練だけで一級線の闘技者たちとの差を縮められるものではない。
ならばこそ。
一般人ですら武器を持てば戦力になる、この地獄のような環境は光我にとってこれとない鍛錬場になり得るのではないか。
無論、無差別に襲い掛かるような真似はしないが、殺し合いに賛同した者を相手取るのは確かな経験値になる。
(...いい機会だ。利用できるものはとことん利用させてもらうぜ)
脱出の為に行動し、且つ実戦の経験を積む。
そう方針を定めた光我は、まずは支給品の確認を始めることにした。
そう方針を定めた光我は、まずは支給品の確認を始めることにした。
「...なんだこりゃ」
掴み引っ張り出したのは一枚の白い布。説明書によればグルメテーブルかけという、テーブルにかけて食べたい物を唱えればたちまち食料が出てくる魔法のテーブルかけらしい。
「ケッ、くだらねえ」
もしもこんなものが実在すれば料理人は商売あがったりだ。
こんな都合のいいものがあるはずがないだろう。
こんな都合のいいものがあるはずがないだろう。
「パチモンだパチモン。なんか他に使えそうなものは...」
ぐぅ〜
腹の音が鳴り、ピタリと手が止まる。
「......」
今まで入院していたこともあり、食事を抑えられていたことを思い出す。
ここに連れて来られる前に何故だか怪我は完治していたが、生理現象までは回復していないらしい。
ここに連れて来られる前に何故だか怪我は完治していたが、生理現象までは回復していないらしい。
「...ま、まあ、どのみちまずは飯を食わなきゃならないしな。うん、こんな玩具を信じるワケじゃねえからな」
キョロキョロと見回し、テーブルに使えそうな岩を探し出し、グルメテーブルかけをかける。
ごくり、と唾を飲み呟いた。
ごくり、と唾を飲み呟いた。
「...ハンバーガー」
するとどうだろう。瞬く間にテーブルかけの上にハンバーガーが現れたではないか。
驚愕に目を見開く光我は間髪入れずハンバーガーを鷲掴みにし口に運ぶ。
驚愕に目を見開く光我は間髪入れずハンバーガーを鷲掴みにし口に運ぶ。
「うめえ...」
ふかふかとしたパンの触感に、シャキリ、という触感と爽やかな野菜の風味、じゅわりと滲む肉汁。
間違いない。これは本物のハンバーガーだ!
間違いない。これは本物のハンバーガーだ!
あっという間に平らげた光我は、次の料理の名を口にする。
「サーロインステーキ!」
香り立つ湯気の匂いに食欲は掻き立てられ、ナイフとフォークを掴みすぐに肉の切り分けにかかる。
「うめえ...うめえ!」
口内に広がる旨味に歓喜し己の幸運に感謝する。
本来なら護身用の武器や防具を望むのが当たり前かもしれないが、光我にとってその二つは無用の長物。
拳願試合にしても煉獄にしても、武器を用いての試合はご法度であり、人体改造をしたような例外を除けば己の肉体のみで戦うのが基本だからだ。
故にこの場でも武器を使って勝ち残っても光我にとっては意味が無い。
素手で生き残ってこそ鍛錬の意味があるというもの。
そういう縛りの中では、食糧問題を解決できるこの支給品は光我にとって最高の当たりだった。
本来なら護身用の武器や防具を望むのが当たり前かもしれないが、光我にとってその二つは無用の長物。
拳願試合にしても煉獄にしても、武器を用いての試合はご法度であり、人体改造をしたような例外を除けば己の肉体のみで戦うのが基本だからだ。
故にこの場でも武器を使って勝ち残っても光我にとっては意味が無い。
素手で生き残ってこそ鍛錬の意味があるというもの。
そういう縛りの中では、食糧問題を解決できるこの支給品は光我にとって最高の当たりだった。
ステーキを半ばまで食べ、水を飲み一息をついたその時。
―――ガサリ
光我の背後から、草木を掻き分ける音がした。
(ちっ、こんな時に参加者のお出ましか)
光我が振り返ると、そこにはセーラー服に身を包み、右手に持った刀がやけに印象的な黒髪長髪の少女が立っていた。
少女は血走った目で光我を睨みつけ、殺気にも似た威圧感を飛ばしていた。
(おいおいいきなりやる気かよ)
両拳を構え臨戦態勢をとる光我。
普段ならば「まあ子供相手だ、武器をパッと弾いて落ち着かせよう」と油断混じりに対応していたかもしれない。
しかし、少女の醸し出す空気は現状に錯乱した子供のものではなく、拳願仕合でも何度か肌で感じたことがある歴戦の戦士のものだった。
普段ならば「まあ子供相手だ、武器をパッと弾いて落ち着かせよう」と油断混じりに対応していたかもしれない。
しかし、少女の醸し出す空気は現状に錯乱した子供のものではなく、拳願仕合でも何度か肌で感じたことがある歴戦の戦士のものだった。
(勘弁してほしいぜ、女の子を殴りたくなんてねえよ俺)
泣き言を言っても、このまま気持ちまで受け身にまわれば間違いなく食われるのは自分だ。
相手は武器持ち。こちらから攻めに行きたい気持ちを抑え、相手の攻撃を捌くのに集中する。
相手は武器持ち。こちらから攻めに行きたい気持ちを抑え、相手の攻撃を捌くのに集中する。
ジリジリと足を進め、距離を詰めつつ攻撃を誘発する。
その一歩一歩が死へと近づくような緊張感に、光我は無意識のうちにごくりと唾を飲みこんでいた。
その一歩一歩が死へと近づくような緊張感に、光我は無意識のうちにごくりと唾を飲みこんでいた。
その隙を狙っていたかのように少女の上体が急速に沈んだ。
くるっ!
全意識を少女へと集中させ来るであろう攻撃を予測する。
刀による刺突。
刀はフェイントでタックルで倒しにくる。
両手を着いた状態からの足技。
刀による刺突。
刀はフェイントでタックルで倒しにくる。
両手を着いた状態からの足技。
(さあ、どいつで来やがる!?)
グウゥ〜
腹の音。
その余りにも予想外の手に光我はポカンと開口してしまった。
その余りにも予想外の手に光我はポカンと開口してしまった。
「は...?」
ぐぎゅるるる〜
少女はうつぶせに倒れたまま再び腹の音を鳴らす。
(演技じゃねえんだよな?)
屈み、倒れる少女を人差し指でついついとつついてみる。
やはり反応は無し。
やはり反応は無し。
ぐうぅ〜
変わらず腹の音だけが返ってくる。
(演技じゃねえなこりゃ)
光我はやれやれと被りを振り、少女へと背を向ける。
思い返せば、彼女が睨みつけていたのは光我ではなくその傍にあったステーキだったのかもしれない。
あまりの空腹で追い詰められたが故だとしたら、あの殺気にも似た気と血走った目も不思議ではない。
思い返せば、彼女が睨みつけていたのは光我ではなくその傍にあったステーキだったのかもしれない。
あまりの空腹で追い詰められたが故だとしたら、あの殺気にも似た気と血走った目も不思議ではない。
「こんな状況だ。普通なら飯も出し渋るもんだろうが、会ったのが俺で運が良かったな嬢ちゃん」
光我はグルメテーブルかけに手をかけ、「サンドイッチ」と唱え、サンドイッチを出現させた。
「一緒に食おうぜ。女の子にひもじい思いさせて自分だけ飯食うような小さい男じゃねえからな、俺は」
瞬間。ガバリ、と顔を上げた少女はそのまま四足歩行で光我のもとへと駆け寄り、皿に盛られたサンドイッチへとかぶりついた。
「はむはむはむ」
「あんまり急ぐと喉詰まらせるぞ」
「ゴクン...問題ありません、おかわりを所望します!」
「あんまり急ぐと喉詰まらせるぞ」
「ゴクン...問題ありません、おかわりを所望します!」
あっという間にペロリとサンドイッチを平らげた少女は、皿を突き出して光我に堂々と注文した。
「またサンドイッチでいいか?注文あるならそれにするけど」
「ハンバーグで、それとお米も所望します!」
「ハンバーグと米な。ほいっ」
「ハンバーグで、それとお米も所望します!」
「ハンバーグと米な。ほいっ」
テーブルかけに現れたハンバーグとほかほかの米に少女は目を輝かせ、すぐに米を口の中へとかきこみ始めた。
(よっぽど腹減ってたんだなあ)
彼女の食いつきぶりにも光我は引いた目では見ず、むしろ微笑まし気な表情を浮かべて見つめていた。
そんな彼の視線に気づいた少女は、食事を続けながら言葉を発した。
そんな彼の視線に気づいた少女は、食事を続けながら言葉を発した。
「もぐもぐもぐ...自己紹介がまだでしたね。私の名前は蒔岡玲です」
「俺は成島光我っていうんだ。よろしく」
「むぐむぐ...この度はこのような食糧を分けて頂き...もぐもぐ、ゴクン!ありがとうございました!」
「なあに、困った時は助け合いってな」
「...ちなみにおかわりは」
「おう、気が済むまで食ってくれよ」
「次はお蕎麦でお願いします!」
「お蕎麦ね。ほいっと」
「俺は成島光我っていうんだ。よろしく」
「むぐむぐ...この度はこのような食糧を分けて頂き...もぐもぐ、ゴクン!ありがとうございました!」
「なあに、困った時は助け合いってな」
「...ちなみにおかわりは」
「おう、気が済むまで食ってくれよ」
「次はお蕎麦でお願いします!」
「お蕎麦ね。ほいっと」
出されたお蕎麦に目を輝かせながら箸をつける玲に、光我は頬を緩ませながら彼女の食事シーンを堪能する。
(いやはや、よく食べる女の子ってのも可愛いもんだなあ)
支給品はかなりの当たりが割り振られ。
可愛い女の子と食事にありつけて。
つくづく自分は幸運だと光我は思った。
可愛い女の子と食事にありつけて。
つくづく自分は幸運だと光我は思った。
だが彼は知らない。
己の見えぬ場所では幾重もの事態が動き始めていることに。
己の見えぬ場所では幾重もの事態が動き始めていることに。
☆
光我たちのいる場所からさほど遠くない森林の中、眼帯を着けたハゲ頭の巨漢が額に筋を浮かべながら散策していた。
「クソッタレ、あのガキどこ行きやがった」
巨漢、鮫島はつい先ほどのことを思い返す。
日本を占領した吸血鬼、雅。その部下である蟲の王と仲間や軍隊と共に協力し戦い、その末路を見届けたところだった。
気が付けばこの会場に連れて来られ、胸糞の悪いセレモニーを見せられて、また気が付けばどこぞの森へと飛ばされていた。
鮫島はあの主催の連中の言いなりになるのは癪だと殺し合いに反発するのを決意し、収まらぬ苛立ちのままに支給品を検めていた。
気が付けばこの会場に連れて来られ、胸糞の悪いセレモニーを見せられて、また気が付けばどこぞの森へと飛ばされていた。
鮫島はあの主催の連中の言いなりになるのは癪だと殺し合いに反発するのを決意し、収まらぬ苛立ちのままに支給品を検めていた。
「武器は刀か。えーと、『無限刃』か。刃先も雑だし俺向きじゃねえな」
鮫島は基本的に鈍器や素手での戦いを主としている。
そのため、彼にとって刀の切れ味がどうのは大して意味を為さないのである。
そのため、彼にとって刀の切れ味がどうのは大して意味を為さないのである。
「他にはなにがあるかね、っと」
無限刃を傍らに置き、再びデイバックを探りだす鮫島。
その隙を突くかのように、ガサリと草むらから飛び出る影が一つ。
慌てて鮫島が振り返れば、影は無限刃を持ち去っていた。
その隙を突くかのように、ガサリと草むらから飛び出る影が一つ。
慌てて鮫島が振り返れば、影は無限刃を持ち去っていた。
「てめえ!なにしやがる!!」
影の正体はうすぼんやりと把握している。
黒髪の長髪の子供だ。
しかし、いくら相手が子供で盗まれたのもいらないものだとしても、何の挨拶もなしに持っていかれるのは非常に腹立たしくなってしまう。
故に鮫島は怒声と共に影を追いかけ、見失い、現在に至っていた。
黒髪の長髪の子供だ。
しかし、いくら相手が子供で盗まれたのもいらないものだとしても、何の挨拶もなしに持っていかれるのは非常に腹立たしくなってしまう。
故に鮫島は怒声と共に影を追いかけ、見失い、現在に至っていた。
「誰だか知らねえが今に見てやがれ。俺ァ探すのがうめェからよ、見つけたら覚悟しやがれ!」
ボキボキと拳を鳴らしながら、鮫島は額に青筋を立て凶悪な笑みを浮かべた。
☆
鮫島が散策している森の傍に広がる町、そのビルの屋上、現在より数分前。
ツインテールの褐色肌の少女が備え付けの望遠鏡で地上を見下ろしていた。
彼女の名前はソフィア・トレビ・マンサネーロ。
この殺し合いに連れて来られる前も殺し合いに巻き込まれ、そこで命を落とした少女である。
彼女は目を覚まし、己の命が再び蘇っていることに困惑していたが、あのセレモニーを見せつけられてからは一転、この会場に転移されるなり、真っ先にこのビルの屋上へ駆け上がった。
理由は単純。ビルの屋上という場所は逃げ道こそは限られているが、最初にここを押さえておけば地上の情報をより広く調べられるからだ。
情報の多さは自身の生存率を左右する。彼女はそのことを身を以て経験している。
彼女の名前はソフィア・トレビ・マンサネーロ。
この殺し合いに連れて来られる前も殺し合いに巻き込まれ、そこで命を落とした少女である。
彼女は目を覚まし、己の命が再び蘇っていることに困惑していたが、あのセレモニーを見せつけられてからは一転、この会場に転移されるなり、真っ先にこのビルの屋上へ駆け上がった。
理由は単純。ビルの屋上という場所は逃げ道こそは限られているが、最初にここを押さえておけば地上の情報をより広く調べられるからだ。
情報の多さは自身の生存率を左右する。彼女はそのことを身を以て経験している。
「......」
息絶える直前のことを思い出す。
彼女と同じく殺し合いの参加者だった少年、蒔岡彰と少女、藤堂悠奈。
彰は如何なる時もソフィアを説得し助けようとし、もう助からない彼女に対しても「一緒に帰って僕の家に住もう。毎日、皆で一緒に食事をしよう」と励まし続けてくれた。
悠奈は彰と共に、自分の死に悲しみ、涙を堪えながらも必死に呼びかけてくれた。
出会いは殺し合いの中でだったけれど、彼らと貴信、英吾の5人で共に円をかき食べた食事は、今までの奪い奪われその日を凌ぐためだけの寂しい食事とは違う、初めての温もりに溢れていた。
彼女と同じく殺し合いの参加者だった少年、蒔岡彰と少女、藤堂悠奈。
彰は如何なる時もソフィアを説得し助けようとし、もう助からない彼女に対しても「一緒に帰って僕の家に住もう。毎日、皆で一緒に食事をしよう」と励まし続けてくれた。
悠奈は彰と共に、自分の死に悲しみ、涙を堪えながらも必死に呼びかけてくれた。
出会いは殺し合いの中でだったけれど、彼らと貴信、英吾の5人で共に円をかき食べた食事は、今までの奪い奪われその日を凌ぐためだけの寂しい食事とは違う、初めての温もりに溢れていた。
(また、一緒に食事したいよ)
もしも生きて帰れたら、もう一度あの団欒を、可能であれば彰や悠奈と共にとりたい。
そんなことを願いながら、望遠鏡で地上を観察し
そんなことを願いながら、望遠鏡で地上を観察し
「え...?」
信じられないものを見た。ほんの数秒であったが、確かに望遠鏡には映っていた。
森を横切る小柄な身体。鏡越しに見た横顔は、あの女の子のように中世的でありながらも凛々しい横顔は。
森を横切る小柄な身体。鏡越しに見た横顔は、あの女の子のように中世的でありながらも凛々しい横顔は。
「アキラッ!」
瞬間、ソフィアはビルの階段へと駆け出していた。
どうしてここに、なんて疑問はすぐに頭から抜け落ちていた。
今はただ彼に会いたい。
日本語が不自由な自分にも積極的に、丁寧に話しかけてくれた彼に。
自分が辛らつに接しても微笑みかけ、初めての団欒というものを教えてくれた彼に。
どうしてここに、なんて疑問はすぐに頭から抜け落ちていた。
今はただ彼に会いたい。
日本語が不自由な自分にも積極的に、丁寧に話しかけてくれた彼に。
自分が辛らつに接しても微笑みかけ、初めての団欒というものを教えてくれた彼に。
己の生存確率さえ無視して、ソフィアは『蒔岡彰』の影を追いビルを飛び出した。
☆
一人の偉丈夫と少女に追われていることなど露知らず、玲はひたすら提供される食事にありついていた。
玲は一般的な女性よりも食事の摂取量が多い。それでも料理を5品も食べれば流石に腹は膨れるというもの。
しかし、玲はサンドイッチに続き、ハンバーグ、お蕎麦、寿司桶、カレーをその胃に通しても未だに満腹にはなっていない。
その原因は、彼女が指にはめている指輪にあった。
玲は一般的な女性よりも食事の摂取量が多い。それでも料理を5品も食べれば流石に腹は膨れるというもの。
しかし、玲はサンドイッチに続き、ハンバーグ、お蕎麦、寿司桶、カレーをその胃に通しても未だに満腹にはなっていない。
その原因は、彼女が指にはめている指輪にあった。
この殺し合いが始まり、刀剣の類が無いかと己のデイバックを探して出てきたのがこの『ちからの指環』。
説明書を読む前に指輪を嵌めた玲は、傍にあった木に拳を叩きつけることでその効果を実感。
その名の関する通り、指輪を嵌めただけで腕力が増したのだ。
これはまさに魔剣に連なる魔法のアイテムですね、と己を半ば無理やりな形で納得させ、森の散策を開始した。
故に、この指輪の隠された罠に気が付かなかった。
この『ちからの指輪』に『ハラペコの指環』の効果が合成されていることに。
ハラペコの指環とはその名の関する通りに、動けば動くだけお腹が減りやすくなる指輪だ。
そんなものを装備したまま歩き続ければあっという間に空腹に苛まれることになる。
無論、説明書を読んでいない玲が、この指輪が空腹の原因だと推測することなど出来る筈もなく。
配られた食料をあっという間に消費し、空腹を感じても尚、散策を続けた結果―――彼女の空腹はついに限界に到達。
彼女にはもともと空腹により、極端に視野と思考が狭くなる悪癖がある。
その悪癖が影響し、鮫島が地面に置いた刀を『地面に落ちているのなら私が拾っても問題はない!』という理論のもとに拾得(この時の彼女には刀の傍にいた鮫島も森の風景にしか映っていなかった)。
『刀があるなら近くに食事も落ちている筈!』と狂ったような思考回路で走り出し、早く食事を見つけなければと我武者羅に走り続けたところ、光我のステーキの匂いを嗅ぎつけ、彼のもとへと足を運んだのだ。
説明書を読む前に指輪を嵌めた玲は、傍にあった木に拳を叩きつけることでその効果を実感。
その名の関する通り、指輪を嵌めただけで腕力が増したのだ。
これはまさに魔剣に連なる魔法のアイテムですね、と己を半ば無理やりな形で納得させ、森の散策を開始した。
故に、この指輪の隠された罠に気が付かなかった。
この『ちからの指輪』に『ハラペコの指環』の効果が合成されていることに。
ハラペコの指環とはその名の関する通りに、動けば動くだけお腹が減りやすくなる指輪だ。
そんなものを装備したまま歩き続ければあっという間に空腹に苛まれることになる。
無論、説明書を読んでいない玲が、この指輪が空腹の原因だと推測することなど出来る筈もなく。
配られた食料をあっという間に消費し、空腹を感じても尚、散策を続けた結果―――彼女の空腹はついに限界に到達。
彼女にはもともと空腹により、極端に視野と思考が狭くなる悪癖がある。
その悪癖が影響し、鮫島が地面に置いた刀を『地面に落ちているのなら私が拾っても問題はない!』という理論のもとに拾得(この時の彼女には刀の傍にいた鮫島も森の風景にしか映っていなかった)。
『刀があるなら近くに食事も落ちている筈!』と狂ったような思考回路で走り出し、早く食事を見つけなければと我武者羅に走り続けたところ、光我のステーキの匂いを嗅ぎつけ、彼のもとへと足を運んだのだ。
結果、食事にありつけた為、思考はある程度落ち着いたものの、空腹は未だに収めきれず。
彼女はこうして光我の食事を喰らい続けているのだ。
彼女はこうして光我の食事を喰らい続けているのだ。
「焼きおにぎりお願いします!」
「焼きおにぎりな。はいよ」
「焼きおにぎりな。はいよ」
そんな彼女の背景にも気づかず、光我は目を輝かせながら食事する玲を堪能している。
彼女が孕み連れてきた幾重もの災難のことなど露知らずに。
【成島光我@ケンガンオメガ】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2(刀剣の類ではない)、グルメテーブルかけ@ドラえもん(21/30)
[行動方針]
基本方針:ゲームからの脱出を兼ねて鍛錬を積む。
0:いっぱい食べる女の子も可愛いなぁ
1:首輪解除を頼めそうな参加者を探す。
2:鍛錬を積み、最終的に十鬼蛇王馬や弓ヶ浜ヒカルにも勝てる闘技者になる。
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2(刀剣の類ではない)、グルメテーブルかけ@ドラえもん(21/30)
[行動方針]
基本方針:ゲームからの脱出を兼ねて鍛錬を積む。
0:いっぱい食べる女の子も可愛いなぁ
1:首輪解除を頼めそうな参加者を探す。
2:鍛錬を積み、最終的に十鬼蛇王馬や弓ヶ浜ヒカルにも勝てる闘技者になる。
※参戦時期は蟲の襲撃により入院している最中(怪我は完治させられている)。
【グルメテーブルかけ@ドラえもん】
未来の世界のひみつ道具の一つ。テーブルにこのテーブルクロスをかけて料理名を唱えればその料理が出てくる。
このロワにおいては30回まで使用できる。
未来の世界のひみつ道具の一つ。テーブルにこのテーブルクロスをかけて料理名を唱えればその料理が出てくる。
このロワにおいては30回まで使用できる。
【蒔岡玲@リベリオンズ Secret Game 2nd stage】
[状態]疲労(中)、空腹
[装備]無限刃@るろうに剣心(鮫島の支給品)、ちからの指環(ハラペコの指環の効果付き)@トルネコの大冒険3
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2(刀剣類以外)
[行動方針]
基本方針:運営の子供たちを倒す。
0:まだお腹が空いています。
1:彰の仇を探す。
2:光我には感謝です。おかわりを所望します。
[状態]疲労(中)、空腹
[装備]無限刃@るろうに剣心(鮫島の支給品)、ちからの指環(ハラペコの指環の効果付き)@トルネコの大冒険3
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2(刀剣類以外)
[行動方針]
基本方針:運営の子供たちを倒す。
0:まだお腹が空いています。
1:彰の仇を探す。
2:光我には感謝です。おかわりを所望します。
※参戦時期はBルートで黒河に特訓をつけている時。
※極限の空腹状態だったために鮫島の存在はほとんど認識していません。
※極限の空腹状態だったために鮫島の存在はほとんど認識していません。
【無限刃@るろうに剣心】
剣客・志士雄真実の愛用する刀。切れ味を保存しておくために敢えて刃先を鋸のようにギザギザにしてある。
今まで斬った人の油を摩擦熱で燃やし簡易的な炎を生み出すことが出来る。
剣客・志士雄真実の愛用する刀。切れ味を保存しておくために敢えて刃先を鋸のようにギザギザにしてある。
今まで斬った人の油を摩擦熱で燃やし簡易的な炎を生み出すことが出来る。
【ちからの指環(ハラペコの指環の効果付き)@トルネコの大冒険3】
大商人・トルネコが不思議のダンジョンで拾った指輪。
ちからの指環の効果で装備者のちからが少し上がる代わりに、合成素材のハラペコの指環の効果で装備者のお腹が非常に空きやすくなる。
ちからの指環の合成枠は二つあり、あと一つ指輪の効果を合成することが出来る。
大商人・トルネコが不思議のダンジョンで拾った指輪。
ちからの指環の効果で装備者のちからが少し上がる代わりに、合成素材のハラペコの指環の効果で装備者のお腹が非常に空きやすくなる。
ちからの指環の合成枠は二つあり、あと一つ指輪の効果を合成することが出来る。
【ビルの付近/一日目】
【ソフィア・トレビマンサネーロ@リベリオンズ Secret Game 2nd stage】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[行動方針]
基本方針:死にたくない。
0:アキラ...会いたい...!
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1〜3
[行動方針]
基本方針:死にたくない。
0:アキラ...会いたい...!
※参戦時期は死亡後
【森/一日目】
【鮫島(兄)@彼岸島 48日後...】
[状態]健康、怒り
[装備]
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2
[行動方針]
基本方針:殺し合いから脱出する。
0:刀を盗んだガキ(玲)を探してとっちめる。
【鮫島(兄)@彼岸島 48日後...】
[状態]健康、怒り
[装備]
[道具]基本支給品、ランダム支給品0〜2
[行動方針]
基本方針:殺し合いから脱出する。
0:刀を盗んだガキ(玲)を探してとっちめる。