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児童文庫ロワ

ノット・ワンターン・ファイブキル

最終更新:2021年08月28日 03:51

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だれでも歓迎! 編集
 勇気とは本来、稀有なものだ。物語の中のヒーローや戦士は当たり前にそれを持つから忘れがちだが、一般人が、まして子供がそれを持つことなんて滅多に無い。
 あるいはあったとしても、自らや周囲を省みない勇気、蛮勇。判断能力の低さからくる無鉄砲さ、向こう見ずさ。そういう勇気は匹夫の勇、本当の勇気とは別のものだ。
 森青葉は、初期地点から一歩も動けずにいた。
 青葉の好きな本の主人公たちならば、こういう時は迷わず行動していただろう。たとえば、この殺し合いを止めるために走り回ったり、友達が巻き込まれているかもしれないと人の多いところを目指したり、主催者を倒すために作戦を練ったり。
 青葉だってそうしたかった。彼もまた、主人公と呼ぶに相応しい不思議なことに巻き込まれている。家にあったトランクを不要に開いたら、封印されていた悪魔を街に解き放ってしまったという、どっちかというとホラーの元凶みたいなものだったが、それでも悪魔と問答したり同級生の意外な一面を見たりと、まあ非凡な経験を最近はしている。
 だがそれでも、全く身体が動いてくれなかった。
 赤い霧、赤い空、見知らぬ森。三つが揃うだけで、身動きできない。息をするのも怖い。ほんの少し動いただけで、自分を狙う恐ろしい殺人鬼に感づかれてしまうような、そんな恐れが青葉を木の根本へと縛り付ける。
 頭ではわかっている。まさかそんな、少し動いただけで死にはしないだろうと。相手はきっと自分と同じような中学生だ。きっとケンカもしたことない。というか、いきなり殺し合えと言われて殺し合わないだろう。
 だがそれでもこう考えてしまう。
 実は殺人鬼が参加者になっているかもしれない。
 実は悪魔や超能力者みたいな存在がいるかもしれない。
 実は怪物や猛獣が生息しているかもしれない。
 そう考えだしたら、もう何もできなかった。

 ――だからこそ、青葉は今まで生きてこられた。
 この森には、青葉より幼い頃に何十人も殺した忍者も、青葉より幼い頃に両親を食い殺した鬼もいる。なんなら超能力者もいたし、ついさっきオオカミが小石を蹴り飛ばしてロケランを構えていた人間の手にぶち当てて爆死させたりもした。いずれも高い感知能力を持っているため、下手に歩き回って痕跡を残していたら確実に気づかれて殺されていただろう。
 全く主人公らしくない行動を青葉はしていたが、それが青葉を主人公らしく生き残らせていた。

(じゅ、銃の音……!?)

 まあ、それにも限界が来たのだが。

 青葉の耳に聞こえてきたのは、断続的な銃の音だった。別に銃声からどんな銃かなどわかるわけはないが、それでも何度も続いて音がしているので、マシンガンみたいなものだとはなんとなくわかる。
 青葉の心臓は限界まで早くなった。
 マシンガン。まさかのマシンガンである。てっきり、バットとかナイフとか、そういうので戦うと思っていたが、まさかの銃。しかも強いやつ。

(無理だよ……なんでマシンガンなんて……)

 ハッ、ハッ、とうるさい息を手で塞ぎながら、青葉はだんだん近づいてくる音と光に注目する。逃げなければ。というか、止めなくては。そう思うのに、やはり身体は動いてくれない。
 声も聞こえてきた。男二人が戦っているようだ。なぜかこっちに向かって近づいてきている。それはたまたまだったが、青葉からすれば自分目掛けてきているとしか思えなかった。

「だ・か・ら! わしは坂本龍馬言うとるがやき!」
「お前が坂本龍馬の訳があるかぁ!」

 そして、時代劇に出てきそうな和服の人が、片手に日本刀を、片手にハリウッド映画で軍隊が使ってるようなライフルを持って、世紀末っぽい格好の隻腕の人と共に現れた。
 ……見なかったことにしたい。

「死んだ人間の名を騙るか!」
「わしは生きちょる! おい、そこの!」

 しかも声をかけられた。もう終わりだ。
 銃同士で鍔迫り合いみたいなことをしながら、坂本龍馬?の方が問いかける。ズリズリと後退りながら。なるほど、あの隻腕の人怪力なんだなあ。

「小僧まで巻きこむとはどこまでも! まとめて死ね!」
「え、まとめて!?」
「逃げい!」

 なんで、こっちまで? 疑問に思うより早く、坂本龍馬?に片腕で抱えられ地面を転がる。ズダンズダンと、銃声が響いた。

「――そこまでだ。」
「ぐあっ!」

 続けて、カッコいい声が聞こえた。そして隻腕の人の悲鳴も。
 土だらけの顔をなんとか上げて見る。青のラインが入った黒いコートの金髪の、男の人?が、ライトセーバーみたいなのを持っていた。隻腕の人の銃が真っ二つになっている。
 ……もう、わけがわからない。

「お、おまんは?」
「見ての通り、通りすがりの消防士だ。」

 そんなわけあるか。

「俺の名はアーサー・ボイル。お前は?」
「……鯨波兵庫。」

 アーサーと名乗った消防士はライトセーバー的なものを構える。
 鯨波と名乗った隻腕の人も肩から日本刀を抜いて構える。

 そして、二人の戦いが始――

「ちょ、ちょっと待ってくださぃ!」

 ――まらなかった。

 金縛りのようだった身体は、ヘンテコな消防士を見上げることでようやく動くようになった。
 それ以前に、坂本龍馬?の手で地面を転がされて、青葉の身体は動いていた。
 人に動かされて、無意識で動いて、そこまですれば後は青葉の問題だ。
 青葉に必要なのはキッカケだった。自分が動くことになるキッカケ。動き出すための最初の一歩。青葉自身ではそれを踏み出すだけの勇気も行動力も無いけれど、誰かに背中を押してもらえたならば、立ち上がれる。
 周りをグイグイ巻き込むような主人公にはなれないけれど、一歩踏み出すことなんてできないけれど、二歩目からなら走り出せる、それが青葉だった。

(止めないと、とにかく。)

 今まで縮こまっていた身体を嘘のように動かす。気合を入れた手足で真っ直ぐに三人の男達の中心に立った。そして大きく息を吸って、叫んだ。

「殺し合いなんて! やめてくださああい!」



「えっと、じゃあ、皆さん殺し合いには乗ってないんですね?」
「当たり前だろう、騎士道に反する。」
「殺し合えって言われて殺し合う奴はおらんがやき。」
「……殺したい奴なら他にいる。」

 数分後、四人は車座になって話していた。青葉の叫びが心に響いたからかそれとも戦いの雰囲気を損なったからか、なんとかそれぞれの武器を下ろさせることに成功した。そもそも誰もマーダーでないことも大きかったのだろう。
 とはいえ、青葉はさっきとは別の理由で混乱していたのだが。

「えっと……坂本龍馬さん、ですよね?」
「そう言うちょるがやき。それをこいつが誰かと勘違いして襲って――」
「坂本龍馬はとっくに死んでる。」
「なんだ、殺人事件の話か?」
「……タイムスリップ、てこと?」

 坂本龍馬と名乗る坂本龍馬と、坂本龍馬を知らないアーサー。話を聞く感じ現代の人間のはずなのに騎士王で消防士で金髪で未成年のアーサー。色々とわけがわからない。
 坂本龍馬はわかる。たぶん、タイムスリップしてきたのだろう。
 鯨波もわかる。聞いた感じ、龍馬が暗殺された後からタイムスリップしてきたのだろう。
 この二人はいい。
 問題はアーサーだ。

「消防士って成人じゃなくてもなれるのかな……金髪も怒られそうだし……後、騎士って……」

 青葉はアーサーという存在を飲み込めずにいた。
 その男、騎士王で消防士。つまりどういうことなのか。
 ファンタジーな異世界から来たのかな?とも思ってみたものの、話を聞くと同僚とラーメン屋行ったとか報告書が煩雑(という難しい言葉をアーサーが言ったわけではないが)だとか、なんか聞く感じ消防士っぽくはある。そして話した感じバカっぽいので、坂本龍馬を知らないのも単にバカだから、という可能性も捨てきれない。

「……それで、これが。」
「フッ……これが俺の約束された勝利の剣《エクスカリバー》だ。」
(なんかさっきと名前違くないかな……?)

 エクスカリバー、というすごい名前のついた、なんかすごい剣。ライトセーバーのように刀身が出たり引っ込んだりする。
 これだ。問題はこれだ。
 現代人で、騎士王で、SFみたいな武器を持ってる消防士。これはなんだろう、なんなんだろう。

(まあ、悪魔がいるなら、そういう人もいる……わけないよね。)

 一瞬、黒いモフモフとしたカワイイ悪魔が頭を過る。「ナメてんじゃねーぞ」と相棒に頭の中で悪態をつかれた。

「――青葉、俺は少し外す。」
「待ぃ、わしも行く。」
「……」

 あ、え、と声にならない声が出た。
 青葉が考え込んでいる間に、アーサー達は立ち上がり一方向を見ていた。
 何を、と言おうとするも、声が出ない。こういう時に声が出ないのが青葉で、そんな自分が嫌になる。人になにか強く言えないのだ。特に強い意志とかを感じる相手には。
 だが、それ以外にもなにか声に出せないものを感じた。
 この感覚は――悪魔と相対したときのような。

「来るぞ!」

 アーサーが叫ぶ。舌打ちしながら鯨波が青葉を担ぐ。チラッと見てきた龍馬と目が合った。
 そして四人は、森の中で赤い津波に飲まれた。



「水遁・大瀑布の術!」

 桃地再不斬が複雑な印を結び終えると、どこからともなく湧いてきた水が先程の水の龍を模っていた水と合わさり、赤い霧を巻き込んで嵩を増していく。
 森の中に突如として現れた水塊は、濁流となって下弦の伍・累へと殺到した。

(首輪を守らないとまずい。)

 目を見開き逃げ場を探すも、面で迫る攻撃を避けるには時間も距離もない。鬼殺隊では絶対にやってこない攻撃に反応が遅れる。それでも回避を諦め、水に飲み込まれるまでに顎から肩にかけてを蜘蛛の糸で固めたのはさすが十二鬼月と言うべきか。
 身体に刺さる木や石礫を感じながら累は首輪の厄介さを痛感していた。これがあるおかげで実力が出しきれない。迂闊に飛んで走ればその勢いで壊れかねない。累はこれまでの再不斬との戦いで、首輪から幾度となく不穏な音が聞こえてきていたことを気にしていた。思えば、最初に頸を斬り飛ばされたときは運が良かった。音に気づいて戦闘中に首輪の頑丈さについて気を配ろうと思わなければ、同じことをして首輪を壊していたか、あるいは自壊させていたか。いずれにしても負けていただろう。
 だが、負けかねないというのならば今もだ。彼はその名前を知らないが、コルセットのように首から肩まで固めたことで視界は大きく制限された。それは再不斬を相手取るにはあまりに大きな隙。突如としてその身を流す津波は、容赦なく累を揉みくちゃにする。
 そして、ザブン、という音を立てて岩へと叩きつけられた。鬼の身であるためダメージなどあってないようなものだが、これ以上ない隙を見せてしまう。なんとか腕を動かして頸を守ろうとするも、先程作った糸の鎧が邪魔になり肘から先しか動かない。視界の端で再不斬がこちらに何かを高速で投げつける。それが手裏剣だと認識するより早く累は鎧を更に厚くした。
 頸へ走る衝撃。ガツガツという音。鎧に弾かれた手裏剣が累の顔を傷つける。だが累は無表情ながらもホッとする。手裏剣程度ならばこの鎧は抜けないことに。

「アーサー! しっかりせい!」
「も、もんらいなひ……」
「……八ツ目、ではないか。」
「ゴパッ、カハッ! て、鉄砲水……?」
「……また変なのが出た。」

 追撃を避けるために岩から離れつつ走り、濡れ鼠の四人に気づく。偶然かそれとも狙ってか、再不斬の水により同様に流されてきたのだろう。と、そこで累はようやく、自分が元いた位置、つまりは小屋の近くにいることに気づいた。随分と流されたように感じながらも、水に揉まれただけでほとんどその場から動かなかった……そう思いかけて、違うと思い直す。
 累は四人もの人間が近くにいることに気づかないほど、再不斬だけを警戒していたわけではない。間違いなくこの四人は軽く数十間内にはいなかった。ということは、再不斬は水を大きく動かして元の位置にまで戻したということ。

(何が目的だ?)

 何らかの狙いがあるのかそれともそういう術なのか。判断に困る。ならば、最初の目的を果たすのみ。

「痛ぁ! もっとゆっくり抜け!」
「すまんのう、わしを庇って頬に木の枝突き刺さ――危ないっ!」
「血鬼術・刻糸牢」

 現れた四人に向かい血鬼術を放つ。と同時に、背中に向けて血鬼術を放った。「ちいっ!」と声が聞こえる。
 柄にもなく累の口角が上がる。疑問にするなら、『ニヤリ』。
 累が戦うのは一人、再不斬のみ。他の四人はどうでもいい。後で殺せばそれで終わりだ。
 だから累は、あえて四人へと攻撃を加えた。そうすれば自分の背中から、今度は一度目の時のようにあの不条理にデカい刀で直接頸を斬り落とそうとすると再不斬の行動を読んだのだ。

「血鬼術・殺目篭」

 捉えた。累は再不斬も四人もまとめて血鬼術へと捉える。それはドーム状に張られた鋼糸。累を基点に収縮し、内部の者を皆殺しにする殺戮の檻。都合五人纏めて死ね。

「やべぇ! 水牢の術!」
(水を自分の周りに張り壁としたか。無駄だ。)

 焦り叫ぶ再不斬に構わず、拡げた手を握る。同時に鋼糸が収縮し、容赦無く再不斬を細切れにした。
 そして再不斬は、水になった。

「……は?」
(水? なぜ? 水を操る血鬼術? 違う、鬼じゃない。 水の、人形、分身!?)
「つふぃからつふぃからあふねえなあ!」
「え?」

 頸だけ振り返ろうとして、できずに体ごと背後を見る。そこには、金髪の男が光る刀を持って吠えていた。ここで、累の思考回路は完全にショートした。牽制で放った刻糸牢で死なないのはいい。元より当てることも殺すことも無視した、最低限のものだ。だが、殺目篭は違う。並みの鬼殺隊では斬れぬものを、なぜあの金髪は斬っている?
 その答えは、アーサーの持つエクスカリバーにある。エクスカリバーは炎からプラズマを生じさせて刀身を形づくる。そして累の鋼糸は蜘蛛の糸である以上燃えてしまう。だが、そんなことを累が知る由もない。ただただ、信じられないものを、それこそ鬼でも見たような人間の顔で戸惑う。
 ゆえに、その攻撃に反応したのは奇跡とも言える。ギリギリで自分の背中に迫る再不斬の断刀を頭で受け止める。頭の真ん中を顎まで兜割りにされながら、累は驚愕していた。危なかった、あと一歩で頸まで刀が達していた。いや、達している。顎まで張った蜘蛛の糸、鋼糸の鎧がスレスレで刃を止めていた。

(――おかしい。刀が軽い。動きも遅かった。何か変だ。なんだ。そうか、分身――)
「水牢の術。」
「なん、だ。」

 止まった思考に続いて、体の自由を奪われる。反射的に目の前の相手に血鬼術を放ち直ぐに拘束を解く。再び再不斬が水に戻る。また、やっぱり、分身。ならまた奇襲を――

 ドオオオオオオオオオン!!!!

 咄嗟に振り返、れない。思考も行動も頸の周りも、遅い。あまりに遅い。それでもなんとか、振り返る。
 目の前に砲弾が迫っていた。
 更に咄嗟に頸を切り離して、できない。
 頸には、累自身が作った鋼糸の鎧がある。

(まさか、アイツ最初からこれを狙って――)

 累の意識は、それを最後に途絶えた。



「お、おま、撃つときは、撃つって……」
「言ってたらあの童に気づかれたろうが。」
「おふぃ、あおふぁ、ふいっふぁりひろ!」
「だ、大丈夫です、アーサーさん……」
「なんふぁっふぇ!? ほえふぇふぇないふぉ!」
「そうですね、逃げましょう……」
「こっちの二人は耳がやられたか……鯨波さん、ひとまず、小屋の中に運びましょう。」

 跡形もなく吹き飛んだ累の前で五人の男達が話していた。もちろん、坂本龍馬、鯨波兵庫、アーサー・ボイル、森青葉の四人と、そしてあと一人。筋肉質な身体をタンクトップに押し込めているその男の名前は、富竹ジロウ。
 再不斬と累の戦いをずっと見ていた彼が、この戦いを終わらせるキッカケになった。
 彼が小屋越しに鯨波兵庫に呼び掛けて引き合わせたのは、会場に配置されている強力なアイテムである大砲。その砲撃で再不斬と累を混乱させその隙に逃げようというのが彼の目的だった。本当は二人がかりでなんとか撃とうとしていたのだが、まさか一人で義手に括り付けた挙句に累と再不斬目掛けてぶっ放してしかも当てるなどとは考えてもいなかったので、目の前で行われた殺人に思うところはあるものの、友好的に話しかける。何分死んだのが明白に化物と言っていい人智を超えた二人だけに、物騒な風体と言動ながらもちゃんと会話ができる鯨波に安堵していた富竹である。
 その鯨波だが、様子がおかしいことに富竹は気づいた。今まで普通に会話していたのに、突然黙り込んだ。それどころか、なぜか自分の視界が地面へと迫っていく。しかもなんだか気分が悪い。

「お、おまん、死んちょるぜよ!」

 ドサリ、と自分の首が落ちる音と同時に、首を撥ねられた龍馬が叫ぶ。貴方もですよ、と言おうとしてできず、顔に何か水らしきものがかかる。もう音も聞こえないが、それは倒れた鯨波の首の切断面から吹き出た血だと残った視覚でわかった。

(なんで、生きてる。)

 そして富竹が最後に見たのは、鯨波の砲撃で死んだはずの再不斬の姿であった。



「なかなかのチャクラ刀だったぜ。」

 再不斬は今しがた殺した五人の血溜まりに半ばから折れた首斬り包丁を浸す。血を吸い繋がっていく愛刀を見ながら一つ一つ死体を見返した。
 再不斬は最初、累から逃げる気で水遁を使った。元から富竹の存在には気づいていたため、水分身を仕込む隙を産んで距離を取ったあとは、それらで足止めするというのがプランだった。
 嬉しい誤算は、鯨波たち四人の存在だ。鯨波と龍馬の戦闘音は、彼の耳にはしっかりと届いていた。もちろん正確な人数やそもそも人がいるかまでは不明だったが、大瀑布を操作したところまさか四人も、生きたまま連れてこれるとは。そして無音殺人術の達人である再不斬からすれば、この赤い霧も普段より感覚が鈍る程度のもので霧が無いよりよほどやりやすい。得意の水遁で攻撃を加えていけば次第に累から余裕が無くなっていくのがよくわかった。
 そしてもう一つの嬉しい誤算は、巻き込んだ人間たちが戦えたことだ。鯨波の砲撃は決定打になると踏んで水分身が水牢の術を使ったが、ものの見事に上手く行った。アーサーのエクスカリバーもあの厄介な蜘蛛の糸を切って捨てるなど目を見張るものがある。もしまともに戦っていればまた骨が折れる相手だっただろうと、太刀打ちされて切断された首斬り包丁を見ながら思う。

「死ねば同じだがな。」

 くつくつと笑いながら、再不斬はくっついた首斬り包丁を背負い歩き出す。
 撤退しようとしていた彼が残って五人を殺したのは、彼らが都合が良すぎる存在だからだ。あのガキに一杯食わせるような奴らに徒党を組まれていれば今後やりにくくなる。自分の姿も見られている以上、殺しておくのが後腐れない。それに、件の砲撃で彼らは混乱していた、耳が潰れていた。これを見逃すなど、鬼人の名折れだろう。
 だから、再不斬は殺した。いい加減チャクラの消耗もあるので今度は累の時のように忍術は使わず、純粋な剣術と体術で瞬く間に四人殺した。唯一抵抗したのはアーサーだったが、一太刀防がれた次の瞬間には心臓を殴り潰していた。

「こいつは貰っていくぜ。」

 唯一首を落とし損ねたアーサーの死体から首を撥ねると、手に握りこんだ十字の柄を奪う。こんなものでも何かの役に立つかもしれない。
 再不斬は霧のようにその場を離れた。



【0100過ぎ 森林地帯にある作業小屋近く】

【桃地再不斬@NARUTO-ナルト-白の童子、血風の鬼人(NARUTOシリーズ)@集英社みらい文庫】
【目標】
●大目標
 生き残る
●小目標
 この場から離れる



【脱落】


【累@鬼滅の刃 ノベライズ〜きょうだいの絆と鬼殺隊編〜(鬼滅の刃シリーズ)@集英社みらい文庫】
【森青葉@悪魔のパズル なぞのカバンと黒い相棒(悪魔のパズルシリーズ)@集英社みらい文庫】
【坂本龍馬@恋する新選組(1)(恋する新撰組シリーズ)@角川つばさ文庫】
【鯨波兵庫@るろうに剣心 最終章 The Final映画ノベライズ みらい文庫版@集英社みらい文庫】
【アーサー・ボイル@炎炎ノ消防隊 悪魔的ヒーロー登場(炎炎ノ消防隊シリーズ)@講談社青い鳥文庫】
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