数百人が参戦するこのバトルロワイアル。その参加者の行動は様々である。
ある者は主催者の打倒を決意した。
ある者は殺し合いに乗ることを決断した。
ある者はうっかり首輪を外そうとして即死した。
ある者はどこからか飛んできた銃弾で即死した。
ある者はマーダーにエンカウントして即死した。
ある者は話の冒頭で登場してすぐさま即死した。
十人十色を超えて百人百色の参加者たち。
その中でも特異な境遇の参加者もいる。
ある者は主催者の打倒を決意した。
ある者は殺し合いに乗ることを決断した。
ある者はうっかり首輪を外そうとして即死した。
ある者はどこからか飛んできた銃弾で即死した。
ある者はマーダーにエンカウントして即死した。
ある者は話の冒頭で登場してすぐさま即死した。
十人十色を超えて百人百色の参加者たち。
その中でも特異な境遇の参加者もいる。
その代表例は、上弦の陸。妓夫太郎と堕姫の二人である。
この二人、そもそもやたら死ににくい鬼であるが、その中でも特異な、片方が頸を撥ねられてももう片方が健在なら死なないという特徴がある。
この特徴、バトルロワイアルと極めて相性が悪く二人は参加者から外されることとなった。
例えば堕姫が首輪の作動により脱落するとしよう。しかし、妓夫太郎が健在なら堕姫は再生する。その結果生まれるのは首輪の無い参加者だ。
首輪を使って脱落させようとすると首輪を解除した参加者が生じてしまう。したがって二人同時に首輪を作動させなくてはならないのだが、殺し合わせている二人を片方を殺すために両方殺すというのは趣旨に反する。面倒なその特性さえなんとかなればいいのだが、主催者側にそんな技術を持つ者はいない。
よって主催者は堕姫と妓夫太郎を含む十二鬼月を参加者から外すこととした。なんかこう、他の鬼もそういう面倒なアレがあったらヤバそうなんで、とりあえず全員外せばいいだろうという判断だ。実際はそれを口実に主催者の一部が戦力を私物化しようとしているのだが、そんなことは参加者には関係ない。ようは、ロワを破綻させかねない参加者は他の参加者候補と交代となったのだ。
さて、こうなるとまた一つ問題が生じる。交代となった参加者は、基本的に交代した参加者と同じ位置にスポーンするのだが、実はそうとも限らない。同じ参加者ならば同じ位置にほぼなるが、そうでなければ割とズレる。そしてズレた場所が空中や海中などになってしまう場合改めてスポーン位置を決定する。つまり、元の参加者が崖っぷちや船の上などの場合、新しい参加者はどっか行く。その結果。
この二人、そもそもやたら死ににくい鬼であるが、その中でも特異な、片方が頸を撥ねられてももう片方が健在なら死なないという特徴がある。
この特徴、バトルロワイアルと極めて相性が悪く二人は参加者から外されることとなった。
例えば堕姫が首輪の作動により脱落するとしよう。しかし、妓夫太郎が健在なら堕姫は再生する。その結果生まれるのは首輪の無い参加者だ。
首輪を使って脱落させようとすると首輪を解除した参加者が生じてしまう。したがって二人同時に首輪を作動させなくてはならないのだが、殺し合わせている二人を片方を殺すために両方殺すというのは趣旨に反する。面倒なその特性さえなんとかなればいいのだが、主催者側にそんな技術を持つ者はいない。
よって主催者は堕姫と妓夫太郎を含む十二鬼月を参加者から外すこととした。なんかこう、他の鬼もそういう面倒なアレがあったらヤバそうなんで、とりあえず全員外せばいいだろうという判断だ。実際はそれを口実に主催者の一部が戦力を私物化しようとしているのだが、そんなことは参加者には関係ない。ようは、ロワを破綻させかねない参加者は他の参加者候補と交代となったのだ。
さて、こうなるとまた一つ問題が生じる。交代となった参加者は、基本的に交代した参加者と同じ位置にスポーンするのだが、実はそうとも限らない。同じ参加者ならば同じ位置にほぼなるが、そうでなければ割とズレる。そしてズレた場所が空中や海中などになってしまう場合改めてスポーン位置を決定する。つまり、元の参加者が崖っぷちや船の上などの場合、新しい参加者はどっか行く。その結果。
「「わ、わたし……!?」」
ここは会場内にある豪華客船。
なんで殺し合えって言ってるのに豪華客船があるんだよと思うかもしれないが、せっかく殺し合うんだから色んな施設が欲しいというのが人情だろう。
ともかく主催者の悪ノリで用意された豪華客船に、参加者は二人だけいた。元はもう少し人選も考えて配置されていたのが、参加者の変更の結果一人だけになってしまうので、せめて誰かもう一人は配置してせっかく用意した豪華客船で殺し合ってほしいと思ったのだ。
というわけで、竜堂ルナは二人いた。
なんで殺し合えって言ってるのに豪華客船があるんだよと思うかもしれないが、せっかく殺し合うんだから色んな施設が欲しいというのが人情だろう。
ともかく主催者の悪ノリで用意された豪華客船に、参加者は二人だけいた。元はもう少し人選も考えて配置されていたのが、参加者の変更の結果一人だけになってしまうので、せめて誰かもう一人は配置してせっかく用意した豪華客船で殺し合ってほしいと思ったのだ。
というわけで、竜堂ルナは二人いた。
豪華客船の廊下で、二人の少女がおずおずと互いに近づく。
同じ顔、同じ目、同じ鼻、同じ口、同じ背格好だ。
伸ばす手も鏡合わせのようになり、触れ合った途端にビクリと互いに手を引く。
なにせ二人はどちらも竜堂ルナなのだ、当然リアクションも同じになるのだった。
同じ顔、同じ目、同じ鼻、同じ口、同じ背格好だ。
伸ばす手も鏡合わせのようになり、触れ合った途端にビクリと互いに手を引く。
なにせ二人はどちらも竜堂ルナなのだ、当然リアクションも同じになるのだった。
いやなんで竜堂ルナが二人いるんだよ、同じ参加者がいるっておかしいだろ、それコミカライズのおまけマンガのネタだろうと思う方もいるだろうが、まま、そう焦んないでよ。
この殺し合いでは同じ参加者は割といる。四宮かぐやは二人いるし、おそ松さん一家などそもそも主催者も誰が誰なのかちょっとあやふやだ。
これは時間軸の違う出典なら別人として扱うからだ。簡単に言えば二人の四宮かぐやはそれぞれ並行世界の人間であるし、おそ松さん一家も同様である。
そして竜堂ルナも同様であるのだが、この二人の場合は少し事情が違う。この二人、並行世界でほぼ全く同じ歴史を辿っているのだ。
実はこの二人、フォア文庫妖界ナビ・ルナの竜堂ルナと講談社青い鳥文庫版の竜堂ルナは、この時点で歩んできた人生に差異が殆ど無い。この二人の人生に違いが現れるのは、彼女たちが参加したタイミングから人間界の時間で2年の時を要するのだ。
この殺し合いでは同じ参加者は割といる。四宮かぐやは二人いるし、おそ松さん一家などそもそも主催者も誰が誰なのかちょっとあやふやだ。
これは時間軸の違う出典なら別人として扱うからだ。簡単に言えば二人の四宮かぐやはそれぞれ並行世界の人間であるし、おそ松さん一家も同様である。
そして竜堂ルナも同様であるのだが、この二人の場合は少し事情が違う。この二人、並行世界でほぼ全く同じ歴史を辿っているのだ。
実はこの二人、フォア文庫妖界ナビ・ルナの竜堂ルナと講談社青い鳥文庫版の竜堂ルナは、この時点で歩んできた人生に差異が殆ど無い。この二人の人生に違いが現れるのは、彼女たちが参加したタイミングから人間界の時間で2年の時を要するのだ。
「「あ、あの……あなたは?」」
「「あ、わたしは竜堂ルナです。」」
「「え? え?? えーっ!?」」
「「あ、わたしは竜堂ルナです。」」
「「え? え?? えーっ!?」」
全く同じタイミングで話し、全く同じリアクションをする。主催者はこれを見たくて二人を同じ初期位置にしたのだ。
そして、6時間が経った。
「ねぇ、船の動かし方ってわかった?」
「ううん、そっちのわたしは?」
「ううん、わたしも……」
「ううん、そっちのわたしは?」
「ううん、わたしも……」
主催者は考えていなかった。小学校中退の女児二人を豪華客船に配置しても船を動かす手段がないことを。最初の出会いだけの出オチにしかならないことを。
元は上弦の陸vs伝説の子を期待しての配置だったが、そのマッチアップが崩れてしまったのなら、そして温厚で専門知識の無い同一人物を船に載せたのなら、何も起こらないのだ。
元は上弦の陸vs伝説の子を期待しての配置だったが、そのマッチアップが崩れてしまったのなら、そして温厚で専門知識の無い同一人物を船に載せたのなら、何も起こらないのだ。
「ねぇ、本当に殺し合いなんてしてるのかな?」
「わからない。この船、わたしともう一人のわたししかいないよね?」
「うん。もう一回第三の目を解放してみる?」
「そうだね、やってみよう。」
「わからない。この船、わたしともう一人のわたししかいないよね?」
「うん。もう一回第三の目を解放してみる?」
「そうだね、やってみよう。」
その後も色々やってみるが、別に何もイベントが起こったりはしない。この豪華客船、もちろん地対空ミサイルや対潜機雷などは配置されているのだが、もちろん児童文庫の主人公がそんなものに手を出すわけもなく、武器のほかは魔術的な何かもないのでひたすら無駄な時間が過ぎていく。せめて船を動かすか陸から参加者が来てくれればいいのだが、二人は船に火を放ったり爆破したりはもちろんしないので、豪華客船に気づいた参加者もわざわざここに来ようとはしないのだ。
「……おなか減ったね。」
「うん……」
「なにか食べよっか。」
「あ、あっちに鉄板焼きの鉄板あったよ。」
「じゃあ焼きそば作ろうよ、得意なんだ!」
「わたしも!」
「うん……」
「なにか食べよっか。」
「あ、あっちに鉄板焼きの鉄板あったよ。」
「じゃあ焼きそば作ろうよ、得意なんだ!」
「わたしも!」
二人が数十人の死者の名前を放送で知るのは、この1分後のことである。
【0559 海上・豪華客船】
【竜堂ルナ@妖界ナビ・ルナ(10) 黄金に輝く月(妖界ナビ・ルナシリーズ)@フォア文庫】
【目標】
●大目標
殺し合いを止める
●小目標
焼きそば作ろう!
【目標】
●大目標
殺し合いを止める
●小目標
焼きそば作ろう!
【竜堂ルナ@妖界ナビ・ルナ(10) 黄金に輝く月(妖界ナビ・ルナシリーズ)@講談社青い鳥文庫】
【目標】
●大目標
殺し合いを止める
●小目標
焼きそば作ろう!
【目標】
●大目標
殺し合いを止める
●小目標
焼きそば作ろう!