【イスズの一日】

6:00
エルフ、イスズ・サレンスカの朝は早い。
早起きの習慣は冒険者としての必須スキルとも言うべきものだからだ。
それは旅に生き旅に死す、旅エルフの種族特性ともいえる。
テキパキと室内のゴミを片付け、汚れた衣類は洗濯かごへおさめる。
シャワーをあびて念入りに汗や汚れを落として、朝食の準備へと取り掛かる。
朝からやらなければならない事がたくさんあるのだ。
言うまでもなく学生マンションで同室に暮らす笛野瑪瑙は寝続けている。
冒険者の必須スキルとも言うべき早起きの習慣は、彼には無い。
もう一つの必須スキルである「眠れる時にしっかり寝る」を神聖視するがゆえだ。
2DKの学生マンションは学生の身分にしては随分と贅沢な間取りではあるが、
マンションとは名ばかりの昭和を感じさせる内装の集合住宅である。
もっとも、建物の古さなどはイスズが実感できることではない。
これまでの人生において、新築でピカピカの物件になどで暮らした事が無いのだ。
居住物件に関して、亜人にはまだまだ自由度が不足しているというのも辛辣な実情である。
この学生マンションとて、十津那学園の亜人居住指定物件なのだ。

7:00
「洗濯終わり。ご飯もできた。ゴミもまとめた。はき掃除も終わり。
 シャワーも浴びてるし着替えもすんでるし、あとはメノーを起こすだけか」
酷いくせっ毛の外はねをなおしきれなかった事だけはあえて目をつぶって、
イスズは瑪瑙の部屋のドアをノックした。
反応が無い。いつもの事だが熟睡しているのだろう。
「メノー、そろそろ起きないとダイガクの講義に遅れちゃうよ」
しかし、何の反応もない。
仕方がないな、そう呟きながらイスズは居室に入った。
ちなみにイスズと瑪瑙の居室は共に4畳半で隣りあわせだ。
イスズに言わせれば、竜馬小屋に寝泊まりしていた頃を思えば格段に過ごしやすいのだが、
瑪瑙はもう少し広い部屋を望んでいる。

7:10
もうすっかり慣れ親しんだとは言え、客観的な感想として瑪瑙の部屋は臭い。
冒険者にありがちな臭さとはまた違う、革製品臭さだ。
飛竜であるワナヴァンに乗るために幼少期より竜具を自作していた事もあり、
その部屋は職人か何かを思わせるほどに素材の革が山積みにされており、
今まさに竜乗袴だの小手だのジャケットだのを作っている最中なのだ。
そんなものノームかレプラコーンに発注してしまえばいいものを、
どうもそれを良しとしない思いがあるようなのだ。
そのこだわりを、ほんの少しでも自分に向けてくれればいいものを。
イスズはそんな苛立ちを最近では感じるようになってきていた。
「メノー、起きてるの?」
「んああ?あー・・・起きてるわぁ」
「どう見ても寝ぼけてるから。ほら、さっさと起きて。ごはんできてるよ」
「大丈夫・・・起きてっから。今朝もバッキバキだ・・・」
「朝から下品な事を言わない!ほら、顔を洗ってきて!」
イスズはメノーにフェイスタオルを叩きつけると、食堂へと足を運んだ。

7:30
「あー、おはようさん」
「おそよ、メノー。洗濯物はカゴの中に入れておいてね。ボクが洗うから」
「何か当番って決めてなかったっけ?俺も洗濯の日あったような」
「洗濯は全部ボクがやるの。メノーは革ばっかり丁寧で、衣類の扱いが雑なんだから」
「イスズがそれでいいんならいいけどさ。俺、楽だし。とりあえずいただきまーす」
ちなみに朝のメニューはだいたい同じである。
エリスタリア伝統の練蓮(れんばす)かガーリックトースト、イスズ特製エリスタリア風サラダ
根菜スープ、ベーコンエッグ(瑪瑙のみ)、コーヒーと紅茶となっている。
朝食も元は当番制だったが、瑪瑙が起きられないので大体はイスズが作っている。
「昔っから思ってんだけどさ。練蓮って美味くねぇだろ。何でお前パン食わないわけ?」
ガリガリとガーリックトーストを乱雑に食みながら瑪瑙が言った。
「うるさいなぁ。好みの問題だよ。メノーの好きな腐れ豆の方が理解できないよ」
モムモムと練蓮を食べながらイスズが言い返す。
「ありゃ納豆っつーんだ」
瑪瑙はそういうとガブリとガーリックトーストにかみついた。
イスズの料理の腕は簡単に言うとメシマズレベルである。
これはイスズのせいというよりはエルフ全般に言えることだが、彼らの料理の腕は劣悪である。
エリスタリアに行ったらホビットの飯だけ食え、とは有名な格言だ。
何故このような事が起こるのかと言うと、一説にはエルフの好む食材と味付けのせいだという。
エルフはダークエルフを除いてあまり動物性タンパクを好まず、しかも一部エルフは光合成できるために
エネルギーとなる炭水化物すら積極的に摂取しない。
味付けも「植物的な側面もある身体」のためか塩分の過剰摂取を好まず、よって極めて薄味になる。
食卓に並ぶ料理は、塩っけも何もない素材のままの野菜や野草ばかり。
それを美味い美味いと食べるものは、そうそう居ないだろう。
まだしも蟲も食べるダークエルフの食事のほうがマシだというのは、こういう事なのだ。
イスズは瑪瑙と出会い、一緒に旅をする中でだいぶ食事観に関しては他のエルフとは異なっている。
冒険時の野営料理、冒険食の腕に関しては確かなのだ。
だが日常的な料理ともなれば、他のエルフと変わらない。

8:30
食事を終えた二人はポートライナー駅に向かい、そこから十津那学園に向かう。
ちなみに週末3連休や長期休みにはここから<ゲート>に向かい、異世界に渡る。
言うまでもなく飛竜のワナヴァンに騎乗して冒険の旅に出るためである。
ワナヴァンは普段、ミズハミシマ陸地にある牧場にて、
かつての旅で出会ったゴブリン少女のアリョーシャ・ギョーシャが世話をしている。
『火竜の革衣』クエストで助けられてから、二人に頭があがらないのである。
さて、だいたい瑪瑙はポートライナー車内で居眠りをする。
その間、イスズは地球の本を読むのを日課としている。
まだまだ文化的にはわからない事ばかりだ。
最近では料理の本をよく読むようになった。いつまでも冒険食では問題がある。

9:00
十津那学園前の駅で下車する。ここからは2人は別行動になる。
瑪瑙は考古学研究棟に向かい、イスズは体育科に向かう。
瑪瑙は馬鹿なので先々の自分の職業を冒険者と定めている。
よって、異世界を冒険しつくすのに必要な知識とは考古学であると断じているのだ。
何が馬鹿かと言うと、そう判断した基準がかつて放映されていたTV番組の
『読点ヒロシ探検隊シリーズ』だからである。
イスズ・サレンスカはもう少し複雑な経緯で体育科に進学している。
元々エリスタリア出身でドニー・ドニーで暮らしていたイスズでは、当然ながら基礎学力が不足していた。
とある人たちの仲介によって、『旅エルフの生体観察』を条件に入学を認められたのだ。
イスズは地球でいう中高生レベルの勉強もしつつ、体育科の中でその体力の計測や
旅エルフとしての生体情報を逐次モニターされているのである。
「枯葉病の研究が進む」そう言われてイスズはこの条件を承諾したのである。

12:00
午前中の講義が終わり、イスズは保健室へと足を運ぶ。
そこには十津那大学病院の医師兼准教授の大和紅(やまとべに)がいた。
言うまでもなく仲介したという、とある人たちの一人である。
見た目は20代、見ようによっては10代後半にすら見えるが、そんな訳もあるまい。
「や、毎日ご苦労様。今日もさっくり採血しちゃおうね」
そういうと、大和紅は本当に手早くイスズの採血を終える。
「先生、これ本当に役に立つんですか?」
いぶかしむイスズだったが、大和はニコリと笑って言った。
「異世界の亜人の事なんて、私たちは全然わかってないのよね。
 まして旅エルフなんて地球でそうそう出会えるものではないわ。
 イスズくんの協力は本当に役に立つのよね。
 ところでさ、女同士で腹を割って話し合いたいところなんだけどね。
 イスズくん、あなた恋してないかしらね。それも男の子に」
「ボクと先生とでは女同士では無いような・・それに、こ・・・恋なんて・・・」
「ふむり。そのリアクションだけで十分だわね。
 んで、いつから?大和的には今年の3月くらいからだと説明ついてありがたいんだけど」
「い、いつからだなんて。ボクはその、メノーが・・・」
「メノー君ね。なぁるほど。
 わっかりやすく言うとね、キミの血液分析の結果が変化し続けているのよね。
 去年から協力してもらってたんだけど、ここ数か月で急速にキミは女の子になっていってるの。
 というかもう、ほぼカンペキに女の子ね。
 あ、別にこれ悪い事じゃないから安心してね。
 むしろ良い事だと思うわよぅ。恋って本当にステキ」
一人でウキウキと語り続ける大和を放っておいて、イスズは保健室を後にした。

12:30
昼食をとりに食堂へ来たイスズだが、そこに瑪瑙の姿を見つける事は出来なかった。
そのかわりに、瑪瑙の次に仲良くなった地球人で同じく体育科に通う浮田あすなろの姿を見つけた。
「あ、浮田さん。隣で食事をしてもいいですか?」
おずおずと声をかけるイスズだったが、浮田はそれをいつも通りの大げさな様子で返した。
「イーちゃーん!よく来た!ずっと待ってたんだからもー。なーんて約束してなかったけどさー
 今日はA定食マジオススメ。このボリュームで500円なんですぜ」
どやぁという感じでお盆を持ち上げて語る浮田だったが、イスズは既に海鮮サラダに紅茶を注文していた。
「いっつも思うけど、エルフってそれで本当に足りるの?
 アタシだったらそれっくらいだと途中でお腹鳴りまくっちゃうな」
「ほかのエルフはわからないけど、旅エルフはあんまりお腹空かない体質なのかも。
 ボクは小さい頃からこれくらいで十分だったよ」
「羨ましいなぁ・・・アタシやっぱ食べ過ぎなのかな~なんかムダにお肉ついちゃってさ~」
「正直言うと、ボクだって浮田さんを羨ましく思う部分があるよ」
「ふぅん?胸かね?」
「・・・うん」
「そんなに気にする事もないけどね。
 みんな羨ましがるけど、アタシこれで本命おとせたワケでもないし」
「そんなものかなぁ」
「あ、そうだ。今週の土日ってヒマ?一緒に下着買いに行こうよ」
「土日はちょっと用事があって・・・でも、お買いもの一緒に行きたいな」
「ま、いつでもでもいいよ。今日でも明日でもさ。善は急げって言うしね。
 急いては事を仕損じるってのもあったっけ。川津が好きそうな・・・」
「あ、ちょっと待ってください。メモします。
 善、は、い、そげ。使いどころの難しそうな言葉です。
 あ、明日の放課後でもいいですか?それならボク、行けます」
「マジメだねぇ、ホント」
浮田はわざとらしく嘆息してみせた。

13:00
学内の喫煙所兼休憩所に、むさくるしい男子がやたらと集まっていた。
笛野瑪瑙(ふえのめのう)、弓橋祢央(ゆみはしねお)、有馬冬祥(ありまふゆき)の3人である。
「たまに思うんだけどさぁ」
瑪瑙が何とは無しに会話の口火を切った。
「十津那に来るヤツって、なんつーか特殊性癖の連中多いよな」
「お前と一緒にするなよ。俺はいたってノーマルだ。そもそも特殊性癖って何だ」
弓橋が即座に否定する。
「いや、何かこう、やたら亜人とつきあってる連中が多いっつーかさ。
 有馬も彼女は亜人だったよな」
瑪瑙が有馬に視線を向けると、タバコをふかしながらスマフォをいじっていた有馬が言った。
「ああ悪ぃね。週末の馬券の依頼してたんだ。
 お前らも乗る?多分大荒れになるよ。
 あと別に俺、亜人とつきあってるワケじゃないからね」
「黒鬼のナントカってヤツと同居してるんじゃなかったっけ?」
「ありゃ居候だよ。
 かづちさんとお付き合いなんて考えるだけで恐ろしい。絶対チンコもぎとられる」
「嫉妬深いとか、そういう事か?」
「そうじゃなくてさ。
 筋肉モリモリすぎなんだよ。アスリートかっつー話でさ」
やっぱり特殊性癖じゃないか。瑪瑙はそう思いつつもくちには出さなかった。
「笛野こそ亜人とつきあってんじゃなかったの?ほら、エルフのさ」
「イスズはああ見えて男だからな。
 あ、俺別にホモじゃねぇから」
「あれで男か・・・エルフ怖ぇな。
 っと、ヨドコから返信来た。これで馬券おっけ~」
「未成年で喫煙、馬券購入、しかも他人に依頼か・・・この犯罪者め」
弓橋が苦い顔をしているが、有馬は一向に気にする様子もない。
「まま、固い事いいっこ無しでね。
 ところでさ、弓橋は浮いた話はないのかい。それこそ惚れた娘の一人はいるだろ?」
「そういうのはもういいんだよ」
「お堅い人だねまったく。
 あ、イスズと昼飯食う約束してたんだった。ふつーにパン食っちまったな」
「いい加減な人間よりマシだろう。さて、そろそろ講義が始まるな」
弓橋が年代物の懐中時計を見て時刻を確認した。
蓋がミズハミシマのスキュラ達が好む貝絵仕立てなのを瑪瑙が気づき
弓橋の意外な趣味の良さに一人感心していた。

16:30
講義も終わり、学生達もボチボチとサークル活動やゼミ活動、バイト先へと姿を消していく。
イスズは「体育学部は絶対に運動系サークルに所属しなければならない」という不文律を守って
アーチェリー部に所属しているが、瑪瑙は特にそういった活動はせずにアルバイトをしている。
アーチェリーは地球人と亜人との差がつきにくい競技ではあるが、
弓矢の化身とでも言うべきエルフとではやはり技量差が開きがちではある。
短距離走でケンタウロスと比べるよりはマシ、水泳で人魚と比べるよりはマシ、
ウェイトリフティングで鬼族と比べるよりはマシ、鳥人や蟲人と飛行能力を比べられるよりマシ、
その程度でしかない。ただ、イスズとて部内最強ではない。他にもエルフは在籍しているからだ。
そして、それすらも凌駕するのが地球人の凄いところでもある。
瑪瑙を見ていてイスズが常に感じている事ではあるが、どうも11門世界に生きる人々は
生まれながらにして持つ種族の特性や生き方、運命や宿命に従うクセがあるようだ。
そして異世界に渡ってくるような地球人は、そうしたものを打破するエネルギーを持っている。
幸運の卵なんて無くても、運命を捻じ曲げる。そんな人たちだ。

19:00
男子部員に帰りに寄り道してラーメンでも食べていかないかと誘われるも、即座に断る。
途中のスーパーで食材を買い込み、夕食の準備をはじめる。今日はカレー。
イスズにはあまり馴染まない味わいだが、瑪瑙が好むので仕方ない。
その他に、福神漬けとサラダと野菜スープと根菜の煮物を作る。全て薄味だ。
同時進行で風呂掃除を行ない湯をはる。風呂の時間はイスズの至福の時間である。
「オツカレー。今日はカレー?」
ガチャリと音を立ててドアを開けて瑪瑙が帰ってきたが、イスズは特にリアクションなし。
「お帰りメノー。ご飯にする?お風呂にする?」
これで最後に「それともアタシ?」がついたらまるで新婚夫婦だなと思いつつ、瑪瑙は食事を選んだ。
たとえ冗談であってもリアルな距離感の人物とのホモネタはキツいと、瑪瑙は思った。

20:40
酷く薄味のカレーを完食して瑪瑙は自室に行き、イスズは食器洗い後に浴室に足を運んだ。
イスズは入浴を好む。かつて長旅をしていた頃には考えられない贅沢な時間だ。
ぱちゃり・・・ぽちゃん・・・水音も耳に心地よい。
「んー・・・やっぱりムネ、大きくなってきてるかな」
自ら豊満とは言い難い乳房をふにふにと持ち上げ、イスズがぽそりと呟く。
旅エルフは世界中に散らばって種を残すことを選択したエルフの一群である。
他のエルフと異なる特徴として、少食でも問題なく生存できること、環境への適応力の高さなどがあるが、
最も特徴的なのは『両性具有』であるという点である。
ただし、旅エルフ同士であれば中性的な精神位置にあるが、亜人や地球人をパートナーとして
認識した場合は、相手の性に合わせて男性的、女性的な肉体的特徴、精神的特徴に変化する。
イスズは自覚していない、あるいは自覚してなお表には出さないだけで、彼(女)は女性化しつつあるのである。
「やっぱりカワイイ下着を買いに行こ。
 花柄とか買っていいのかな・・・浮田さんに相談してみようかな」
ニヤニヤと笑いながら、イスズは湯船に沈んでいった。

22:00
瑪瑙は居間兼食堂部屋でソファに寝転がりながら本を読んでいた。
イスズは食器洗いなども全て終え、床にペタリと座り込んでテレビを見ている。
公営放送をこんな真剣に見るヤツも珍しいな、と瑪瑙はぼんやり思っていた。
「ね、メノー。チキューにもこんなに遺跡がいっぱいあるのに、
 メノーはチキューの遺跡調査したいって思わないの?」
「うん?ああ、俺別に遺跡とか本当はどーでもいいんだ。
 そーいうのはワナヴァンに乗る口実だしな」
「いい加減だなぁ。あ、メノー耳汚いよ。耳かきしてあげる」
イスズは瑪瑙からサッと本を取り上げてソファに座り、自分のふとももに瑪瑙の頭部を置いた。
「まだ読んでる途中なのにさ」
「本はいつでも読めるでしょ。はい、動かないでね」
カリ、コリ、カリ・・・
自主自立の傾向の強いエルフでは、そもそも不衛生など考えられず、他者の耳かきなどする事もない。
ある意味貴重な生き方をしているのだろうとイスズは思っている。
何でメノーは自分の好きな事ばっかりやるんだろう。そう思った事もある。
でも、そういう面を好ましく思う自分もいるのだ。
「次の長期休み、またドニー・ドニーに行こうか」
「なるべく危ないところは避けようね。はい、終わり」
「よっし。じゃあ次はイスズの番な」
「え、いいよボクは。自分で出来るし。
 ってホントにいいから!エルフは耳が敏感なんだってばぁ!くひぃ」
「当然、知ってる」
あひんだのくひぃだのと言っては身をよじらせるイスズを上手くさばきながら、耳かきが続く。

0:00
気が付けば深夜。
二人そろってソファでウトウトとしていた。
「そろそろ寝るわ、おやすみ」
そう言って瑪瑙は自室へと移った。
「うん、おやすみ」
イスズも自分の寝具に潜り込んだものの、瑪瑙の残り香が気になってなかなか寝付けない。
ああ、明日も早いのに。眠れない。ふぅ・・・
誰にともなくつぶやき、いつにまにか夢の世界へと身を投じていた。
そして再び朝が巡ってくる。旅エルフ、イスズ・サレンスカの朝は早い。


  • イスズかわいいよ!かわいいよイスズ! -- (名無しさん) 2013-09-22 03:40:09
  • 完全に主婦。瑪瑙の意外な革スキルと大学ではうわさになってそうな染み付いた臭い -- (名無しさん) 2013-09-22 19:52:02
  • イスズ完全に乙女の心境。メノーはいつになったら気付くのかな。ところで旅エルフとしての旅の終着点がとつくに学園という事なのだろか -- (名無しさん) 2013-10-09 00:44:24
  • 異世界と地球の生活を両立する二人のもどかしい日常だけではなくエルフなどに関わる要素を盛り込むなどすっきりまとまりつつ読み応えがありました。何か余程のことがない限りは瑪瑙の心境の変化がなさそうなのが残念ですね -- (名無しさん) 2017-06-04 19:30:54
名前:
コメント:

すべてのコメントを見る

タグ:

g
+ タグ編集
  • タグ:
  • g
最終更新:2014年08月31日 02:13