(こやつ、強い……!)
面の下に大粒の汗を浮かべながら、鱗滝は心中で呟く。
水柱であった若き頃ならともかく、今の自分では1対1で目の前の相手に勝つことはできない。
鱗滝はそう判断していた。
だが、退くわけにもいかない。
この怪物は、どうやら自分たちが戦ってきた「鬼」とは異なる存在のようだ。
だが、人間に害をなす怪異であることに変わりはない。
そんなものを野放しにしていては、どれほどの犠牲が出るかわからない。
水柱であった若き頃ならともかく、今の自分では1対1で目の前の相手に勝つことはできない。
鱗滝はそう判断していた。
だが、退くわけにもいかない。
この怪物は、どうやら自分たちが戦ってきた「鬼」とは異なる存在のようだ。
だが、人間に害をなす怪異であることに変わりはない。
そんなものを野放しにしていては、どれほどの犠牲が出るかわからない。
(なんとしても、こやつは倒さねばならん。たとえこの老いぼれの命と引き換えにしてでも!)
強い覚悟を胸に、鱗滝は日輪刀を構えて大太刀に向かっていく。
「水の呼吸、陸の型! ねじれ渦!」
体を大きくひねり、一撃を繰り出す鱗滝。
だがそれも、大太刀の振るう刀で受け止められてしまう。
だがそれも、大太刀の振るう刀で受け止められてしまう。
「虫けらがちょろちょろと、うっとうしい……!
さっさと死ぬがいい!」
さっさと死ぬがいい!」
力任せに振るわれる刀が、鱗滝を襲う。
かろうじて防御した鱗滝だったが、大きく体勢を崩してしまう。
かろうじて防御した鱗滝だったが、大きく体勢を崩してしまう。
(まずい! このままでは……)
無防備になった鱗滝に、大太刀が今一度刀を振り下ろそうとする。
だがその瞬間、突如として飛んできた光の球が大太刀の顔面に直撃した。
だがその瞬間、突如として飛んできた光の球が大太刀の顔面に直撃した。
「ぐうっ!」
さすがの大太刀もひるみ、動きが止まる。
その隙に間合いを取った鱗滝は、球が飛んできた方向に視線を向ける。
そこには、白装束に袴姿の太った少年が立っていた。
その隙に間合いを取った鱗滝は、球が飛んできた方向に視線を向ける。
そこには、白装束に袴姿の太った少年が立っていた。
「もういっちょ!」
少年が指で空中に五芒星を描くと、その中心から先ほどと同じ光の球が放たれる。
今度は大太刀の膝に球が命中し、その体勢を崩した。
今度は大太刀の膝に球が命中し、その体勢を崩した。
「くっそー、やっぱりたいして効いてねえ!
そこの天狗の人!」
「なんだ!」
そこの天狗の人!」
「なんだ!」
すぐさま斬りかかろうとした鱗滝だったが、声をかけられて動きを止める。
「ここは一緒に退却しようぜ!」
「断る! こやつを放置するわけにはいかん!」
「いや、俺とあんただけじゃ勝てないでしょ、こんな化物!
いったん退却して、仲間を集めてから改めて挑んだ方がいいって!」
「むう……」
「断る! こやつを放置するわけにはいかん!」
「いや、俺とあんただけじゃ勝てないでしょ、こんな化物!
いったん退却して、仲間を集めてから改めて挑んだ方がいいって!」
「むう……」
鱗滝は思案する。
自分の命を捨ててでも、大太刀を討つべきだという思いは変わらない。
だが、この少年をそれに巻き込むわけにはいかない。
まだ見ぬ命を守ることも大切だが、そのために目の前の命を犠牲にしては本末転倒だ。
自分の命を捨ててでも、大太刀を討つべきだという思いは変わらない。
だが、この少年をそれに巻き込むわけにはいかない。
まだ見ぬ命を守ることも大切だが、そのために目の前の命を犠牲にしては本末転倒だ。
「仕方ない……!」
「それじゃあ……うおっ! 速っ!」
「それじゃあ……うおっ! 速っ!」
決めてしまえば、鱗滝は早い。
彼は全速力で走り出すと、少年のふくよかな体を抱えてその場から離脱した。
彼は全速力で走り出すと、少年のふくよかな体を抱えてその場から離脱した。
「おのれ、虚仮にしおって……!
許さん! 必ず見つけ出して殺す!」
許さん! 必ず見つけ出して殺す!」
残された大太刀は、怒りのままに吠える。
この怪物から逃げることを選んだ鱗滝の判断が正しかったのか、それはまだわからない。
この怪物から逃げることを選んだ鱗滝の判断が正しかったのか、それはまだわからない。
【0040 市街地】
【鱗滝左近次@鬼滅の刃~炭治郎と禰豆子、運命の始まり編~(鬼滅の刃シリーズ)@集英社みらい文庫】
【目標】
●大目標
殺し合いを止める
●小目標
戦力を集め、大太刀を倒す
【目標】
●大目標
殺し合いを止める
●小目標
戦力を集め、大太刀を倒す
【大太刀@映画刀剣乱舞@小学館ジュニア文庫】
【目標】
●大目標
皆殺し
●小目標
鱗滝とアキノリは、絶対に自分の手で殺す
【目標】
●大目標
皆殺し
●小目標
鱗滝とアキノリは、絶対に自分の手で殺す