MSの系譜-ギャラルホルン-

ガンダム・フレームヴァルキュリア・フレーム

厄祭戦という世界規模の騒乱は長きに渡り、ギャラルホルンの母体となった各国の人間が集まった「組織」は、戦争を終わらせるための力を求めた。

それがエイハブ・リアクターを並列稼働させることで生み出した莫大なエネルギーを活用するガンダム・フレームである。
阿頼耶識システムを操縦システムに組み込むことでガンダムのパワーをプログラムに頼らない人間の反射神経で動かすことが可能となり、
技術的問題から開発は72機でストップしたが、その圧倒的な力は厄祭戦を終わらせるに足るものだった。

その一方で同時期に開発されたものの日の目を浴びることがなかったのがヴァルキュリア・フレームである。
リアクターの生み出すエネルギーを無駄なく効率良く使い、機動性に特化したフレームは接近戦で大いに活躍できるものの、
軽量化しすぎて運動エネルギーの伝達を十分に行わなければ性能を発揮できない、つまり操縦の難易度が高いことが仇となり、ガンダム・フレームに敗北したのだった。

だが戦後エネルギー効率に優れたヴァルキュリア・フレームは評価が見直され、代わりに構造が複雑なガンダム・フレームは表舞台から姿を消した。
そして「組織」から世界を外側から監視するというギャラルホルンという「団体」になった者達はヴァルキュリア・フレームから発展した量産型MSの開発に携わることになる。

EB-04

ヴァルキュリア・フレームから発展したインナーフレームとして開発されたゲイレール・フレームを採用している。

04より前のフレームに関しては情報が皆無なため不明であるが、この時点で既にグレイズ・フレームとなる構造の大部分は完成しており、
下半身等や頭部センサーの形などに違いがある程度で、パーツ構造の簡略化、構成部品数の削減など量産に関わる問題はほぼクリア出来たと見える。

ここからさらにフレーム構造が洗練されることとなるが、このフレームは外付けのオプションや様々な武装を換装することによる高い汎用性を得ている。

現在ではゲイレールは一線を退いているため訓練機としての運用されるくらいしか見かけることはなく、生産もストップし退役軍人や地方のギャラルホルン支部に配属されているくらいである。

EB-05とEB-06

ゲイレール・フレームから発展し、パーツ構造を抑え簡略化を進め完成したグレイズ・フレームは素晴らしいポテンシャルを持ち、
単純な出力差を無視すれば、整備性や運用性などほとんどの面で厄祭戦当時のガンダム・フレームMSを上回る性能を得るに至った。

装甲パーツレベルで換装を行い、時としてフレーム自体に改造を加えても受け入れる高い拡張性、これらに支えられたグレイズはMSが貴重な1期開始時点のP.D.世界では紛れもなく最高峰のMSである。

その一方でMSが貴重な戦力である鉄血の世界では対MS戦闘回数は少なく、逆に言えば汎用性に特化したグレイズでなし得る平和な世界。
それ故、一部の上級パイロットはグレイズの性能に不満を持ち、彼らのような限られた人間用に開発されたのがEB-05s、シュヴァルベ・グレイズだった。
グレイズ・フレームと同型の、しかし開発過程における試作機をベースとしたシュヴァルベはグレイズを上回る性能を持つ。
パーツ自体も高出力に調整されたリアクターが生み出すパワーに耐えうる強度を持つが、高出力時の安定性に優れるものの、逆に破損するなどして低出力になった場合、
その操縦性はナーバスなものになってしまう。

パイロットを選び、高い操縦技量を要求するシュヴァルベは、一部の上級パイロットのみに配備され、珍しい機体となっている。
そのためか他人への譲渡が多く、ガエリオとマクギリスの機体はそれぞれアインと石動へと譲渡されている。
またアプリ版「ウルズハント」では脱走時に持ち逃げしたとされるシクラーゼ機が登場する。セキュリティどうなっているんだ。

基本的にはグレイズの力があれば、他のレストアしたMSは問題にならない、はずが、あろうことか厄祭戦の遺物であるガンダム・フレームを何機も持ち出してきた鉄華団。
彼らと劣化したとは言え阿頼耶識システムが過去のガンダムの力を呼び起こすこととなり、マクギリスの策略もあってギャラルホルンの信用度は激減し、
結果として量産機の鏡である本機も、バージョンアップを余儀なくされることになる。

EB-08

鉄華団の活躍によってMSの価値が見直され、各地で厄祭戦時のMSの発掘やレストアが進んだ世界において、
グレイズを発展させ対MS戦闘に特化させたモビルスーツとして、レギンレイズ・フレームが完成。

元からある程度開発は行われていたようだが、一部先祖返りした部分もありつつ、現代において最新式技術で作られたフレームとしてはイオ・フレームに並ぶ数少ない貴重品である。
リアクターの出力を機体のパワーに回し、骨太な形状のこのフレームはツインリアクターのガンダムとも同等に渡り合えるだけの力を獲得した。

それでいてフレームの構成部品はグレイズ・フレームからさらに減らされたことにより整備性も向上。
オプション兵装も多く用意され、配備数は少ないもののパイロットによるカスタマイズも受け入れるキャパを持つ。
フレームレベルでの改修にも対応したこのフレームはギャラルホルンの意地でもあったのだろう。

実際、最終話で満身創痍の悪魔を討ち取ったのも、レギンレイズ・フレームのMSであった。

謎のEB-07

形式番号の数字をよく見るとわかるが、何故かEB-06であるグレイズと、EB-08であるレギンレイズの間の番号が飛ばされている

このEB-07に関しては公式的な情報が乏しく、どのような存在だったのか定かではない。
シュヴァルベのような、試験的に作られたレギンレイズ・フレームを用いたMSだったのかもしれないし、
元々開発が進められていたがエドモントン事変の影響を受け、EB-07の開発を白紙にし08の開発に着手したと見ることも出来る。

メカニック&ワールド弐で語られたデザイナー対談によると、次世代機の開発として07と08は同時に着手されていたが、
時代の流れを受けてMS同士の格闘戦に特化したレギンレイズが採用されたということらしい。
海老川兼武氏によると、グレイズが持つ汎用性をさらに高めた機体として作られていたようで、レギンレイズは格闘戦特化でマルチタイプではないため、
グレイズのようなマルチタイプの新型としてEB-07が再び採用され、レギンレイズとの混成部隊も見られたかもしれない…とのこと。

アプリ等の外伝での登場を期待したいものである。
レギンレイズのオプションにライフルをコアとして複数のオプションを組み合わせるタイプの武器があるのはその名残かもしれない。

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最終更新:2021年11月03日 03:38