安永宏にとって拉致されて殺し合わされるという状況は、驚きはしたもののどこか納得がいくものだった。
中一の夏休みに廃工場に立てこもって以来、ヤクザやらカルトやらと何度もやり合ってきている。数カ月前には実際に拉致られているし、喧嘩の強い安永は直接殴り飛ばすことも多い。早い話が、思い当たるフシが山ほどあるのだ。
中一の夏休みに廃工場に立てこもって以来、ヤクザやらカルトやらと何度もやり合ってきている。数カ月前には実際に拉致られているし、喧嘩の強い安永は直接殴り飛ばすことも多い。早い話が、思い当たるフシが山ほどあるのだ。
(つっても、毒付きの首輪はねえだろ。谷本なら……いや流石に無理か。)
気がつけばどこともしれない森の中。赤い霧に赤い空、黒い雲に稲光とめちゃくちゃホラーな環境だ。正直こんな外を出歩きたくはないが、今の安永は完全なる迷子。
自分を拉致った奴は相当俺に頭が来てるんだろうなと考えつつ、少し歩くと小道に出た。
さて、下りか上りか。緩やかな坂道を降りていこうとして、ふと仲間の相原が言っていたことを思い出す。山で遭難したら登れ、と。
山ではなく森だが、まあ高いところのほうが色々見渡せるだろうと仲間の助言に従う。その歩きに恐れはない。相原を始め、これまでの安永のピンチには常に仲間たちの助けがあった。今安永がすべきは、その仲間の足を引っ張らないようにクレバーに立ち回り、自分が助ける側になるように動くことだ。
自分を拉致った奴は相当俺に頭が来てるんだろうなと考えつつ、少し歩くと小道に出た。
さて、下りか上りか。緩やかな坂道を降りていこうとして、ふと仲間の相原が言っていたことを思い出す。山で遭難したら登れ、と。
山ではなく森だが、まあ高いところのほうが色々見渡せるだろうと仲間の助言に従う。その歩きに恐れはない。相原を始め、これまでの安永のピンチには常に仲間たちの助けがあった。今安永がすべきは、その仲間の足を引っ張らないようにクレバーに立ち回り、自分が助ける側になるように動くことだ。
(毒って言うからには、タイマーとかリモコンとかで動くんだろうな。立石じゃ火薬の扱いはできても毒や機械はどうにもなんねえだろうし、相原も菊地もこういうハイテクなのはできねえだろうな。なら、誰か外せる参加者を見つけるしかねえ……あいつはどうだ?)
犬のように首輪を付けられる趣味など無い。真っ先にこいつをどうにかしてやると思いながらどれだけ歩いただろうか。自然体でありながらもしかし油断無く周囲を警戒していた安永は、霧に紛れた人影を見つけた。即座に足音を忍ばせつつ駆け寄る。明るい髪の色をしたロン毛だ。女だろうか。
しばらくつける。女は山歩きの心得も度胸もあるのだろう。安永も舌を巻くほどに、軽トラでも走れそうなほど整備されている小道とはいえ山道を歩いていく。油断はしない。ここは殺し合いの場だとはよく覚えているし肝に銘じているが、そうでなくても反骨精神がある。
そんな安永が女に声をかけようと思ったのは、山道を降りてきた学ランと女が会話を始めたからだった。
しばらくつける。女は山歩きの心得も度胸もあるのだろう。安永も舌を巻くほどに、軽トラでも走れそうなほど整備されている小道とはいえ山道を歩いていく。油断はしない。ここは殺し合いの場だとはよく覚えているし肝に銘じているが、そうでなくても反骨精神がある。
そんな安永が女に声をかけようと思ったのは、山道を降りてきた学ランと女が会話を始めたからだった。
「なら、みんな気がついたらこんな森の中にいたんですね。」
「ええ。まあ、森っていえるかはわからないけれど。」
「どういうことです?」
「ほら、この草を見て。これ、造花よ。この木も花も。全部プラスチックでできてるみたい。」
「うわっ! なんだこれ! すり潰してるのに汁も何もでてこないなんて。」
「詳しいんですね。」
「それほどでもないわ。山村の診療所で看護婦をしてるからね、不自然なものは気になるの。」
「ええ。まあ、森っていえるかはわからないけれど。」
「どういうことです?」
「ほら、この草を見て。これ、造花よ。この木も花も。全部プラスチックでできてるみたい。」
「うわっ! なんだこれ! すり潰してるのに汁も何もでてこないなんて。」
「詳しいんですね。」
「それほどでもないわ。山村の診療所で看護婦をしてるからね、不自然なものは気になるの。」
出会った女、鷹野三四はそう言いながら一輪の花を手折ろうとして、不自然な弾力をしたそれから手を離した。
看護婦だと言う鷹野三四と、高校生だと言う小柄な広瀬康一、どちらも首輪を外すことはできないが殺し合いに否定的らしい。肯定的な人間などいないとは思うが、拉致した人間のジョーカーが紛れ込んでいる可能性もあるので心を許しはしない。それでも今すぐに殺し合いにならないだけましだ。
看護婦だと言う鷹野三四と、高校生だと言う小柄な広瀬康一、どちらも首輪を外すことはできないが殺し合いに否定的らしい。肯定的な人間などいないとは思うが、拉致した人間のジョーカーが紛れ込んでいる可能性もあるので心を許しはしない。それでも今すぐに殺し合いにならないだけましだ。
「看護婦さんかぁ。そう言われると優しい雰囲気が──」
『あーあー聞こえるかー! オレ達は殺し合いに乗ってない! みんなも殺し合いなんてやめようよ! LOVE&PIECE! 愛だよ愛! てかさ、いきなり変な森に連れて来られて殺し合うヤツいねえよ! あんな変なウサギっぽいやつに殺し合えって言われてさ、殺し合うなんてさ、こんなんでいいのかよ! だから! 殺し合いなんてやら『お前放送ヘタすぎんだろ変われ!』ちょっと待てジャンケンで勝ったのオレじゃん!『爆弾のこと言わないと』それで! あの、この、灯台『展望台』展望台に、ちがう、展望台の、裏に、爆弾があんのよ! 仕掛けたの! で、あの展望台来るときはこの下の崖みたいな坂の下の方で、合図してほしいのよ! そしたらあの爆弾のスイッチオフにするから、あの、あれ、あれだ、『あのーあれだよ』あの『アレだね』おい全員ド忘れしてんじゃねえか!』
『あーあー聞こえるかー! オレ達は殺し合いに乗ってない! みんなも殺し合いなんてやめようよ! LOVE&PIECE! 愛だよ愛! てかさ、いきなり変な森に連れて来られて殺し合うヤツいねえよ! あんな変なウサギっぽいやつに殺し合えって言われてさ、殺し合うなんてさ、こんなんでいいのかよ! だから! 殺し合いなんてやら『お前放送ヘタすぎんだろ変われ!』ちょっと待てジャンケンで勝ったのオレじゃん!『爆弾のこと言わないと』それで! あの、この、灯台『展望台』展望台に、ちがう、展望台の、裏に、爆弾があんのよ! 仕掛けたの! で、あの展望台来るときはこの下の崖みたいな坂の下の方で、合図してほしいのよ! そしたらあの爆弾のスイッチオフにするから、あの、あれ、あれだ、『あのーあれだよ』あの『アレだね』おい全員ド忘れしてんじゃねえか!』
突如として聞こえた声に、3人は耳をすませた。拡声器でも使っているような声。音の反響の仕方からそれなりの距離が離れている。そして方角はおそらく、山道の上り。気になるのはその内容。爆弾とは何なのか。そして。
「馬鹿か。殺し合いってわかってんのか。」
安永は呆れて言った。爆弾がはったりにせよ本当であったにせよ、あまりに大雑把な手だと、廃工場に立てこもった時に割と似たようなことをした口で言う。むしろ経験者だからこそ言う。相当な用意があっても警察に突入されたらどうしようもなかったのだ。本気で殺しに来る馬鹿がいるなら、マジな危険さだ。
「マズいよ、急いで止めさせないと。」
「待って康一くん、なにかおかしくないかしら。」
「なにかって、どういうことです?」
「いえ……引っかかるのよ、なにか。不自然っていうか……女の勘っていうか……」
「……なら、俺だけで見てきます。」
「宏くん。」
「俺も鷹野さんと同じ考えだけど、このまま森の中を迷ってるぐらいなら罠でもいい。」
「待って康一くん、なにかおかしくないかしら。」
「なにかって、どういうことです?」
「いえ……引っかかるのよ、なにか。不自然っていうか……女の勘っていうか……」
「……なら、俺だけで見てきます。」
「宏くん。」
「俺も鷹野さんと同じ考えだけど、このまま森の中を迷ってるぐらいなら罠でもいい。」
そして同時に、渋る鷹野に何かを感じた。鷹野が言ったのと同じような理屈だが、安永はそれを鷹野に感じていた。
なにより、安永の仲間はああいう放送にほいほいついて行きそうなやつが何人かいる。そのことは仲間たちもわかっているので、結果的に知り合いと出会える可能性がある。そこまで考えて、安永は仲間が巻き込まれている可能性を考えてげんなりした。自分一人だとある意味不幸中の幸いだが、どうせ巻き込まれているのだろう。
なにより、安永の仲間はああいう放送にほいほいついて行きそうなやつが何人かいる。そのことは仲間たちもわかっているので、結果的に知り合いと出会える可能性がある。そこまで考えて、安永は仲間が巻き込まれている可能性を考えてげんなりした。自分一人だとある意味不幸中の幸いだが、どうせ巻き込まれているのだろう。
(カッキーとかまた拉致られてるんだろうな。それか、逆にカッキー以外みんな拉致られてるとかか。)
一人だけ変な風に割りを食ったりする伊達男を思い浮かべて失笑していると、爆音が響いた。方角は、さっきの放送の方向。
「爆発!? さっきの話本当だったのかっ。」
「宏くん、今の聞こえた?」
「わかってます、でもなおさら行きますよ。」
「……そう。幻聴じゃなかったのね。」
「鷹野さん。」
「いえ、ごめんなさい、少し現実感が無くて。」
「ああそうじゃなくて、ぼくも同じです。今度は爆発なんて、まるで幻覚でも見てるみたいだなって思って。」
「そうね……どこまでが現実かわからなくなるわ……宏くん、言っても止めなそうだから言うけど、私はこの道から山を下りようと思うわ。気が変わったら、追いかけてきて。康一くんはどうする?」
「ぼくは……すみません、少し考えていいですか。」
「宏くん、今の聞こえた?」
「わかってます、でもなおさら行きますよ。」
「……そう。幻聴じゃなかったのね。」
「鷹野さん。」
「いえ、ごめんなさい、少し現実感が無くて。」
「ああそうじゃなくて、ぼくも同じです。今度は爆発なんて、まるで幻覚でも見てるみたいだなって思って。」
「そうね……どこまでが現実かわからなくなるわ……宏くん、言っても止めなそうだから言うけど、私はこの道から山を下りようと思うわ。気が変わったら、追いかけてきて。康一くんはどうする?」
「ぼくは……すみません、少し考えていいですか。」
信じられないが、殺し合いというのなら爆弾の一つも置いてあるのかもしれない。安永は認識を切り替えて、どう森の中を捜索するかを考えつつ、柔軟運動を始めた。康一は安永と鷹野の顔を見比べて考え込んでいる。少し話した感じ、鈍くはなさそうだ。自分と同じように、仲間があの爆発音に近づく可能性を考えたり、罠だと警戒していたりするのだろう。もしかしたら鷹野を一人で行動させることを良しとしていないのかもしれない。その理由は不明だが、今の安永としてはさっさと決めてくれればそれでいい。
(足音だ。複数だな。)
「ぼくは……あの子たちと話してから決めたいと思います。」
「あの子……?」
「ぼくは……あの子たちと話してから決めたいと思います。」
「あの子……?」
首を傾げた鷹野が道の先を見て身構える。こちらに3人の子供が向かってきていた。小学校高学年ほどだろう。一瞬さっきの放送をしていた3人かと思って、1人が女子だったので思い直す。
向こうも気づいたのだろう。100メートルほど離れた場所で止まり、3人でなにか話しだした。チラチラとこっちを見つつ、時々もと来た道を見返している。少ししてその中の1人が小走りに駆け寄ってきた。
向こうも気づいたのだろう。100メートルほど離れた場所で止まり、3人でなにか話しだした。チラチラとこっちを見つつ、時々もと来た道を見返している。少ししてその中の1人が小走りに駆け寄ってきた。
簡単に信用するなよとは思うが、こういう思い切りの良さは好きだ。
安永はあっという間に6人のパーティーの中にいた。
安永はあっという間に6人のパーティーの中にいた。
「つまり……オヤシロさまは宇宙人だったのよ!!」
「「「「「な、なんだってぇ!?」」」」」
「「「「「な、なんだってぇ!?」」」」」
思わずマガジンマークをつけて驚く子供たち。
彼らは今、森の中にあった変電所にいた。
安永が出会ったいかにも体育会系な少年、野宮球児。その野宮のクラスメイトでいかにも文学少女な本乃あい。そして彼らとは全く無関係だがたまたま森の中で出会ったというヘアバンドをネックウォーマーのようにして前髪うざったい感じの少年、西宮アキト。
彼らと出会い親の顔より見た情報交換をした結果、即座にそれぞれの生きている時代がバラバラなこと、世界に関する情報が違うことが判明、更に西宮からは黒喰なるエイリアンの存在が示されるは、野宮と本乃からはカゲアクマなるクリーチャーの存在を言われるは、康一からはスタンドなる超能力について教えられるは、鷹野からはオヤシロさまなる邪神について伝えられるは、安永が中1の時に廃工場に立て篭って機動隊とやり合ったり誘拐犯に暴行したり、その後もチンピラやカルト教団やヤクザに直接的あるいは間接的な暴行をクラスメイトと共に行ったことを話して全員からドン引きされたりした結果、『オヤシロさま=黒喰=カゲアクマ=スタンド、つまりエイリアン由来の自立行動するタイプのスタンド』という話にまとまった。
彼らは今、森の中にあった変電所にいた。
安永が出会ったいかにも体育会系な少年、野宮球児。その野宮のクラスメイトでいかにも文学少女な本乃あい。そして彼らとは全く無関係だがたまたま森の中で出会ったというヘアバンドをネックウォーマーのようにして前髪うざったい感じの少年、西宮アキト。
彼らと出会い親の顔より見た情報交換をした結果、即座にそれぞれの生きている時代がバラバラなこと、世界に関する情報が違うことが判明、更に西宮からは黒喰なるエイリアンの存在が示されるは、野宮と本乃からはカゲアクマなるクリーチャーの存在を言われるは、康一からはスタンドなる超能力について教えられるは、鷹野からはオヤシロさまなる邪神について伝えられるは、安永が中1の時に廃工場に立て篭って機動隊とやり合ったり誘拐犯に暴行したり、その後もチンピラやカルト教団やヤクザに直接的あるいは間接的な暴行をクラスメイトと共に行ったことを話して全員からドン引きされたりした結果、『オヤシロさま=黒喰=カゲアクマ=スタンド、つまりエイリアン由来の自立行動するタイプのスタンド』という話にまとまった。
「いや、エイリアンが超能力使っておかしいだろ。」
「おかしいのはヤクザやカルトと何度もやり合うあなたよ。東京ってそんな雛見沢みたいに治安悪いの?」
「ひ、雛見沢ってそんな荒れてるんですか?」
「ちょっと連続殺人事件が起こってるだけで、ヤクザもカルトも……あったわね、どっちも……」
「ひ、雛見沢って素敵なとこなんだな……な、本乃?」「う、うん……」
「顔ひきつってるよ二人とも……でも連続殺人事件なんて……そういえば僕の杜王町も行方不明者多いんだったな……」
「み、みんな、本当に日本の話だよね?」
「いや西宮、エイリアンで日本滅んでるお前のとこが一番やばいと思うぞ。」
「おかしいのはヤクザやカルトと何度もやり合うあなたよ。東京ってそんな雛見沢みたいに治安悪いの?」
「ひ、雛見沢ってそんな荒れてるんですか?」
「ちょっと連続殺人事件が起こってるだけで、ヤクザもカルトも……あったわね、どっちも……」
「ひ、雛見沢って素敵なとこなんだな……な、本乃?」「う、うん……」
「顔ひきつってるよ二人とも……でも連続殺人事件なんて……そういえば僕の杜王町も行方不明者多いんだったな……」
「み、みんな、本当に日本の話だよね?」
「いや西宮、エイリアンで日本滅んでるお前のとこが一番やばいと思うぞ。」
今のところまともなのが、教師を名乗る不審者によって理不尽なデスゲームをさせられた野宮と本乃だけである。
それはさておき、6人は頭を悩ませる。なにせ超能力を使えるエイリアンが相手だ。たとえ超能力が使えなくてエイリアンでなかったとしても、自分たちに毒入り首輪を付けられるような存在なら同レベルにやはりヤバイ。しかも恐ろしいのは、互いの知り合いだ。というか安永の知り合いだ。
それはさておき、6人は頭を悩ませる。なにせ超能力を使えるエイリアンが相手だ。たとえ超能力が使えなくてエイリアンでなかったとしても、自分たちに毒入り首輪を付けられるような存在なら同レベルにやはりヤバイ。しかも恐ろしいのは、互いの知り合いだ。というか安永の知り合いだ。
(やっぱ解放区について話すのはまずかったか。)
殺し合いの場でヤクザとやりあうような不良中学生(注:安永は本来なら数カ月後、家計を助けるために年齢をごまかしてバイトするような勤労学生である)が目の前にいる上に、そいつとつるんで散々やってるのが1ダースいるのだ、警戒せざるを得ない。鷹野の知り合いもダム開発と連続殺人事件というきな臭さの塊のような村人たち、康一の知り合いは言わずもがなの超能力者で実際に人を何人も襲ったモノもいて、西宮の知り合いは武装組織の少年兵だ。
そして変電所の中にあったのは、ライフル。ミステリーものの殺人鬼や不良もののヤンキーやバトルものの超能力者や特殊部隊がいる環境で、銃。何も起きないはずがない。いや実際に既に爆発が起きている。殺し合いは、もう始まっている。
そして変電所の中にあったのは、ライフル。ミステリーものの殺人鬼や不良もののヤンキーやバトルものの超能力者や特殊部隊がいる環境で、銃。何も起きないはずがない。いや実際に既に爆発が起きている。殺し合いは、もう始まっている。
「でも、ほら、あいちゃんたちみたいにドンパチとは無縁そうな人もいるじゃない! 別にみんながみんな安永くんや西宮くんや広瀬君の知り合いみたいとは限らないわ!」
「鷹野さん待ってください! 距離取らないでください!」
「よせよ広瀬さん、みっともない。」
「割と宏くんのせいでもあるよ!」
「いや超能力者には言われたくないな。」
「とにかく、まずは仲間を集めようぜ! ほら、銃だってあるんだし、襲ってこられても、な! あ、鷹野さん! 大人だしこれ、銃持ってもらえますか?」
「鷹野さん待ってください! 距離取らないでください!」
「よせよ広瀬さん、みっともない。」
「割と宏くんのせいでもあるよ!」
「いや超能力者には言われたくないな。」
「とにかく、まずは仲間を集めようぜ! ほら、銃だってあるんだし、襲ってこられても、な! あ、鷹野さん! 大人だしこれ、銃持ってもらえますか?」
ギスギスしだした安永たち3人に野宮が割って入る。地球を守る組織に入っていると言う割にはオドオドしていて頼りない西宮に代わって声を出していく。というか、自分とクラスメイトの本乃以外全員危険人物のように思えてならないので、せめて本人は危なくなさそうな鷹野をまともにしようと言う涙ぐましい努力だ。あの3人に銃を持たせるのは自分も怖いし鷹野も怖いはず、なら彼女に銃を持ったせればまだ落ち着いてくれるだろう。
その考えは、鷹野が流れるような手つきで銃の点検をしたことで砕かれた。
その考えは、鷹野が流れるような手つきで銃の点検をしたことで砕かれた。
「あの……鷹野さん、もしかして、銃を扱ったことありますか?」
オドオドという調子で、西宮が問いかけた瞬間、あからさまに『しまった』という表情を鷹野は浮かべた。
室内に緊張が走る。
ゴゴゴゴゴゴ。
そんな擬音が聞こえた気がした。
室内に緊張が走る。
ゴゴゴゴゴゴ。
そんな擬音が聞こえた気がした。
「今の鷹野さんの動き……ハリウッド映画でアーノルド・シュワルツネッガーが景気の良いBGMをバックに銃を扱うシーンみたいな……まるで野球選手がバットを持つような自然さを感じる手つきでした……」
「鷹野さん……あんた、本当に看護婦か?」
「鷹野さん……あんた、本当に看護婦か?」
冷や汗が康一と安永の頬を伝う。
鷹野は首筋に手をやりハッとした表情を浮かべた後、絞り出すように言った。
鷹野は首筋に手をやりハッとした表情を浮かべた後、絞り出すように言った。
「私は……防衛医大卒なの。施設育ちで、お金がなかったから……勉強しながら給料を貰えるから……だから、自衛隊で勤務したこともあるから、銃を使えるのよ。」
冷や汗を流しながら、ニコリと笑ってみせる。
野宮は思った。俺一番銃渡しちゃいけない人に渡しちゃったかもしれないと。
野宮は思った。俺一番銃渡しちゃいけない人に渡しちゃったかもしれないと。
変電所の中はどんどん重い空気になっていく。誰も殺し合いに乗っていないにもかかわらず、6人の緊張度は遂に危険な領域へと突入する。
【0122 『北部』森】
【鷹野三四@双葉社ジュニア文庫 ひぐらしのなく頃に 第ニ話 綿流し編 下(ひぐらしのなく頃にシリーズ)@双葉社ジュニア文庫】
【目標】
●大目標
ゲームから脱出する。
●中目標
仲間と合流する。
●小目標
流石にごまかせないわね……これが幻覚なら、いいのだけれど……
【目標】
●大目標
ゲームから脱出する。
●中目標
仲間と合流する。
●小目標
流石にごまかせないわね……これが幻覚なら、いいのだけれど……
【広瀬康一@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章 映画ノベライズ みらい文庫版@集英社みらい文庫】
【目標】
●大目標
ゲームから脱出する。
●中目標
仲間と合流する。
●小目標
……危ない人じゃ、ないよね?
【目標】
●大目標
ゲームから脱出する。
●中目標
仲間と合流する。
●小目標
……危ない人じゃ、ないよね?
【西宮アキト@絶滅世界 ブラックイートモンスターズ 喰いちぎられる世界で生き残るために@集英社みらい文庫】
【目標】
●大目標
EDFとして主催者を打倒して生き残る。
●中目標
EDFの隊員と合流する。
●小目標
へ、変なことが起きないようにしっかりしないと。
【目標】
●大目標
EDFとして主催者を打倒して生き残る。
●中目標
EDFの隊員と合流する。
●小目標
へ、変なことが起きないようにしっかりしないと。