ひょんなことから女の子
◆Z5if4Sx6mU 2
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hyon
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224 : ◆Z5if4Sx6mU :2007/02/21(水) 22:07:00.35 ID:xyjsnkwZ0
5分もたたないうちにトモはやってきた。
かなり近くまで来て、踏みとどまってしまったらしい。
かなり近くまで来て、踏みとどまってしまったらしい。
僕が誰かわからなかったら困るので大きく手を振ると、
驚いた顔の女の子…つまりトモが運転するプジョー205が近づいてきた。
目の前に止まったので助手席に乗り込む。
驚いた顔の女の子…つまりトモが運転するプジョー205が近づいてきた。
目の前に止まったので助手席に乗り込む。
「なんか不思議やね…ほんまに女の子になってしもてるやん…」
「トモも変わったな…あののび太顔はどこへ消えた!」
「でもユウキはあんまり変わってへんなw元々女顔やん」
「あんたも元々童顔やから違和感ないで…」
「…」
「トモも変わったな…あののび太顔はどこへ消えた!」
「でもユウキはあんまり変わってへんなw元々女顔やん」
「あんたも元々童顔やから違和感ないで…」
「…」
あー何の話をしてるんだ!本題に入らないと。
225 : ◆Z5if4Sx6mU :2007/02/21(水) 22:08:00.83 ID:xyjsnkwZ0
「そういえば女体化してから、解決策みたいなん探した?」
「解決策?ああ、元に戻る方法な。もうすっかり諦めてるし…」
「そっか。アツシには言った?この事」
「まだ。でもなんでアツシなん?」
「今のところハッキリしてるのは、ウイルスコードで女体化したって事だけやろ。
アツシやったらこのコードについてなにか解るかもしれん」
「さすがのアツシでもそれは…」
「ダメ元や!アツシ以上ウイルスに詳しい人知らん。聞いてみるだけ聞いてみよや」
「わ、わかったよ。じゃぁとりあえず目的地はアツシの家やな」
「ああ、なるべく急いでな」
「解決策?ああ、元に戻る方法な。もうすっかり諦めてるし…」
「そっか。アツシには言った?この事」
「まだ。でもなんでアツシなん?」
「今のところハッキリしてるのは、ウイルスコードで女体化したって事だけやろ。
アツシやったらこのコードについてなにか解るかもしれん」
「さすがのアツシでもそれは…」
「ダメ元や!アツシ以上ウイルスに詳しい人知らん。聞いてみるだけ聞いてみよや」
「わ、わかったよ。じゃぁとりあえず目的地はアツシの家やな」
「ああ、なるべく急いでな」
助手席からトモを観察してみる。
僕ほど胸は目立たないが、そのほっそりとした体は女性そのものだった。
トモは一人暮らしだが、一週間のうちに服を用意したのだろう。
ちゃんと女らしい格好をしている。たぶん、トモのことだから通販で買ったのかな。
今日までずっと家に閉じこもっていたのだろうか。
僕ほど胸は目立たないが、そのほっそりとした体は女性そのものだった。
トモは一人暮らしだが、一週間のうちに服を用意したのだろう。
ちゃんと女らしい格好をしている。たぶん、トモのことだから通販で買ったのかな。
今日までずっと家に閉じこもっていたのだろうか。
か細い腕がミッションを動かす。女の子がMT車を運転するとなぜか格好良い。
国道の看板が、ふたつめの市境を超えたことを示した。
国道の看板が、ふたつめの市境を超えたことを示した。
226 : ◆Z5if4Sx6mU :2007/02/21(水) 22:08:31.96 ID:xyjsnkwZ0
「もしもし、アツシ?」
「なんですか?電話かけてくるなんて珍しいですね」
「緊急の用事や。いま家に居るやんな?」
「えぇもちろん。遊びに来ますか?」
「いまそっちに向かってる。残念ながら遊びじゃなく頼み事や」
「なんでしょう?」
「そっち着いてから言うわ。ちょっと変な格好してるけど驚かんといてな」
「変な格好…コスプレですか?そんな趣味でしたっけ」
「コスプレちゃうわ。まぁ見たら解る。じゃぁな」
「なんですか?電話かけてくるなんて珍しいですね」
「緊急の用事や。いま家に居るやんな?」
「えぇもちろん。遊びに来ますか?」
「いまそっちに向かってる。残念ながら遊びじゃなく頼み事や」
「なんでしょう?」
「そっち着いてから言うわ。ちょっと変な格好してるけど驚かんといてな」
「変な格好…コスプレですか?そんな趣味でしたっけ」
「コスプレちゃうわ。まぁ見たら解る。じゃぁな」
一方的に電話を切った。
同級生なのにアツシは敬語で喋る。それが楽なそうだ。
最初は違和感があったが、もう慣れてしまった。だが長時間喋る気にはならない。
もうすぐアツシの家だ。これから嫌でもわざとらしい敬語を聞かされることになるのだ。
同級生なのにアツシは敬語で喋る。それが楽なそうだ。
最初は違和感があったが、もう慣れてしまった。だが長時間喋る気にはならない。
もうすぐアツシの家だ。これから嫌でもわざとらしい敬語を聞かされることになるのだ。
227 : ◆Z5if4Sx6mU :2007/02/21(水) 22:10:01.21 ID:xyjsnkwZ0
アツシの家の門の前に車を止め、インターホンを鳴らす。
「どうぞ」と言われ、門の電子錠が開いた。
トモはゆっくりと門の中へ車を進める。
短い距離を車に乗るのも面倒なので僕は歩いて着いていくことにした。
あれ?そういえばアツシ、インターホンのカメラで僕を見たときなにも言わなかったな…
トモがいつもの場所に車を止めている間に、玄関からアツシが出てきた。
「どうぞ」と言われ、門の電子錠が開いた。
トモはゆっくりと門の中へ車を進める。
短い距離を車に乗るのも面倒なので僕は歩いて着いていくことにした。
あれ?そういえばアツシ、インターホンのカメラで僕を見たときなにも言わなかったな…
トモがいつもの場所に車を止めている間に、玄関からアツシが出てきた。
「やぁ、お二人さん。久しぶりです」
「僕らを見ても何も驚かへんねんな」
「えぇ、驚くなと言ったじゃないですか」
「そういう事じゃなくてだな…」
「まあ予想はつきましたから」
「ま、まさか、女体化ウイルスのこと知ってるんか!」
「知ってるも何もハッカーの間ではすでに有名なウイルスですよ」
「元に戻る方法は!」
「無いです。現時点での話ですが…」
「僕らを見ても何も驚かへんねんな」
「えぇ、驚くなと言ったじゃないですか」
「そういう事じゃなくてだな…」
「まあ予想はつきましたから」
「ま、まさか、女体化ウイルスのこと知ってるんか!」
「知ってるも何もハッカーの間ではすでに有名なウイルスですよ」
「元に戻る方法は!」
「無いです。現時点での話ですが…」
トモが絶望的な顔でこっちを見て固まっていた。
男に戻るのを諦めたと言っていたが、
専門家から「戻る方法が無い」と言われるのはショックだったのだろう。
男に戻るのを諦めたと言っていたが、
専門家から「戻る方法が無い」と言われるのはショックだったのだろう。
「立ち話もなんなので、中に入りましょう。詳しくお話しします。コーヒーでも飲みますか?」
228 : ◆Z5if4Sx6mU :2007/02/21(水) 22:11:00.21 ID:xyjsnkwZ0
アツシの家は豪邸であり、庭も家もスケールが違う。
玄関には高そうな美術品が置かれ、階段の踊り場にもわざわざ絵が飾ってある。
2階の突き当たりがアツシの自室だ。部屋に入ると、毎回なにかが変わっている。
今回は、パソコンのモニターが大きなワイドディスプレイにかわっていた。
まったく…格差社会ってこういう事を言うんだよな。
玄関には高そうな美術品が置かれ、階段の踊り場にもわざわざ絵が飾ってある。
2階の突き当たりがアツシの自室だ。部屋に入ると、毎回なにかが変わっている。
今回は、パソコンのモニターが大きなワイドディスプレイにかわっていた。
まったく…格差社会ってこういう事を言うんだよな。
コーヒーと菓子を持ってあとから部屋に入ってきたアツシが、
僕とトモをソファーに座らせ、パソコンの操作をし始めた。
僕とトモをソファーに座らせ、パソコンの操作をし始めた。
「これがそのウイルスコードのソースです。」
新しいディスプレイのおかげで文字は見えるが、まったく意味がわからない。
「見てもわからんがな」
「…ところで、その格好でそのしゃべり方は直した方が良いですよ。
これから女性として生きていくのですから、もっと、こう…」
「しばくぞ」
「ごめんなさい、冗談です」
「…ところで、その格好でそのしゃべり方は直した方が良いですよ。
これから女性として生きていくのですから、もっと、こう…」
「しばくぞ」
「ごめんなさい、冗談です」
冗談に聞こえない。確かに今は女なのだから女らしいしゃべり方をしないと不自然だ。
だが、男に戻るためにアツシを頼ろうとしているのだ。なのに…冗談でもやめてほしい。
だが、男に戻るためにアツシを頼ろうとしているのだ。なのに…冗談でもやめてほしい。
233 ◆Z5if4Sx6mU :2007/02/21(水) 22:17:14.56 ID:tWvtNqi50
アツシは解説を始めた。
ウイルスコードの仕組み。どのように人体に影響を及ぼしているのか、なぜ女体化するのか…
話を聞けば聞くほど、このウイルスコードが人知を越えたものであることを感じさせた。
そしてアツシは、逆の作用をする再改変コードを書くことはほぼ不可能だと言った。
ウイルスコードの仕組み。どのように人体に影響を及ぼしているのか、なぜ女体化するのか…
話を聞けば聞くほど、このウイルスコードが人知を越えたものであることを感じさせた。
そしてアツシは、逆の作用をする再改変コードを書くことはほぼ不可能だと言った。
「最善は尽くしますよ」
「気休めを言うな。可能性はどんだけあるんや?」
「正直言って1%も無いです」
「そう…か…」
「気休めを言うな。可能性はどんだけあるんや?」
「正直言って1%も無いです」
「そう…か…」
229 : ◆Z5if4Sx6mU :2007/02/21(水) 22:11:59.93 ID:xyjsnkwZ0
さっきからずっと無口だったトモが口を開いた。
「でも、0%じゃないって事よね?」
「可能性は無いことはないです。でも期待はしないでください。それと、かなり危険です」
「どういうこと?」
「あなた方の体は、一度大きく改変されました。
もしもう一度改変することができたとしても、体がもたないかもしれません。
それに私がつくる再改変コードそのものが安全かどうか、試すこともできないのです。」
「このまま生きる方がまだ良いかもしれん…って事か」
「そんな…」
「あなた方に覚悟があれば、全力を尽くして再改変コードをつくりますが…どうします?」
「…わかった。それができたら世界中のウイルスコード被害者の役にも立つって事よね。
僕が最初の再改変コード実行者になる。実験が失敗しても恨まんから!」
「トモ…」
「えぇねんて、どうせ生きててもつまんないから死んでもええねん。
それに、もし成功したらこの世界的大プロジェクトの一躍を担うことになるねんで。」
「大プロジェクト…」
「可能性は無いことはないです。でも期待はしないでください。それと、かなり危険です」
「どういうこと?」
「あなた方の体は、一度大きく改変されました。
もしもう一度改変することができたとしても、体がもたないかもしれません。
それに私がつくる再改変コードそのものが安全かどうか、試すこともできないのです。」
「このまま生きる方がまだ良いかもしれん…って事か」
「そんな…」
「あなた方に覚悟があれば、全力を尽くして再改変コードをつくりますが…どうします?」
「…わかった。それができたら世界中のウイルスコード被害者の役にも立つって事よね。
僕が最初の再改変コード実行者になる。実験が失敗しても恨まんから!」
「トモ…」
「えぇねんて、どうせ生きててもつまんないから死んでもええねん。
それに、もし成功したらこの世界的大プロジェクトの一躍を担うことになるねんで。」
「大プロジェクト…」
231 : ◆Z5if4Sx6mU :2007/02/21(水) 22:13:00.06 ID:xyjsnkwZ0
たしかにこれが成功すれば凄いことだ。
いち大学生が、人間の性別を変える「改変コード」を作ろうとしているのだから。
いち大学生が、人間の性別を変える「改変コード」を作ろうとしているのだから。
「そこまで言ってくれるとやりがいがあるというものです。やりましょう。
再改変コードそのものの危険性についてはなんとかゼロにしてみます。」
再改変コードそのものの危険性についてはなんとかゼロにしてみます。」
アツシは確かに凄腕のプログラマーだ。ウイルスコードの解析もしている。
だがこんな超常的なプログラムを作るというのか…!
トモもアツシもその気になってる。命に関わるというのに!!
だがこんな超常的なプログラムを作るというのか…!
トモもアツシもその気になってる。命に関わるというのに!!
ちっ……しかたがない。
「僕も、プロジェクトに協力するよ。被験者になる。」