V08Re-0526 ヘルムヴィーゲ・リンカー

【形式番号】 V08Re-0526
【機体名】 ヘルムヴィーゲ・リンカー
【パイロット】 石動・カミーチェ
【所属陣営】 モンターク商会
【動力】 エイハブ・リアクター
【フレーム】 ヴァルキュリア・フレーム
【武装】 ヴァルキュリアバスターソード
ショートクラブ
電撃角
【ベース機】 V08-1228 グリムゲルデ

【詳細】

厄祭戦時に存在していたV08-1228 グリムゲルデの姉妹機のデータを元に、グリムゲルデのヴァルキュリア・フレームを用いて現代に再現した重装型MS。

ヴァルキュリア・フレームを用いたグリムゲルデは軽量装甲と軽快な機動戦を最も得意としていたが、ヘルムヴィーゲ(・リンカー)はあえてそれを捨て去り、フレームの積載限界まで突き詰めた重装甲に身を包んでいる。
これは対MAを考えたもので、MAの攻撃を重装甲で耐えしのぎ、その重量で押さえ込んで動きを封じ接近戦で撃破するという思想に基づいたもの。
ただその重量故にリアクターのエネルギー配分を変更し、膂力を高める形で運用されている。

ヴァルキュリア・フレームの強みである機動性を皆殺しにしてしまう上に、単純性能ではガンダム・フレームという上位互換が存在している本末転倒な設計思想であり、当時のMS開発における混乱のほどがうかがえる。
或いは、ヴァルキュリア・フレームの扱いの難しさを何とか解消しようと試行錯誤していた時期のものなのかもしれない。

ヘルムヴィーゲはヴァルキュリア・フレームを使った数少ないMSとして厄祭戦時存在していた機体だが、
現存していないらしく、この機体はそのデータを元にしてグリムゲルデのフレームに装甲を装着したものである。
最も上述の戦法では撃破は出来てもそれまでに機体やフレーム自体に耐え難いダメージが蓄積するのは当たり前のことだろうし、残っていないのも無理からぬ話ではあるだろう。

リンカー、とは転生を意味するリインカネーションに由来するものであり、300年の時を経てヘルムヴィーゲが現代に転生したという意味合いを持つ。
特徴的な青をメインとした装甲を持ち、牛の角のような頭部アンテナが特徴的。このアンテナは突き刺した相手の内部回路を焼き切る電撃角。
これを使用する際はセンサーを保護するためか胸部装甲の一部を顔面に装着する。
ちなみにHGでは頭部周辺は重装甲で単眼センサーを保護しているものの、バイザーなどのパーツが使われていない。
スケールが大きくなればバイザーが付属するという可能性もあるが、むき出しのメインセンサーを保護するにはセンサーそのものを覆い隠すパーツが必須だろう。

厄祭戦当時と現代では技術的に再現が難しい部分が有るため、それらは現代技術に置き換えられているという。
その機体重量はUGY-R41 マン・ロディに匹敵する。というかこちらの方が4mほど背が高いこともあるのか、3tほど重い。

メイン武装はMSの全長をも超える大型のヴァルキュリアバスターソード
戦闘時以外ではデッドウェイトになるため、フロントアーマーの一部が変形して支えとなり、戦闘時には脚部パーツが展開してその重量を支える。
手持ち部分は伸縮し、取り外すことでショートクラブとなる。
またバスターソードを保持するためマニピュレーターは大型のものが使われているが、これはEB-AX2 グレイズ・アインに使われたものを流用したのだとされている。

フレームの積載重量の限界まで装甲を搭載しているため、グリムゲルデでは機動性に部を置いたエネルギー配分だったものを、
重装甲、重装備を支えるフレーム出力に部を置いた配分に再構成した。
だがEB-06r グレイズリッター(マクギリス機)に追走する程度の機動性は残されている。

なお、装備は対MAを意識したものであり、ハシュマル戦ではバスターソードをASW-G-08 ガンダム・バルバトスルプスが奪い取る形で使用し、
片手で振り回しつつハシュマルにとどめを刺して完全沈黙させた。
その間こちらの機体は棒立ちしていたり、ワイヤーブレードの攻撃を受けたりと目立った活躍はない。

「マクギリス・ファリド事件」でもギャラルホルンの反乱軍として参加するが、ASW-G-01 ガンダム・バエルを庇ってドリルニーに貫かれフレームごと真っ二つになり撃破されてしまった。
貴重なヴァルキュリア・フレームであったが、回収されたかは不明。

【余談】

ヘルムヴィーゲとは「兜のゆりかご」を意味するニーベルングの指輪に登場する戦乙女の一人。
北欧神話には登場しない、ニーベルングの指輪の作者であるリヒャルト・ワーグナーオリジナルのヴァルキュリアである。

大神ヴォータンと知恵の女神エルダとの間に生まれた九姉妹の一人とされる。

形式番号を見る限り、オリジナルの機体名は「V08-0526 ヘルムヴィーゲ」であると思われる…が、V◯◯の数字の部分が開発順を指すのであればヘルムヴィーゲはV06でないとおかしいため、グリムゲルデのフレームを使いリインカーネーションしたという意味で「V06-0526」ではなく「V08Re-0526」となっているのだろう。

敵機の攻撃を装甲で耐えしのぎ近距離で撃破、という同じ機体コンセプトを持つASW-G-56 ガンダム・グレモリーが外伝に登場している。
ナノラミネートコートという特殊装甲を持ち、物理攻撃にすら高い耐性を持つグレモリーは相手の攻撃を受け止めつつカウンターで仕留めることを得意としていたとされヘルムヴィーゲと開発思想が近い。

これは管理者(文章著者)の妄想に過ぎないが、ナノラミネートコートは莫大なコストがかかることからグレモリー以外に使われなかったという。
ヘルムヴィーゲがヴァルキュリア・フレームの持ち味を殺すほどの重装甲となったのも、ナノラミネートコート並の耐久性を通常装甲のみで再現しようとした結果…と見ると当時のMS開発状況等が補完できて面白いかもしれない。

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最終更新:2024年11月06日 17:40