【バニー服と男の夢】

【旅の始まり:ミズハミシマ】

この俺には夢がある!
それは!バニー姿の淫魔とちょめちょめすることだ!
淫魔ちゃんはえろえろなことが最低条件。角と羽と尻尾が生えているとなお良し!
その夢を叶えるために、異界の中では一番お手軽に行けるミズハミシマにやってきた。俺は早速現地での聞き込みを行った。
「悪魔を知らないか?」「悪さする精霊なら、最近ここらでは聞かねぇな」
「違う、そうじゃない」かくかくじかじか。俺の求める悪魔娘の特徴を説明すると「あー、それっぽいのなら知っとるよ」と爺。話のわかる奴だ
べちょべちょの鱗を携えた爺に連れて行かれた先は、山奥の村だった。
「ここの住人は、お前さんがいう悪魔って奴にそっくりだろ?いま此の村一番のべっぴんさん連れてくるから、待っとれぇ」
…爺につれられてきたのは天狗の集落だった。
確かに頭に突起があって、羽が生えてるけどさ・・・。カラスっぽい尾もあるけどさ・・・。そうじゃねぇそうじゃねぇんだよ・・・。

俺は落胆しながらも、村一番の美女天狗にバニー服を着せて一緒に写真を取った。地球風の挨拶なのだと嘘をついたことをここで懺悔する。
旅は続く!

【大延国】

天狗の集落にお世話になっている間も、俺は聞き込みを怠らなかった。
聞き込みの結果、どうやら大延国に俺の求める悪魔娘が居るらしい。
俺は早速延を目指すことにする。そんな切なそうな顔するなよ村のみんな。また遊びに来るからな!
ミズハミシマから出航する船を乗継ぎ、何とか延までやってきた。現地調査を行ったところ、どうやら悪魔娘の一族は南蛮との国境付近に住むらしい。
危険を顧みずにLet's突貫!
ぼろぼろの身体でたどり着いた先に待っていたのは、「おいでませ、蝙蝠村」の看板だった。
…漢字が読めねぇ。
「誰かいませんかー」昼間なのにしんとした空気。まるで村人が皆眠っているかのようだった。というか本当に眠っている。
「う~ん、むにゃむにゃ。どうしました?旅人さん?」
…翼もあるし、尻尾もある。おおむね俺の要望通りだが、角がない。
なるほど、あの漢字はこうもりか。

俺は落胆しながらも、村一番の蝙蝠美女にバニー服を着せて一緒に写真を取った。地球風の挨拶なのだと嘘をついたことをここで懺悔する。
旅は続く!

【マセ・バーグ】

昼夜の生活リズムが逆転している蝙蝠村に長居はできない。
早速事情を説明し、俺は次の目的地を得た。なんと悪魔娘はマセバーグに居るらしい。
本当かよと疑心は尽きないが、他に有用な言質はなかった。仕方がねーやと二度目の船旅でマセバーグを目指す。
マセバで仲良くなった蟲人に『頭に角、羽、尻尾』で検索して貰い。集落まで最短距離で道案内をして貰った。
「ココダ。旅人。彼ラハ昼間、土中ノ住居ニ居ル。今、呼ンデクル」
いよいよ対面か、と俺は心震わせる。長かった旅もいよいよ終わりか!
「ナンダ。俺ニ用ガ有ルノハ、コノ小僧カ?」
…出てきたのはクワガタ亜人だった。
角、OK。羽、OK。尻尾…無いとは言えないけど、これは俺の求める尻尾じゃねー!
ついでに言えばお前男じゃねーか、コノヤロー!

落胆しながらも、ガチムチのクワガタ亜人にウサ耳だけ付けて一緒に写真を取った。地球風の挨拶なのだと嘘をついたことをここで懺悔する。流石にバニー服の方は着せられない。一張羅だからサイズオーバーという冒険を犯せなかった勇気ない俺を嗤ってくれ。
旅は続く!

【スラヴィア】

「悪魔…。地球人ガ信仰スル幻想種ニ良ク似タ個体ガ、スラヴィアデ目撃サレテイマスネ」と虫人。
今度は死人の国スラヴィアか!悪魔と聞けば一番に思い出しそうな場所なのになぜ思いつかなかった俺!
蟲人よ、ありがとう!クワガタさんはウサ耳の似合う最高に良い男だったぜ!
三度目の船旅に揺られ、辿りついたスラヴィア。港町の住人に事情を話すと、どうも俺が求める人物は高貴な人らしい。ちょっと興奮する。
おっかなびっくり夜の国を旅して、かの高貴な人の城に連れて行かれた。
「苦しゅうない。面を上げよ」
あれ?もしかして今回もダメなパターンじゃね?と半ば諦めていた俺だったが、今回のお方は条件にピッタシだった。
(性的な)興奮を抑えて、バニー服を着てもらうために口八丁手八丁。なんとか乗り気になった彼女のバニー姿を此の目に収めた。
…が、よく見れば彼女の角も翼も尻尾も全てがつぎはぎのものだった。そんなのありかよ。コスプレと変わらねーじゃねーか!

俺は落胆しながらも、バニー服を着た悪魔風のつぎはぎ少女と一緒に写真を取った。
色々溜まってきていて(主に下半身が)大変だが旅は続く!

【ドニー・ドニー】

ドニー・ドニーあたりの海に居るらしいよ?貴様の言う悪魔とやらは」
海にいるのか!?本当かそれ!
ガセネタだろけれど、ここまで来たらしかたねー!行かいでか!
顔半分がガイコツの少女が持つ船に載せられて、どんぶらどんぶらやってきたドニー・ドニー周辺の海域。
「おい、偉人。お父様が言うにはここらへんで待っていれば向こうからやって来るって話よ。見張っときなさい」
船長の少女の高圧的な命令に従い看板に立っていると、それは海の中からやってきた。
「さばーん。久々の船の上は気持いいわー!」
びたん、びたん。
海面から甲板に飛び移ってきた少女には、確かに羽があった。尻尾もあった。だが、その尻尾は魚の尾だった。というか角が無い!
「そんなに見つめてどうしたの?一曲歌ってあげましょうか?」
彼女は、どうやらトビウオのような生態をもつ人魚らしい。頼んでもないのに歌い出した自己紹介ソングの歌詞にそうあった。

俺は落胆しながらも、そこそこ可愛い人魚にバニー服を着せて一緒に写真を取った。地球風の挨拶なのだと嘘をついたことをここで懺悔する。
旅は続く!

【オルニト】

トビウオ人魚が盛大に独唱した歌詞に興味深い一節があった。
空を飛んで、尻尾が生えてて、角を持つ種族が、どうやらオルニト周辺にいるらしい。
俺は一度ドニーで死人少女と別れ、海路でオルニトへ向かことになった。
オルニトと新天地の境界付近にあるという翼角族の集落まで、死に物狂いで歩き、走り、ときに翼人に生贄にされそうになりながら旅をした。
なんとかバニー服だけは死守して「翼角族の村」というわかりやすい看板を掲げた集落を発見!
しかし、その村はモノケの空だった。
誰もいない村の住居に入り、物色を繰り返すと一つの日記を見つけた。その日記に最後にはこうあった。
「私たちは新天地に旅立ちます」
…チキショー!

俺は落胆しながらも、異世界での旅が続くことにどこかで高揚していた。
バニー服と男の旅は、まだまだ続く! 

   -完-


2013/02/20:薄異あきの蝙蝠娘絵を挿絵として(勝手に)追加しました。感謝感謝。

  • 続きは?続きが気になるよとっしー! -- (名無しさん) 2013-02-14 10:07:23
  • テンションでつっきったスレ内SSらしい一本だ。 -- (名無しさん) 2013-02-14 19:43:49
  • 思わずバニー服がシンデレラのガラスの靴に思えるくらい何か特別なものになった -- (名無しさん) 2013-02-15 07:39:31
  • ニアピンなら完全な悪魔娘じゃなくても好しとすればいいじゃないか! というか理想とする悪魔娘の絵とか持っていって訪ね歩けば良かったのでは。 これはもう未踏破地帯とか地図にない場所にいくしかないな -- (名無しさん) 2013-07-13 21:24:37
  • こういう旅の動機もあってもいいと思うというか二次元ドリームを叶えれる夢の世界!と思い飛び込む者も多かろう(特に日本人 -- (名無しさん) 2014-08-15 22:22:38
  • エロは単純明快でエネルギッシュな原動力ですね。悪魔というものが概念である人間と形状である異種族の差もイレヴンズゲートならではと思いました -- (名無しさん) 2016-02-21 18:37:44
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最終更新:2013年02月20日 01:39
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