「誰かーっ! 助けてちょーっ!」
路地裏に、切羽詰まった声が響く。
声の主は、気絶から回復したイヤミである。
声の主は、気絶から回復したイヤミである。
目覚めたイヤミは、まずは自分が生きていることに浮かれた。
しかしすぐに、後ろ手に縛られていることに気づく。
結び方自体は決して複雑なものではないが、それでも縛られている本人がほどくのは困難。
ついでにスタープラチナのパワーで結ばれたため、結び目は生半可な固さではない。
なんとかほどけないかと悪戦苦闘してみたイヤミだったが、10分ほどで断念。
助けを求める方向に切り替えたのである。
しかしすぐに、後ろ手に縛られていることに気づく。
結び方自体は決して複雑なものではないが、それでも縛られている本人がほどくのは困難。
ついでにスタープラチナのパワーで結ばれたため、結び目は生半可な固さではない。
なんとかほどけないかと悪戦苦闘してみたイヤミだったが、10分ほどで断念。
助けを求める方向に切り替えたのである。
「このままではまずいザンス。
こんな状態で殺し合いに乗ってるやつに見つかったから、抵抗もできずにジ・エンドザンス。
誰か、善良な方ーっ! 助けてちょーよーっ!」
こんな状態で殺し合いに乗ってるやつに見つかったから、抵抗もできずにジ・エンドザンス。
誰か、善良な方ーっ! 助けてちょーよーっ!」
「どうしたんだい、君」
「おお、救いの神が! お願いだから、ミーを助けてほしいザンス!」
一瞬面食らったイヤミだったが、すぐにその足下にすがりついて助けを求める。
彼にとって、助けてくれるなら洋梨だろうが宇宙人だろうがどうでもいいのである。
彼にとって、助けてくれるなら洋梨だろうが宇宙人だろうがどうでもいいのである。
「腕を縛られているのか……。なぜこんなことに?」
「それが……。いきなり細マッチョの男に殴られて気絶してしまい、気づいたときにはこうなっていたザンス!
なんてかわいそうなミー! さあ、早くこのいましめを解いてちょーよ!」
「ふーん……」
「それが……。いきなり細マッチョの男に殴られて気絶してしまい、気づいたときにはこうなっていたザンス!
なんてかわいそうなミー! さあ、早くこのいましめを解いてちょーよ!」
「ふーん……」
「な、なんザンス? ミーが何か、不審な行為でもしたって言うザンスか?」
「ああ、そうだね」
「シェ……あだあっ!」
「ああ、そうだね」
「シェ……あだあっ!」
「状況が不自然だよ。その細マッチョが殺し合いに積極的なら、拘束なんてまどろっこしいことはせずに殺せばいい。
なのに拘束でとどめたってことは、細マッチョさんは殺し合いをするつもりはなかった可能性が高い。
じゃあなんで、君は拘束なんてされたのかな?」
「い、いや、それをミーに聞かれても……」
「君の方がその細マッチョさんを襲って、返り討ちにされたんじゃないのかい?」
「そ、そんなことは……」
なのに拘束でとどめたってことは、細マッチョさんは殺し合いをするつもりはなかった可能性が高い。
じゃあなんで、君は拘束なんてされたのかな?」
「い、いや、それをミーに聞かれても……」
「君の方がその細マッチョさんを襲って、返り討ちにされたんじゃないのかい?」
「そ、そんなことは……」
図星を突かれ、イヤミの顔が大粒の汗でいっぱいになる。
これでは口でいくら否定しようとも、説得力がまるでない。
これでは口でいくら否定しようとも、説得力がまるでない。
「しょ、証拠! 証拠がないザンス!
推測だけでミーのような善良な一般市民を見殺しにするザンスか?」
推測だけでミーのような善良な一般市民を見殺しにするザンスか?」
「わかったよ。まあたしかに、見捨てるのも夢見が悪いしね。
君からは、僕と似たにおいがするし」
「わかってくれればいいザンスよ。さあ、早く拘束を解いて……。
って、あれ?」
君からは、僕と似たにおいがするし」
「わかってくれればいいザンスよ。さあ、早く拘束を解いて……。
って、あれ?」
「い、いや、何してるザンス!?
一刻も早く拘束を……」
「自由にされた途端に襲われたんじゃたまらないからね。
しばらくはそのままでいてもらうよ。
まあ、何かあったらできる限りは守るから」
一刻も早く拘束を……」
「自由にされた途端に襲われたんじゃたまらないからね。
しばらくはそのままでいてもらうよ。
まあ、何かあったらできる限りは守るから」
「なんザンスか、この扱いは!
この人でなしー!」
「うん、人じゃなくて梨だね」
「ああ、なるほど……って、納得してる場合じゃないザンス!
というか、その体型で車の運転なんてできるザンスか!?」
「できなくはない!」
この人でなしー!」
「うん、人じゃなくて梨だね」
「ああ、なるほど……って、納得してる場合じゃないザンス!
というか、その体型で車の運転なんてできるザンスか!?」
「できなくはない!」
なおもわめき続けるイヤミをよそに、軽トラはゆっくりと走り出した。
【0200 住宅地の外れ】