その1
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homuhomu_tabetai
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「ホム♪ホムゥー♪」
ハキハキ シャカシャカ
ほむほむは今日もお部屋のお掃除をしています。
ホウキとチリトリは、ご主人がほむほむのために用意してくれた、ほむほむサイズです。
「ただいまー」
暗くなる頃、ご主人がお仕事から帰ってきます。
「ホムゥ!」 オカエリナサイ!
ほむほむは玄関までご主人を迎えに行きます。
「ほむほむのおかげで、うちはいつもチリひとつないよ!ありがとう!」
ご主人はいつも喜んでくれます。
「ホムゥ///」
そしてほむほむを褒めてくれて、指で頭をなでてくれます。
ほむほむはそれがとっても嬉しいのです。
「はい、ご飯だよ~」
「ホムゥ!」
そして晩ご飯を食べます。
ご主人の食卓の上にほむほむ用のテーブルを置いてくれて、一緒に食べます。
それからほむほむは寝ます。
部屋の隅にほむほむ専用のおうちがあって、その中にベッドがあるのです。
それもご主人がほむほむのために用意してくれました。
朝ごはんもご主人と一緒です。そして、ご主人がお仕事に出かけると、ほむほむの仕事も始まります。
ご主人は一人暮らしなので、お部屋はひとつしかありません。そのお部屋をほむほむは隅から隅まで綺麗にします。
人間の手の届かないようなたんすの裏や、戸棚の下の隙間まで、しっかりお掃除します。
「ホム♪ホムゥー♪」
ハキハキ シャカシャカ
お昼ごはんは、ご主人が用意しておいてくれたものを食べます。ひとりの食事は少し寂しいですが、ほむほむはへこたれません。暗くなる時間には必ずご主人は帰ってきてくれます。なので、それまでにお部屋のお掃除を終わらせなければなりません。
「ホムー♪ホムゥー♪」
お掃除は大変ですが、ご主人が褒めてくれたり撫でてくれるのを考えながらだと、とても楽しくなります。
「ただいまー」
そしてお掃除が終わる頃、ご主人が帰ってきます。
「ホムゥ!」 オカエリナサイ!
「今日もありがとう、ほむほむ!今日はいつも頑張ってくれているお礼に、ご褒美をあげるよ!」
「ホムゥ?」
「まどまどだよ!」
「マドー! ホムラチャーン!」
「ホムゥ! マドカァ!」
ほむほむとまどまどが喜ぶのを見て、ご主人もとっても嬉しそうです。
晩ご飯は3人で食べました。
ほむほむのおうちは、まどまどと二人では少し狭すぎます。
ご主人が新しく用意してくれて、ほむほむとまどまどのおうちになりました。
「マドカァー///」
「ホムラチャーン///」
二人はなかよく並んで寝ました。
お仕事に行くご主人をふたりで見送ると、ほむほむもまどまどに見送られておうちを出ます。
「ホムホムゥ!」 イッテキマス!
「マドマドォ!」 イッテラッシャイ!
「ホムー♪ホムゥー♪」
ハキハキ シャカシャカ
ご主人だけでなくまどまども待ってくれているので、ほむほむの仕事にもいっそう身が入ります。
「ホム! マドカァー!」 タダイマ! マドカ!
「マドォ! ホムラチャーン!」 オカエリ! ホムラチャン!
お昼には一度おうちに帰ってまどまどと一緒にお昼ご飯を食べます。
ご主人が用意してくれていた食事をまどまどが丁寧にテーブルに並べてくれています。
「ホムホムゥー♪」「マドマドォー♪」
ふたりで食べる食事はひとりのときと比べ物にならないほど楽しくて、おいしいのです。
おうちで一休みすると、ほむほむはホウキとチリトリを持って、また仕事に出かけます。
「ホムホムゥ!」 イッテキマス!
「マドマド!」 ガンバッテネ!
「ホムー♪ホムホムゥー♪」
ハキハキ シャカシャカ
ほむほむはお掃除の続きを始めました。
・・・・・・
やがてほむほむとまどまどにこどもができました。
「ホミューホミュー!」「ミャドーミャドー!」
「マドマドー! ホムラチャーン///」 ニコニコ
「ホムホムー! マドカァー///」 ニコニコ
「よかったね、ほむほむ!まどまど!」
ご主人もとっても喜んでくれました。
「マドマドォー!」 イッテラッシャイ!
「ホミュホミュー!」 イッテラッシャイ!
「ミャドミャドー!」 イッテラッシャイ!
「ホムホムゥ!」 イッテキマス!
ほむほむは家族に見送られて、今日も仕事にでかけます。
そして一生懸命仕事をして、家族でお昼ご飯を食べて、また仕事をして、ご主人と家族で晩ご飯を食べます。
そんな毎日がほむほむはとっても大好きでした。
それがいつまでも続くのが、ほむほむの一番の幸せです。
・・・・・・
ある日、いつものようにお仕事からご主人が帰ってきて、楽しく一緒に晩ご飯を食べました。
そして、その後片付けがちょうど終わったとき…
ピンポーン!
お部屋のチャイムが鳴りました。
「ちょっと待っててね」
ご主人が玄関に向かいます。ほむほむたちは言われたとおり、食卓の上でご主人を待ちます。
「ホムホムー!」 シズカニ マトウネ!
「ホミュ!」 「ミャド!」 ウン!
そのとき、玄関からご主人の大声が聞こえました。
「やめてください!」
そして、他の人間の声もいくつも聞こえます。
「ほむほむを愛玩目的で飼育するのは禁止されています」
「先日摘発されたほむほむグッズ専門店の顧客名簿にあなたの名前が載っていたのです」
「部屋の中を見せてもらいます」
そして、ドカドカと大きな足音をたてながら、知らない人間が何人も入ってきました。
「まどまどもいるじゃないか」
「しかもこどもまで」
「実験目的以外のほむほむの繁殖は重罪ですよ」
ご主人は別の人間たちに腕をつかまれていて、動けないようです。
「飼育とか繁殖じゃない! ほむほむたちは私の家族です!」
手を振りほどこうともがきながら、ご主人は叫んでいます。
知らない人間たちは部屋の隅に置いてあるほむほむたちのおうちを見つけました。
「これがほむほむグッズ専門店で買った物だな」
言いながら、おうちの中をガザゴソと探っています。