【種別】
能力・考察ネタ

【元ネタ】
上条当麻の一人称の一つ「上条さん」と、「(右手の)中の人」から

【初出】
旧約22巻
竜王の顎としては旧約2巻
「右手の中の人」への初言及は鎌池和馬スレッド2のレス番210と思われる。
「中条さん」表記の初出は現状不明。


【解説】

上条当麻の右腕の中に潜む、幻想殺し以外の「何か」のこと。
正式な名称が不明なため、ファンからは専らこの名称や「中の人」と呼ばれることが多い。

現段階では形状や具体的な効果を含め、その正体は一切不明。
それまではアウレオルス戦で現れた「竜王の顎」と同一視されており、超電磁砲にて8体の龍が現れたことで正体が確定したと思われていた。

しかしフィアンマオティヌスエイワスとの戦いにおいては竜の姿を取らず「透明な何か」として現れ、コロンゾンとの戦いでは「赤黒い魚卵の房を連想させる、一目で人工物とわかるポリゴンのような三角面の泡の集合体」として出現している。

上条自身はこの謎の力を制御できておらず、またそれは大きな隙を作るため、
バードウェイにはたとえこの力が相手でも勝算があったようだが、上条は右腕を落とされることはなく対決は実現しなかった。
また、右腕の切断や損壊を契機に起こる現象であり、脱臼程度では起きないらしい。

先代の幻想殺しブライスロードの戦いで爆散しているが、その際には竜や莫大な力は一切現出していない。
つまりこの「中の何か」は幻想殺しとは無関係な上条自身に由来する力である。

詳細を知るであろうアレイスターからは
「取り出すのが早すぎる。今のままではガワの上条当麻は粉々に弾け飛ぶぞ」
「分解されぬモノ、その奥に潜んでいたアレを貴様は一体どうするつもりだったのだ?」
「一番の難問は上条当麻、その右手の力だよ。アレはもう抑えきれんぞ」
とまで言われており、桁外れの存在であることは間違いないと思われる。

【出現事例】

※以下の出現事例は作中での時系列順に並んでいる。

初回の登場。大きさは二メートルを超える程度。
その牙の一本が空気に触れただけで、アウレオルスの黄金錬成によって掌握された空間の主導権を強引に変更し、
直前にステイルへ施された「内から弾けよ」という命令をもキャンセルしている。
竜の頭自体が直接触れた描写が存在しない点から考えても、右腕に宿っていた幻想殺しの効果は受け継いだ上で強化しているらしく、触れなくとも異能攻撃を打ち消す事ができる模様。
これに頭から飲み込まれたアウレオルスは、肉体には傷一つ負わず、全ての記憶を破壊されてしまった。

この正体が、黄金練成によって現れたアウレオルスの妄想に過ぎないのか、幻想殺しに秘められた力の一部なのかは当時不明であった。
しかし、この時上条は、
「竜王の顎はアウレオルスの不安が生んだ妄想にすぎないとは思うのだが、精神的に追い詰められた相手が、そこまで具体的な形を思い描くだろうか?」
と疑問を呈している。

大覇星祭御坂美琴(Phase5.3)と衝突して右腕がちぎれ飛んだ際にも出現。
この時には、それぞれデザインが異なる八体の竜が出現し、黒い球体をあっさりと食い破った。
アニメ版にて、この時右目が赤色に染まっている描写が補完された。
(原作では目の色が判別できない為、アニメ版の補完ではなく元からの意図だった可能性も考えられる)
詳細は不明ながら、竜の姿の消滅後、ちぎれていた右腕が音もなく修復されていたこと、
何よりその場に居合わせた削板が竜の顕現をその目で観測していることなどもあり、
黄金錬成の影響によるものではなく、あくまで上条(の右腕)自体に宿る力と断定できる。
これにより、上条の「アウレオルスが生んだ妄想ではないか」という疑問にもNoと結論が出た。
また、この事件の際に八体の内の一体である天使型の竜が上条の元から離れており、その後は春暖嬉美の右手に宿った。

ベツレヘムの星での右方のフィアンマとの決戦で出現。この戦いが「中にある何か」としての初登場となる。
フィアンマによって右腕を切断された事で姿を現した。

フィアンマは世界を救うべく『幻想殺し』を切断、分解し『聖なる右』へと取り込み、「神上」の一撃を上条へ放った。
惑星を消し飛ばすと言われる程の莫大な光は、しかし上条の肩の断面から『透明な何か』が現れ、弾き飛ばされるように真っ二つに引き裂かれている。

この『透明な何か』は「神上」の力が霞んで見えるほどの莫大な力だったが、その後上条の意志に従ってさらにその上からまた別の力が現れて巨大な口のようになって開き、
まるで咀嚼するかのように、「透明な何か」を粉々にした。
フィアンマが気付いた時には新しい右腕が勝手に肩口から生えており、フィアンマが取り込んだ右腕は最終的に幻想殺しの力を失った。

バゲージシティにおける魔神オティヌスとの戦闘で右手が握り潰された際、フィアンマとの戦闘で現れた「透明な何か」と思しきものが発生している。
「透明な何か」はオティヌスに向かっていったが、呆気なく握りつぶされている。

戦闘後、骨や神経等の断面がぐしゃぐしゃだったにも拘らず右手は自動的に修復されている。

彗星と一体化して落ちてきた僧正に対して上条が右手を掲げた際に、まるでヒビ割れのような音を立てながら『何か』を出現させようとしたが、結果として未遂に終わった。
このケースでは初めて上条が能動的に「中の何か」を使おうとしている。

美琴視点で描かれていたため上条の表情や心情は不明だが、
削板の時と同様に「第三者」である美琴の視点でそのように書かれていたことから、上条の右腕に『何か』があることは間違いないと思われる。

上里翔流との衝突にて、右腕が理想送りによって吹き飛ばされた時、
上里曰く『奥にあるもの』、つまりベツレヘムの星やバゲージシティでの戦闘でみられた、謎の莫大な力が少なくとも発生していたらしい。
どのような姿で出現したかは不明。
戦闘後、上里は「上条当麻は幻想殺しの保有者ってだけじゃない …あいつは…そう…」という感想を残している。

新約十八巻にて、アレイスターが召喚したエイワスによって一瞬で右腕を折り曲げられた時、
肩口から『見えざる何か』が出現している。
エイワス曰く「まだまだ青い」らしく、『見えざる何か』は呆気なく握り潰されている。
ちなみにこの時はあくまで右肩を外されただけに留まっており、右腕の切断までには至っていない。

新約二十二巻では「竜」でも「透明な何か」でもなく、
赤黒い魚卵の房を連想させる外見の、一目で人工物とわかるポリゴンのような三角面の泡の集合体として出現。
泡の集合体そのものはあくまで卵の殻のようなものらしく、その中では何かしらの存在の『群れ』が潜んでいる。
同巻では計二回出現しており、一度目は心理掌握で「右手が肘の先までちゃんと存在している」と上条に認識させることで消失。
二度目はコロンゾンとの戦闘中に起こり、泡の集合体を破って出現した『群れ』が「城壁と同等の硬さ」のクイーンブリタニア号をコロンゾンもろとも真っ二つに引き裂いた。

アリス=アナザーバイブルが召喚したグリフォンに右腕を齧られた際に出現。
「中にあるもの」が爆発的に膨張し、グリフォンを内から風船のように破裂させた。

その後は上条がハンカチで右肩を縛ったためか現れることはなく、アラディアを追いかけているうちに右腕は復活している。

CRCとの戦闘にて、未発動に終わった僧正戦以来上条が初めて能動的に使用。
「竜」が全身の状態で出現し、その能力を振るいCRCと渡り合った。


上記をまとめると、
  • vsアウレオルス(竜王の顎、自動復元:無)
  • vs御坂美琴(Phase5.3)(竜王の顎、自動復元:有)
  • vsフィアンマ(透明な何か、自動復元:有)
  • vsオティヌス(透明な何か、自動復元:有)
  • vs上里翔流(不明、自動復元:有)
  • vsエイワス(透明な何か、自動復元:有)
  • vsコロンゾン(赤黒い魚卵、自動復元:有)
  • vsグリフォン(不明、自動復元:有)
  • vsCRC(竜王の顎(全身)、自動復元:有)
となる。

ただし、アウレオルスに切り落とされた右手は、冥土帰しが手術せずとも自然と肩口にくっついたらしい。
また、コロンゾン戦で一度右手を失った際も、自動復元はしなかったが時間をおいて右手が切断面に勝手に縫合された。

【変質?】

上里戦の後、上条は、かつて不完全な魔神オティヌスにさえ握り潰されていた「莫大な力」が、
そのオティヌスすら超える真の『グレムリン』の魔神達を簡単に屠ってしまう『理想送り』を撃退できた事に不自然さを感じていた。
無論、力関係は単純なピラミッド構造ではないし、相性の問題もあるはずだが、
当の上条は「これは本当に『前のヤツ』と同じもんなのか?」と強い疑念を抱いており、右手の奥に眠る力が変質している可能性が示された。

この疑念が正しければ、「竜」「透明」「魚卵」はそれぞれ別の能力、あるいは最後に登場した「魚卵」は前二つが変質したものということになる。

【関連】


最終更新:2025年09月18日 03:13