「どこからだっ、どこから撃たれてるっ?」
「銃声は一つだ、撃ってるのは一人だ。」
「だからどこから撃ってんだよ!」
「知らねえよ頭下げろっ!」
「銃声は一つだ、撃ってるのは一人だ。」
「だからどこから撃ってんだよ!」
「知らねえよ頭下げろっ!」
新庄ツバサに怒鳴り返したところに至近弾を浴びて宇野秀明は慌てて頭を引っ込める。徐々に手榴弾の衝撃から立ち直ってきた頭は、冷静に周囲を見えるようになりつつあった。
しかしそれでわかったことは自分たちが追い詰められたということ。
しかしそれでわかったことは自分たちが追い詰められたということ。
(どこから撃ってるって全然わかんねえぜ。映画とかじゃすぐに撃ち返せてるけど、あれウソだろ!)
なんとか柱の近くに伏せてなるべく体を平たくすると改めて周囲を見直した。
状況はハッキリ言って悪い。銃撃そのものなら、ふだんの仲間と一緒ならばなんとかなっただろう。事前の準備が上手い奴、とっさのひらめきがすごい奴、大事なところでの度胸が半端ない奴。あいつらがいればこんなピンチもくぐり抜けられた自信がある。
しかしここにいるのはほぼ初対面の3人。ツバサとその同行者である宮美一花とはさっき出会ったばかりだし、これまでの1時間ほど共に動いていたリュードはよく考えたら苗字もわからない。もちろん互いがどういう人間かなど全くわかっていない。
頼りになるのは自分だけ。いつもと違って、今回は宇野が他の仲間を助けるための道筋を導き出す必要がある。
状況はハッキリ言って悪い。銃撃そのものなら、ふだんの仲間と一緒ならばなんとかなっただろう。事前の準備が上手い奴、とっさのひらめきがすごい奴、大事なところでの度胸が半端ない奴。あいつらがいればこんなピンチもくぐり抜けられた自信がある。
しかしここにいるのはほぼ初対面の3人。ツバサとその同行者である宮美一花とはさっき出会ったばかりだし、これまでの1時間ほど共に動いていたリュードはよく考えたら苗字もわからない。もちろん互いがどういう人間かなど全くわかっていない。
頼りになるのは自分だけ。いつもと違って、今回は宇野が他の仲間を助けるための道筋を導き出す必要がある。
(俺だって、修羅場はくぐってきてないんだ。やってやる、やってやるぞ……!)
菊地ならどうするか、相原ならどうするか、そして他の仲間ならどうするか。冷静になるように自分に言い聞かせながら宇野は考える。とにかく今は下手に動いてはいけない。焦ったり怖がったりして何も考えずに行動するのが一番危険なのだ。努めて冷静に。
(よし、周りが見えてるぞ。今やんなくちゃならないのは、どう逃げるかだ。)
「こうなったら撃ち返すしかないっ。銃撃がやんだら一気に。」
「待て、宮美。その必要は無い。」
「なんで!」
「撃ってきてる奴は俺達がどこにいるかわかっていない。だから適当にバラ撒いてるんだ。」
「こうなったら撃ち返すしかないっ。銃撃がやんだら一気に。」
「待て、宮美。その必要は無い。」
「なんで!」
「撃ってきてる奴は俺達がどこにいるかわかっていない。だから適当にバラ撒いてるんだ。」
自分で一花に言いながら、宇野は更に冷静になっていく自分を自覚した。リュードとアイコンタクトをとる。青い顔をしながらも頷き返してきた。
左右を見れば商品棚から広範囲に売り物が落ちている。通路の端から橋までまんべんなく。つまり、それだけ広範囲に撃っている。なら、自分たちは見つかってはいない。もしくは撃ってる奴がよほどの下手くそかだ。
後方を見る。入ってきた入口まで数十メートル。どれだけ急いでも10秒はかかるだろう。そして視界は開けている。走ればいくならなんでもバレるし、走らなくても最後の数メートルは丸見えになりそうだ。
周囲を見る。他にも入口は左右に2ヶ所ありそうだ。正確な位置はわからないので、知るには誰かが偵察に行く必要がある。もしかしたら、例の第三者がいるかもしれない。
左右を見れば商品棚から広範囲に売り物が落ちている。通路の端から橋までまんべんなく。つまり、それだけ広範囲に撃っている。なら、自分たちは見つかってはいない。もしくは撃ってる奴がよほどの下手くそかだ。
後方を見る。入ってきた入口まで数十メートル。どれだけ急いでも10秒はかかるだろう。そして視界は開けている。走ればいくならなんでもバレるし、走らなくても最後の数メートルは丸見えになりそうだ。
周囲を見る。他にも入口は左右に2ヶ所ありそうだ。正確な位置はわからないので、知るには誰かが偵察に行く必要がある。もしかしたら、例の第三者がいるかもしれない。
(クソっ、冷静に考えると動けないぞ。こういう時にひらめきがある奴がいれば……)
少し遠くから爆発音がした。またさっきのように手榴弾だろう。腹ばいになった床から伝わる振動に肝が冷える思いをしながら宇野は舌打ちする。
ここまで自分は冷静に動けている方だと思う。足手まといになんてならずに、映画の主人公のようにクールに振る舞えていたと。
だが、それでも足りない。銃弾の雨に突っ込んで行って敵を皆殺しにするような強さも、見ている者の度肝を抜く思いもよらないアクションもできない。自分達に希望が無いことしか冷静さから導き出せないのならなんの意味があるだろうか?
ここまで自分は冷静に動けている方だと思う。足手まといになんてならずに、映画の主人公のようにクールに振る舞えていたと。
だが、それでも足りない。銃弾の雨に突っ込んで行って敵を皆殺しにするような強さも、見ている者の度肝を抜く思いもよらないアクションもできない。自分達に希望が無いことしか冷静さから導き出せないのならなんの意味があるだろうか?
「そうか……江藤……お前ならそうするよな……」
「リュードさん?」
「宇野、合図したら2人を連れて入ってきた入口まで走れ。」
「リュードさん?」
「宇野、合図したら2人を連れて入ってきた入口まで走れ。」
突然聞こえてきたリュードのつぶやき。呼びかけたら返ってきた言葉に何言ってるんだ、そう言おうとして宇野はリュードの目の色に気づいた。光の無い暗さがそこにあって、そんな人間の目を初めて見て、出そうと思った言葉が出なかった。
「何する気だ?」
「あっちにも出口が見えた。そこで銃を使えば、囮になるだろ。」
「無茶だ、とは言わねえけどヤバすぎる。なら体の小さい俺が。」
「こういうのは年上に任せろよ。それにさ、言ってなかったけどおれ、プロのキックボクサーなんだよ。元チャンピオンにだって勝っちゃうぐらいのな。だから心配すんな、おれすっげぇタフだし。」
「あっちにも出口が見えた。そこで銃を使えば、囮になるだろ。」
「無茶だ、とは言わねえけどヤバすぎる。なら体の小さい俺が。」
「こういうのは年上に任せろよ。それにさ、言ってなかったけどおれ、プロのキックボクサーなんだよ。元チャンピオンにだって勝っちゃうぐらいのな。だから心配すんな、おれすっげぇタフだし。」
そう言って笑うリュードの目は笑っていないように宇野には思えた。
バイクに乗っていた時に感じたが、たしかにリュードの体は凄まじく引き締まっている。日比野よりも軽いだろう。線が細い宇野とは違い、減量で文字通り身を削るようにして得た鋭さがあった。
ストイックさには人並み以上に憧れがある。虚弱な自分を変えたくて、強い男には好感が持てる。リュードは正に宇野が理想とするような『強さ』を体現したモデルであった。あったはずなのに。
どうしてだろう、今のリュードはとても小さく寂しく見えた。
バイクに乗っていた時に感じたが、たしかにリュードの体は凄まじく引き締まっている。日比野よりも軽いだろう。線が細い宇野とは違い、減量で文字通り身を削るようにして得た鋭さがあった。
ストイックさには人並み以上に憧れがある。虚弱な自分を変えたくて、強い男には好感が持てる。リュードは正に宇野が理想とするような『強さ』を体現したモデルであった。あったはずなのに。
どうしてだろう、今のリュードはとても小さく寂しく見えた。
(なんて言えばいいんだ。こういう時って。)
リュードのような強い男の言うことだ、二言はないだろう。止めたって聞きはしない。でもそれでも何か言わなければならない。ここで言わなければ、致命的なことになる。そんな予感がする。
「別に死ににいくわけじゃないさ。おれだって怖いしな。新庄、宮美、そういうわけだから宇野から遅れんなよ。そんな重いもん捨ててけ。」
「リュードさん……入口まで逃げれたら援護射撃する。」
「……ごめんなさい、なんて言えばわからないの……」
(おいおい特攻する前の空気じゃんか。とにかくこうなったら──)
「よし……準備はいいか?」
「待ってくれリュード、俺に作戦がある。」
「リュードさん……入口まで逃げれたら援護射撃する。」
「……ごめんなさい、なんて言えばわからないの……」
(おいおい特攻する前の空気じゃんか。とにかくこうなったら──)
「よし……準備はいいか?」
「待ってくれリュード、俺に作戦がある。」
こうなればヤケ、とっさに口から言葉を出した。「なにっ」と出鼻をくじかれたリュードに問われる。宇野はなんとか思いつきだと思われないように言葉に気合を込めて話しだした。
「ようするに陽動すればいいんだろ? だったらわざわざあっちの入口に向かう必要は無い。」
「どういうことだ?」
「それは……」
「どういうことだ?」
「それは……」
どういうことだろう? ここまで全くの思いつきなので言葉に窮する。何もひらめかない。とりあえず、周囲を見渡して時間を稼ぎ、意味深にリュードが向かおうとした方を指差してみた。
(やっべなんも思いつかない。)
みんなが指差す方を見ながら、宇野はほとんどパニックだ。次第に変な空気が流れる。また手榴弾がどこかで爆発した。
「そういうことかっ。」
「え、どういうこと?」
(え、どういうこと?)
「手榴弾をあそこに投げて敵を引きつける気なんだな。」
「そうだよ(サンキュー新庄!)。」
「え、どういうこと?」
(え、どういうこと?)
「手榴弾をあそこに投げて敵を引きつける気なんだな。」
「そうだよ(サンキュー新庄!)。」
宇野は嬉しさが声に出ないように頑張って便乗した。時間稼ぎは無駄ではなかった。なんかいい感じの案をツバサが出してくれて、それに力強く便乗する。
(そういえばこういう手口、何回かやったことあんな。)
「新庄、手榴弾持ってるか。それか時間差で音の出るもの。それをあっちの入口に投げる。音で驚いてあっちに気が向いてるうちに、入ってきたとこから店の外に出る。リュード、キックボクシングやってるなら肩も強いだろ。頼んだぜ。」
「宇野……」
「新庄、手榴弾持ってるか。それか時間差で音の出るもの。それをあっちの入口に投げる。音で驚いてあっちに気が向いてるうちに、入ってきたとこから店の外に出る。リュード、キックボクシングやってるなら肩も強いだろ。頼んだぜ。」
「宇野……」
まだ青い顔に暗い目をしたリュードに、宇野は強く言う。ひらめきは無かったが、それでも自分を引っ張っていったリーダーシップを思い出しながら、目に力を込める。
「……オッケー、任された。」
数秒見つめ合った末に、リュードは1度目を閉じると、そう言いながら笑った。開いた目には光があった。
(幸運だな。蹴落とし合うところに出くわすとは。さてどうやって殺してやろうか。)
悪の魔法使いサウードは、スーパーの入口が見える建物の中で顎に手をやり考えていた。
元、アキラ、牧人の3人をグレランで殺し、夢羽の死体と合わせて死体損壊した彼は、更なる獲物を求めて銃声を辿ってここまで来た。端正な顔の裏に殺意を込めて、使えそうな参加者がいらば利用しようと思い、少々難しい局面に出くわし戸惑う。自分以外の参加者間の殺し合いはノーリスクで敵が減るので大歓迎なのだが、それだといつものように利用できる人間を使う手がやりにくいと気づいたのだ。
自分が美しく賢いことをわかっているため、大抵の相手ならば丸め込める。だが流石に死の恐怖に怯え武器を無茶苦茶に振るう相手など関わりたくはない。そして困ったことに、戦っている人間の精神状態など簡単には見抜けない。さてどうしたものかと考えていると、中から爆発音が聞こえてきた。
元、アキラ、牧人の3人をグレランで殺し、夢羽の死体と合わせて死体損壊した彼は、更なる獲物を求めて銃声を辿ってここまで来た。端正な顔の裏に殺意を込めて、使えそうな参加者がいらば利用しようと思い、少々難しい局面に出くわし戸惑う。自分以外の参加者間の殺し合いはノーリスクで敵が減るので大歓迎なのだが、それだといつものように利用できる人間を使う手がやりにくいと気づいたのだ。
自分が美しく賢いことをわかっているため、大抵の相手ならば丸め込める。だが流石に死の恐怖に怯え武器を無茶苦茶に振るう相手など関わりたくはない。そして困ったことに、戦っている人間の精神状態など簡単には見抜けない。さてどうしたものかと考えていると、中から爆発音が聞こえてきた。
(さっきのような武器か。決着がついたのか?)
自分が撃ったグレランを思い出しサウードは身を縮める。どうやらあれはなかなか珍しいものらしく街では見かけなかった、そう思いながら銃口を窓越しにスーパーの入口へと向ける。試し撃ちはもちろんしている。グレランに比べれば貧弱に感じるが、それでも10数メートル先の相手1人殺すのなら申し分無いだろう。そう思い入口を見つめ、そしてその眉根が寄った。出てきたのは、4人の若者だった。
「よし、全員いるな! 作戦成功!」
「あそこに逃げ込め!」
(まずい、こちらに来る気か?)
「あそこに逃げ込め!」
(まずい、こちらに来る気か?)
現れたのは宇野達だ。ツバサが取り出した手榴弾をリュードが投げて、首尾良く計画通りに脱出に成功した彼らが向かってくる。脱出に精一杯で逃げ出した後のことなど考えていなかった彼らは、集団でダッシュで向かって来られると考えていないサウードの下へと突っ込んでくる。
舌打ちする間もなくサウードは急ぎ2階へと上がった。この建物の間取りなど知らない。宇野たちから見え難い出入口に心当たりも無いのでとにかく隠れる。
舌打ちする間もなくサウードは急ぎ2階へと上がった。この建物の間取りなど知らない。宇野たちから見え難い出入口に心当たりも無いのでとにかく隠れる。
(待てよ、なぜ隠れる必要がある。普通に話せばよかったのでは? いや、どんな相手かわからないのだから隠れるのも当然。しかし……)
「■■■■! ■■、■■■!」
(あ、言葉の通じない異民族だ。殺そう。)
「■■■■! ■■、■■■!」
(あ、言葉の通じない異民族だ。殺そう。)
ちょっと悩んだ末に下から聞こえてきた宇野達の声で、すぐ様サウードは方針を決めた。アラビアンな砂漠の国のサウードは当然日本語など知らないし話せない。発音的に東国の異民族だとはわかったが、やることは一つだ、抹殺だ。
サウードが欲しいのは自分の役に立つ駒であってコミュニケーションが取れない人間では無い。それに宇野達は4人、言葉の通じないサウードが懐柔もできないで接触するにはリスクがあり過ぎる。言葉の通じない者なら自分なら殺す、そう考えるからサウードは、殺されると思う。
ひらりと2階の窓から飛び降りた。ノータイムで魔法を使い減速、静止する。そのままくるりと上下を入れ替えて、まるで逆さにラペリングしているかのように銃を構えた。
サウードの決断は早い。元々殺しへの躊躇や倫理観などというものは捨てた身だ。自分が有利になる機会への嗅覚と反応は人並みでは無い。会って5秒で即殺害を決めた。とはいえここは1人か2人に怪我を負わせて引こう、あとはスーパーの連中とでも潰し合うだろう──
サウードが欲しいのは自分の役に立つ駒であってコミュニケーションが取れない人間では無い。それに宇野達は4人、言葉の通じないサウードが懐柔もできないで接触するにはリスクがあり過ぎる。言葉の通じない者なら自分なら殺す、そう考えるからサウードは、殺されると思う。
ひらりと2階の窓から飛び降りた。ノータイムで魔法を使い減速、静止する。そのままくるりと上下を入れ替えて、まるで逆さにラペリングしているかのように銃を構えた。
サウードの決断は早い。元々殺しへの躊躇や倫理観などというものは捨てた身だ。自分が有利になる機会への嗅覚と反応は人並みでは無い。会って5秒で即殺害を決めた。とはいえここは1人か2人に怪我を負わせて引こう、あとはスーパーの連中とでも潰し合うだろう──
「──見えた、死ねっ。」
次の瞬間、サウードの目が見開かれた。サウードの体が急速に後方へ飛ぶ。1階の窓へと撃たれた銃撃は、突如現れた少女──ビーストへと直撃した。
ビーストがなぜそこにいたのかは、本人も含めて誰も知らない。
宇野に襲い掛かり、白銀御行と関織子とニアミスした彼女がスーパーへと向かったのは、夢羽の血痕に誘導されたのか銃声と爆音に引かれたのか。
原因は不明だが、スーパーまで来た彼女は目にしたのだ。逃げ出してくる宇野達を。
宇野に襲い掛かり、白銀御行と関織子とニアミスした彼女がスーパーへと向かったのは、夢羽の血痕に誘導されたのか銃声と爆音に引かれたのか。
原因は不明だが、スーパーまで来た彼女は目にしたのだ。逃げ出してくる宇野達を。
「ウウウウウ……」
一度逃した相手だ。迷うことなく駆け出した。サウードが窓から飛び降りても、それは変わらなかった。狙うのは宇野、それだけだった。
「■■■!」
そして窓から飛び込もうとし、ビーストは寸前でサウードの銃口の前に身を踊らせた。鋭い爪がサウードに迫りかけ、しかしとっさに後ろに飛ばれ、後に残ったのは、無数の弾丸。
ビーストがなぜそんなことをしたのかは、本人も含めて誰も知らない。
だがただ一つ言えたのは。
その行動は結果的に宇野を守ったということだ。
ビーストがなぜそんなことをしたのかは、本人も含めて誰も知らない。
だがただ一つ言えたのは。
その行動は結果的に宇野を守ったということだ。
「なんだぁっ撃たれたぞっ!」
「コイツはさっきの!」
「人が飛んでるぞ!」
「何が起こってるの!」
(チイッ、何なのだこいつは! ここは引かざるをえない!)
「コイツはさっきの!」
「人が飛んでるぞ!」
「何が起こってるの!」
(チイッ、何なのだこいつは! ここは引かざるをえない!)
ドタドタと窓際に宇野達が集まる。それに銃撃を加えるが一つも当たった様子はなく、サウードは撤退を即断した。それでも己の判断の遅さに顔をしかめる。ビーストが現れたのでとっさに引鉄を引いてしまい、宇野達に見られたのでとっさに引鉄を引いてしまった。その結果自分が危険人物だと知っている武装した人間4人が生まれることになった。これでは全くのマイナスだ。ビーストというイレギュラーを見た瞬間に撤退すべきであった。距離を取ってしまい狙いもブレた状態で宇野を撃つべきではなかった。
(反省は後だ。まずは逃げねば。)
「コイツ、さっきのシャブ中コスプレイヤー……」
「なんて?」
「ここも安全じゃない! 早く逃げないと!」
「なんて?」
「ここも安全じゃない! 早く逃げないと!」
アラビアンな格好をした男がライフルを抱えて飛んでいく。空飛ぶイスラム過激派のような男にビビる一花をよそに、宇野とリュードは呆然とビーストの死体を見つめていた。
サウードに撃たれた、その事はすぐにわかった。窓から見たら銃を構えている男が空中にいたのだ、察しはつく。
わからないのは、なぜビーストがここにいるのか、そして死体になっているのかだ。自分をついさっき殺そうとした女が、自分を殺そうとした男に殺されている、そんな状況。
サウードに撃たれた、その事はすぐにわかった。窓から見たら銃を構えている男が空中にいたのだ、察しはつく。
わからないのは、なぜビーストがここにいるのか、そして死体になっているのかだ。自分をついさっき殺そうとした女が、自分を殺そうとした男に殺されている、そんな状況。
「……アンタ、何がしたかったんだ?」
「……」
「2人とも早く!」
「……ああ。リュードさん。」
「そうだな。」
「……」
「2人とも早く!」
「……ああ。リュードさん。」
「そうだな。」
もし彼女がいなかったのなら、今頃自分はどうなっていたのだろうか。宇野はそう思う。無事ピンチを切り抜けたと思ったら、突然出てきた別の敵キャラに殺される。そういうのはパニック映画で見たことあるが、自分もそうなるはずだったのだろうか。
ではこれはどういうことなのだろうか? 突然出てきた敵キャラが、最初の方に出てきた敵キャラを殺した。それで自分は助かった。こんな展開見たこと無い。
ではこれはどういうことなのだろうか? 突然出てきた敵キャラが、最初の方に出てきた敵キャラを殺した。それで自分は助かった。こんな展開見たこと無い。
「リュードさん?」
「わ、悪い。行こうぜ。」
「わ、悪い。行こうぜ。」
思い詰めたようにビーストを見つめるリュード二声をかけると、宇野は急いで建物から出た。一度だけビーストを振り返ると、ツバサ達を追いかけて走った。
【0134 『南部』住宅地・スーパー近く】
【新庄ツバサ@生き残りゲーム ラストサバイバル 最後まで歩けるのは誰だ!?(ラストサバイバルシリーズ)@集英社みらい文庫】
●大目標
生き残る。
●中目標
家族を探して合流する。子供しか参加者じゃねーなら親はいないと思うが……
●小目標
一花達と逃げる。
●大目標
生き残る。
●中目標
家族を探して合流する。子供しか参加者じゃねーなら親はいないと思うが……
●小目標
一花達と逃げる。
【宇野秀明@ぼくらのデスゲーム(ぼくらシリーズ)@角川つばさ文庫】
【目標】
●大目標
生き残る。
●中目標
家族を探して合流する。でも、たぶんいないよな? 大丈夫だろ? なんでぼくらの仲間たちと合流したいな。
●小目標
コイツは何がしたかった……?
【目標】
●大目標
生き残る。
●中目標
家族を探して合流する。でも、たぶんいないよな? 大丈夫だろ? なんでぼくらの仲間たちと合流したいな。
●小目標
コイツは何がしたかった……?
【宮美一花@四つ子ぐらし(1) ひみつの姉妹生活、スタート!(四つ子ぐらしシリーズ)@角川つばさ文庫】
【目標】
●大目標
生き残る。
●中目標
姉妹を探して合流する。
●小目標
ツバサ達と逃げる。
【目標】
●大目標
生き残る。
●中目標
姉妹を探して合流する。
●小目標
ツバサ達と逃げる。
【倉沢竜土@天使のはしご5(天使のはしごシリーズ)@講談社青い鳥文庫】
【目標】
●大目標
誰かが死ぬのは嫌だ。
●中目標
紅絹たちが巻き込まれてないか心配、探したいが……
●小目標
???
【目標】
●大目標
誰かが死ぬのは嫌だ。
●中目標
紅絹たちが巻き込まれてないか心配、探したいが……
●小目標
???
【脱落】
【ビースト@角川つばさ文庫版 けものフレンズ 大切な想い(けものフレンズシリーズ)@角川つばさ文庫】
【ビースト@角川つばさ文庫版 けものフレンズ 大切な想い(けものフレンズシリーズ)@角川つばさ文庫】