その1
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homuhomu_tabetai
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401 名前:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[saga sage] 投稿日:2011/12/18(日) 20:04:36.07 ID:KPGv9VKG0
歌を、唄おう。
野良仔さや「チャヤヤ~♪」
どんな歌が好き?
野良仔さや「チャヤチャチャヤ、チャヤチャヤ♪」
心が躍る、歓びの歌。
野良仔さや「チャヤチャヤ、チャッチャチャヤチャヤ♪」
仲間に唄う、友情の歌。
野良仔さや「チャヤヤンチャヤヤン、チャヤチャヤチャ♪」
仲間を讃える、勇気の歌。
そして………
野良仔さや「キョーコ……チャヤヤチャヤヤ♪///」
野良仔あん「チャヤカァ……クーキャイ///」
………君に唄う、恋の歌。
さあ、歌を、唄おう………。
野良ほむ種の世界は、我々が思う以上に過酷だ。
野良にも幾つかの区分がある。
先ず、田舎の野良達。
彼女達は、人が手を入れた里山に棲み着き、畑の雑草やきゅうべえを食べながら、
地元の人間達と上手な共生関係を築く事が出来ている。
次に、郊外に住む野良達。
彼女達は、野犬や蛇などの天敵に襲われる危険性が少なく、近場の河原や草原を餌場とし、
その多くが群を成して、準野生コロニー的なコミュニティーを形成する事が出来る。
最後に、都市に住む野良達。
彼女達は悲惨である。
人間の作った街の中に、彼女達の好む住処は少なく、また餌場も少ない。
社会性と言語理解力の高いほむ種は、人間達に怒られると民家の軒先や床下に住処を構える事が出来なくなり、
また、人間に迷惑をかける事を嫌って残飯を漁るような事もしない。
結果的に、彼女達は僅かな住処と餌場を求めて彷徨う事となる。
身体の小さなほむ種にとって、我々人間の街は、見上げても見上げきれぬ巨人の街。
我々が徒歩十数分で住む近所への買い物の距離ですら、
彼女達にしてみれば十数時間から丸一日をかける決死行となる。
その決死行の中、何が起きるかと言えば、最大の悲劇は事故であろう。
見上げる程の巨大な鉄の塊――車は、害意も悪意もなく、彼女達を轢き潰す事がある。
決して、我々人間が無感情にほむ種を蹂躙するワケではなく、
単に見えなかった、気付かなかったなどの、
ふとした理由で彼女達を轢き潰してしまうのである。
ほむ種の身体は最大で10センチ前後。
近付けば気付いて避ける事も出来るだろうが、
多くの場合は気付かずに轢き潰してしまう場合が殆どだろう。
これは決して、我々人間を責めるワケではなく、
都市型野良が辿る、言わば命の結末の一つと言うだけだ。
彼女もまた、そんな運命に翻弄され、孤独の淵に落ちた一匹のほむ種だった。
野良仔あん「ニャン……チャビチィモンニャァァ……」ポロポロ フルフルカタカタ
公園近くの民家の壁に寄りかかり、涙ながらに身体を震わせる野良の仔あんあん。
前述の通り、彼女は多くの事故で家族を失い、一人になった。
野良親あん『アンアン! クーカイッ!』ナデナデッ
家族の長とも言える親あんあんは一週間前、餌を探しに出た時、車に轢き潰されて死んだ。
野良親まみ『マミィ、ナニモコワクナイ』ナデナデ
残された片親、優しかった親まみまみも一昨日、一人で自分達を育てる疲労と飢えで力尽きた。
野良子ゆま『ユミャユミャァ、キョーコォ』スリスリ
最後の肉親だった妹の仔ゆまゆまも、今日の夜明け前に、飢えで亡くなった。
野良仔あん「ニャン……ニャァァ……」パタン……
最早、目の前の公園までたどり着く体力も残されていなかったが、
ついに壁で身体を支える体力さえ失い、倒れる。
母と妹の亡骸を、住処だった廃棄パイプの中に遺し、一人旅立ったのが今朝。
暮れ泥む灰褐色の街を、涙が溢れ続ける虚ろな目で見ながら、
飢えと、疲労と、孤独感に苛まれ、最期の時を迎えようとしていた。
野良仔あん「チャビチィ……モンニャァァ……」ポロポロ
冷たいアスファルトの上に倒れ、泣き濡れて力尽きる。
都市型の野良の仔には珍しくもない、呆気なくも孤独な最期。
力尽き、命尽きかけた野良の仔は、
僅かに離れた、だがもう遥か彼方に感じる公園に目を向ける。
野良仔あん「ニャァ……」
あそこに見える土の中にはきゅうべえが……御飯があったかな?
野良仔あん「クゥ……キャィ……」
あの草の上は、暖かいかな?
お母さん達や、妹みたいに……。
野良仔あん「チャビ…チィ………」
冷たかった身体が……
野良仔あん「……モン…ニャァ…」
……何も感じなく……
?????「チャヤ?」