その4
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homuhomu_tabetai
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武器を持ち、向かい合ったまま動こうとしない両ほむに、観客は早くも焦れ始めていた。
観客1「早くしろー!」
観客2「さっさとはじめろー!」
観客3「もったいぶるなよ!」
《ど、どうしましょう……?》
野次も飛び始めた様子に、マイクの電源も切り忘れて慌てるアナウンサーである。
知久《仕方ないね。5秒毎に1匹、仔ほむを潰そうか》
親ほむ「ホムゥ!?」
白まど「ミャド!?」
その言葉に偽りがないことを示すかのように、場外の芝生が割れ、下からせり上がってきたのは、親ほむたちが今朝まで暮らしていた、2つのケージだった。
ほむほむs「ホム……? ホムホ?」
突然引っ張り出され、間抜け顔で硬直する住民たち。
その動揺も意に介さず駆け寄ってきた係員たちが、ケージを探り、それぞれ仔ほむたちを掴み取る。
仔ほむs「ホミャァァァーーー!!!ホミャァァァーーーー!!!」ビエーン
親ほむs「ホムムッ!ホムゥゥゥゥーーーー!!!」 ピョンピョン
知久《5・4・3・2・1……0》
仔ほむ9「ホミ……ホミ゙ャ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!」グチャアッ
仔ほむ12「ホミュゥゥ! ホビィ゙ィ゙ィ゙ィ゙ィ゙ィ゙ィ゙ーーーーー!!!!!」ブチャアッ
親ほむ2「ホムァァァ!? ホビャァァァァァァァァァーーーーーー!!!!」ポロポロ
親まど2「マドォォーーーー! マドマドォォォォォォーーーーーーン!!!!!」ポロポロ
観客たち「おおおぉぉぉぉーーー!!!」
急遽始まったショーに、会場内は大盛り上がりである。
知久《さて、次だ》
親ほむ「ホ……ホムァァァァ……!!」
白まど「マド……マドォォォォ……!!」
もうやめてと叫ぶ2匹だが、知久は一顧だにしない。
次なる生贄に選ばれたのは――
仔りぼほむ「ホミャァァァァァーーーー!!」ポロポロ
二匹の愛の結晶である、仔りぼほむだった。
親ほむ「ホムホ!? ホムゥゥゥ……!!」
白まど「マリョォォーー!!! ……マリョォォォォ……」
知久《5……4……3……》
白まどの脳裏に、沢山の思い出が過ぎった。
妹を失い、泣き明かした夜。
のちの番である、小さな仔ほむと出会った朝。
大好きなさくらんぼを分け合って食べた昼。
結ばれ、仔作りをした夕。
知久《2……1……》
白まど「マドッ!! マドォォォォォオオオオ!!!!!」
呆然と剣を握ったままの親ほむに向かって、剣を構え、前傾姿勢で走り寄る白まど。
羽が折れ、妊娠までしている白まどに、かつての俊敏さはない。それでも、懸命に突進する。
目前に迫る凶刃に、思わず目を瞑る親ほむ。
そして――
剣は深々と突き刺さった。
白まど「マギッ!! マグゥゥゥ……」ザシュッ
親ほむ「ホ……ホムァ……?」
――白まどの胸に。
親ほむ「ホッ……ホムゥゥゥゥゥゥーーーーーーーッ!!!!!」ギュゥゥゥ
抱きとめる親ほむだが、白まどの胸から流れ落ちるまどエキスは止まらない。
涙を流してすがりつく親ほむに、白まどは仔どもたちを託し――
白まど「ホミュラチャン……マ、マドォ……」アリガトウ……ダイスキダヨ……
親ほむ「マドカァッ! マドカァァァァ……」コクコク ポロポロ
白まど「マ……マ、ド……ォ」クタリ
必死に頷く親ほむを残して、力尽きるのだった。
親ほむ「ホ、ホアァ……マドカァァァァァ……!!!」ポロポロ
《勝者……ほむほむ!!》
観客たち「おおおぉぉぉぉーーー!!!」
勝敗は決した。
それを裏付けるかのように、2つの『控え室』の扉が開き、白まどの亡骸と親ほむの元へ、群の仲間たちが駆け寄ってくる。
だが、誰もが悲しげな表情を浮かべ、泣き濡れる親ほむに近づくこともできない。
いや、進み出る影が数匹、あった。
親ほむの仔どもたちである。
そのどれもが、幼い顔を悲痛に歪め、ポロポロと涙をこぼしている。
仔ほむ1「ホミュ……」ギュゥゥゥ
仔ほむ2「ホミュゥ……」ギュッ
仔ほむ3「ホミィィ……」ペタペタ
仔りぼほむ「ホミャァァァァァァーーーーー!!」スリスリ
悲しみに暮れながらも、親ほむは立ち直ろうと必死だった。
もう、一家の支えだった白まどは居ない……
自分がこの仔どもたちを守り、支え、育て上げていかなければならないのだ。
親ほむ「ホムム……マドカァ……!!」ギュッ
――小さな手を握り締める。
この仔たちは私が守る。だから、どうか天国で見守っていて。きっと、いつかまた会えるから。