自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

GJ 001-148

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匿名ユーザー

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148 名前: 1 02/11/20 01:42 ID:x6ttaDps

時を同じくして、山狩りを行っていた機動隊に動きがあった。
「こちら捜索イチ。ゲンポンへ、不審者の集団を発見! 発砲の許可を!」
「こちらゲンポン。検挙は待て。相手の人数は? 本当にマルケーなのか?」
「マルケーに間違いありません! 数は今ここから確認できるだけでも二十名ほど。こちらを警戒するように観察しています!」
「こちらゲンポン。投降を呼びかけろ」
「無駄です! 向こうはほぼ全員が刀剣類を手にして武装しています! 今にも斬りかかってきそうです! せめて威嚇射撃の許可を!」
その時だった。
盾を構えて先行していた第一班の班長が突然甲高い声で無線で緊急の報告をしてきた。
「こちら捜索ナナ! 向こうで黒い服を着用した何人かの女がこちらを向いてなにかを呟いています」
坂口はその内容に思わず激昂した。
女がつぶやいてなにが緊急だ。
「女がつぶやいている? そんなくだらないことをいちいち報告してくるな!」
怒鳴りつけた直後、無線で一班の班長は自分が確認するような口調で続けた。
「様子が変です! なにか彼女らの手元が発光して…」
そして一班の無線はそこで途切れた。
次いで、目を覆う閃光と共に、激しい衝撃と爆発音があたりに響き渡った。
「うわああああああぁーーーーー!!?」
坂口警部補は第一班の隊員達が炎に巻かれて空高く吹っ飛ばされる瞬間をはっきりと直視した。
隊員らを守っていたであろうジェラルミン製の防護盾が、後方である彼のとなりに激しい音をたてて落下してきた。

ラクチェの放った火炎魔法は一瞬で一班の機動隊員五名を焼き尽くし、七名の隊員を宙に舞わせた。
「こちら二班!正当防衛です!撃ちます!」
身の危険を感じた二班の班長は咄嗟に腰からニューナンブを引き抜いた。



161 名前: 続き… 02/11/20 19:13 ID:/r+Rw1Wp

二班の機動隊員らは班長に続いて次々とリボルバー拳銃を抜くと暴発防止用ゴムパッドを取り外した。
その時、前方で救助にあたっていた三班から甲高い悲鳴が聞こえた。
「なんだ! 報告しろ三班!」
坂口は無線に向かって怒号を上げたが、立て続けに起こる部下達の悲鳴とパニックに陥った叫び以外に応えるものはなかった。
全く状況がつかめず、坂口は歯軋りした。
そして、二班の班長はもうもうと立ち込める煙の中から黒い影が躍り出てくるのを見た。
三班の隊員が後退してきたのだと思った彼はその影に無防備に駆け寄った。
「おい! 一体どうし…」
相手と目が会った。
鋭い蒼い瞳…それしか班長には分からなかった。
刹那、白刃が一閃され、班長の首から鮮血が迸る。
ひゅう…断末魔の悲鳴すら出せずに身体が仰け反り、彼は地面に倒れ伏す。
「班長ォーーー!!」
部下が叫ぶ。
機動隊員らの目の前には、血の滴る剣を二刀し、返り血にその白磁の如き肌を朱に染めた女剣士が悠然と立っていた。
女が隊員らの方を向いた瞬間、十丁の38口径拳銃の銃口が、一斉に女へ向けて撃鉄を上げる音が聞こえた…
「…面白い」
殺気立った機動隊員らを睥睨し、女は透き通るような声で一言呟いた。

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