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社会信用
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The New Order
社会信用 | ||
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英名 | Social Credit |
別名 | ||
登場作品 | The New Order | |
上位イデオロギー | 父権主義、ファシズム | |
主要なイデオローグ |
父権版
社会信用とは英国の工学者、クリフォード・H・ダグラスによって第一次世界大戦後に考案された経済理論である。1920年、ダグラスは、経済不況は商品の市場価格、商品の生産コスト、生産者への賃金の3者間に生じる一方的な不一致によって発生すると主張した。つまり、企業が恣意的に、労働者が実際に購入できる価格より遥かに高い価格で商品を販売していることに彼は気が付いたのだ。利益を追求するために人工的に生み出された希少性によって、労働者の生活は苦しくなり、個人消費の減少によって経済も停滞するのである。この状況を改善するために、ダグラスは政府に対し、個人消費の増大と消費者への金銭の分配、つまり「社会信用」の分配によって生産価格と購入価格の間に生じている格差を縮め、個人消費を増加させ経済成長を促進することを要求した。
カナダにおいてダグラスの経済理論は、キリスト教原理主義との相乗作用により、右翼ポピュリストの政綱を形作った。社会信用党は個人主義と民間企業を、キリストと同じくらい信仰している。彼らは消費者、生産者への直接融資を通じた通貨流通量の大幅な増加を主張し、国際的銀行家が利益のために経済を奪う際の道具である国債を公然と非難する。自由な市場を支持するが、自由で道徳的な選択にはほとんど関心がない。カウンターカルチャーに対し狂気的なほど敵対し、保守的に解釈されたキリスト教をカナダの国教とするべきだと考える。イベリアのカウディーリョや、故人となったイタリアのドゥーチェの経済政策を支持する党員さえ存在するため、進歩的なカナダ人は社会信用が国をどの方向へ導くか目の当たりにする事を恐れている。
(TNO日本語化Modより引用)
ファシズム版
C・H・ダグラスは、借金でない購買力が全国民に供給される経済制度の説明の中で、それを「巨大金融の閉鎖集団」の策略を克服する方法とみなした。社会信用を信奉するファシストは、その閉鎖集団が持つ暗黙の特徴を明示する。彼らは、国内外の金融機関を、支配を狙うユダヤ人の陰謀と決めつけ、社会信用の展開によってこの陰謀を覆そうとしている。
社会信用ファシストにとって、ユダヤ銀行家の影響は国の伝統の破壊をもたらす。奴らの市場操作によって、美徳は無価値となり、悪徳が利益を生むようになるのだ。そうして人々は神と国を捨て、無目的な退廃を好むようになる。こうしたファシストたちにとって、これは購買力の分配によって解決される人為的な欠乏の問題に過ぎない。ファシストたちは、義理堅い者たちに補助金を出し、社会信用によって美徳を儲けさせることで、近代という道徳の荒れ果てた地に国民的価値を回復できると信じている。
彼らを批判する者は多く、指摘も無数に行われているが、社会信用は国際社会においてまだ若いイデオロギーであり、そのファシストの申し子はさらに若い。その夢が実現できるのか、妄想の航海が現実という岩に打ち砕かれるのかは、時が経たねば分からない。
(TNO日本語化Modより引用)