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児童文庫ロワ

燻り

最終更新:2025年02月04日 02:21

jidoubunko1

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だれでも歓迎! 編集
 ツノウサギと名乗った鬼の手により殺し合いの幕が開いて小一時間。
 藪の多い木立でうずくまる小さな影があった。

「そろそろ一時間ぐらいかな。これまで何もないっていうのは、つまり本当に、子ども同士で……」

 木に背中を預けて独り言を言いながら、周りへの警戒を欠かさない少女。
 彼女の名前は君野明莉。
 光明台小学校に通う六年生の小学生だ。
 勉強もできて運動もできて顔もかわいい、その上明るい性格と周りへの気遣いができるという天に二物どころか三物も四物も五物も与えられた女の子である。
 もちろん本人はそのことを鼻にかけたりしない。性格がいいから。そして性格がいいから自然と周りから人気が集まるので、四年生の時から三年連続で生徒会長をやっている。
 ダメ押しに、ふつうの人間には一生あってもできないような経験もしていた。
 迷宮教室。
 行先マヨイと名乗る怪人物による、生徒を苦しませることだけを目的とした死の授業だ。
 カゲアクマという化け物に襲われ、触れられれば苦痛と共にカゲアクマになり、理性を無くしてマヨイに操られる。
 明莉は幼なじみのヒカルや遊と共に封鎖された学校に六年一組の生徒全員と拉致され、カゲアクマをけしかけられ、何度も何度も仲間を犠牲にする選択を強いられた。
 そして奇跡的に元の日常に帰れたと思ったら、今度もまた変なやつに命がけのゲームを強制される。そうなったならこの殺し合いを前回の迷宮教室と同じようなものと思うのは当然だろう。
 ただ明莉は、今回は前回よりももっと危険だろうと感じていた。
 前はやさしくて頼りになるヒカルや、おだやかでプロEスポーツプレイヤーの遊、他にも様々な特技を持ったクラスメイトが一緒だった。しかし、今回は明莉一人。場所も六年間通った小学校ではなくどこかもわからない森の中。さらに、首には人を殺すことのできる首輪。前にはなかった、さびしさが怖さを強くする。

「あ〜ダメダメ、クヨクヨしたって! こういう時は深呼吸だよね、深呼吸。スー、ハー、スー、ハー……」

 押し寄せてくる不安に体が潰されるような気がして、明莉はわざと大声を出して立ち上がった。一人でじっとして色々考えていると、どうしても恐ろしいことで頭の中が埋まっていく。それを息と一緒に吐き出そうと、両手を広げて、胸を開いて、大きく息を吸って、吐いた。

(こういう時、ヒカルなら一緒に深呼吸してくれるんだよね。)

 頭に酸素が回ったからか、嫌なことが出ていく代わりに親友のことが頭の中を埋めてきた。
 ちょっと天然で、でも時々すごいひらめきをして、どんなピンチの時も絶対にあきらめない、そんな自慢の幼なじみがヒカルだ。
 四年生で生徒会長になる時も、ヒカルの言葉があったから明莉はやろうと思えた。
 この前の迷宮教室でも、ヒカルの諦めない言葉とひらめきで脱出することができた。
 そんなヒカルが、この殺し合いに巻き込まれているかもしれない。そう思うと胸が張り裂けそうで、でもヒカルがいるならなんとかなると思えて安心できて、明莉は複雑な気持ちになる。

「よし! そろそろちょっと動いてみようかな。」

 明るい声を出して、ぐっと気合いを入れると、明莉はズボンの土を払った。
 カゲアクマを警戒して一時間ぐらい動かないようにしていたが、どうやら来ないようだ。殺し合わないと出てこないとか逆に殺し合わないと出てくるとか、そういう理由について考えるのは歩きながらすることにした。動き出さないと始まらない。
 そう決めると、明莉は背中を預けていた木へと向いた。山で迷った時は上の方に歩くのがいいと、どこかで聞いたことがある。なだらかでも斜面になっている山を登ろうとすると……

「あっ……」
「あっ!」

 こちらへと歩いてくる男の子と目が合った。
 霧でよく見えないが、たぶん、明莉と同じぐらいの年だと思う。
 気の強そうな目が驚いたように明莉を見ていた。
 真っ白なカッターシャツと紺のスラックスに泥で汚れた革靴、どこかの制服だろう。私立の子か、それとも中学生か。
 緊張してる感じが伝わってくる。でもマヨイから感じたような、ドロっとした悪意みたいなものはない。
 男の子が歩いてくるから、明莉も歩き出した。

「その様子じゃちがうと思うが……殺し合いには乗ってないよな?」
「当たり前でしょ! 私、君野明莉。あなたは?」
「……李小狼、俺も乗ってない。君野、これまでに誰か会わなかったか?」

 名前だけ名乗って自己紹介もせずに誰かと会わなかったか聞くなんて、きっと誰か大切な人がいるんだろうと明莉は思った。
 ヒカル達が心配で同じようなことを聞きたい気持ちは明莉にもある。ていうか聞く。

「ううん、あなたが初めて。そっちは?」
「いや、俺もお前が初めてだ。クソっ、まずいな……」
「誰を探してるの?」

 あ、顔が赤くなった。

「大切な、仲間だ……」
「どんなところが好きなの?」
「なっ……! か、関係ないだろ!」

 なるほど、すごくわかりやすい。
 もう顔が真っ赤になって、全身カチコチになっている。

「ごめんごめん! リーさん、わかりやすくて、つい。」
「お前……まあいい。それより君野、これからどうする? どこかに行くアテはあるのか?」
「ぜんぜん。気がついたらここにいてそれからほとんど歩いてないもん。リーさんも迷子みたいな感じでしょ?」
「ああ。だから着いてこいとは言わないけれど――」

 言いかけて、小狼は言葉を止めた。
 明莉から見て左の方へと頭を向ける。
 同じように明莉もそっちを見た。
 微かに聞こえた気がしたのは――爆音。

「今の、聴こえたか。」
「うん、何かが破裂した……っていうか、爆発したみたいな音、だよね。」

 小狼の意志の強そうな目が、どうする?と問いかけているような気がした。
 何もあてがないところで響いた音。答えは一つだ。

「リーさん、私着いていきたい。それで、あの音を調べたい。」
「わかった。少し急ぐぞ。」
「まかせて。私かなり足速いから。」
「俺が前を走る。足下に気をつけろ、ところどころ木の根っこがせり出してる。」

 そう言って駆け出した小狼に続いて明莉も駆け出した。
 気を遣ってくれているのだろう、かなりゆっくりしたスピードで、ランニングというよりはジョギングに近い。
 明莉も本当はもっと速く走れるけれど、いきなりの運動だし視界も足下も悪いし、なにより頭の中を整理するにはちょうどいいペースだった。そしてそれをしゃべりながら走るにも。

「迷宮教室って、知ってる?」

 たぶん信じてもらえない。そうわかっていても話し始めた明莉が燃える戦車と何かの基地のようなものを見つけたのは、一通り話し終えた頃だった。


 基地の中の食堂につけられた時計は、4と5の間で長針と短針が重なっていた。
 次元遊は、窓の外で上がる一筋の黒煙を見ながらペットボトルの水を飲んだ。
 赤い空に昇っていく煙は、次第に黒い雲に溶けていく。それが人間が燃えたことで生まれたとは、聞かされなければわからなかっただろう。
 その煙の出処を見ようと視線を下に向けると、小狼がちょうど火元の戦車から戻ってきたところだった。

「遊、大丈夫?」
「え、ああ、うん。ちょっとね。」
「ヒカルのことが心配?」
「まあね。まあでも、巻き込まれててもなんとかやってる気がするけど……」

 飲み終わったペットボトルをゴミ箱へと投げる。かすりもせずハズレたそれを拾うと、元の位置へと戻ってまた投げる。ハズレて、拾って、投げる。それを何度も繰り返して、最後にはキレイに真ん中に入った。

「ヒカルなら絶対に諦めないから。」



 明莉と小狼が森を抜けて、四宮かぐやとチェロが爆殺された戦車から立ち昇る煙を頼りに基地へと辿り着いたのは、あれから小一時間は経った頃のことだった。
 人を殺す道具が炎を上げて燃えているというのは、否が応でも二人に、自分たちが巻き込まれているものが殺し合いだと認識させる。それに加えて、自衛隊の基地が殺し合いの場にあるということが、警察や大人に頼ることができないのだと二人に理解を強いていた。

「あれって、戦車、だよね。」
「ああ。俺も本物を見るのは初めてだけど。」
「リーさん、戦車倒せる?」
「……武器があれば。」
「じゃあ、つまりさ、戦車倒せるぐらいすごい武器持ってる人がいるってことだよね。たぶん、あそこに。」

 どうする?と目で訴える。
 戦車があるのも驚きだが、それが壊れている理由を考えればもっと驚きだ。
 きっとあの戦車は殺し合いに使われたのだろう。そしてなんかすごい武器で壊されたのだろう。でなければ、カゲアクマ的ななんかファンタジーなあれか、もしくは小狼から聞かされた魔法で。
 明莉と小狼は、ここに来るまでの間に踏み込んだ自己紹介を、つまり迷宮教室とクロウカードについて情報交換をしていた。
 状況が状況だけに、二人ともふつうなら人に話さないようなことでも話す必要を感じていたし、相手がそれを理解できるとも聡明な者同士わかり合っていた。そもそもツノの生えたウサギがしゃべるは空も霧も赤いはとなったら細かいことなど気にしていられない。

「明莉、お前はここで待ってろ。基地なら銃もあるはずだ。殺し合いに乗ったヤツの手に渡ってたら、俺が捕まえておく。」
「なら、私がオトリになるよ。銃を持ってるなら、どこか見晴らしのいいところで待ち構えてるんじゃないかな。私があっちの広いところから行くから、李さんは反対側から行って。この霧だから見えるのは200メートルから300メートルぐらいかな。あ、もっとかも。リーさん400メートル走何秒?」

 そして二人とも命を張ることの抵抗が薄いという共通点があった。明莉の場合はそうでなかったら死ぬようなことがこの間あったばかりだったし、小狼もクロウカードの一連の事件でさんざん修羅場をくぐっている。
 一度の事件で命がけに半ば慣れた言動の明莉に思わずデフォルメされた困惑顔で明莉を見る小狼だったが、「あっ!」という明莉の声で目を基地へと戻した。
 二人とも視力はもちろん良い。だがさすがに霧の向こうの人影を見つけるのは困難だった。だからそれを見つけられたのは、よほど明莉が注意深く基地を見て、その人物を探していたからに他ならない。

「遊……やっぱり、巻き込まれてたんだ……」

 8割方の悲しみと、2割方の喜びが感じられる、そんな声だと小狼は思った。
 そして、きっと自分もここにさくらがいると知ったらそんな声を出すんだろうなとも。


 そして、それから2時間あまりが過ぎて。
 基地の中の食堂のホワイトボード近くの席に、4人の少年と1体の梨の姿があった。

「それじゃあ、みんなの出し合った情報をもう一度整理したいと思います。」

 マーカー片手にそう言うのは明莉だ。前の迷宮教室でもそうだったように、板書で情報をまとめていく。その手際は慣れを感じさせるものだ。

「私と遊はこのバトロワに巻き込まれる少し前に、迷宮教室っていうのに巻き込まれました。クラスメイトと学校に閉じ込められて、ヘンなオバさんが出すゲームをさせられて、カゲアクマっていう怪物にさせられました。私が脱出したらみんな元の姿に戻りました。」
「そうです。」

 便乗するように横で言ったのは、明莉の幼なじみの遊。おとなしそうな外見と声とは裏腹に、その言葉はしっかりしたものだった。

「次に李小狼さん。クロウカードという魔法のカードの封印が解かれてしまったので香港から来日した道士、魔術師みたいな人です。仲間と協力してカードを封印したそうです。」

 もう少し言い方ってもんがないのかと表情に出ている少年は小狼だ。

「次に磯崎凛さん。不思議なことに巻き込まれる体質で、ここ最近は超能力とかヘンな花とかヘンな龍とかに出会って仲間と協力してなんとかしてきたそうです。」
「ちょっと説明がアバウトすぎるだろ!」

 思わずツッコミを入れたのは、この基地で明莉達が出会った少年、磯崎凛だ。爆発音で基地に来た遊や明莉や小狼より、5歳ほど上に見える。ガッシリとした体格と人懐っこい顔の男だ。

「そして……えっと、ふなっしーさんが、えーっと、梨の妖精、だそうです。」

 キュッキュッと音を立ててホワイトボードに『梨』と大書する。この場にいる最後の一人が、ふなっしーだ。
 凛とふなっしーが、明莉たち三人がこの基地で出会った生存者だ。もちろん二人とも殺し合いになど乗っていない。そしてこの殺し合いの場で何度も行われている情報交換を経て、今5人はこうして行動を共にしていた。

「集まった情報から考えると、私たちには一つの共通点があります。ふつうでは考えられないことに関わっている、ということです。私と遊と磯崎さんみたいに巻き込まれている人と、リーさんとふなっしーさんみたいに特殊な存在である人、ここからあのツノウサギの目的を探ることができるかもしれません。リーさん、ふなっしーさん、専門家としてどう思いますか?」

 そして始まったのは、情報交換で出てきた情報を使ってのブリーフィングだ。前の時も明莉がやった手法だが、情報を出し合ってみんなで考えるというのは、心を落ち着かせられて考えも整理できる一石二鳥のやり方だ。
 それをわかってはいるが、梨と同列に扱われた上に無茶ぶりみたいなことをされて、小狼は言葉に詰まった。思わずふなっしーを見る。なんなんだこれは。なんでこんなのを殺し合いに巻き込んだんだ。ていうかそもそも着ぐるみだろ、と言いたいが、世の中には不思議なものがたくさんあることを現在進行系で理解している。もしかしたら本当に梨の妖精かもしれない。おほん、と咳ばらいをして小狼は話はじめた。

「考えられるのは蠱毒だ。何百もの毒虫を一つの壺に入れて共食いさせて、すさまじい毒を持った一匹を作り出させるんだ。この殺し合いはそれに近い。」
「なるほど、ふなっしーさんは?」
「え? えーっと、梨なんでわからないなっしな。ゴメンなっし。」
「明莉、いいかな?」

 気もそぞろ、というふなっしーの後を継ぐように遊が手を上げた。

「これはいわゆるバトロワゲーに近いものだと思います。何十人何百人というプレイヤーが、フィールドにある武器を使って最後の一人になるまで倒し合うっていうゲームなんですけど、首輪とかそこらじゅうに落ちてる銃とかを見ると、それに近いんじゃないかなって思いました。」

 キュッキュッとホワイトボードにマーカーが走る。明莉が板書を終えたのを見て、遊は続けた。

「そして、一番考えなきゃいけないことは、ここには魔法が存在するってことだと思います。つまり……」
「あの戦車の爆発は、魔法によるもの、ってことなっしな?」
「はい。カゲアクマとかクロウカードとか超能力とか梨の妖精とか、そんなになんでもありなら、魔法で爆発だって起こせる気がします。」

 明莉は頷く。そして「それでは本題に入ります」と続けるとホワイトボードの反対側に移動した。

「なぜ、四宮かぐやさん、竜堂ルナさん、チェロさんの三人が乗っていた戦車が突然爆発したのか。事故なのか事件なのか。事件なら、誰が犯人なのか、です。もしこれが事件なら、殺し合いに乗った人がいます。」

 磯崎さんやふなっしーさんが殺ったとは思っていませんけど、とは言わなかった。それを言ってしまうと、疑っていると思わせてしまうだろうから。
 遊と小狼、凛とふなっしー、二列になって向かい合う二組の間にあるピリついたものを感じて明莉は喉を鳴らした。


「あの二人って信用できるのかな?」
「まあ、梨だしな。」
「うん、梨もだけど……」
「あの人たちが、戦車を燃やしたかもしれないって、こと?」
「そうだよ。マーダーかもしれない。」

 そんな会話がかわされたのは、一通りの自己紹介と情報交換を終えた今から数十分前のことだった。
 燃える戦車がある基地にいた年上のライフルを抱えた少年と梨の妖精(自称)。怪しすぎる二人から話された眉唾ものの経歴と、あの戦車に三人も乗っていたという情報は、三人に警戒感を抱かせるには充分だった。
 あの二人はマーダーではないか。
 マーダーならわざわざ情報交換するか? いやマーダーだって情報はほしい。
 マーダーなら殺害現場からはすぐ離れるのでは? いや犯人は現場に戻るって言うし武器や食料のある基地を離れるデメリットは大きい。
 マーダーならなぜこのタイミングで殺した? 魔法が使えるなら人の心を読んだりもできるのでは、それでバレて殺したらあんな目立つことになったんでは。なんなら殺された方もマーダーかも。
 三人で話せば話すほど、凛とふなっしーへの疑念は深まった。なまじ全員不思議なことへの経験があるぶん、そしてあからさまに不審者ならぬ不審梨なふなっしーを見て、戦車の炎上という日常では考えられない事態への想像を働かせる。
 そしてそれは、戦車を調べた小狼からの言葉で更に疑いを深める方向に働いた。

「あの戦車からかすかだが魔力が感じられた。」

 ペットボトルをゴミ箱に投げ込んだ遊たちの元へと戻ってきた小狼はそう言った。二人にはその真贋など確かめようもないが、少なくとも明莉にはふなっしー達よりは信じられる言葉であった。そして明莉を信じる遊も小狼を信じた。日頃の信用と惚れた弱みがあった。

「とにかくハッキリさせようよ。私はふなっしーさんたちが犯人だとは思わないけれど、誰かが私たちを狙ってるかもしれないもん。」


「とにかくハッキリさせましょう。もしかしたら、誰かが私たちを狙ってるかもしれないですから。」

 そして今現在、議題はついに戦車の炎上についてになった。
 はたして凛とふなっしーはマーダーなのか?
 それとも別のマーダーが狙っているのか?
 あるいは不幸な事故なのか?

 明莉たちの中にできた疑念の炎はゆっくりと燻りとは言えない危険な領域へと突入しつつある。

【0515ぐらい 自衛隊駐屯地】


【君野明莉@迷宮教室 最悪な先生と最高の友達(迷宮教室シリーズ)@集英社みらい文庫】
【目標】
●大目標
 ヒカルとかが巻き込まれてたら合流して脱出する
●小目標
 みんなで話し合う

【李小狼@小説 アニメ カードキャプターさくら さくらカード編 下(カードキャプターさくらシリーズ)@講談社KK文庫】
【目標】
●大目標
 殺し合いを止める
●中目標
 さくらや他の大切な人が巻き込まれていたら守る
●小目標
 みんなで話し合う

【次元遊@迷宮教室 最悪な先生と最高の友達(迷宮教室シリーズ)@集英社みらい文庫】
【目標】
●大目標
 ヒカルとかが巻き込まれてたら合流して脱出する
●小目標
 みんなで話し合う

【磯崎凛@宇宙からの訪問者 テレパシー少女「蘭」事件ノート9(テレパシー少女「蘭」事件ノートシリーズ)@講談社青い鳥文庫】
【目標】
●大目標
 何が起こっているか調べて、みんながいたら一緒に家に帰る
●小目標
 みんなで話し合う

【ふなっしー@ふなっしーの大冒険@小学館ジュニア文庫】
【目標】
●大目標
 これドッキリじゃないなっし?
●小目標
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