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人面獣心

最終更新:2024年11月08日 03:53

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「──つまり、わたしは明治十一年の人間ってこと。たぶん桜ちゃんは100年ぐらい後の時代の人なんじゃないかしら。」
「ほえ〜……」

 桃色のネオンが赤い霧を割いて輝くパチンコ店で。
 武井咲似の和服の少女、神谷薫の言葉に、木之本桜は感嘆の声を上げていた。
 出会って以来パロロワの登場話でありがちなことを一通りやった彼女たちは、それぞれが別の時代の日本から来たことを悟ると、互いの認識の差を埋めていた。
 そんな時である。互いの親しい人が巻き込まれていないか2人で探し、首輪を外すことについて頭を悩ませ、薫は緋村剣心や雪代縁などの猛者のことを、さくらはクロウカードやケロちゃんなどの魔法についてどこまで話していいか迷っていると、かすかに、しかし大きな少女の声が聞こえてきたのだ。

『──こんな殺し合いなんて間違ってるわ! この放送を聞いてるあなた! 警察が来るまで──』

 これも親の顔より見た拡声器を使って参加者を集める対主催が襲われるくだりである。なにぶん参加者が多いのだ、会場も広ければそれだけ拡声器を置いてあるような建物も多い。そしてそんな明らかに危険な展開でも動いてしまうような参加者が、主催者によって付近に配置されていた。無論、薫と桜である。

「まずい、こんなところで大声なんて出したら……そうだ。」
「か、薫さん?」

 困惑する桜の前で、薫は落ちていたピストルを手に取る。するとパチンコ店を出るとコンクリの外壁へと向かって数度引鉄を引いた。

「これで、危ないってわかってくれれば。」
『キャッ!? じゅ、銃ならこっちだって持ってるわっ! 来るなら来なさい! ハチの巣にしてやるんだから!』
「ああもう、なんでそうなるの!」

 明治の人間とはいえ武に生きるもの、ハンドガンのようなものならともかく当時からあるような拳銃ならばまだなんとかならなくもない。そう思って驚かせようと発砲したのだが、ものの見事に裏目に出たようだ。
 拡声器から聞こえる声は怯えと興奮を感じさせるものとなり、ついで聞こえてきたのはガトリングのような連射音だ。黙って逃げ出してくれればと思ったのだが、かえって危険な手を選ばせてしまったらしい。

「桜ちゃん、少しだけここで待っててくれる。」
「それなら私も──」

 薫が何をしようとしているのか今度は察した桜が声を上げる。しかし、薫は「私が驚かせたから」とさえぎった。

「早く止めに行かないと、あの子もこの辺りにいる人も危ないわ。巻き込んじゃって悪いけれど、戻ってくるまで隠れててほしいの。」

 桜は薫の名前を呼ぶも、続く言葉が出なかった。
 これまで情報交換した2人だが、それでどこまで腹を割って話すかはたかが知れている。桜はさくらカードなどの魔法について、薫は剣心などの幕末の血なまぐさい話についてはそれぞれ伏せている。自分の事情にこんな殺し合いの中で巻き込みかねないため、そして話すにはあまりに腰を据えなければならないためだ。
 桜は逡巡した。カードキャプターとしての情報を開示すればこの場は薫に気を使わせることなく一緒に拡声器を止めに行ける。だがそれを話すには時間がかかるし、薫だけでなく拡声器を使う少女にも説明が必要だろう。そのリスクをこれまでクラスメイトにも隠して活動してきた彼女に即断することはできない。
 結局その場では背を向けてパチンコ店を出ていく薫を止めることはできなかった。桜が迷った末に動いたのは、それから再び銃声が聞こえてきた数分後のこと。駆け出した桜が見つけたのは。

「薫、さん……?」

 コンクリートによって網目状に補強された崖。その下のアスファルトの道路に倒れるさっき見た和服。
 頭から血を流し目を閉じて動かなくなっている神谷薫の姿だった。



「はあっ!」
「うぎゃっ!?」

 電光石火とはこのことだろう。
 神谷薫はすぐに拡声器を使っている場所が崖上にある建物だと当たりをつけ、近くの階段を手すりも使わずに駆け上り、民家の庭で片手に銃を片手に拡声器を持つ少女を見つけると問答無用で両方取り上げた。

「な、なにすん「銃を撃たない大きな声を出さない!」「ご、ごめんなさい!」ナオ隠れてなさい!」

 気丈に食ってかかる少女を一喝すると、後ろから少年の声が聞こえて薫の背中に冷たい汗が流れる。もう一人いたということと後ろを取られたことが肝を冷やすが、少女が少年の名前らしきものを呼んだことで、単に知り合いなろだろうと内心ホッとした。
 薫が出会ったのは、大河内姉弟という、服装からして桜と同時代らしき2人だった。大声を上げていた勝ち気な少女が杏で、後ろからとっさに謝った気の弱そうな少年が直幸である。もっとも、薫が2人の名前を知ることはなかったのだが。

「どこにどんな輩がいるかわからないのよ、こんな目立つまねしたら危ないでしょ。」
「フン! こっちは銃が──」
「今奪われたじゃない、だいたい貴方達みたいな子供に──」
「残念ね、まだハンドガンだってあるの! 1つだけしか持ってないと思ったミス──」

 とりあえず危険人物を呼び寄せることがないように黙らせようとする薫と、突然現れ銃を奪ってきた危険人物に会話の主導権を握らせまいとする杏。どちらも相手の話に被せて会話が成り立たないところに、それは現れた。

「危ない!」

 とっさに直幸がフルオートで発射したNATO弾が、2人の頭上近くに張り出した屋根を破壊する。その弾雨を紙一重で躱した人影が、薫と杏に向かって振りかかった。

「! ごめん!」
「コ゜ッ!」

 薫が杏を蹴り飛ばす。腹に突き刺さった足裏に蹴り飛ばされて体をくの字に折った杏が庭を転がる。薫は反動で飛び退き、一瞬後そこに強烈なかかと落としが振り下ろされた。

「姉ちゃん!?」

 強気な姉を止められず、しかし臆病さから常に周囲を伺っていた直幸だから気づけた。気づけたのだがそんなことより今は薫に蹴り殺されたように見える杏と、その薫と杏を纏めて飛び蹴りで殺そうとした謎の人物である。ピクピクと痙攣したまま動かなくなった杏に、謎の飛び蹴り少年が手に持ったライフルを向けるのを見て、思わずタックルする。

(──ああ、これ走馬灯だ。)

 その瞬間、直幸の頭に生まれてからの思い出が蘇った。少年は銃を向けるのをやめ、凄まじいスピードの廻し蹴りをタックルしようとする直幸の側頭部にカウンターで放った。きっと格闘技とかやってるんだろうなと思わず考えてしまう。拡声器を使ってマーダーに襲われる対主催。しかも登場話。これはどうあがいても死ぬやつである。
 ここで最期の見せ場の回想タイムに入ろうとするが、幸運にも少年の廻し蹴りに何かが突き刺さる。舞い飛ぶ血飛沫と遅れて聞こえてきた銃声からそれが銃撃されたと気づく前に、直幸はタックルで少年の腹に頭から突っ込んだ。

(なんか、柔らかい──いだぁっ!」

 次の瞬間感じたのは、足へと血が行く感覚。頭を起点に振り回されたとわかるより先に、直幸の背中に衝撃が走り腹へと抜けた。
 それを見た薫は、拾っていた真剣を抜く。先の飛び蹴り、銃撃を即座にやめての廻し蹴り、そして足を撃たれたところに軸足を取られるように体当たりを受けたにもかかわらず踏みとどまって投げへと転じた一撃。わずか数秒の動きでわかった、わからされて呆ける間もなく臨戦態勢を取らされた。
 目の前の少年は、剣心のような幕末の猛者の同類だと。

「なに……その目……」

 そして少年の目を見て戦慄する。
 子供が絵に描くような、目が点になるということわざを形にしたような、異形の瞳が薫へと向いた。

 その少年は──いや、少年の姿に『へんしん』している者の名前はメタモン。水沢光矢への変身能力を手に入れた彼、あるいは彼女、またはそれは光矢の超人的な身体能力と武術のノウハウを持っている。そしてメタモンにとって銃撃など行動を遮るものではない。細胞を操作することで人間では不可能な継戦能力を発揮する。まるでダメージが無いかのように振る舞える。実際はあと何発か食らえば死ぬのだが、ひんしになるまでパフォーマンスが落ちることは殆ど無い。

「……」

 メタモンは直幸を地面に叩きつけるために芝生に身を投げ出した姿勢のまま少し考えた。
 さっきは手榴弾を使ったために人を集めすぎてしまった。いくら殺し合いに乗っているとはいえ、一度に何人も来られてはたまらない。光矢は銃を撃てるので、はじめは拡声器の声を聞いて杏を殺そうと近づいた。薫と口論していたので2人まとめて殺せると思った。そうしたら見えていなかった直幸に妨害され、さらにどこからか撃たれたあげく、銃も手放してしまった。
 直幸の声が聞こえていたのに、人間の姉弟である杏の声と区別をつけれなかった。これはミスだ。擬態能力が売りなのにらしくない。誰にどこから撃たれたのかも気になる。まだ自分がわからない敵がどこかにいるのか。こうして伏せているから撃たれないのか。逃げたほうがいいのか。
 薫が刀を抜いたものの動きを見せないので、思わず考え込む。少年は倒した。少女も勝手に倒れた。後は目の前の刀を持っている少女だけだ。いや、そうだろうか、撃ってきた相手がいるんじゃないか、今も狙われているんじゃないか。

「…………」
「…………」

 1分ほど睨み合う。
 先に動いたのは。

「え。」

 メタモンだ。
 倒れた直幸の影に隠れるように転がると、『地面へと沈んでいく』。
 薫の目にはそうとしか見えない。本来人一人が隠れることなど到底できないスペースに、少年と地面という小動物でもなければ入り込めない隙間に、人間が染み込んでいく。
 いやそんなはずがない。そう思い横から見ようと回り込んだ時。
 直幸の体が吹き飛んで来た。

「ええっ!?」

 驚きながらも、抜き身の刀を持ちながらも、片手で抱きかかえ受け止められたのはさすがの反応と言えるだろう。
 しかしその間に、メタモンは開いた引き戸から家の中へと転がり込んだ。
 メタモンがやったことは言葉にすれば簡単だ。1度へんしんを解いて直幸の身体の下に潜り込み、再度へんしんしてその勢いを乗せつつ直幸を薫へと投げつけた。自由に姿を変えられるメタモンならば容易なことだが、人間には決してできない動きが薫の意表を突く。
 しかしその実、メタモンにとっても賭けではある。不意をうったことではない、家の中へと入り武器を調達できるかだ。

「…………」

 結果はハズレ。大河内姉弟は事前に家内を家探ししたのだろう、銃のたぐいは見つからない。いつ撃たれるかわからない庭に落とした銃を取りに行くよりも家の中の方が安全と踏んだのだが、肝心の銃が手に入らないのは痛い。
 やむやく他の武器を探す。後ろから駆けてくる音を聴き焦る中見つけたのは、奇しくも薫と同じ武器だった。
 一般家屋の中、フローリングの上で、メタモンは光矢の姿で日本刀を正眼に構える。その剣先が触れ合いそうな距離で、薫も同じく日本刀を正眼に構えた。

(あの目……まるで鵜堂刃衛みたい……)

 踏み込めばどちらかが死ぬ。そんな間合いで相対して薫がより気になるのが、メタモンの瞳だ。丸く塗り潰されたような瞳は、薫の肌を泡立てさせるには充分であった。

(剣心……)

 刃衛との戦いは、剣心と出会って初めての命がけの戦いだった。
 幕末の因縁から剣心を襲ってきた刃衛によって薫は拉致され、術中にはまり殺されかけた。全ては剣心の不殺の信念を砕き、人斬りに戻して殺し合うため。
 武に生きるものでありながらまるで薫は太刀打ちできず、ただ剣心に助けられただけだった。
 ──実際には、刃衛の術を自力で破り、剣心に不殺の誓いを守らせた一助ではあったのだが。
 あの時と違って、剣心はいない。あの時と違って、負けて死ぬのは自分だけではない。この場は薫1人で切り抜けなけねばならない。
 振るわれた初撃は、メタモンだった。

(──危なかった。)

 一太刀で理解した。膂力が違いすぎると。
 警戒して初太刀はいなそうと構えていたのが正解だった。もし受けようとすれば太刀打ちできずに刀ごと押し込まれて斬られていただろう。それだけの力が外した太刀筋から感じられた。
 純粋に筋力が違うのだ。メタモンのへんしんした光矢の超人的身体能力は、幕末を生き抜いた者達に匹敵する。薫とメタモンの間には性別以上の人種の差が歴然と横たわっているのだ。
 仕切り直して再び仕掛けるのはメタモンだ。今度は2撃3撃を続け、薫を庭へと下がらせる。芝生に降り立ったところを狙った突きは辛くも薫の髪を舞い散らせるに終わった。

(な、なんなの……強すぎる……)

 それを庭に転がりながら見ることになった杏は戦慄する。こんな化け物を呼び寄せてしまったのかと。そして同時に思う。どうか弟を連れて逃げてくれないかと。
 元はと言えば自分が撒いた種だが、杏としては弟の身を案じてのことだ。危険人物より早く人間を集めることができれば、集団になれば襲われることはないだろうと。結果的には裏目に出た挙句、常識的で腕も立つ参加者が死にそうになり弟も殺さねかねない状況だ。こうなったら自分が囮にでもなれないかと考えるが、打てる手が思いつかない。
 全ては自身の弟のことになると冷静さを失いやすいという悪癖のためなのだが、だからこそなんとか自分で責任を取りたい。

(──なのに、できることがない。)
(──見えてきた、コイツ、剣の腕は大したことない。)

 無力感と申し訳無さに襲われる杏に対して、当の本人である薫は一転、頭と剣の冴えを感じていた。
 これまでの立ち会いでわかったのだ。これだけ強い相手と渡り合えている理由が。
 メタモンは、もといへんしん対象となった光矢は剣術の腕で薫に及ばないのだ。
 光矢は水沢パセリ護衛のための訓練を受けてはいるが、剣術を専門としているわけではない。また北海道へと来てからはもっぱら空手の修行ばかりだ。中学生として振る舞わなければならない事情から武器などろくに持てないので訓練内容が徒手空拳に偏るのも当然ではあるのだが、それを知らないメタモンは、単に剣術が使えるから剣術を使ってくる相手と同じわざをぶつけてしまっている。この辺りメタモンの習性的なものである。身につけた刀でのわざではなく空手を織り交ぜれば、あるいは距離を取って室内にある銃を探せば膠着状態は崩せるのに、そうするという発想まで戦闘中には思い至らない。あるいはもっと薫が弱ければ良かったのだが、あと一息で倒せると見込むぶん他の選択肢を取ろうと思わないのだ。
 あと一発、あと一発入れば薫をひんしにできる。そうなればどうその一発を入れるかだけに頭を使うのは必然と言えた。
 対して薫は冷静に力量を測った。彼女の知り合いで言えば相楽左之助と試合をすればこんな感じになるだろう。決して素人と言うわけではないのだが、剣術を教えている側からすれば対処できない程ではない。無論、一発でも入れられる可能性は常にあるため集中力を全く切らせはしないが、刀を使い続けてくれている限り勝機はある。

「神谷活心流──」

 仕掛けるのは、薫からだ。
 しかし踏み込むのではない。納刀したのだ。
 メタモンに困惑が生まれる。なぜそんなことをするのか、ポケモンとしての知識も剣術としてのノウハウも該当するものが見つからない。なんらかのわざの準備と見るが見当がつかない。必死に考え、考えるメタモンは、薫が納刀した刀の柄に手を添えた状態で構えたことでハッとなった。
 いあいぎり。ポケモンとして、光矢として、思い当たるわざを見つけた。こちらの攻撃に合わせてのカウンターを狙っていると。
 そして考える。かわせるかと。かわしてカウンターにカウンターを合わせられるかと。
 身体能力の差と、光矢へのへんしんで得られている剣術、2つを加味して出した結論は。

「……!」

 待ち望んだ一発を入れる時が来たと思った。
 メタモンは突っ込む。突っ込み、斬りかかり、ギリギリで踏みとどまっていあいぎりをかわして、刀を振るおうとして──

「メ!?」

 刀を振るった腕への鈍痛に、今まで挙げなかった悲鳴を上げた。

「──双龍閃!」

 飛天御剣流・双龍閃。
 かつて薫の目の前で刃衛を破った剣心の技である。
 抜刀と鞘での攻撃を一動作で行う二段階攻撃。単なる居合と油断したものを襲う打撃による一撃。それがメタモンの腕を襲う。直幸にたいあたりをされた時のように体をへんしんさせていなすようなこともできない、薫へと渾身の力で刀を奮ったために、その勢いが骨へと襲いかかり、本来ならメタモンが味わうことのない骨折を味合わせる。

「はあっ!」

 続いて放たれる斬撃を、メタモンは身をよじってかわすしかなかった。刀はさっきの一撃で手放した。また無手に逆戻りだ。全ては薫の計画通り。
 メタモンの剣術が未熟なのは師範代の経験として確信していた。その上で、あの身体能力があれば力で押し切ってこようとするとも。
 だが薫には、神谷活心流と剣心を側で見てきた時間がある。会得などできなくても、自分にできる形で技を己の流派に落とし込むことはできる。弟子の明神弥彦とてできるのだ、師である薫ができねば剣術小町など名乗れない。

(剣心──もっと貸して──)

 薫の剣速が上がる。もとよりあの一撃で無力化できるとは思っていない。だから見切りきれていなくても余力のあるうちに仕掛けた。同時に今まで使わなかった蹴りも繰り出す。正確には使えなかったのだが、崩れた相手を更に崩す場面では使える。
 もし、戦っているのが光矢本人ならばこれは致命的と言えるミスであった。剣よりも素手での戦いのほうがまだ経験があるため、片腕を折られていてもまだ逆襲の機会があった。
 しかし、メタモンは違う。それの頭にあるのは、かわすか守るか、あるいは4種類ほどの攻撃パターンのみ。剣を使うわざしか出てこないのだから、剣が使えなくなればわるあがきしかできなくなる。
 そしてメタモンがいまだ自覚無き失敗。それは光矢へのへんしんの精度が落ちていること。最後に見てから時間が経つにつれて曖昧になる記憶と共にわざのクオリティは落ちている。

「龍槌閃!」
「モン!!」

 振り下ろされた刀を腕を上げて防ぐ。いかに光矢が人間離れしていても、刃筋を立てた日本刀を剣術家が振るえば、重傷を避けることなどできない。骨の半ば以上まで切り入れられ危うく腕を切断されかけ、メタモンは悲鳴を上げながら後退る。これで両腕が潰された。
 更にメタモンの足下が爆ぜる。直後に聞こえた音から銃声だと判断する。やはりまだ狙われているようだ。

「モンン!!」

 メタモンの脳内でアラームが鳴る。これ以上はまずい、次を食らえばひんしになる。しかもどこからか撃たれている。焦ったそれが本能的に行うのはフェイバリット、すなわちへんしんだ。

(わ、私!? コイツ狐とか狸なの!?)

 自身へとへんしんされたことで薫が思わず驚き剣が鈍る。この隙を逃すわけにはいかない。

「モン〜〜〜!!」

 メタモンは庭を駆けると、フェンスを乗り越える。そのまま崖下へと向かって身を翻らせた。



「もう一人だ……」
「キャッ!」

 永沢君男は薫が投身自殺したのを見届けると、そこに近づいてきた桜を銃撃した。
 その口には皮肉な笑みが浮かんでいるが、そのことに気づく者などいるはずがなかった。
 学校で見知らぬ美少女に関節技を決められるは、見知らぬ美少女に拷問されるは、見知らぬ美女に殴り飛ばされるは、ここまでろくな目にあっていない。体は軋んで痛いし、歯は折れてるし、口の中に流れ続ける血を飲み続けないと窒息しそうだし、お漏らしした下半身はビショビショだ。
 そして理解した。拡声器で呼びかける声。それにフラフラと近づいていって見つけた光景に。

「みんな自分のことばっかりだ……く、口ではいいことを言っても、藤木くん以下の卑怯者ばっかりなんだよ……」

 勇ましいことを言っていても言い荒らそう美少女2人。それを見て、永沢は理解した。
 なるほどこれはそういうゲームだ。美少女が勝つようにできているのだ。いや何も不思議なことはない、美人っていうのは得だ、じゃなかったらテレビ番組にあんなにアイドルは出てこない。
 そうだ自分は噛ませ犬なのだバラエティ番組でアイドルに負けるカッコ悪いお笑い芸人なんだカワイイ女の子にやられて笑われながらショーを盛り上げるピエロなんだ。
 だからウルトラマンも仮面ライダーもスーパー戦隊も助けてくれないんだ。だって番組が違うから。カワイイ女の子が殺し合いで死ぬのはみんな悲しく思うけれど、永沢君男が死んだところで面白いだけなんだから。

「そんなの……納得できない。」

 水沢光矢にへんしんしたメタモンを銃撃したのも、神谷薫にへんしんしたメタモンを銃撃したのも、木之本桜を銃撃したのも、彼女らが美しいからだった。
 美しき者が勝ち、醜い者、劣っている者が負ける。それは3年生の永沢だってわかる理屈だ。自分では逆立ちしたって花輪くんには勝てない。人気も勉強も。だから藤木くんなんかとつるんでる。自分より下の人間を側に置いておきたくて。
 でもこれはバトルロワイヤル。結局最後は生き残るのは1人だけ。誰かとつるんでも、真っ先に切り捨てらるのは自分だ。だってそうじゃないか、別に顔が良いわけでもない、怪我してお漏らししてる子供なんて、誰も側には置きたくないだろ。ぼくなら嫌だ。もっと使える人間を側に置きたい。
 だからやることは1つだ簡単だ、美人を殺す、頭が良くて人気があって生き残りそうだからだ。そういう人が生きていてもぼくを助けてくれない、さっきみたいに袋叩きにされる、嫌だ、死にたくない、なんで拷問されなきゃならないんだ、美人がみんな襲ってくる、助けて。

「死んでやるもんか……生きてやる、生きるんだ、そのために……」

 美しき者から狩る。次の標的は……桜。



【0359 『南部』中学校近くの町】

【神谷薫@るろうに剣心 最終章 The Final映画ノベライズ みらい文庫版@集英社みらい文庫】
●大目標
 剣心を探す。
●中目標
 巻き込まれた子供を保護する。
●小目標
 メタモンを追撃する。

【木之本桜@小説 アニメ カードキャプターさくら さくらカード編 下(カードキャプターさくらシリーズ)@講談社KK文庫】
【目標】
●大目標
 殺し合いから脱出する。
●小目標
 ???

【大河内杏@四つ子ぐらし(3) 学校生活はウワサだらけ!(四つ子ぐらしシリーズ)@角川つばさ文庫】
【目標】
●大目標
 直幸と生き残る。
●中目標
 直幸の無事を確かめる。
●小目標
 さっきのモンスターは……!?

【大河内直幸@四つ子ぐらし(3) 学校生活はウワサだらけ!(四つ子ぐらしシリーズ)@角川つばさ文庫】
【目標】
●大目標
 杏と生き残る。
●中目標
 杏の無事を確かめる。
●小目標
 さっきのモンスターは……!?

【メタモン@名探偵ピカチュウ(小学館ジュニア文庫)】
【目標】
●大目標
 優勝を目指す。
●中目標
 強い参加者にへんしんする。
●小目標
 死んだフリをしてやり過ごす。

【永沢君男@こども小説 ちびまる子ちゃん1(ちびまる子ちゃんシリーズ)@集英社みらい文庫】
【目標】
●大目標
 生き残る。
●小目標
 美人を殺す。

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