自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

SL 001-582

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tapper

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「起動コード、emeth、入力。 コード受信確認。 試08式歩行戦車、システム起動します」

重厚なモーター音をハンガー内に響かせながら桜の印をつけたアイアンゴーレムが立ち上がる。
チタン合金とセラミックの複合装甲を身に纏い、強化ガラスで出来た赤い瞳を輝かせ、今一歩を踏み出す。
ゆっくりと片足が持ち上がり、一拍の間をおいて踏み下ろされる。
ズム、という腹に響く音とともに、酷く不快で耳障りな音がゴーレムの膝関節から聞こえてきた。

「右脚部駆動部に過負荷。 バランス修正…不可! …倒れます」

メキメキという音とともにゴーレムの膝が折れ、鋼鉄の巨体は派手な音を立てて横倒しに倒れた。

「停止コード、meth、入力。 システムダウン。 …停止しました」

モニターの前で長い耳の魔法技官がため息をつく。
8度目の起動試験失敗。 陸上自衛隊の歩行戦車…アイアンゴーレム研究は難航を極めていた。


「だから、こんな予算の無駄遣い止めてしまえと言ってるんだ。 魔法技術を取り入れるための研究開発と言ったって、何の成果も出せていない」

休憩室の自販機の前でジョー○アの缶コーヒーを飲み干しながら3尉の襟章をつけた自衛隊員が愚痴をこぼす。
耳の長い帰化人の…エルフ族の女性技官は爽健○茶に口をつけずずずーっと飲んだ。

「結局、作った物といえばアニメもどきのロボットが8台。 全部起動直後に重量オーバーでぶっ壊した。 そもそも、人型のロボットなんかが兵器として実用性に…」
「まあ、私はこうしてこの国に帰化させてもらって、専門の技能も生かすことが出来て万々歳なんですけどねえ」

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