ここはとある喫茶店。
大太刀からの逃亡を果たした鱗滝とアキノリは、いったんここに落ち着きそれぞれ自己紹介を行っていた。
大太刀からの逃亡を果たした鱗滝とアキノリは、いったんここに落ち着きそれぞれ自己紹介を行っていた。
「令和22年……?」
「うん、俺の連れてこられた時代はそう」
「それは、大正から見てどれほど未来だ?」
「えーっと、令和の前の平成が30年ちょっと続いてて……。
さらにその前の昭和が60年ちょっとだったはずだから……。
100年くらいになるのかな」
「なんと……!」
「うん、俺の連れてこられた時代はそう」
「それは、大正から見てどれほど未来だ?」
「えーっと、令和の前の平成が30年ちょっと続いてて……。
さらにその前の昭和が60年ちょっとだったはずだから……。
100年くらいになるのかな」
「なんと……!」
自分とアキノリで生きていた時代が100年も違うという事実を突きつけられ、さすがの鱗滝も動揺を隠せない。
「あのウサギのような鬼は、時を操ることができるというのか……。
にわかには信じがたいな」
「俺も、実際にそういう能力持ってる妖怪を見たことがあるわけじゃないけどさ。
最上位の妖怪ともなると、めちゃくちゃな力持ってるからなあ。
タイムスリップができるやつがいてもおかしくないと思うよ。
……まあ、あのウサギがそこまでのやつとは思えなかったけど」
にわかには信じがたいな」
「俺も、実際にそういう能力持ってる妖怪を見たことがあるわけじゃないけどさ。
最上位の妖怪ともなると、めちゃくちゃな力持ってるからなあ。
タイムスリップができるやつがいてもおかしくないと思うよ。
……まあ、あのウサギがそこまでのやつとは思えなかったけど」
実際、並行世界においてアキノリは仲間たちと共に何度もタイムスリップを経験することになる。
しかし、今ここにいるアキノリにそれを知るすべはない。
しかし、今ここにいるアキノリにそれを知るすべはない。
「となると、ウサギの背後にさらなる力を持つ化物がいるのかもしれんな」
「あんまり考えたくないけどねー。
羅仙みたいなのともう1回やるなんてごめんだよ」
「あんまり考えたくないけどねー。
羅仙みたいなのともう1回やるなんてごめんだよ」
二人の友と肩を並べて挑んだ強大な鬼のことを思い出し、アキノリは眉間にしわを寄せる。
「まあ、とにかく! さっきの鎧武者に勝つためにも、いずれ戦うことになるだろう黒幕に勝つためにも!
仲間を集めようぜ!」
「たしかに……。わしとおぬしだけでは、とうてい殺し合いに乗った輩に対抗しきれん。
戦力を集める必要があるな」
「そう! だからさっそく……」
仲間を集めようぜ!」
「たしかに……。わしとおぬしだけでは、とうてい殺し合いに乗った輩に対抗しきれん。
戦力を集める必要があるな」
「そう! だからさっそく……」
アキノリが喫茶店の扉を開けた、その直後。
彼の耳に、不自然な音が飛び込んできた。
彼の耳に、不自然な音が飛び込んできた。
「なんだ、この音。アラーム?」
「警報か?」
「まあ、そんな感じ……。ひょっとして、誰かが助けを求めてならしてるのかも。
まさか、さっきのあいつが別の誰かを襲ってるのか!?」
「待て!」
「警報か?」
「まあ、そんな感じ……。ひょっとして、誰かが助けを求めてならしてるのかも。
まさか、さっきのあいつが別の誰かを襲ってるのか!?」
「待て!」
慌てて駆け出そうとするアキノリの腕を、鱗滝がつかむ。
「なんで止めるんだよ、鱗滝さん!」
「警報を鳴らしているのが、被害者とは限らん。
危険な輩が、獲物を集めるためにやっている可能性もある」
「いや、そりゃそうだけど……。
だからって放っておくわけにもいかないじゃん!
本当に誰かが殺されそうになってるかもしれないのに!」
「警報を鳴らしているのが、被害者とは限らん。
危険な輩が、獲物を集めるためにやっている可能性もある」
「いや、そりゃそうだけど……。
だからって放っておくわけにもいかないじゃん!
本当に誰かが殺されそうになってるかもしれないのに!」
鱗滝の忠告を受けても、アキノリは揺らぐ様子がない。
鱗滝としても、一人でも多くの人間を助けたいという気持ちはアキノリと同じだ。
だがそのために、鬼殺隊でもない少年に無謀な行いをさせるわけにはいかない。
どう説得したものかと鱗滝が頭を悩ませていると、新たな情報が二人の耳に飛び込んできた。
鱗滝としても、一人でも多くの人間を助けたいという気持ちはアキノリと同じだ。
だがそのために、鬼殺隊でもない少年に無謀な行いをさせるわけにはいかない。
どう説得したものかと鱗滝が頭を悩ませていると、新たな情報が二人の耳に飛び込んできた。
「誰か、助けてーっ!」
その声は、アラームとは逆方向から聞こえてきた。
二人がその方向に顔を向けると、そこには青ざめた顔で走る少年の姿があった。
それを追いかけるのは、彼らにとって未知の異形。
どことなく忍者のような雰囲気を纏った、二足歩行のカエルだった。
鱗滝達は知るよしもないが、このカエルは「ゲッコウガ」と呼ばれるポケモンの一種。
そしてこの個体は、とある研究所の警備に使うため攻撃的に育てられていた。
それ故バトルロワイアルのルールを理解していないながらも、近づいてきた人間を「敵」と認識して攻撃を加えているのだ。
二人がその方向に顔を向けると、そこには青ざめた顔で走る少年の姿があった。
それを追いかけるのは、彼らにとって未知の異形。
どことなく忍者のような雰囲気を纏った、二足歩行のカエルだった。
鱗滝達は知るよしもないが、このカエルは「ゲッコウガ」と呼ばれるポケモンの一種。
そしてこの個体は、とある研究所の警備に使うため攻撃的に育てられていた。
それ故バトルロワイアルのルールを理解していないながらも、近づいてきた人間を「敵」と認識して攻撃を加えているのだ。
「うああっ!」
逃げていた少年の口から、悲鳴が飛び出す。
ゲッコウガの放った「みずしゅりけん」が、彼の肩を切り裂いたのだ。
飛び散る鮮血を見て、鱗滝は迷わず刀を抜いて駆け出す。
相手が未知の存在だからといって、探りを入れている余裕はない。
少年を守るために、切り伏せなければならない。
ゲッコウガの放った「みずしゅりけん」が、彼の肩を切り裂いたのだ。
飛び散る鮮血を見て、鱗滝は迷わず刀を抜いて駆け出す。
相手が未知の存在だからといって、探りを入れている余裕はない。
少年を守るために、切り伏せなければならない。
一方のゲッコウガも、自分に向かってくる鱗滝をより警戒すべき存在と認識してターゲットを切り替える。
鱗滝に向かって、次々と放たれる「みずしゅりけん」。
だが鱗滝は、冷静に一つずつそれを叩き落としていく。
やがて、ゲッコウガが刀の間合いに入った。
鱗滝に向かって、次々と放たれる「みずしゅりけん」。
だが鱗滝は、冷静に一つずつそれを叩き落としていく。
やがて、ゲッコウガが刀の間合いに入った。
水の呼吸・壱ノ型 水面斬り
一閃。
ゲッコウガの首が、宙を舞った。
ゲッコウガの首が、宙を舞った。
◆ ◆ ◆
「君、大丈夫!?」
鱗滝がゲッコウガを斬ったのを確認すると、アキノリは肩を押さえてうずくまる少年に駆け寄る。
「すごく痛いけど……。なんとか……」
「俺、有星アキノリ。君は?」
「僕は……日向冬樹です……」
「日向か。オッケー、覚えた。
他にもいろいろ聞きたいけど……。だいぶつらそうだな、その怪我」
「見せてみろ」
「俺、有星アキノリ。君は?」
「僕は……日向冬樹です……」
「日向か。オッケー、覚えた。
他にもいろいろ聞きたいけど……。だいぶつらそうだな、その怪我」
「見せてみろ」
二人の会話に、刀を収めた鱗滝が割って入る。
「どう、鱗滝さん」
「今すぐ命に別状はないだろうが、放置するのはまずいな……。
応急処置ならこの場でもできるが、本格的な治療となると……」
「たしか、ここに来る途中で病院があったよな。
でも……」
「でも……?」
「日向はそれどころじゃなかったかもしれないけど……。
さっき病院の方向から、爆発音みたいなのが聞こえてきたんだよなあ……」
「わしにも聞こえていた。
それに、警報が止まっているな」
「よくわからないけど……病院で何か起こってるかもしれないってことですか……?」
「そういうことだ」
「今すぐ命に別状はないだろうが、放置するのはまずいな……。
応急処置ならこの場でもできるが、本格的な治療となると……」
「たしか、ここに来る途中で病院があったよな。
でも……」
「でも……?」
「日向はそれどころじゃなかったかもしれないけど……。
さっき病院の方向から、爆発音みたいなのが聞こえてきたんだよなあ……」
「わしにも聞こえていた。
それに、警報が止まっているな」
「よくわからないけど……病院で何か起こってるかもしれないってことですか……?」
「そういうことだ」
鱗滝は考える。
怪我の治療は早急に行わなければならない。
だが現在、病院ではもめ事が発生している可能性がある。
危険を承知で向かうか、あるいは他に治療できる場所がないか探すか。
彼の決断は……。
怪我の治療は早急に行わなければならない。
だが現在、病院ではもめ事が発生している可能性がある。
危険を承知で向かうか、あるいは他に治療できる場所がないか探すか。
彼の決断は……。
【0100 市街地】
【有星アキノリ@映画妖怪ウォッチシャドウサイド 鬼王の復活@小学館ジュニア文庫】
【目標】
●大目標
生き残る
●小目標
冬樹の治療を行う
【目標】
●大目標
生き残る
●小目標
冬樹の治療を行う
【脱落】
【ゲッコウガ@名探偵ピカチュウ@小学館ジュニア文庫】
【ゲッコウガ@名探偵ピカチュウ@小学館ジュニア文庫】
【残り参加者 243/300】