緊急事態はそれに直面した人間の本性を顕にする。
被災地で我が身を顧みず人助けに奔走する人間もいれば、火事場泥棒に走る人間もまたいる。
被災地で我が身を顧みず人助けに奔走する人間もいれば、火事場泥棒に走る人間もまたいる。
「よっしゃあ取り放題じゃあああ!」
「100%オフッ!」
「100%オフッ!」
さて、この二人はものの見事に火事場泥棒するタイプだった。
瓜ふたつなこと以外特徴がない、20歳過ぎぐらいの男たち。
そんなどこにでもいそうな男たちが、胡乱な目をしてスーパーへと突入していた。
瓜ふたつなこと以外特徴がない、20歳過ぎぐらいの男たち。
そんなどこにでもいそうな男たちが、胡乱な目をしてスーパーへと突入していた。
「看板とか変だしこれ全部セットだろう! オラァ奪え! 根こそぎじゃああ!」
「メロン! 松茸! メロン! 松茸!」
「メロン! 松茸! メロン! 松茸!」
男の一人がカートを転がし始めると、もう一人の男がボブスレーのようにそこに座る。
まずは果物売り場。一番目立つところに置かれたメロン。次に隣の野菜売り場。これも霧の箱に入った松茸を狙う。その後も蟹、海老、肉、肉、肉、スイーツ。万引きは終わらない。盗んだ品物を抱えながら男たちは店内にあるファーストフード店へと入っていった。
まずは果物売り場。一番目立つところに置かれたメロン。次に隣の野菜売り場。これも霧の箱に入った松茸を狙う。その後も蟹、海老、肉、肉、肉、スイーツ。万引きは終わらない。盗んだ品物を抱えながら男たちは店内にあるファーストフード店へと入っていった。
「あら? なにかしらここ。スーパー?」
同じ頃、店の前に人影があった。
彼女の名前は弱井トト子。このエリアで最も早く、そして最も多く引鉄を引いた参加者である。
ストレス発散にマシンガンをバラ撒きにバラ撒いた彼女は、その事実をストレスと共にスッパリ頭から追い出して町を散策していた。
今更ながらに町の異様さを理解した彼女は、とりあえず交番でも探していたところでスーパーを見つけた。文字がわからなくてもそれがどういう店かは店頭を見ればわかる。
彼女の名前は弱井トト子。このエリアで最も早く、そして最も多く引鉄を引いた参加者である。
ストレス発散にマシンガンをバラ撒きにバラ撒いた彼女は、その事実をストレスと共にスッパリ頭から追い出して町を散策していた。
今更ながらに町の異様さを理解した彼女は、とりあえず交番でも探していたところでスーパーを見つけた。文字がわからなくてもそれがどういう店かは店頭を見ればわかる。
「中はふつうなのね。あら、メロン……」
中に入ってみる。スーパーは客の流れを誘導するようにレイアウトを考えるのはどこも同じ、トト子も流れに乗って歩く。
その結果、果物売り場ではメロンが、野菜売り場では松茸が、そこからは高級そうな商品ばかりがなくなっていることに気づいてレジまで来たところで、その声を聞いた。
その結果、果物売り場ではメロンが、野菜売り場では松茸が、そこからは高級そうな商品ばかりがなくなっていることに気づいてレジまで来たところで、その声を聞いた。
「チクショウ……ポテトなんて食うんじゃなかった……」
「あ、えーっと、おそ松くんたち?」
「あ、えーっと、おそ松くんたち?」
やや迷った末に彼女は名前を呼んだ。声を頼りに歩いていけば、目の前にいたのはこのスーパーの先客であり、ダイナミック強盗後ファーストフード店で寛いでいた知り合い、松野おそ松と松野十四松であった。
思わず疑問形で問いかけてしまうのは、彼らの惨状だ。どう見ても彼らの甲斐性では買えないような品物を馬鹿みたいにテーブルに積み上げている。こんな場所でなければ絶対に他人のフリをしている。単に彼ら六つ子の誰なのかパット見でわからなかったというのもあるのだが。
思わず疑問形で問いかけてしまうのは、彼らの惨状だ。どう見ても彼らの甲斐性では買えないような品物を馬鹿みたいにテーブルに積み上げている。こんな場所でなければ絶対に他人のフリをしている。単に彼ら六つ子の誰なのかパット見でわからなかったというのもあるのだが。
「トト子ちゃん?」
「うわーんこわかったよぉー!」
「うわーんこわかったよぉー!」
リアクションを許さずトト子はおそ松と十四松に抱きつきにかかる。ラッキーという顔をする二人に交互にこれまでいかに寂しかったか心細かったかを囁きながら、おいおいと泣く。このあざとさ、アイドルになりたいなどと言って六つ子を振り回すだけのことはあり、こんな場所でもというかこんな場所だからこそ遺憾無く発揮されていた。
「待て、イチカ。変な臭いがする。これは、あれだ、あれ。」
「ガソリンの臭いね。さっきバイクみたいな音がしたしそれかもしれないわね。」
「あそこのスーパーに向かってたら面倒だな。どうする?」
「物が手に入るところを他の参加者にひとり占めさせるわけにはいかないでしょ。抑えるわよ。話し合いができる人ならいいんだけど。」
「ガソリンの臭いね。さっきバイクみたいな音がしたしそれかもしれないわね。」
「あそこのスーパーに向かってたら面倒だな。どうする?」
「物が手に入るところを他の参加者にひとり占めさせるわけにはいかないでしょ。抑えるわよ。話し合いができる人ならいいんだけど。」
マンションから荷物を持ち出し、更なる物資を求めて会場を歩く新庄ツバサと宮美一花はスーパーへと向かっていた。
彼らの目的はいずれも家族との合流。それぞれ会いたい人間は何人も思い浮かぶが、しかし二人とも慎重に事を進める質だ。地図も何もない場所をほっつき歩くわけには行かないので、拠点となる場所を探すこととする。
マンションでも拠点としては良かったのだが、近くで銃撃戦が起こっている都合、流れ弾が怖い。それとこれだけマンションや家があるなら近くにスーパーがあるはずというのもあり、そこを拠点に人を探すにも危険な人間と戦うにしてもできることが今後大きく増える。
というわけで重たい荷物にライフルを抱えてここまで歩いてきた二人は、今更マンションになど引き返したくなかったのだ。既に二人とも汗だくで、今すぐにでも腰を下ろしたい。貧乏性なのもあり荷物を多く持ちすぎた二人は、軽く10キロを超える重量に膝が笑いかけていた。
彼らの目的はいずれも家族との合流。それぞれ会いたい人間は何人も思い浮かぶが、しかし二人とも慎重に事を進める質だ。地図も何もない場所をほっつき歩くわけには行かないので、拠点となる場所を探すこととする。
マンションでも拠点としては良かったのだが、近くで銃撃戦が起こっている都合、流れ弾が怖い。それとこれだけマンションや家があるなら近くにスーパーがあるはずというのもあり、そこを拠点に人を探すにも危険な人間と戦うにしてもできることが今後大きく増える。
というわけで重たい荷物にライフルを抱えてここまで歩いてきた二人は、今更マンションになど引き返したくなかったのだ。既に二人とも汗だくで、今すぐにでも腰を下ろしたい。貧乏性なのもあり荷物を多く持ちすぎた二人は、軽く10キロを超える重量に膝が笑いかけていた。
「これね、まだ温かい。荷物を下ろして突撃しましょう。」
「援護してくれ、先に行く。」
「援護してくれ、先に行く。」
駐輪場には一台のバイクが熱を持ったままだった。ついさっきまで誰かが乗っていたのは明らかだ。身軽になると、近くの入り口をライフルを抱えて伺う。二人の目が大きく開いた。
「人だ、中学生ぐらいだ、どうする?」
「あの子がバイクに乗ってた?」
「違うんじゃないか?」
「じゃあ、他に誰かいる?」
「あの子がバイクに乗ってた?」
「違うんじゃないか?」
「じゃあ、他に誰かいる?」
互いに疑問形で会話していると、二人が見つけた人影が振り返る。慌てて物陰に身を隠す二人に聞こえてきたのは、「そこの二人、出てこいよ。俺たちは殺し合いになんて乗ってない」という少年らしき声だった。
「どうする?」
「どうするって……」
「どうするって……」
視線だけは少年に向けながら言う。物陰に隠れているため二人とも見ているのは壁なのだが、そんなことにも気づかないほどに視野が狭くなっている。それでも少年の言葉を飲み込んで、ツバサは気づいた。
俺たち、ということはもう一人いる。バイクを運転していたもう一人と、あの少年。理由はわからないが、二人いる。
俺たち、ということはもう一人いる。バイクを運転していたもう一人と、あの少年。理由はわからないが、二人いる。
「ヘタなことはしないほうがいいんじゃないか? 降伏するぜ。」
「ちょっと、本気?」
「後ろから見てたのに気づかれたんだぞ。アイツがバイク運転してた感じでもないし、仲間がいるんだろう。」
「ちょっと、本気?」
「後ろから見てたのに気づかれたんだぞ。アイツがバイク運転してた感じでもないし、仲間がいるんだろう。」
ツバサの言葉に舌打ちして一花はライフルを下ろした。二人でハンズアップして立ち上がり、壁際から離れる。すると意外なほど近くから足音が聞こえてきた。
「冷静だな。宇野、戻ってこい。」
「おう。」
「おう。」
後ろからは高校生ほどと思われるイケメンが、前からは中学生ほどの少年が二人を挟む。やっぱりもう一人いたかと思うツバサの目の前で、中学生の方は拳銃をポケットへとしまった。
「へへっ、そんな緊張すんなって。殺し合いなんてするわけないだろ。宇野秀明だ。お前らも自己紹介してくれよ。それとも先に店ん中入るか? 立ち話もあれだしな。」
「待てよ、まだ中が安全かはわからないんだぜ。」
「おっと、そうだった。」
「待てよ、まだ中が安全かはわからないんだぜ。」
「おっと、そうだった。」
思っていたよりもフランクな対応に、ツバサと一花は顔を見合わせた。今度はちゃんと壁では無く人の顔を見れた。
「──で、銃声が止んだなと思ってしばらくしたらここ見つけてさ、入ろうって話になったんだ。でもヤバい奴も同じこと考えてるかもしれないだろ。だから体の小さい俺が偵察に行って、竜土が援護するって作戦を立てたわけ。そしたらドンピシャよ。」
誇らしげにそう言いながらバナナを食う宇野に何か言いたかったが、まんまと彼の策にハマった一花とツバサに返す言葉はない。
彼女たち二人は出会った少年たち、宇野秀明と竜土と共に四人パーティーとしてスーパーへと入っていた。彼らはビーストの襲撃から逃れて以来トト子の乱射に怯えて街中さまよっていたのだが、音が止んだこともあってどこかに腰を落ち着けようとしていたとのこと。
彼女たち二人は出会った少年たち、宇野秀明と竜土と共に四人パーティーとしてスーパーへと入っていた。彼らはビーストの襲撃から逃れて以来トト子の乱射に怯えて街中さまよっていたのだが、音が止んだこともあってどこかに腰を落ち着けようとしていたとのこと。
「よくホラー映画とかだとスーパーに立てこもったりしてるけど、みんな考えること同じなんだな。」
「ホラー映画の影響じゃねえか?」
「卵が先か鶏が先かってやつか。ところでこのスーパー卵とかの安そうなもんしかないな。メロンとか置いてないのか?」
「バナナだけでガマンしろ。」
「せっかく用意されたんだから食べなきゃ損だろ。」
「あ、そういうことね。」
「え、どういうこと?」
「先から不自然に棚が空いてると思っていたの。ほら、ここのメロンとここの松茸。」
「ホラー映画の影響じゃねえか?」
「卵が先か鶏が先かってやつか。ところでこのスーパー卵とかの安そうなもんしかないな。メロンとか置いてないのか?」
「バナナだけでガマンしろ。」
「せっかく用意されたんだから食べなきゃ損だろ。」
「あ、そういうことね。」
「え、どういうこと?」
「先から不自然に棚が空いてると思っていたの。ほら、ここのメロンとここの松茸。」
四人で5メートル四方の四角形を作るように陣形を作り店内を歩く。全方向を警戒しつつ進みながら雑談していたが、一花の言葉で一同に緊張が走った。宇野がバナナを銃に持ち替えて振り返る。
「また先回りされてんのかよ。スーパーに集まりすぎだろ。」
「待ち伏せされてるかもしれない。俺が先に行く。みんなは後ろを警戒してくれ。俺ならそういうふうに挟み撃ちする。」
「待ち伏せされてるかもしれない。俺が先に行く。みんなは後ろを警戒してくれ。俺ならそういうふうに挟み撃ちする。」
先頭の宇野が拳銃を両手でしっかり構えて素早く前進する。彼と竜土は元々軽装だったのもありスーパーに入ってからも拳銃装備だ。汗だくでマシンガンを抱えるよりは普段通りの方がマシという判断だったが、それを若干後悔する。スーパー内に転がるのはゴツいライフルたち。非日常なはずの拳銃がこんなにも心細く思える日が来るとは思わなかった。
宇野は順路ではなく商品棚の間を進むことにした。順路は客通りが多いことを前提とした作りなので開けていて障害部も少ない。そしてこれまでの宇野の経験からつい隘路を選びがちである。なまじぼくらの仲間が下水道でも構わず進めるような奴らばかりだったため、ぼくら基準でものを考えてしまう。
故に宇野は、自分が大人たちを出し抜いてきたように、大人も自分を出し抜けることを、挑戦者として頭脳を使ってくることを失念していた。
宇野は順路ではなく商品棚の間を進むことにした。順路は客通りが多いことを前提とした作りなので開けていて障害部も少ない。そしてこれまでの宇野の経験からつい隘路を選びがちである。なまじぼくらの仲間が下水道でも構わず進めるような奴らばかりだったため、ぼくら基準でものを考えてしまう。
故に宇野は、自分が大人たちを出し抜いてきたように、大人も自分を出し抜けることを、挑戦者として頭脳を使ってくることを失念していた。
──ダァン。
「ぐっ……逃げて!」
誰だ? 誰が撃たれた?
聞こえてきた破裂音を銃声と判断した宇野は咄嗟に床に伏せながら後方を見る。
突然聞こえた銃声。奇襲されたのだろうが、後ろにいた三人は困惑と緊張の表情で身を屈めていた。宇野はよく見る。彼らの中に怪我をしたらしき人間は、いない。
聞こえてきた破裂音を銃声と判断した宇野は咄嗟に床に伏せながら後方を見る。
突然聞こえた銃声。奇襲されたのだろうが、後ろにいた三人は困惑と緊張の表情で身を屈めていた。宇野はよく見る。彼らの中に怪我をしたらしき人間は、いない。
「ナメてんじゃねーぞ! オラァ!」
「十四松!? トト子ちゃん!?」
「十四松!? トト子ちゃん!?」
聞こえてきたのは罵声と銃声だった。
マシンガンのような音が響き、宇野たちの上の商品棚から商品が弾け飛ぶ。思わず全員床に伏せるが、その中で一人竜土は素早く立ち上がった。何をしている、などと言う間もない。宇野の目の前に落ちてきた黒い何かをスライディング気味に蹴り飛ばすと、そのまま宇野に覆いかぶさる。次の瞬間、宇野の体を衝撃が走り、頭痛が襲った。
マシンガンのような音が響き、宇野たちの上の商品棚から商品が弾け飛ぶ。思わず全員床に伏せるが、その中で一人竜土は素早く立ち上がった。何をしている、などと言う間もない。宇野の目の前に落ちてきた黒い何かをスライディング気味に蹴り飛ばすと、そのまま宇野に覆いかぶさる。次の瞬間、宇野の体を衝撃が走り、頭痛が襲った。
(これは、手榴弾……)
「みんな下がれ!」
「下がれってどこに!」
「みんな下がれ!」
「下がれってどこに!」
仲間の怒声が交錯する中、脳を揺さぶられた宇野はぼんやりと考える。最初自分たちは襲われていなかったが、すぐに攻撃された。なんだかよくわからない。
一体何が起こっているのか理解できず、宇野はゆっくりと意識をとりもどした。何か妙だ、とても違和感がある。
一体何が起こっているのか理解できず、宇野はゆっくりと意識をとりもどした。何か妙だ、とても違和感がある。
(誰かが撃たれたリアクションをした。でも俺らは撃たれてない。)
(誰かがキレて俺達を撃ってる。そいつが撃たれた?)
(誰かが撃たれた、で、キレて俺達を撃ってる、てことは。)
「みんな気をつけろ! もう一人撃ってきてるやつがいるぞ!」
(誰かがキレて俺達を撃ってる。そいつが撃たれた?)
(誰かが撃たれた、で、キレて俺達を撃ってる、てことは。)
「みんな気をつけろ! もう一人撃ってきてるやつがいるぞ!」
「みんな気をつけろ! もう一人撃ってきてるやつがいるぞ!」
(アクン・メ・チャイ(魔が差した子)の言葉か。とにかく気づかれたか?)
(アクン・メ・チャイ(魔が差した子)の言葉か。とにかく気づかれたか?)
宇野の言葉はわからなくても、叫んだ後に周囲を見渡す動作から自分に勘付かれている可能性がある。
ヌガンは油断無くスーパーの店内を出ると、他の入り口へと回り込んだ。
ヌガンは油断無くスーパーの店内を出ると、他の入り口へと回り込んだ。
小林聖司を殺し、茜崎夢羽に致命傷を負わせた彼は、しかし夢羽の死を確認できずにしばらく街をさまよっていた。あの傷ならば長くは持たないが、万が一ということもある。死体が見つからないのもあってその不安は大きい。そうして歩いているうちに見つけたのが、おそ松たちと宇野たちが集まったスーパーである。
夢羽が杉下元に看取られたように、元々ヌガンが夢羽を襲撃した位置と一花達がいたマンションはすぐ近くであった。必然どちらも目につきやすい工夫がされたスーパーに吸い寄せられる。ただ彼が違ったのは、一花達よりも先にスーパーに入っていたということだ。
おかげで入ってすぐおそ松達がトト子と再開する場面を見て、すぐさまに掃射の準備をすることができたのだが、射角の都合上3人を1連射で殺すことが難しかった。そのため何か他の工夫をと考えているうちに宇野たちが来てしまう。その陣形からこちらも1連射では殺しきれない上に、警戒している様子からなんらかの訓練を積んでいると見て襲うことを躊躇っていたのだが、そこでヌガンに電流走る。今この状況でおそ松にせよ宇野にせよ撃てば、どちらかをどちらかに襲わせることができるのではないかと。
夢羽が杉下元に看取られたように、元々ヌガンが夢羽を襲撃した位置と一花達がいたマンションはすぐ近くであった。必然どちらも目につきやすい工夫がされたスーパーに吸い寄せられる。ただ彼が違ったのは、一花達よりも先にスーパーに入っていたということだ。
おかげで入ってすぐおそ松達がトト子と再開する場面を見て、すぐさまに掃射の準備をすることができたのだが、射角の都合上3人を1連射で殺すことが難しかった。そのため何か他の工夫をと考えているうちに宇野たちが来てしまう。その陣形からこちらも1連射では殺しきれない上に、警戒している様子からなんらかの訓練を積んでいると見て襲うことを躊躇っていたのだが、そこでヌガンに電流走る。今この状況でおそ松にせよ宇野にせよ撃てば、どちらかをどちらかに襲わせることができるのではないかと。
「十四松? おいおい、しっかりしろよ、らしくないだろそんなの?」
「死ねよやぁっ!」
(撃った方は一人は殺せたんだろう。あの女の反応は異常だ。)
「もう一人!? どういうことだ!?」
「わかるように言って!」
「たぶん誰かが別の誰かを撃ちやがった、それで俺らが撃ったと誤解されてる! 俺も似たようなことやったことある!」
「いいから逃げるぞっ。」
(撃たなかった四人の方は冷静だ。ただの子供ではないな。)
「死ねよやぁっ!」
(撃った方は一人は殺せたんだろう。あの女の反応は異常だ。)
「もう一人!? どういうことだ!?」
「わかるように言って!」
「たぶん誰かが別の誰かを撃ちやがった、それで俺らが撃ったと誤解されてる! 俺も似たようなことやったことある!」
「いいから逃げるぞっ。」
(撃たなかった四人の方は冷静だ。ただの子供ではないな。)
結果はまずまずと言ったところ。とりあえず一人は殺せて、一人は恐慌状態だ。できればあの女が子供たちの方を殺してくれればいいのだが、高望みはしない。ヌガンはすぐに離脱すると店外に出て再突入。宇野たちごしに十四松を銃撃したポジションから、両者の横合いをつく位置に移動する。ここは2組から最寄りの出口、逃げるのならここからだ。
(大人たちは三名、子供たちは四名、合わせて七名。ここで殺す。)
ヌガンは静かな殺意を持ってライフルを構える。一発の銃弾で蜂の巣を突いたような騒ぎになったことをほくそ笑んで。
【0106 『南部』住宅地・スーパー】
【松野おそ松@小説おそ松さん 6つ子とエジプトとセミ@小学館ジュニア文庫】
【目標】
●大目標
死にたくない。帰りたい。
●小目標
十四松撃たれた? マジで?
【目標】
●大目標
死にたくない。帰りたい。
●小目標
十四松撃たれた? マジで?
【松野十四松@小説おそ松さん 6つ子とエジプトとセミ@小学館ジュニア文庫】
【目標】
●大目標
死にたくない。帰りたい。
●小目標
マジ痛い。でもトト子止めないとなんかヤバい。
【目標】
●大目標
死にたくない。帰りたい。
●小目標
マジ痛い。でもトト子止めないとなんかヤバい。
【弱井トト子@小説おそ松さん 6つ子とエジプトとセミ@小学館ジュニア文庫】
【目標】
●大目標
主催者をぶっ殺す。
●中目標
気分が晴れるまで暴れる。
●小目標
十四松を撃ったやつをハチの巣にする。
【目標】
●大目標
主催者をぶっ殺す。
●中目標
気分が晴れるまで暴れる。
●小目標
十四松を撃ったやつをハチの巣にする。
【宮美一花@四つ子ぐらし(1) ひみつの姉妹生活、スタート!(四つ子ぐらしシリーズ)@角川つばさ文庫】
【目標】
●大目標
生き残る。
●中目標
姉妹を探して合流する。
●小目標
それは撃ち返すでしょ。ナメてんじゃねーぞ。
【目標】
●大目標
生き残る。
●中目標
姉妹を探して合流する。
●小目標
それは撃ち返すでしょ。ナメてんじゃねーぞ。
【新庄ツバサ@生き残りゲーム ラストサバイバル 最後まで歩けるのは誰だ!?(ラストサバイバルシリーズ)@集英社みらい文庫】
●大目標
生き残る。
●中目標
家族を探して合流する。子供しか参加者じゃねーなら親はいないと思うが……
●小目標
手榴弾で耳キーンとなっててそれどころじゃねえんだわ。
●大目標
生き残る。
●中目標
家族を探して合流する。子供しか参加者じゃねーなら親はいないと思うが……
●小目標
手榴弾で耳キーンとなっててそれどころじゃねえんだわ。
【宇野秀明@ぼくらのデスゲーム(ぼくらシリーズ)@角川つばさ文庫】
【目標】
●大目標
生き残る。
●中目標
家族を探して合流する。でも、たぶんいないよな? 大丈夫だろ? なんでぼくらの仲間たちと合流したいな。
●小目標
これ誰かになすりつけられてるやつじゃね?
【目標】
●大目標
生き残る。
●中目標
家族を探して合流する。でも、たぶんいないよな? 大丈夫だろ? なんでぼくらの仲間たちと合流したいな。
●小目標
これ誰かになすりつけられてるやつじゃね?
【竜土@天使のはしご5(天使のはしごシリーズ)@講談社青い鳥文庫】
【目標】
●大目標
誰かが死ぬのは嫌だ。
●中目標
紅絹たちが巻き込まれてないか心配、探したいが……
●小目標
とにかく、逃げねえとな?
【目標】
●大目標
誰かが死ぬのは嫌だ。
●中目標
紅絹たちが巻き込まれてないか心配、探したいが……
●小目標
とにかく、逃げねえとな?
【ヌガン@獣の奏者(4)(獣の奏者シリーズ)@講談社青い鳥文庫】
【目標】
●大目標
優勝し技術をリョザ神王国で独占する。
●小目標
スーパーにいる自分以外の7人を皆殺しにする。
【目標】
●大目標
優勝し技術をリョザ神王国で独占する。
●小目標
スーパーにいる自分以外の7人を皆殺しにする。