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さて、この殺し合いがスタートしてからちょうど24時間、丸一日が経過した。
ほとんどの人にとって、普段より密度の濃い一日だったんじゃあないかな。
職業柄、元々そうだって人もいるんだろうけど、死と隣り合わせだからこそ、より生を実感したことだろうと思う。
本題に入る前に、まずはここまで生存できた君たちに、ひとまずおめでとうと言っておこう。

さあ、今回の曲はドビュッシーのピアノ曲『ベルガマスク組曲』の第3曲『月の光』だ。彼の作品の中では一番有名なんじゃないかな。
せっかく月が綺麗な夜なんだから、あんまり激しい曲調の物を選ぶのもどうかと思ってね。
切なく、そして優雅な旋律、この夜に思いを馳せるにはぴったりだろう?

少し逸れるけど……正直、僕は「ああ、失敗したな」と前の放送で思ったんだ。
だって「そんなに焦らずゆっくりしても僕は一向に構わないのに」って、みんなの頑張りに水を差すようなこと言っちゃったんだから。
真に受けてゆっくりされたらどうしようって。いや、別にゆっくりする分にはいいんだ。
ただ、君たちの頑張りを見ることなく、無駄に時間だけ浪費されるようだと考えものだからね。
とりあえず、それに関してはホントに失敗したなあって思うんだ。人数を聞けばわかると思うんだけど。



この6時間で脱落した参加者は……

J・P・ポルナレフ
ペッシ
ジョージ・ジョースター1世
オインゴ
マウンテン・ティム
ドナテロ・ヴェルサス
片桐安十郎
山岸由花子
岸辺露伴
グェス
川尻早人
テレンス・T・ダービー
ジョナサン・ジョースター
シーザー・アントニオ・ツェペリ
音石明
虹村億泰
F・F
リンゴォ・ロードアゲイン
ホルマジオ
吉良吉影

以上20名ッ!
まさかだよ、ま・さ・か! 君たちがそこまでやる気満々だったとはッ!
『余計な事言ったかな』って思ったこと自体、最高の失敗だったよ! 今更だけど、期待以上の成果だ!
そりゃあ、人数が減るにつれペースが遅れるかもなあとか想像してたけど、杞憂も良いとこだったね!

さて、続いて禁止エリアの発表だ!
流石にもう、うっかり踏み込んで脱落なんて事故はないと思うけど、帰るまでが遠足って言うからね、最後まで気を抜かないように!



1時から F-2
3時から D-3
5時から C-4



この3つだ。もっとも、わざわざ囲い込まなくても決着はもうすぐ付くかもしれないけどね……。
とにかく、F-2、D-3、C-4の3か所に気を付けることだ。

次の放送は6時間後……もしかしたらもう、する必要ないかもしれないけど。
いよいよ残り12人! 最後の一人と相見える瞬間を、心待ちにしてるよ!


  ★


「ちょっといいかい?」
「どうしたのさ、改まって」
「舞台に降り立たなくっていいのかい?」
「うーん……確かにそうしたくはあるけど、今出てきたところで唐突すぎやしないかい? 『僕も参加するよ』みたいなこと、事前に言ってないし」
「……テレンス・T・ダービーの死亡はこっちでも確認したんだけど」
「急に話変えてくるねえ……と言うか、そんなに不思議だったのかい? 彼の能力を考えれば、当たり前のことだと思うけど」
「それは別にいいんだけど……やっぱり、前の放送で言ったこと忘れてるんだね」
「何が?」
「『約束も支給品もまだ有効だよ。ただ放送の意味をよく考えてくれ』だったっけ?
 約束ってのはつまるところ、テレンスを倒した参加者に、君と戦う権利を与えるってやつだろ?」
「ああ、そんなのあったね」
「テレンスはF・Fが殺したんだし、F・F――今は一体化したアナスイが君と戦う権利を得たと考えていい。舞台に降りる理由としては充分だと思うけど」
「……君さあ」
「……?」
「マジで天才なんじゃあないかい!? うわあああああ、何でもっと早く気付かなかったんだろう!」
「まあ、どうするかは君次第だけど、とりあえず伝えたかったことはそれだけだから」
「どうするかなんて、愚問じゃあないか! 椅子の上でふんぞり返ってる場合じゃあない! 今からでも行ってくる!」
「やっぱり? でも、いくらなんでも決断早すぎ……もしもーし? おーい、通信切ったー?」


  ★


「……ふう」

溜息からは、僅かばかりの疲労を感じさせる。
通信相手がその場の思いつきで動くのは承知しているが、振り回されている気がしてならない。
ふと、ソファの上で丸まり肩を震わせる少女が目に入り、再度、溜息をつく。

「そんなにビクついて、どうしたんだい。お腹痛いの?」

その語りかけ、慇懃にして無礼。
話し相手には、痛覚などあるはずないのに。分かっているはずなのに、冗談めかして。

「なんなの、一体……。露伴ちゃんだけじゃない。ここ数時間で、たくさんの霊が通り過ぎた」

見上げた顔は、痩せこけて見える。涙も枯れたらしい。
その身も、溢れ出た水分も、概念でしかないのかもしれないが。

「一体、何が起こってるの……!」

洋館を出ようとする『彼』を呼びとめるように、鈴美がしゃがれた声を上げる。
月が二人を照らしても、その心の奥底までは映し出せやしない。
『彼』は振り替えることなく、背を向けたまま。表情は、見えるはずもなく。

「終わりが近いってことさ。誰にとっても……何においてもね」

返答も、実に淡々としたものでしか。





※放送はダービーズアイランドでしか行えないようです。




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204:寄生獣 荒木飛呂彦 212:終幕 バトル・ロワイアル(前編)
204:寄生獣 杉本鈴美 212:終幕 バトル・ロワイアル(前編)
最終更新:2011年04月17日 18:18