エルブ国首都イクバール。中央通り、瑠璃色キャベツ亭。
「ジェダイの兄ちゃんの度胸を祝して!」
「「「「乾ー杯!」」」」
「「「「乾ー杯!」」」」
口にビールの泡を付けた小男達がぐびりとタルで出来たコップを飲み干す。
ごくごくと喉が鳴り、腰を当てて一息に飲んだ。
良い飲みっぷりだ。
ごくごくと喉が鳴り、腰を当てて一息に飲んだ。
良い飲みっぷりだ。
「兄ちゃんも遠慮してないで飲め!飲め!」
酒を飲んで赤ら顔のゲドがさあ!さあ!さあ!と急かした。
酒を飲んで赤ら顔のゲドがさあ!さあ!さあ!と急かした。
門前での件の後、非番なので適当に街を観光しようと思っていたら、
「酒を飲むと約束してたのう」
「さっきあったばかりじゃないですか」
「では皆、いこうかの」
ばったりゲドと再開してしまい、あれよあれよという間に酒場へ連れ込まれてしまった。
異様にテンションが高い小男達に席に着かされ、酒を勧められている。
逃げようにも周囲を既に囲まれているし、下戸ですと断ろうにも、
盛り上がりすぎて断れる雰囲気ではない。
仕方がないので開き直り飲むことにした。
現時住民との任務以外の過剰接触、真昼間から基地外での飲酒、赴任早々の不祥事。
「酒を飲むと約束してたのう」
「さっきあったばかりじゃないですか」
「では皆、いこうかの」
ばったりゲドと再開してしまい、あれよあれよという間に酒場へ連れ込まれてしまった。
異様にテンションが高い小男達に席に着かされ、酒を勧められている。
逃げようにも周囲を既に囲まれているし、下戸ですと断ろうにも、
盛り上がりすぎて断れる雰囲気ではない。
仕方がないので開き直り飲むことにした。
現時住民との任務以外の過剰接触、真昼間から基地外での飲酒、赴任早々の不祥事。
ああああ、始末書ものだ。
逃げられないなら、ええい!ままよ!
「一気!一気!一気!一気!」
泡立つビールを流し込む。
「・・・!・・・・・!・・・ふはぁ」
きゅーっと飲み干し一息付いた。
泡立つビールを流し込む。
「・・・!・・・・・!・・・ふはぁ」
きゅーっと飲み干し一息付いた。
「兄ちゃん。いい飲みっぷりだねぇ。ジェダイの騎士ってのは酒にも強いのかい?」
ん?スターウォーズか?
「ジェダイ?自衛隊?」
「海の向こうじゃ、300人でバッサン兵3万人を追い払ったそうじゃないか。痛快だねぇ」
「ん?あれはただの警備隊だが。本隊とは違うぞ」
「なんと!ジェダイはもっと強いのか!いやあ愉快じゃのう」
自国領を他国に軍事占領され、放置してあった韓国軍が勝手に戦闘開始して
自滅しただなんて格好悪くて言えない。
一応、占領していたのは軍隊並みの装備を持つ自称警備隊である。
ん?スターウォーズか?
「ジェダイ?自衛隊?」
「海の向こうじゃ、300人でバッサン兵3万人を追い払ったそうじゃないか。痛快だねぇ」
「ん?あれはただの警備隊だが。本隊とは違うぞ」
「なんと!ジェダイはもっと強いのか!いやあ愉快じゃのう」
自国領を他国に軍事占領され、放置してあった韓国軍が勝手に戦闘開始して
自滅しただなんて格好悪くて言えない。
一応、占領していたのは軍隊並みの装備を持つ自称警備隊である。
「それにアカマル様をバッサンの魔手から助けたそうじゃないか。いやー凄いわ」
会談の時居たあの子だな。
場違いだと思ったら、姫か皇女に相当するVIPなのか。
会談の時居たあの子だな。
場違いだと思ったら、姫か皇女に相当するVIPなのか。
「さっ!今日の主役は兄ちゃんなんだから、飲んだ!飲んだ!」
小男達の飲むペースが速い。
これでは早々に酔い潰されてしまうだろう。
なんとかしなくては。
私は脱出の機会をうかがい始めた。
小男達の飲むペースが速い。
これでは早々に酔い潰されてしまうだろう。
なんとかしなくては。
私は脱出の機会をうかがい始めた。
「おおっ。このピザ美味いな。酒にぴったりだ」
飲まされ続けるのは避けたい。
とりあえず話題を酒から食べ物に切り替える。
「だろ?マスターのサーダナが作るピザは絶品なんだよ」
「特にチーズが美味い。もしかして自家製か?ピザは手打ち?」
冷食と既製品ばかりの私にとって、此処のピザはおいしく感じた。
ピザ生地がもちもちして小麦の味がする。
飲まされ続けるのは避けたい。
とりあえず話題を酒から食べ物に切り替える。
「だろ?マスターのサーダナが作るピザは絶品なんだよ」
「特にチーズが美味い。もしかして自家製か?ピザは手打ち?」
冷食と既製品ばかりの私にとって、此処のピザはおいしく感じた。
ピザ生地がもちもちして小麦の味がする。
「此処のチーズは街でも評判がよくってね。兄ちゃんも気に入ったか。
なあ、手打ちじゃないピザってあるのか?」
「ウチの国じゃみんな冷食だ」
「冷食?なんだそりゃ?」
冷凍食品ぐらい誰だって知ってるだろうに。
もしやエルブは貧しい国なのか。
「スーパーで売ってる大量生産品だよ」
「スーパー?何が凄いんだ」
「ところで、トイレは何処かな?」
延々質問が続きそうだったので話題を切り上げた。
なあ、手打ちじゃないピザってあるのか?」
「ウチの国じゃみんな冷食だ」
「冷食?なんだそりゃ?」
冷凍食品ぐらい誰だって知ってるだろうに。
もしやエルブは貧しい国なのか。
「スーパーで売ってる大量生産品だよ」
「スーパー?何が凄いんだ」
「ところで、トイレは何処かな?」
延々質問が続きそうだったので話題を切り上げた。
「そこの角を曲がって左だ」
「おお、ありがと」
さて、どうやって逃げようか。
「おお、ありがと」
さて、どうやって逃げようか。
「・・・・・ふう」
用を足し終わり、落ち着いて店内を見回す。
用を足し終わり、落ち着いて店内を見回す。
煙草が煙ぶる薄暗い店内。
木で出来た椅子やテーブルがランタンで照らされている。
カウンターの上には酒瓶と小ダルで出来たコップが置かれ、
蝋燭で照らされたグラスが妖しく光る。
冷蔵庫の類は目に付く場所になく、会計はレジを通さず直接手でやる。
徹底したレトロ指向の良い店だ。
木で出来た椅子やテーブルがランタンで照らされている。
カウンターの上には酒瓶と小ダルで出来たコップが置かれ、
蝋燭で照らされたグラスが妖しく光る。
冷蔵庫の類は目に付く場所になく、会計はレジを通さず直接手でやる。
徹底したレトロ指向の良い店だ。
真昼間から酒を飲む客は少ない。
広い店内には私達と他、3、4組のグループ、4人ほどの一人で来ている客が居るだけである。
平日の昼にしては十分な入り。
部屋の中央のテーブルには彼らが派手に酒盛りしており、出口は後ろ。
狭い店内で見つからないよう脱出するのは無理だな。
トイレの窓からこっそり出るのも善意で招いてくれた彼らに悪い気がする。
広い店内には私達と他、3、4組のグループ、4人ほどの一人で来ている客が居るだけである。
平日の昼にしては十分な入り。
部屋の中央のテーブルには彼らが派手に酒盛りしており、出口は後ろ。
狭い店内で見つからないよう脱出するのは無理だな。
トイレの窓からこっそり出るのも善意で招いてくれた彼らに悪い気がする。
さあ、どうしたもんかと思っていると、カウンターに酒を嗜んでいる美女が居た。
酒を飲んで肌をほんのり上気させ、長い睫毛を物悲しそうに伏せている。
細長い眉毛、手入れされたさらさらの銀髪、長く繊細な指。
見惚れていると、やがてその長く切れた二重瞼の間にある瞳が向いた。
酒を飲んで肌をほんのり上気させ、長い睫毛を物悲しそうに伏せている。
細長い眉毛、手入れされたさらさらの銀髪、長く繊細な指。
見惚れていると、やがてその長く切れた二重瞼の間にある瞳が向いた。
「何か?」
ティンと来た。これは使える。
「ちょっと話したいことがあるんだが、耳を貸してくれるかな?」
小声で話すと彼女は長い耳を傾けた。
「酒の席から逃げ出したいんだが、手伝ってくれるか?
私と君は意気投合して二人だけで別の店に行くことになった、として欲しい。
別に付き合わなくてもいい。店の外に出られればいい」
「報酬は?」
「生憎、持ち合わせがない。でもきっと埋め合わせはする」
彼女は少し、手を細い顎に当てて考え、答えた。
「いいよ」
小声で話すと彼女は長い耳を傾けた。
「酒の席から逃げ出したいんだが、手伝ってくれるか?
私と君は意気投合して二人だけで別の店に行くことになった、として欲しい。
別に付き合わなくてもいい。店の外に出られればいい」
「報酬は?」
「生憎、持ち合わせがない。でもきっと埋め合わせはする」
彼女は少し、手を細い顎に当てて考え、答えた。
「いいよ」
脱出作戦は決行された。