その2

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homuhomu_tabetai

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・・・・・・・・・


「…」ゼェ…ゼェ… グテー… ピクピク…

「…かなり効いたみたいだな…しかし野良って汚いのな…」


俺は自分の部屋に仔ほむを持ってきた。机の上に置いた容器の中の仔ほむは仰向けに寝そべったまま動かない…。


「…濡れたままだとコイツ…弱って死ぬかもしれないなぁ……えー…ティッシュを重ねて…と…」ガサッガサッ!

「その上にコイツを…」ヒョイ!

「…」プラーン…

「もう暴れる気も無さそうだな…これなら逃げる心配も無さそうだ……ほら…」ポト…

ポテ…
「…ホ?…ホミ…」クテー… クンクン…

「とりあえず匂いは嗅ぐのか…本能だな……もうティッシュがビチャビチャになった……仕上げだな…」ガサッガサッ!


俺はティッシュを手のひらに重ね…。

ヒョイ!
「…ホミャア…」プラーン…

ポテ!
「…ホミー…」モゾモゾ…


その上に仔ほむを落とす…少し元気になったようだ…。

ガサッガサッ!
「ほら!」バサッ!

「ホヒッ!?…ホミュゥゥゥゥ…」ガサガサ…


更に仔ほむの上にティッシュを被せて両手を軽く合わす…。


「…おにぎりみたいだな…」ギュッ!ギュッ!

「…ホミュウウゥゥ…ホニョオオォォ…」イゴイゴ…

「…もういいだろ…このまま入れとくか…容器に残った水もティッシュが吸い取るしな…」ギュッ… ポイッ!


仔ほむのティッシュ握りを容器に落とす…。


「…ホミュウウウゥゥゥ…」モゾモゾ… カサカサ… 

「ホ…『カサッ!』ホミャッ!!!…ホミュ?」クンクン…


ティッシュの中から仔ほむが顔を出した…また自分の周りのティッシュを嗅いでいる…。


「ホミュン!!」アム!

「それは食いもんじゃないぞ…」

「ホミュホミュホミュ…」モキュモキュモキュ…


仔ほむはティッシュを少し噛み千切って噛んでいる…。


「…うまいのか?」ジー…

「…ホベッ!!」…ペッ!

「…ホミュウ…」モソモソ…ゴソゴソ…


…うまくなかったらしい…吐き出してティッシュの中に潜ってしまった…。潜った時に開いた穴から仔ほむの尻が見える…。


「…ホミュウゥ…」モソ…

「…まぁそうだろうな…刺身のパックに入ってる紙なんかは味が付いてるから食うらしいけど…これは無味だしな…」ガサッ!…チーン!

「…俺の鼻をかんだのは……さすがにむごいか…ゴミ箱に…ほいっ!」ポイッ!

「…静かだな…まさか死んだんじゃないだろうな…?」ジー…

「…ミー…」モソ…モソ…


…狭い場所が落ち着くのか…仔ほむはティッシュの中でなにやら蠢いている…。


「…生きてるな…それじゃコイツの餌でも持ってきてやるか…えーと…雑食だからなんでもいいとして…」

「晩飯食ってくるか…コイツには俺のあまりを持ってきてやろう…」スタスタ…ガチャ!バタン…

「…ミャロ…カァ…」モゾモゾ…


・・・・・・・・・

ガチャ! …ホミャア
「…お!?出てきたか!」


俺が晩飯を食って部屋に入ると仔ほむの鳴き声がした…容器の中を活発に動いている。


「ホミャア…ホミュミュー…」モゾモゾ…クンクン…

「もう回復したのか…さすがだな…」スタスタ…ギシッ…

「ホミャッ!?ホミャホミャッ!!」ポコポコポコ!


机に近づいて椅子に座ると仔ほむが壁を両手で叩きだす…。


「…俺が餌を持ってるのがわかったんだな……さっきもそうだけどコイツの嗅覚ってすげーな!?」ガサッ…ポトッ!

「ホミャアァーッ!!」ポコポコポコ!


容器の前に餌…唐揚げの欠片をティッシュに乗せて置く…仔ほむは唐揚げに向かって激しく容器を叩く。


「ほらほら!餌だぞー!」ヒョイ!

「ホミャッ!!?ホミャミャー!!ホミッ!『コロン…』…ホミュー…」ピョンピョン…ドテー… ジタバタ…


唐揚げを持って仔ほむの上にかざしてやると仔ほむは両手を上げて跳ねた……あっ!…バランスを崩して後ろに転がってしまった…。


「ホミー…『コロン…』ホミュン!!『ムクッ!』ミュー!!ホミュー!!」…ピョン!ピョン!


しかしまたすぐに立ち上がり唐揚げに向かって跳ねる…あ!『コロン…』ホミー!! …また転んだか…。


「…そういえば…こいつらって躾けたら芸とか色々出来るらしいな……やってみるか…」

「ホミャーッ!!ホミミーッ!!」ピョンピョン!

「…待て…」スッ…

「ホミャアーッ!!…ホミャッ?」ピョン… ジー…


俺は片手に唐揚げを持って反対の手を唐揚げと仔ほむの間に差し出した…仔ほむは不思議そうな顔で動きを止めた…。


「…よしよし……『待て』だぞ…じっとしてろよ…」

「…ホミャ…」ジー…


…俺は心の中で五秒数える……ゼロになるまでじっとしてたら餌をやるぞと思いながら…。


『…三… 二… 一…  ゼ…「…ホミュウウゥゥゥゥゥーッ!!」ピョンピョン!

「……やっぱりいきなりは無理か…」ハァ…

「ホミャアアァァァァーッ!!ホミャミャアアアァァァーッ!!…ホミッ!?」ピョンピョン! ドテー…


…また転びやがった…。


「…まぁいいか…どうせコイツに芸を仕込んだって誰に見せるでもないし…」

「…ホミャー…『コロン』…ホミュ…ホミュミュウウゥゥゥーッ!!」ムクッ… ピョンピョン!

「お前今日は餌抜き!」パク!…ゴクン…


俺は唐揚げの欠片を口に入れ飲み込んだ…。

本当はゴミ箱に捨てようかと思ったのだが…あえて口に入れることで『もう餌は無い』という事を仔ほむに解らせる為に食ったのだ…。

…案の定…。


「ホミュウウゥゥ…ホミャッ!?…ホミャアアアアアァァァァァーッ!!」ピョンピョン! ポコポコポコ!


仔ほむは激しく暴れだした…知るか!…お前が後0.5秒我慢したらやる予定だったんだよ!悪いのはお前だ!


・・・・・・・・・


「…ホミュー…」モソ…モソ…

「…やっと静かになったか…まったくうるさい鳴き声出しやがって…」


あの後しばらく仔ほむは大声で鳴き続け…『そろそろお仕置きだな…』…と俺が思った時に急におとなしくなって、ティッシュに潜りこんだ…。


「…どれぐらいの間食わなくても平気なんだろうな?…実験……は、さすがにむごいか…」


などと俺が考えていると…。


「…ちょっとー!!アンタ、ホース出しっぱなしじゃないのー…!?」


…と母親の声がした…忘れてた…。


「…忘れてたー…」スタスタスタ…


俺は急いで庭に向かった…。


「…ホミュミャロ…カァホミュラ…チャ…」モソモソ…


・・・・・・・・・


「…結局、水…撒かなかったな…」スタスタスタ…


もう辺りは真っ暗になっている…馴れた庭だが一応俺は懐中電灯をつけてホースまで歩く事にした…なんとなくだ。


「…日が暮れるのが早くなったなぁ……『…ホムー…』ん…?」サッ!


庭を歩く俺の耳に何かの鳴き声が聞こえて…俺は鳴き声のした方に反射的に光を向けた…。


「ホビャッ!?…ホムムウウゥゥーッ…」テテテテテ…

「…ほむ…ほむ…か?……あ!?…あの仔ほむの親かも!?…仔ほむを探しに来てたんだな!!待て!」スタスタスタ…

「ホムウウウゥゥゥゥ…ホマアアアアァァァァ…」テテテテテ…


急に自分の前に現れた、光と俺に驚いて逃げるほむほむを追いかける!

…ちょっとオーバーだな……ほむほむは足が無茶苦茶遅いので…スポットライトのようにほむほむをずっと照らしながら追いかけてるんだが…。


「ホムウウウウウゥゥゥゥ…マドカアアアァァァァァ…」テテテテ…

「…結構逃げるな…どこまで行くんだ…?」スタスタスタ…


ほむほむは庭の奥に向かって逃げる…やがて…。


「ホビャアアアァァァァ…ホムーッ!!」テテテテ… ゴソゴソ…


うちの庭で一番大きな木の根元にたどり着き…なにやらゴソゴソしだした…。


「…ん~?…落ちてる木の葉っぱを持って、横にどけてるな…」ジー…


…俺はほむほむを照らしたまま、ほむほむの様子を見る…しばらくすると…。


「ホムー…」モゾモゾ…

「おぉっ!?」


…ほむほむが木の根元に消えていった……穴があるのか?…おっ!?


「…ホムーホムー…」ヒョコ! ガサガサ…

「…穴から乗り出して…今度はどけた葉っぱを穴の中から元に戻しだしたぞ……なるほど…擬装なのか…」


…カサ…


スポットライトを浴びながら…ほむほむは巣穴の擬装を終えた……全部見たけどな…。


「……もう出てこないな…ちょっと近づいてみるか…」スタスタスタ…


俺は木に近づく…穴は土と木の葉で覆われてしまっている……急いで仕上げたにしてはなかなかのものだ…パッと見は分からないかもしれない。

しかし…穴から出てくる時、ここは周りから丸見えじゃないか……まぁいいが…。

俺は擬装された穴に耳を近づけてみた…。


ホムホムーマドドーミャロー


「…巣…だな……こんなところにあったとは…どうりで仔ほむが鳴いても出てこないわけだ…」


今更だが、うちの庭は結構広い…自分で言うのもなんだが俺の家は池もあるし、ちょっとした豪邸だ…。…まぁ…俺のじゃなくて、親父のだけど…。

夕方、仔ほむを捕まえた場所から巣まではかなりの距離があった…。


「…今日は俺に見つかったから、もう巣から出てこないだろうな…駆除は明日の朝にするか…」スタスタスタ…


出しっぱなしだったホースを巻いて俺は家に入った…。






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