その1
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homuhomu_tabetai
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ホムーホムー マドマド ホミュッ マデョー ワラワラ ザワザワ
ここは野生ほむの群れの集会場。
ほむほむ達は集め寄った餌を夕食として分配している最中だ。
このシステムを採用してから、老ほむほむや仔ほむなど狩りに行けないものも平等に食事を取ることが可能になった。
まどまど「マドォ~~」 ムチャムシャ
仔ほむ「ホミャァ~~♪」パクパク
老ほむほむ「ホミャァ~~ホッフウゥ…」アリガタヤアリガタヤ
でぶほむ「ホフッホフッ!!」タリナイヨ! プンスカ
仔まど「マデョォー…」タベスギダヨ…
だが……
めがほむ「ホムゥ……」グウウウゥゥ……
めがほむ「ホ…ホムゥ……」ワタシノエサ…
野生では仲間のほむほむ達から嫌がらせを受けるめがほむをよく見かける。
めがほむ種は数少ない群れのまどまど達からモテるため、仲間から妬みを買いやすいのである。
身体が弱く、子孫を残しにくいめがほむが好まれる理由はよく分かっていないのだが、
希少種の仔を宿したいという思いはどのまどまどにも多かれ少なかれ存在するようだ。
まどまどは面倒見が良い性格なので、弱弱しいめがほむに庇護欲を感じるのだという説もある。
何れにせよ、群れの中で数少ないまどまどを巡って日夜求愛合戦を繰り広げている並ほむ達には、面白くない話である。
リボほむもやはり希少種でまどまどの憧れの的ではあるが、
群れをほ食種や人間から守ってくれる有益な存在と判断されるため、このようなイジメが生じることはない。
賢いめがほむは群れの中の立ち回り方を意識して参謀役や子守担当などに就き、イジメの対象になることを避けることが多い。
残念ながらこのめがほむは身体も頭も平均以下だったため、そのような役職に就くことができなかったのだ……
ほむほむ1「ホムッフゥwwww」ソレデモクッテロw
ペシッ
毛虫「ニョローン」ニュルルッ
めがほむ「ホッ…ホビェエエエエエェェェェエェッ!!!!」ジョボボ~~
ほむほむs「「ホムッホムッホムッwwwwwwww」」ゲラゲラプックスクス
……だが、ブサイクほむ共がいくら小賢しい真似をしようとめがほむがモテるという事実に変わりは無いのであった。
スッ
美まど「ホムラチャッ!!」
めがほむの前に現れたのは、群れ一番の美まどまどである。
彼女を狙う若ほむは多く、毎日のように熱烈な求愛を受けるのだが、その全てをにべも無く断っていた。
そんな高嶺の花の彼女がいじめられっ子のめがほむに駆け寄った――――若ほむ達に動揺が奔る。
めがほむ「カナメ…サン??」
ドサッ ドサッ
美まどまどはフリルスカートの上に載せた大量の餌を下ろす。
虎視眈々と彼女を狙うほむほむ達が、頼んでもいないのに寄越してきたものである。
美まど「マドッ!」タベテ!
めがほむ「ホ…ホミャァ??」イイノ…?
美まど「マドマド…」コクコク
美まど「ホムラチャマドンッ!!」ソレニ…エサナラワタシガトルヨ!!
めがほむ「カナメサン……」ジワァッ
美まど「ホムラチャーン♪」スリスリ
めがほむ「ホムゥゥゥン……////」カァッ
ほむほむs「「ホムゥ………」」イライラ ギリッ…
その日、目出度くふたりはつがいになった。
見上げれば見事な満月と星たちが空を埋め尽くしている。
まるで、群れの仲間の代わりに彼らを祝福しているかのようであった。
当然というべきか、その日からイジメはよりいっそう過酷なものになった。
ほむほむ2「ホムッ!ホムッ!!」シネッ!! ゲシゲシ
ほむほむ3「ホムンッ!!」キモインダヨ!!! カミノケヒッパリ
めがほむ「ホビャアアアァァァアッ!!」ヤメテヨオォォォォ!!
だが……
スッ
美まど「ホムラチャン……マドマドォ…?」…ナニシテルノ?
ほむほむs「「ホッ…ホムゥウウウウウウッ!!」」ナッ…ナニモシテマセーン!! ニゲニゲ
美まど「ホムラチャン!!」トテテ
めがほむ「ホミャアアアァァァ……」イタイヨォォ…
美まど「マド……マド……」ペロペロ シュワワ……
めがほむ「カナメサァーン////」カイフク
ギュー ダキツキ ホムゥゥゥゥゥ//// ホムラチャ~ン/// スリスリチュッチュ
……どんな辛い仕打ちも、愛するまどまどと一緒なら耐えられるような気が、した。
美まどまどが身を挺してめがほむを庇うので、血気盛んな若ほむ達も次第に彼らから手を引くようになった。
だが、一度火の点いた嫉妬の炎はそう易々と消えてくれるはずもなく…………