自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

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アカイ・マル・ポーロ『南方見聞録』

ニホンは、大陸の南にある、とても大きな島である。
住民は皮膚の色が白く礼節の正しい優雅な偶像教徒であって、独立国をなし、
自己の国王をいただいている。また、驚くほど体臭がせず、ゴーレムのごとく人間味に欠ける。
ドワーフ達が好む、風呂を好み、風呂には大量の香木を砕いたものを入れる習慣がある。
香木や香辛料は市場で安く手に入り、銀貨4枚で、バケツほどもある風呂用の香木を買える。

 白金や宝石を公の場に持ち寄るのは善しとせず、代わりに絹織物の質を身分の証とする。
宝石の代わりとして真珠が首飾りや耳飾として多用されている。男性はあまり着飾らない。

 ニホンの風俗としては、たくさん種類がある偶像崇拝の中で、
特に白い魔王と黒い運命の名が付いた二人の女神が最大の敬意を払われているが、
このニホンの人々の生活は不合理で罪深く、ルーデル教徒やヘイヘ教徒には話すことも出来ない。
信者達によって多くの断章や写本が出版されており、夏と冬には聖地巡礼が行われる。
聖地は他の宗教の聖地でもあるため、行ける人数は限られており、
いけなかった者は○コミ墜ちたと呼ばれる。尚、○には夏と冬のどちらかが入る。
旧約聖書、神章4649節、神は仰られた「少し、頭冷やそうか」
神章893節「悪魔でいい、悪魔らしいやり方で、話を聞いてもらう」
白い魔王は好戦的な戦闘を司る神で、信仰する国民達は好戦的である。
彼女は畏怖と敬意を払われる存在であり、信者は語尾にさんや様を付けて敬称を表している。
他にも数々の神々が存在するため、しばしば宗派間対立や宗教闘争が起こる。

 ニホン諸島に住む偶像教徒は、自分たちの仲間以外の人間を捕らえてくると、
その男が教会への寄付を払えない場合には、友人や他の信者達を残らず招待して、
「いっしょに聖地巡礼に行きましょう」という。
そうして捕らえた男を聖地で大量の聖書と共に日干しにして、巡礼後にみんなで寄り合って
聖書を分ける もちろん男を放置してであるが。彼らときたら、いろいろな聖書のなかで、
自分達の選んだ本以外に最高のものはないと心得ている。

 この国ではいたるところに香辛料が見つかるものだから、国人は誰でも莫大な黄金を所有している。
塩や胡椒、東辛子はありふれたものであり、ただで手に入る。

 通貨は特別な銀貨と銅貨が主流で、金貨の流通は少ない。
銀貨より紙手形の方が価値としては高く、金を持ち歩く人々は殆どいない。
最も大きい銀貨一枚の価値は銅貨50枚分に相当する。最も大きい紙手形1枚の価値は銀貨20枚である。
通貨とは別に、金の市場が存在し、決済は其方で行う。金の価値は非常に高い。

 この国のあらゆる建物は巨大な継ぎ目のない大理石で出来ている。屋根はすべて鉄でふかれている。
床も、全部が継ぎ目のない黒い敷石で敷きつめられている。
天を突く見張り塔がたくさんあり、空が見えない。
森が少なく、ダークエルフ以外のエルフ達が住むのには向かない。
五階建ての塔ほどもある柱が乱立し、間に移動用のロープが張られている。
鍛冶場が近くにあるせいで空気が悪く、病気の者が多い。
窓や外壁は貴重な硝子で、それもとても巨大なものを惜しみなく使い、贅の限りを尽くしている。
硝子は街に溢れ、商人や貴族しか使わない硝子製の食器で溢れている。

 腕の良いドワーフ鍛冶達が一部の鍛冶達を真似るせいで、様々な食器が全て寸分たがわぬ容をしている。
またこの国には多量の塩が産する。
塩は加工され、魚や豆を絞ったもの、野菜を漬け込んだもの、あるいは魚や肉の保存として使われている。
肉は少なく、穀物や野菜が中心で、ハイエルフ達の食事に近い。ハイエルフは肉は食べないが。
塩は魚や肉、スープ、あらゆる料理に使われ、食事は塩辛く国人の誰でも惜しみなく消費している。
東西の果物が採れる島であり、食卓には、北のバッサンのトンガや、南のライバーのイゴールなどが並ぶ。
食事中、感動したのは複数の皿とテーブルが一体になった合理的な食器で、
金属と皮の合いの子に近い、赤や黒の光沢を持った不思議な素材で出来ていた。

 この島特有の魔物は、いずれも黒い息を吐き出す非常に重い荷物を運びうる貴重な魔物であって、
たとえば沈香その他に比べても決して劣らぬ高価なものである。
黒胡椒はもとより、雪のような白胡椒も豊富なのである。
黄金を初めとする様々な奇貨異物の産額も、これまた驚くばかりの巨額である。



「・・・今日の分は終わり」
 カイは執筆に使っていた万年筆を止めた。

 ランゲルハンス島で捕虜にされてから三日、
無機質だった部屋には新たな机や椅子が運び込まれ、落ち着き始めていた。
カイには一人の執事が付いた。正確に定義するなら執事ではないが、執事のようなものである。
鈴木茂人と名乗る人間だ。彼は彼女の世話をして外の話をし、彼女は世界の話をする。

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