会場内の、とある山の中。
赤っ鼻がひときわ目立つ一人の男が、しかめっ面で歩を進めていた。
赤っ鼻がひときわ目立つ一人の男が、しかめっ面で歩を進めていた。
「誰の鼻がひときわ目立つって、この野郎ーっ!
……って、空耳かよ。
やべえなあ、おい。あんまり静かすぎて、あり得ない声まで聞こえてきちまったぜ」
……って、空耳かよ。
やべえなあ、おい。あんまり静かすぎて、あり得ない声まで聞こえてきちまったぜ」
ぶつくさと呟きながらも前進を続けるこの男の名は、バギー。
「千両道化」の異名を持つ海賊であり、口八丁と悪運で大海賊時代における海賊の頂点の一つ「王下七武海」に成り上がった男である。
「千両道化」の異名を持つ海賊であり、口八丁と悪運で大海賊時代における海賊の頂点の一つ「王下七武海」に成り上がった男である。
当初は殺し合いに参加させられたことに怒りを爆発させていたバギーだったが、自らに宝の地図が支給されていることに気づくと一転して上機嫌になった。
しかし、それも長くは続くない。
迷わず地図の示す地点へと向かい始めたバギーであったが、そこまではかなりの距離があった。
慣れない山道を歩かされ続け、すっかり不機嫌になってしまったのだ。
しかし、それも長くは続くない。
迷わず地図の示す地点へと向かい始めたバギーであったが、そこまではかなりの距離があった。
慣れない山道を歩かされ続け、すっかり不機嫌になってしまったのだ。
「このバギー様を散々歩かせやがって……。
しょぼい宝だったら承知しねえぞ……」
しょぼい宝だったら承知しねえぞ……」
なお地図が示しているのはあくまでこの殺し合いを有利に運ぶための武器のありかであり、
バギーが求める金銀財宝ではないのだが、本人はまだそれに気づいていない。
バギーが求める金銀財宝ではないのだが、本人はまだそれに気づいていない。
「いいかげん、着いてもいい頃だろ……。
道を間違えでもしたか?」
道を間違えでもしたか?」
一度立ち止まり、地図を確認するバギー。
次の瞬間、彼は自分に強烈な殺気が叩きつけられたことに気づいた。
次の瞬間、彼は自分に強烈な殺気が叩きつけられたことに気づいた。
「なんだぁ!?」
慌てて振り向くと、そこにはこちらに向かって飛びかかってくる奇妙な身なりの男の姿があった。
その手には、鎌のようにも見える異様な形状の刀剣が握られている。
とっさに迎撃しようとするバギーだったが、反応が間に合わない。
刃が振るわれ、バギーの首が胴体から切り離された。
その手には、鎌のようにも見える異様な形状の刀剣が握られている。
とっさに迎撃しようとするバギーだったが、反応が間に合わない。
刃が振るわれ、バギーの首が胴体から切り離された。
「まずは一人……」
首を失って地面に倒れ込むバギーの体を見ながら、男は狂気に満ちた笑みを浮かべる。
男の名は乙和瓢湖。明治時代の日本からこの地に連れてこられた、裏社会の住人だ。
この男を一言で表現するならば、「快楽殺人者」。
ゆえに彼は、この場でもためらいなく殺戮を行う。
生き残るためでなく、快楽を得るために。
男の名は乙和瓢湖。明治時代の日本からこの地に連れてこられた、裏社会の住人だ。
この男を一言で表現するならば、「快楽殺人者」。
ゆえに彼は、この場でもためらいなく殺戮を行う。
生き残るためでなく、快楽を得るために。
「しかしこんなへんぴな山の中では、そうそう人はいないか……。
目指すとしたら、街だな……」
目指すとしたら、街だな……」
そう独りごちると、乙和はその場を去って行った。
◆ ◆ ◆
「やってくれたな、あの野郎……。
俺じゃなかったら死んでたぞ」
俺じゃなかったら死んでたぞ」
乙和が立ち去った後、おもむろにバギーの生首がしゃべり出す。
生首は宙を舞って体の元に戻り、何事もなかったかのようにまたくっついた。
バギーは超人系に分類される悪魔の実・「バラバラの実」の能力者。
おのれの体を好きな箇所で切り離し、遠隔操作することができる。
この能力ゆえに、バギーは斬撃によるダメージを一切受けないのである。
本来は殺されたと見せかけて奇襲で相手を返り討ちにするつもりだったのだが、
うっかり地面の石に頭をぶつけてしまい1分程気絶していたせいで失敗したのはここだけの話だ。
生首は宙を舞って体の元に戻り、何事もなかったかのようにまたくっついた。
バギーは超人系に分類される悪魔の実・「バラバラの実」の能力者。
おのれの体を好きな箇所で切り離し、遠隔操作することができる。
この能力ゆえに、バギーは斬撃によるダメージを一切受けないのである。
本来は殺されたと見せかけて奇襲で相手を返り討ちにするつもりだったのだが、
うっかり地面の石に頭をぶつけてしまい1分程気絶していたせいで失敗したのはここだけの話だ。
「まあ、あんな小物どうでもいい。
もしまた会うことがあれば、派手にぶち殺してやるってだけだ。
それよりお宝を……ん?」
もしまた会うことがあれば、派手にぶち殺してやるってだけだ。
それよりお宝を……ん?」
ふと、バギーは気づく。
体から首を切り離せるのなら、首輪など簡単に外せるのでは? と。
体から首を切り離せるのなら、首輪など簡単に外せるのでは? と。
「まあなんかの対策は取ってる気がするが……。
いちおう確認しておくか」
いちおう確認しておくか」
バギーは今一度首を切り離し、首輪を引っ張ってみる。
「あだだだだ! やっぱりダメか。
接着剤かなんかで、強引にくっつけてやがるな……」
接着剤かなんかで、強引にくっつけてやがるな……」
むろん、運営側もその可能性に気づかない程アホではない。
バギーの首輪に関しては、外れないよう特に念入りに固定してあるのだ。
バギーの首輪に関しては、外れないよう特に念入りに固定してあるのだ。
「力かけ過ぎて、誤作動でも起こしたらシャレにならねえし……。
とりあえず、首輪のことはいったん置いとくか。
今はそれより、お宝だーっ!」
とりあえず、首輪のことはいったん置いとくか。
今はそれより、お宝だーっ!」
すぐさま思考を切り替え、バギーは再び歩き始めた。
【0100 山】
【バギー@劇場版 ONE PIECE STAMPEDEノベライズ みらい文庫版(ONE PIECEシリーズ)@集英社みらい文庫】
●大目標
とりあえず、生き残るのを優先
●小目標
地図の場所に行き、お宝を手に入れる
●大目標
とりあえず、生き残るのを優先
●小目標
地図の場所に行き、お宝を手に入れる
【乙和瓢湖@るろうに剣心 最終章 The Final映画ノベライズ みらい文庫版@集英社みらい文庫】
●大目標
殺しを楽しむ
●小目標
街へ向かう
●大目標
殺しを楽しむ
●小目標
街へ向かう