平安京の何処かから醤油の香ばしい香りが漂う。
こんな血みどろになるであろう場において、
誰かが料理をしていることが察せられる。
こんな血みどろになるであろう場において、
誰かが料理をしていることが察せられる。
醤油の香りは歴史を感じる、
煎餅屋の老舗から漂っていた。
煎餅を焼いているというのが見ずとも分かってしまう。
煎餅屋の老舗から漂っていた。
煎餅を焼いているというのが見ずとも分かってしまう。
「焼き立てですがいりますか?」
焼き立ての煎餅を器に盛った男性が店の奥から出てくる。
黒インナーの上に白いコートを羽織った、端正な顔つきをした男性だ。
腰にエプロンやお盆の煎餅など何処かミスマッチしているはずだが、
物腰柔らかな振る舞い方のせいか、それらが気にならなくなってしまう。
黒インナーの上に白いコートを羽織った、端正な顔つきをした男性だ。
腰にエプロンやお盆の煎餅など何処かミスマッチしているはずだが、
物腰柔らかな振る舞い方のせいか、それらが気にならなくなってしまう。
「……えっと、これは?」
声をかけられたのは、店の縁台(外にあったが、襲われやすいので中に入れた)に座り、
壁に無気力にもたれがかっている黒肌が目立つ眼鏡の青年。
煎餅を焼いていた彼よりは少し幼く、そして疲れ切った表情をしている。
壁に無気力にもたれがかっている黒肌が目立つ眼鏡の青年。
煎餅を焼いていた彼よりは少し幼く、そして疲れ切った表情をしている。
「煎餅です。日本の食べ物ですが、知りませんか?」
「いえ。僕はアメリカに住んでてニホンのことは余り。」
「そうですね、これはライスのクラッカーと言えば近いかと。」
器を青年の隣に起き、それを挟むように彼も隣へ座りこむ。
こんな状況で何故料理をしているのかと眼鏡の青年も思うが、
静かな表情で、しかし派手な音と共に食べる彼を見て、食欲を掻き立てられて煎餅を口にする。
クラッカーとは言うがそれよりも分厚くて硬い。しっかり噛まなければいけないものだ。
だが口にした以上は食べようと、同じように大きな音と立てつつ食べる。
こんな状況で何故料理をしているのかと眼鏡の青年も思うが、
静かな表情で、しかし派手な音と共に食べる彼を見て、食欲を掻き立てられて煎餅を口にする。
クラッカーとは言うがそれよりも分厚くて硬い。しっかり噛まなければいけないものだ。
だが口にした以上は食べようと、同じように大きな音と立てつつ食べる。
「不思議な味……ソースとは違う感じだ。」
塩とは違うしょっぱさが、
まだ熱を持った煎餅に染み込んでいて何処か落ち着く味を出す。
まだ熱を持った煎餅に染み込んでいて何処か落ち着く味を出す。
「ソイソース、此方では醤油と言いますね。」
「ショーユ……」
好きかどうかはまだ分からない。
ただ彼は少なくともこの味は嫌いではなかった。
だからか、二枚目の煎餅も口にしていく。
ただ彼は少なくともこの味は嫌いではなかった。
だからか、二枚目の煎餅も口にしていく。
「ところで、カナタは何故煎餅を?」
「煎餅屋ですから。」
「いえ、そういうことじゃなくて……」
煎餅屋が煎餅を焼くのがおかしいとかの意味ではない。
なぜこの状況で煎餅を焼いているのかと言うことだ。
彼、コルテオは殺し合いが始まったと同時に気絶した。
精神が擦り切れていた中でのこの状況に精神が持たなかったのだ。
そして気が付けば縁台に寝かされており、冬摩彼方と出会った。
最初は殺されると思ったが今生きているという事実もあってか、
ある程度落ち着きを取り戻して今に至っている。
ただ殺し合いの場でするような行動ではなく、
戸惑いが隠せていない。
なぜこの状況で煎餅を焼いているのかと言うことだ。
彼、コルテオは殺し合いが始まったと同時に気絶した。
精神が擦り切れていた中でのこの状況に精神が持たなかったのだ。
そして気が付けば縁台に寝かされており、冬摩彼方と出会った。
最初は殺されると思ったが今生きているという事実もあってか、
ある程度落ち着きを取り戻して今に至っている。
ただ殺し合いの場でするような行動ではなく、
戸惑いが隠せていない。
「いやですね。殺そうとしたら相手も殺そうとするじゃあないですか。」
「は、はぁ。」
彼方ははっきり言って強い。
魔界孔から溢れる魔界の軍勢が蔓延る街、真宿。
そこで煎餅屋を営むと言う気でも違えたかのようなことをしてるが、
同時に真宿に居座るだけの実力を持っているからこそ成せている。
……約一名が彼にぞっこんなのも一枚噛んでそうではあるが。
魔界孔から溢れる魔界の軍勢が蔓延る街、真宿。
そこで煎餅屋を営むと言う気でも違えたかのようなことをしてるが、
同時に真宿に居座るだけの実力を持っているからこそ成せている。
……約一名が彼にぞっこんなのも一枚噛んでそうではあるが。
「穏やかな生活が好きですから。」
場合によっては天下すら狙えそうな実力を持ちつつも、
ただ余生を過ごす老人のように彼は真宿に居座り続けた。
真宿の治安のためでもあったが、それでも力に対してやることは大きくない。
此処でも変わらず、降りかかる火の粉は払うといった程度だ。
ただ余生を過ごす老人のように彼は真宿に居座り続けた。
真宿の治安のためでもあったが、それでも力に対してやることは大きくない。
此処でも変わらず、降りかかる火の粉は払うといった程度だ。
「でも、それだと首輪が……」
「僕にはこれを何とか出来る方法はさっぱりなのでなんとも。
そう言うのに長けた人に任せて、餅は餅屋ならぬ、煎餅は煎餅屋です。
当てもなくさまようよりは体力を温存するのがいいでしょう。客寄せもしてますし。」
そう言うのに長けた人に任せて、餅は餅屋ならぬ、煎餅は煎餅屋です。
当てもなくさまようよりは体力を温存するのがいいでしょう。客寄せもしてますし。」
煎餅を焼いてる匂いが届けば人がいると教えてるようなもの。
遅かれ早かれ、此処には参加者が来てしまうがそれで構わなかった。
無駄に体力を使うよりも相手が来てくれる方が助かるし、
敵であれば排除する、ただそれだけのことでいつものことだ。
遅かれ早かれ、此処には参加者が来てしまうがそれで構わなかった。
無駄に体力を使うよりも相手が来てくれる方が助かるし、
敵であれば排除する、ただそれだけのことでいつものことだ。
「そういう君は?」
「……僕は命の奪い合いにもう関わりたくないんだ。」
コルテオの全身が震える。
三か月間、マフィアの界隈の中で疲れ切っていた。
殺し殺されの殺伐とした世界とは関わりたくない。
ファンゴを殺したときも恐怖でガタガタと震えるほどだ。
当然、願いを叶えるまでの間に間違いなく精神が折れてしまう。
三か月間、マフィアの界隈の中で疲れ切っていた。
殺し殺されの殺伐とした世界とは関わりたくない。
ファンゴを殺したときも恐怖でガタガタと震えるほどだ。
当然、願いを叶えるまでの間に間違いなく精神が折れてしまう。
「でも……生き残ったとしても兄弟が困るんだ。」
一方で、何かしらの手段で首輪を外してメフィス達を倒し、
元の世界に戻れても、兄弟のアヴィリオの身が危なくなってしまう。
元の世界に戻れても、兄弟のアヴィリオの身が危なくなってしまう。
アヴィリオは家族の仇を討つために、あえて仇であるマフィアに入った。
復讐の計画を着実と進めたが、コルテオの逃亡を手引きしたことで立場が危うくなってしまう。
彼の潔白を証明するために、自分が死ぬと分かっていても戻って彼に撃たれて死を迎えた。
一人で逃げることもできた。それでも親友を、兄弟を捨てて逃げることはできなかった。
だが自分が生き返れば、今度は完全に無関係なアヴィリオにあらぬ疑いが掛けられる。
それだけは避けなければならない。だから、生きて戻ると言うこと自体もしたくなかった。
復讐の計画を着実と進めたが、コルテオの逃亡を手引きしたことで立場が危うくなってしまう。
彼の潔白を証明するために、自分が死ぬと分かっていても戻って彼に撃たれて死を迎えた。
一人で逃げることもできた。それでも親友を、兄弟を捨てて逃げることはできなかった。
だが自分が生き返れば、今度は完全に無関係なアヴィリオにあらぬ疑いが掛けられる。
それだけは避けなければならない。だから、生きて戻ると言うこと自体もしたくなかった。
「……随分、複雑な立場ですね。」
斬真君ならなんとかするよう掛け合ってくれるでしょうけど、
とは思うものの自分が助ける、と言うつもりは彼方にはない。
あの世紀末な世界で、海を渡るのは容易な話ではないのだ。
スカルサーペントのような海路を行き来できる手段はなく、
狼牙軍団でもそれを現状は持っているとは言えない。
嘘で彼に希望を見出させると言うことは余りしたくなかった。
とは思うものの自分が助ける、と言うつもりは彼方にはない。
あの世紀末な世界で、海を渡るのは容易な話ではないのだ。
スカルサーペントのような海路を行き来できる手段はなく、
狼牙軍団でもそれを現状は持っているとは言えない。
嘘で彼に希望を見出させると言うことは余りしたくなかった。
「何にせよ、少し待ってみましょう。
この場で解決できる人がいるかもしれないですから。」
この場で解決できる人がいるかもしれないですから。」
「……はい。」
彼方が煎餅を焼くため席を立ち、
コルテオは煎餅を三度口にする。
醤油のしょっぱさが、どこか寂しく感じた。
コルテオは煎餅を三度口にする。
醤油のしょっぱさが、どこか寂しく感じた。
【冬摩彼方@大番長】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0〜3
[思考・状況]
基本方針:降りかかる火の粉だけは払う。
1:いるかは知りませんが、斬真君がいれば彼について聞いてみる。
2:今は煎餅を焼いて、人を待ちますか。
[備考]
※参戦時期は少なくとも狼牙軍団加入後、キュウシュウ勢力が決着をつける前です。
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0〜3
[思考・状況]
基本方針:降りかかる火の粉だけは払う。
1:いるかは知りませんが、斬真君がいれば彼について聞いてみる。
2:今は煎餅を焼いて、人を待ちますか。
[備考]
※参戦時期は少なくとも狼牙軍団加入後、キュウシュウ勢力が決着をつける前です。
【コルテオ@91Days】
[状態]:精神疲労(大)、迷い
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0〜3
[思考・状況]
基本方針:分からない。
1:死にたくはない。
2:でも人を殺したくもない。
3:かといって戻ればアヴィリオが殺されるかもしれない。
4:僕はどうすればいいんだ?
5:暫くはカナタといる。
[備考]
※参戦時期は10話死亡後です。
※メフィスとフェレスの話は断片的にしか覚えていません。
[状態]:精神疲労(大)、迷い
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0〜3
[思考・状況]
基本方針:分からない。
1:死にたくはない。
2:でも人を殺したくもない。
3:かといって戻ればアヴィリオが殺されるかもしれない。
4:僕はどうすればいいんだ?
5:暫くはカナタといる。
[備考]
※参戦時期は10話死亡後です。
※メフィスとフェレスの話は断片的にしか覚えていません。
※煎餅屋から醤油の匂いや煙が出てます。