【種別】
特殊能力・現象
【元ネタ】
Dragon=「竜」/Strike=「殴る」「叩く」「襲う」等
【初出】
二巻
【解説】
この正体が、黄金練成によって現れたアウレオルスの妄想に過ぎないのか、幻想殺しに秘められた力の一部なのかは当時不明であったが、
シリーズが進むにつれ同種の「竜のような存在」が複数回登場するようになり、
現在ではアウレオルスの妄想でも何でもない、上条が持つ力のひとつであるということが確定している。
上条の中に潜む何かは登場ごとに姿形が異なり、ある時は「竜」、ある時は「透明な何か」、ある時は「魚卵にも似た赤黒い三角形の集合体」となる。
これらが同一存在なのかは現在も不明だが、この記事では「竜」のみを取り扱う。
なお「竜」が登場した際の共通点として、上条の目が赤く染まっている。
これは本編の描写に加え超電磁砲でも反映されているため、公式設定のようである。
【能力の内訳】
アニメ『超電磁砲T』で登場した2020年5月16日の深夜、超電磁砲編集の荻野氏のツイッターで紹介されたもの。
ドラゴンたちは「どれも単一の属性ではなく、二つ以上の属性を有する恐るべき力の化身」であるらしい。
解呪と精神攻撃が得意。
噛まれると最悪記憶を破壊されてしまう危険があるので注意とのこと。
その見た目と能力から
アウレオルス=イザードの記憶を奪った直接的な要因であると確定した。
暗黒属性。強い精神作用を持っていて迂闊に近づいた相手を恐怖や混乱状態に陥れる。
雨風を呼ぶ水属性のドラゴン。
毒の概念を煮詰めたような牙を持ち、噛まれた生物は死ぬか死ぬより非道い体験をすることになる。
沢山ある眼力で夢と現実の境を曖昧にする幻覚催眠能力のドラゴン。シャドウメタルも砕く美声音波の歌い手でもある。
竜骨から炎が吹き出している火属性のアンデッドドラゴン。生命力そのものを焼くようなエナジードレインめいたダメージを与えてくる。
星そのもののような強靭さを持つとにかく硬いドラゴン。氷のブレスを吐く。
金色に輝く派手なドラゴン。身体から雷撃を撒き散らし口からレーザーブレスを吐く。
頭に天使の羽を戴く神々しいドラゴン。
春暖の右手に宿ったのはこれ。目の部分は巨大な手で隠されている。
アニメ放映時点で連載中の「獄門解錠(ジェイルブレイカー)編」にて登場しているため解説は省略された。
身体に生えている羽を刺す事により人間を操り、額から放つ光で物質を塩に変換する能力を持つ。
これら8体の竜は17パターンあったデザインの中から選ばれたもの。デザイン作成は
木谷椎
氏による。
荻野氏の他ツイートによれば、
黒い球体の対処に上記の8柱でも足りなかった場合、下記の残りのドラゴン(掲載時に選ばれなかったデザインのドラゴン、つまり枝角、牛状角、四本角、二本角、地球外、植物竜、魔族、異形、異形2の9柱)
も顕現していたかもしれないらしく、他に少なくとも9柱いる事は確実だと思われる。
荻野氏によると、このドラゴンについては原作者の鎌池氏の監修を受けた上で作画しており、設定に齟齬は無いらしい。
【春暖嬉美のドラゴン】
春暖嬉美の右手には、上条の天使型ドラゴンが宿っていた。
大覇星祭での
御坂美琴(Phase5.3)との戦いで登場した8体の竜の内の一体であり、この一件の際に上条の元から離れ、嬉美の能力で発生させたブラックホールの莫大なエネルギーに引き寄せられて宿ったらしい。
嬉美が「
AIMジャマーの干渉外に出てようやくコイツを試す事が出来る」と発言していることから、
『竜王の顎』は超能力のようにAIM拡散力場を発生させている可能性がある。
(無論、エイワスや風斬のような例外とも限らない)。
嬉美のモノローグに曰く、「竜は既に吾の支配下から離れておる。AIMジャマーを使ったところで今更止まりはせぬ」とのことで、
『竜王の顎』はAIMジャマーで顕現不可能になると言うわけではなく、竜の制御に嬉美の能力が必要だっただけの可能性が濃厚に見える。
【スカイブルーとレモンイエローのドラゴン】
右腕を失った上条本人には幻想殺しの無い代わりの腕が生えた。
この右腕は
スカイブルーとレモンイエローの色彩を持ち、
この色彩が拡がって外殻のように全身を包むと、ワニのような大顎とコウモリのような翼を持つドラゴン態となる。
この状態になると(かろうじて、という程度ではあるが)
神裂に対抗できる身体性能と
超電磁砲の直撃に耐える皮膚、そして四肢から飛び出す鉤爪を使用できる。
この外殻は何らかの能力で構成されているらしく、神浄討魔の幻想殺しで無効化できる。
また神浄討魔の方もドラゴン態に変身できるが、こちらは上条そっくりの外皮を解除した下からショッキングピンクとエメラルドの姿で表れる。
神浄討魔が倒されると本来の右腕が上条に戻り、これらサイケデリックな四色は右肩に収納された。
神浄討魔によると、彼の本質は「ただの能力、量子を歪めるモノ」。
上条の持つ何らかの能力が自我を獲得したものであるらしいが、それは「幻想殺し程度の物ではない」らしく、明確な正体は未だ不明。
また、神浄討魔は上条に「アレは、お前を選んで、外から飛来し」たと語っている。
「アレ」が具体的に何のことかは不明だが、「飛来」という表現からは春暖嬉美に天使型の竜が宿った描写が連想される。
なお、この状態の上条は幻想殺しを持たない。
そのためか普段の不幸体質がなくなり、むしろ幸運な出来事が何度か起こっている。
【創約9巻にて】
美琴の超電磁砲を右腕に打つように誘導して右腕を肩から引き千切り、断面からは「透明な竜」が出現した。
なおこの際脳内で「神浄討魔」が、「上条がやらなければ自分が勝手に飛び出していた」と話している。
「竜」は今までは顔と首にあたる部分しか出て来なかったが、今回はほぼ全身が上条の右肩から飛び出した。
また挿絵の描写では、この時飛び出た竜は「最初のドラゴン」のようである。
発動中、上条の目線は死んだように下を向いており、口数も少なくなっている。
能力の全容は不明だが、披露した能力はどれも極めて強力かつ多彩で、同じく多彩な手札を持つCRC相手にも優勢気味で渡り合っている。
なお飛び出した「竜」には意思があるが、基本的には上条に従っており、さらに上条自身「竜」の特性や能力を理解しないままに振るっていたため、力を十全に発揮すればより有利に戦いを運んでいた可能性が高い。
しかしこの状態は腕が欠損していて血液が断面から流れ続けているため、大量出血による失血死のリスクが伴う。
何らかの措置をしなければ、10分程度で限界を迎え失血死してしまう。
加えて使い続けると肉体が形も重さも無い幻想へと傾斜していき、上条の存在自体が危うくなる。
地の文では「幻想になる」「侵食されていく」と表現され、その危険信号として上条の影が古ぼけた蛍光灯のように明滅する。
そのため時間が経つほど不利となり、CRCも途中からはまともに付き合わず、時間稼ぎや逃走で上条を追い詰めて形勢逆転している。
最終的には仲間の協力により撃退し、リミットは回避されたが、実際にリミットを迎えた場合上条がどうなるのかは不明。
あとがきでは一回限りの反則と書かれており、上条自身も二度とこの力を使わない事を決めているため、
今後『竜王の顎』が上条の意思で使用される可能性は限りなく低い。
因みにこの「竜」を見たCRCは「
薔薇十字」のパナケアになぞらえて、幻想殺しを「硝子の器」、竜王の顎を「世界を治す秘薬」と表現している。
作中で描写された能力は以下。
それまで誰も対応できなかった炭素弾を「竜」の口で受け止め、「竜」を差し向けるだけの些細な一撃でCRCを数十メートルも吹き飛ばした。
上条自身の身体能力が大きく向上する。
たった1秒でCRCとの距離を詰めた他、蹴りで病院の上まで吹き飛ばす。
人間の限界を軽く越えた身体能力であり、地の文では「超人」と称されている。
前に一歩踏み込むだけで、世界がたわみ、空間が沈む。
もう少し意識して強く踏み込めば、空間が内側に向かって重力崩壊を起こし大穴が空いたかもしれないらしい。
敵味方問わず、強い必殺の意思が込められた攻撃以外は周囲の空間に呑まれて消失する。つまり流れ弾の無効化。
上条とCRCの偶然を嫌う意思が衝突した結果、マクロレベルで空間が歪んで発生した現象らしい。そのため竜自体の能力かは不明。
王冠を載せた竜王の『威圧』により、有機無機問わず世界の全てを支配下に置く。
油断すればCRC自身も操られかねない上、支配された物は戦闘の邪魔にならないよう動く。
例として竜がブレスを吐くと、壁や天井などの軌道上のあらゆる障害物が自らブレスを粘液のように分かれて避け、その後くっついて完全に元通りとなる。
つまり2次被害を一切考慮せずに全力を行使できる。
ドラゴンらしく、開いた口からブレスを放射する。
凶暴極まる光のブレスでCRCの腕を切断したり、「この世に存在しない毒素」を持つ紫の毒液を超高水圧で放った。
さらに上条自身が咀嚼したモノを取り込んでブレスを強化でき、作中では3500度に達する大型電子炉を捕食して『電子により全てを焼き尽くす竜の閃光(マグネトロンドラゴンブレス)』を放った。
竜の大顎そのものを右肩から外して飛ばす。
大顎を不規則に開閉させて歯を鳴らし、ギロチンやトラバサミでも出せない不気味な音色を発し、聴いた者に恐怖心を与える。
食蜂の推測では「心理学的アプローチの金縛り」らしい。
口からカメレオンのように長い舌を伸ばし、敵を拘束する。
変温動物のように周辺の環境に溶け込み、上条共々姿を消す。
異能だろうと現実の物質だろうと、大顎で噛み潰して世界から抹消する。
竜の尾が身代わりとなり、一度だけダメージを肩代わりして死を回避する。
炭素弾による頭部の消失を無効化した。
竜の顔表面部分にある鋭い鱗を散弾のように一斉射出する。
ロールシャッハテストの要領で、上条から飛び散った血痕を敵に何らかの意味を持つ秘文や
魔法陣として認識させ、敵自身から魔術を引きずり出して自滅させる。
しかし敵が何を連想するのかまでは誘導できないため、上条も巻き添えを喰らう可能性がある両刃の剣でもある。
大顎の根本からコウモリに似た禍々しい片翼を生やし、羽ばたかせることで圧縮空気の塊を砲弾のように押し出す。
さらに気圧を操り空気を帯電させ、四方八方に紫電を撒き散らす。
北欧神話のヨルムンガンドの紫色のブレスを放ったり、その重みを利用して傷口を潰し強引に止血しようとした。
竜を変更してヨルムンガンドそのものを出現させたのか、能力だけを行使したのかは不明。
【考察?】
上条の
右腕に宿る何かの詳細は未だ不明だが、この「竜」については嬉美、神浄討魔の発言や描写を纏めると、超能力に関係深い何かであることが伺える。
このことから、「
能力開発により発現した上条当麻の超能力」ではないかと読者からは推測されているが、詳細は不明。
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最終更新:2025年09月23日 01:30