(一回10秒――4分なら、24回が限度か。単純に計算すれば)

首輪越しに忠告された、制約。
意味することをおおむね理解し、逆算する。
しかし、6分――同じように概算した場合、36回――も時を飛ばした思えはない。

(『エピタフ』の発動も、含まれているのだろう)

しかし、『時を飛ばす』という原理では、墓碑銘が示す未来予知も同じカテゴリーに当てはまる。
施された呪縛は相当に厳しいものである。
それでも、荒木の囁きはディアボロの心変わりを誘発するものではない。

(だが、それ以前に俺はおそらく――)

懸念は別にあった。

「吉良。お前が前衛、俺は後衛だ」
「偉そうに言うなよ、貴様」
「左手の無い俺を前に出すのか? 正気とは思えんな」

ディオが鼻で笑う。
左手を爆破し、ディオが積極的に出れない原因を作りだしたのは吉良だ。
遠まわしに非難する言い回しなのは明らかだが、吉良は自省などするものかといった含みを持たせてディオを睨み、舌を鳴らす。

「臆病風に吹かれて、途中で逃げるんじゃあないぞ」
「まさか」

激昂して殴りかかりなどすれば、非を認めたことになる。
吉良がディオに強い言葉を投げかけても、どこ吹く風と聞き流す。

奇妙な光景だ。
時代ごとの因縁の発端、その三者が異なる胸の内を秘め、集おうとは。
ディオに継承された、悪意の宿る純白の大蛇を含めれば、四者四様の邪悪の本流が場を同じくすることとなる。
それも奇妙だが、しかし。

それ以上におかしな光景が、ディアボロの目の前にある。
弾丸軌道の『過程』を吹き飛ばして『結果』を残したのだから、死体が二つ出来あがっていてもおかしくないのに。
ジョナサンが掃射した弾丸による傷跡は、いずれも急所を外れ、大した出血もないのだ。

(銃創があると言うのに俄然元気だ。奴らが特別、丈夫だからか? そんなはずはない)

特に痛みに悶えたり、傷口を抑えたりする様子もない。弾丸が直撃する『結果』を残したはずなのに。
ディアボロは理解している。

(弾丸が当たるという『結果』は、リゾットの時のように完全に命中した後の『結果』ではなかった。ゆえに、二人に対処する時間が生まれた)

飛ばす時間が、僅かに短かったから。
現前した『結果』は、二人に弾丸が命中する直前だったために、致命傷を与えることはなかった。
言うまでもなく、ディアボロは能力発動の際、手を抜いていない。

(分かっている。俺には仲間が出来た。早人、露伴、億泰、シーザー、そして、ポルナレフやジョセフ)

従え、意のままに動かす部下と、志を共にし、歩む仲間は違う。
悠久の死罪を迎える以前も最中も、決して得られなかったもの。
永らく孤独と辛苦しか味わえなかった彼の心に、仲間は間違いなく救いをもたらしただろう。

(かつてとは、変わりすぎた)

だが、その出会いに、ディアボロは影響され過ぎた。
『キング・クリムゾン』は、真に未来へ突き進むことを恐れるディアボロの本分が生み出したもの。
仲間を手に入れ、前を見ることに対して怖れを無くしたディアボロの変化は、絶大なものだった。

(『キング・クリムゾン』が、俺のか弱い精神から生まれたのであれば……俺はいずれ)

スタンド能力を、変容させるほどに。弱体化させるほどに。
荒木が手を施すまでもなく、『キング・クリムゾン』は、王という不相応なメッキがはがれて行くだろう。
『エピタフ』で都合の悪い未来を読み取れれば。『時を吹き飛ばす能力』で都合の悪い未来をかき消すことができれば。
その望みは、能力云々ではなく、単純に未来を長く見据えた場合に関しては、ディアボロ自身によって否定された。
彼は不都合な未来を恐れなくなってしまったから。仲間を心の拠り所とすることが出来るようになったから。

人の成長は、未熟な過去に打ち勝つことだ。
では、未熟な過去から生まれ出づる『力』は、未熟を克服したときどこへ向かう。
解の一部を、ディアボロは証明した。

(時を、飛ばせなくなるだろうな)

拡声器による少女の叫びを聞きつけてから、ポルナレフとの邂逅から逃走を経た際、何度か時を飛ばした。
その後の疲労は、スタンドの変化の予兆だったのだろう。
行きつく先は、おそらくスタンド能力の喪失。
『シアーハートアタック』の爆発から逃れられたのは、ギリギリで対応できたという運の良さがあったから。
そんな幸運、長く続くはずがない。このままでは、苦戦は避けられまい。

ディアボロは、それを良しとするだろうか。
強さに裏付けられた弱さを、受け入れるだろうか。
あるいは、弱さに裏付けられた強さを、肯定するだろうか。


  ★


ラバーソールの支給品は、こと実戦に於いてほとんど役に立たないものばかりだった。
戦術や戦略の構築に貢献するか、という面での評価では、CCDカメラは大いに役立ったと言えるだろう。
しかしあえて、もっと原始的なところに立ち戻ってみる必要もある。

バトル・ロワイアルの最大鉄則として、何より、他人に死傷を与えなければならない。
ラバーソールの支給品にそれが出来るとは、お世辞にも言い難い。

ギャンブルチップ20枚はどうか。小型で、少量なら携帯も余裕。『キラークイーン』の手札に加えることが真っ先に考えられる。
しかし、爆弾にするなら油断を誘えるうえ、ある程度の加工が出来る分、角砂糖の方が利用価値は上だろう。
吉良が所持することになったが、多用することはないだろうと、ほとんどデイパックにしまっている。
アイアンボールボーガンはどうか。当たり所が悪ければ、致命傷は与えられるだろう。
しかし、スタンドを用いなければ反動に悩まされる。ディオに至っては片手で扱わなければならず、取り回しが利かない。
さらに、連射が出来ないというのも痛い。鉄球を爆弾の媒介にするのも、二発限りでは気が引ける。
体格的にはジョナサンに渡すのが最善だったろうが、マシンガンを持っている相手にその提案は通るまい。
吉良に必要性はないと判断し、ボウガン、弾丸ともにディオが所持することに。
剃刀と釘のセットはどうか。刃物と言う面では役に立ちそうではある。
しかし、いかんせんスタンドを超えるメリットがないに等しい。手裏剣のように投げ飛ばすなら、射程距離の面でボウガンに利がある。
ディオが全て所持しているが、この分配はギャンブルチップを総取りした吉良に対する不公平感をなくすための措置でしかない。
二分間睡眠薬はどうか。
もはや論外。吉良の持つ紅茶に混入するのが有効だが、見敵必殺の方針なら呑気にお茶会を開いている場合ではない。
裏切りを警戒してか、吉良が持つことに。

残る武器は。

「ディオ、提案したからには働いてもらうぞ」
「当然だ。武器からしてもそれが順当だからな」

ディオが肩に掛けている、サブマシンガン。
残弾も十分にあり、取り回しは容易。ラバーソールの所有物の中では、間違いなく主力の兵装だ。

「おそらく奴の能力は物質転移に近い何かだ。下手に当てようとするとこちらに返されるかもしれん。足下を狙え」

『シアーハートアタック』の爆発の一件は、認識がぽっかり抜けたために考察が困難。
ジョナサンの銃撃が通り抜けたことから、能力を考察するしかなくなる。
時間を飛ばす、という解釈に至るには、たった一回の時間跳躍では名探偵でもなければとてもじゃあないが辿り着けない。

だが、弾幕を張るという行動は正解だ。
ディオは片手、どう考えたって精密射撃は無理。ならいっそのこと、撒き散らす。
『キング・クリムゾン』は見た目通り、数ある中でもとびきり近距離型のスタンドなのだから、接近しなければロクな攻撃を行えなくなる。
ただばら撒かれただけで、防戦一方、打つ手なしだ。
石やら枝やら投擲しようにも、絶え間ない鉛の雨を掻い潜っての反撃は至難。

回避に専念できるなら、まだいい。サイドに控える吉良が、ただ命令して棒立ち、などということがあるか。
兆弾音が闇夜に響くなか、ディアボロの回避運動を見計らい、吉影が角砂糖を放る。

「『キング・クリムゾン』!」

掻い潜るのは無理と見るや、出し惜しまずに、時を飛ばす。

瞬く間に、世界は砂糖菓子のように脆く決壊、王宮への扉が開かれた。
墨を溶かしたように黒く染まる世界にて、あらゆる弾道がスローモーションと化す。
難なくかわし、吉良に側立って挙動を注視する。
ただ角砂糖を投げたとは考え難い。能力の媒介であるとの見方が妥当。
観察を続けていると、吉良がシャープペンシルの芯を出すように、親指をグッと人差し指に押し付けた途端、角砂糖が四散した。

(能力は把握した。奴が投げる物に警戒する必要があるな)

この時間跳躍の成果は大きい。後は、残された時間をどう活かすか。
いかに全ての動きに対応できると言っても、流れゆく時間は、二人を相手にしているという事実は変わらない。
一先ず血の眼つぶしをしてしまうか――そう考えているさなかで、崩れ落ちた世界が復元し始める。

(やはり短くなっている!)

時は再始動。
目と鼻の先にいる以上、そのままというわけにもいかず、咄嗟に吉良を殴る。
だが悪手だ。止めを刺すことなく、吹き飛ばしてしまってはまた攻撃が当てづらくなる。
不完全な不意打ちにより、吉良がガードに成功したのも痛い。

撃ち飛ばされた吉良が、その勢いのままディオにぶつかって両者転げる。
吉影は即座に膝立ち、服に付いた土ぼこりを払って臨戦態勢を整える。
しかしながらディオは、うつ伏せてからというものの、その手に握られた短機関銃を見つめたまま。
吉良が怪訝な顔を向けた頃にむくりと起き上がったディオがディアボロに向けた顔は、勝利が約束されていると物語るかのように、得意げだった。

「時間を飛び越える能力、か?」

その一言でディアボロと吉良、両者の視線が集うのと同時に、ディオはサブマシンガンを空砲のように上方に向ける。
トリガーを二度三度引いて見せたが、銃口からは何も出てこない。

「俺が気づく前に、いつの間にか弾切れしていた。物質転移なら、この現象が説明できない」

マシンガン内の弾丸を転移したと言う結論に達するわけがない。
時間の無駄だ。そんな暇があるならとっとと殴ればいい。ならば弾はどこへ消えた。
消えたのではない、『ある』のだ。掃射していた場所に、全て。熱を保ちながら。

「認識をおいてけぼりにして時間だけ経過させる、ということか?」
「おそらくな」

残弾が都合よく切れたという不運もあったが、ヒントを与え過ぎた。
ことスタンドバトルにおいて、能力が割れているのといないのとでは、雲泥の差がある。
ディアボロも吉影の能力をおおよそ把握し、ディオの方もDISCを投げつけたことから推測材料はある。
それでもなお、ハンディは残る。

「再びその能力を使う気か? 一人倒したところで残った一人にやられるのが関の山だろうに」

戦力差は、どうあがいても埋めることができない。
時に干渉する上、連続で発動できないのは『スター・プラチナ』と一緒であると、吉良は経験則から学んでいる。
このタイプ、タイマンならば圧倒的だが、2対1では能力解除後の隙を狙われやすい。

「私の平穏のため、踏み台になる覚悟は出来たか?」

怯えろ、すくめ、絶望せよ。
騒乱が必然と歴史が証明するのなら、弱者の淘汰も、また。

「覚悟とは、諦めの精神ではない」

されど、吉良吉影は『覚悟』を履き違えた。
今こそ言おう。命を安く見ていた頃の自分には見いだせなかった教訓を。
今こそ言おう。彼の誇り高き精神から学んだことを。

「暗闇の荒野に進むべき道を切り開く、その心こそ覚悟なんだ!」

鎮まることのない魂が彷徨う、死と言う名の無限回廊――抜けた先、暗闇の荒野を切り開いて見せたのは、一人の男の覚悟だった。
絶望の淵に立たされようと、犠牲でも、諦めでもない姿勢を貫いた。
彼から託された志、その意味を、履き違えたりなぞするものか。

「無駄口を叩いたな」

ディアボロの高説に賛辞も嘲笑も挟まず、突如、ディオが口を開く。

茂みより飛びかかる、大男の影。
いや、遠隔操作でディオから広く離れた『ホワイトスネイク』だ。
ディアボロを羽交い絞めにしようと、掴みかかるも。

「抑えられるとでも!」

距離が離れれば離れるほどパワーが弱くなる、と言うのはスタンドを扱う上での大前提だ。
吹き飛ばされたという不運があったとはいえ、いかんせん距離が離れすぎた。
更に、左手首を喪失しているのでは拘束は緩くなる。

「抑えてもらうさ!」

それでも、吉良がその僅かな隙を見過ごすわけでもなく、ディアボロ目掛け角砂糖を弾く。
ディアボロは、自身の能力への対策を即席で組み立てた敵の順能力に歯噛みする。
時を飛ばしたところで、身動きできなければ何の意味もない。
いかに縛りがやわなものでも、振りほどくより先に心臓一直線に迫る凶弾がディアボロに到達するだろう。
来るべき『結果』は、三者誰にでも予想できるもの。

「チィッ!」

ディアボロの右足が、股関節を中心に縦の半円を描く。
爆裂音。
白煙発するは、消し飛んだつま先。噴き出す鮮血が地表に染みわたる。

「足を犠牲に!?」
「犠牲ではない!」

振り上げた勢いのまま、元の軌道を辿り、振り子のように足を振り下ろす。
『ホワイトスネイク』のすねに『キング・クリムゾン』の踵が直撃。
ディオがたまらず呻き声上げるも、近距離は『キング・クリムゾン』の独壇場、ここで終わるわけがない。

「勇気だ!」

距離の条件が互角だったとしても、その敏捷性は他の追随を許さない。
『キング・クリムゾン』が『ホワイトスネイク』の鳩尾に肘打ち、たたらを踏んだところで追撃の裏拳。
『ホワイトスネイク』がもんどり打つのに合わせ、ディオもまた、馬力の違いに地面に背を滑らせる他なかった。

「何をしているッ! この役立たずが!」

盛大に舌を打ち、癇癪を起した吉良。
腹部を抑えてうずくまるディオは、見返すことさえ出来ずに悶え、地べたを這うのが限界だった。
目論見外れたあげく戦力が減ったとなれば、いかに紳士を演じるのに慣れた吉良でも、ささくれだつのは無理もない。
にもかかわらずディアボロは、先の一言に違和感を払拭できず、間合いを詰められずにいた。
確かに、ロクに拘束を行えなかったのは事実だろう。
焦りがあるなら、射程距離の事情など忘れていてもおかしくはない。

では、相方を罵る割に、唇端が僅かに吊り上っているとはどういうことか。

「ぐッ!」

突如背後から感じた重みに、頭部ががくんと上下に揺れた。ディアボロが膝をつく。
『ホワイトスネイク』の手には、鉄球既に放たれたアイアンボールボウガン。茂みに隠していたもの。
パワー不足で反動をもろに受け、狙いがぶれたため、頭頂部をかすめる程度しか当たらなかったが。

ディアボロは咄嗟に上目遣い、視線の高度を元の位置に戻そうとするも。

(上が……見えないッ!)

ずるりと這い出た弾力ある薄板が、ディアボロの視界を妨げる。

吉良の一言は、フェイク。
頭部からはみ出すスタンドDISCは吉影にも見えており、そこからディオの作戦が見て取れたようだ。
銀板が顔を覗かせていても、パワーでは押しきれず取り出すのはさすがに難儀する。だが、ちょいと衝撃を加えればずり落ちる。
そうなればしめたもの、低い姿勢に持ち込めば帽子のつばを下げたみたいに邪魔になる。
『ホワイトスネイク』はディアボロに触れ続けるため守りの体勢が取れず、ディオは攻撃をもろに食らうことになったが。
アイアンボールボウガンを射るのが精一杯だったが、勝敗は間もなく、決する。

「次の爆弾で終わりにしてやるッ!」

スタンドの脚力を借り、吉良がゆうに5メートルはジャンプする。頭上はディアボロにとって完全な死角。
時間がない。取れる行動は限られる。
時を飛ばしたところで、アクティブに動けないのなら動かないのと同じ。爆弾が放たれ、ディアボロに接触すれば終わりだ。

ディアボロは、瞬時にデイパックに手を伸ばし、目当てのものを引き当てた。

「上に跳んだというのならッ!」

天に放つは、電源をつけ、秘めたる輝きを露わにした懐中電灯。
その光輝、暗闇に慣れた目にはつらいものがあり、自然、吉良は怯み角砂糖の投下位置がずれる。
まさに好機。

「くっ、だがしかし! 目を潰したからって、どうなるわけでもないだろう!」

それでも、文字通り上下の構図が入れ替わるわけではない。
このまま吉良が重力に従い馬乗りにでもなれば、為すがまま、やられるがまま。
ディアボロは自らに近在する半身を格納。

「懐中電灯は、お前の目を潰すためだけに投げたわけじゃあないッ!」

普通、見たいのに遮蔽物によって前が見えないのなら策を弄してでも見ようとするだろう。
敵が肉薄し、対処しなければならないのなら、なおさら視界を取り戻さなければならない。
しかし、ディアボロが見たのは足下。

「俺の『目』にするためだッ!」

ディアボロが見たのは、懐中電灯を通して移る、吉良の影。互いの距離。
吉良吉影は天から泥を見た。ディアボロは泥から星の光を通して天を見た。
影が自分に重なる瞬間。

(「2……メートル」!)

信頼を置いた、元部下の声がした。
二つの声が重なるように、思考が融合したかのように。

(そうだな、ドッピオ……『友』である、お前もいた)

ディアボロは己の右腕で、空切るように天を突く。
その勢いのまま、スタンドヴィジョンを腕のみ発現し、拳から伸ばした。

「届けェェェェェッ!」

自分の身長に、伸長させた腕2メートルを加えることで、ヴィジョンを出したままの吉良の射程を上回る。
その技、ジョナサン・ジョースターがウィル・A・ツェペリから受け継いだ技のように。
その形、文字通り人類を喰い散らかす、吸血鬼という巨悪を打ち砕くため織り成されてきた技のように。

――ズームパンチのように!

「グアアァァァッ!」

アッパーカットで不意食らった吉良が、後方にグルンと一回転して地面に叩きつけられる。
歩み寄るディアボロ。しかし、踏み込んだ足下に角砂糖。
策を警戒し、接触型ではなく着弾点火式にしたのが幸いした。
これはチャンスとばかりに、サムズアップするも。

「オラァッ!」

起爆より早く、『キング・クリムゾン』が垂直に拳を振り下ろす。
打突された『キラークイーン』の右手が、脆くなったガラス細工のようにひび割れた。

「うぐぅあっ!」
「スイッチは砕いた……。もう……押させるものか!」

吉良、『キラークイーン』の左手を支えにして起き上がる。
だが、身を起こしたところで地に足は付いた。重力のまま大地に立っているのなら見えている。ディアボロには見えている。

「この……このクソカスがあああああ!」
「『キング・クリムゾン』!」

ディアボロ、再びスタンドの全身像を発現。吉良の胸ぐらをつかんで持ち上げる。
前が見えない? 前には居るのだから、そう深刻に捉える必要はない。
数を撃てば当たるのだ。

「バルバルバルバルバルバルバルバルバルバルバルバルバルバルバルバルバルバルバル」

いざ放たれん、断罪の流星群。
数百、数千、数万と叩きこむ。

「バルバルバルバルバルバルバルバルバルバルバルバルバルバルバルバルバルバルバル」

吉影の右手より溢れる血しぶきがベタリとかかろうとも。
骨が軋み、折れる音が響き渡ろうとも。
タコの吸盤のように、四肢、胴体、顔面各所がボコボコとへこもうとも。
叩いては引き、叩いては引きの連撃はめまぐるしく、途切れることなく。

「ヴァオール・インフェルノ(地獄に行け)」

静かなる宣告。最後の一撃で、吉影は宙へ舞い上がる。
それを見届けるディアボロは、仁王立ち。
まだ、倒れるわけにはいかない。背後に控えているであろうスタンドの対処を行わなければならない。

その必要はなかった。
ディオは『ホワイトスネイク』のヴィジョンを既に戻し、吉良をキャッチさせていたのだから。
残る敵の対処に追われるのはディオとて同じ。

「ここは、退け……!」
「怖気づいたか!」
「策なら、ある……」

『ホワイトスネイク』に引き寄せられ、ディオの耳元で囁いた吉良に対し、偉そうに、と悪態付くディオ。
吉良はまだ生きていた。前が見えなかった分、乱打が半分ほどしか当たらなかったと言う僅かばかりの幸運が働いた。
ディアボロにとっては不幸なのだが。

「……なるほどな」

息巻いていたディオは、しかし、暫時を挟んだのち、ぼそりと低語の声で了承しすぐさま退却する。
すぐさまと言っても、ディオ本人の動きは決して速いものとはいえない。未だ癒えぬ内臓の痛みに腹部を抑えている。
重しにしかならないサブマシンガンは投げ捨てたが、全力疾走とはお世辞にも言えず。

ただちに追走すれば、背を向けていることもあり決着はすぐに付くだろう。
そう思いディアボロが前に駆けようとするも、つま先の激痛により立ち止まるほかなくなる。

「足を潰された以上、追撃はさすがに無理……か」

立ち去る二人の背が小さくなったころ、ディアボロが腰を下ろす。
危ないところだった。傍目には華麗なる逆転劇だったかもしれないが、消耗戦ではこちらが不利だったろう。
シーザーの無事を確かめたいが、激戦を終えた今は休む必要がある。動こうにも、足の処置が急務だ。

「いや、こっちが先だ」

頭部から伸びた、ゴム板のような何かに触れる。
何かが頭の中で滑るような感触がしたんだが、と呟くものの、主観ではどうなっているか分からない。
抜け落ちるように滑ったのだから、逆方向に入れてやればいいのか? と、単純な考え方で押し込む。
奇妙な事に、それで元通りになった。擦って、継ぎ目一つない、元の額の丸みを確認する。
視界が開け、ふと、封じられていた反動からか上を向く。

「綺麗な星空だ」

溜息をつく。
一つ一つが煌びやかで、作り物のプラネタリウムとは思えないくらいに。
恒久地獄に心身を削られた記憶しかない頃の夜とは、こうも違う。夜闇の中に光を見いだせるのだから。
暗闇の中にある光明は、得てして人を落ち着けるらしい。天の光は全て星。ディアボロは、その片鱗を見た。

だが、まだ見るべき光がある。

川尻早人は、フーゴに人質として捕らわれた際シーザーに『僕に構わずこいつを倒せ』と言った。
だがディアボロは、フーゴに引導を渡すのに抵抗を感じ、とどめを刺せないまま選択をブチャラティたちに譲る。
ディアボロには足りない。早人のように、善悪を超越した意思が。『漆黒の意思』が。
受け身の対応者であり続ければ、おそらく繰り返される。

己の意志以外全てをなげうってでも遂行すべきことがあるのなら、ディアボロは再び時を飛ばせるようになるだろう。
だが、元通りになることが真の強さとは限らない。取り戻した時、再び悪に堕ちないという保証はない。
本当に力を失うことが本望なら、受け入れるほかないだろう。
力尽きるその時まで。


  ★


「この私が……なんて無様なッ!」

なんてスピードだったんだ……! 空条承太郎みたいに速すぎるッ!
パワーのあるスタンドのラッシュなんぞ、そう何度も経験したくはなかったと言うのに!
寝転がって楽な体制を取っても体の節々が痛む……ああ、血も出てるし、涙も流れてきた!
どいつもこいつも邪魔ばかりしやがって! だがあいつは重大なミスを犯したッ!

「しかし、私の勝ちだ! 私の能力をちょっぴり封じ、調子に乗ったようだが、あのクソカスの命運は尽きた!」

触れたものは何であろうと爆弾に変えられる。だが爆弾に出来るのは一度に一つだけ。
だから私は、角砂糖を起爆する前に爆弾化を解除、タコ殴りにされてる間『私の右手から出る血しぶき』を爆弾に変えた!
あの一撃、手加減なんざまるでしなかったんだろうが、出血量が増えてむしろ好都合というもの。
東方仗助……お前は実に厄介な奴だったが、あの時の戦闘で得たものは決して無駄じゃあなかった。
何せ、自分の血液を武器にするという発想はお前譲りのものだからな。
かつてないほどに心の平和を乱した貴様のおかげで、私は勝利する。『命』を『運ぶ』と書いて『運命』とは言ったものだ。
奴の五体が既に爆弾! 接触型だとこちらに被害が出る恐れがあったので、着弾点火式のな!
手首を切断しなかったのがお前の甘さだ! さあ発火してやる。何が起こったのか分からないままあの世に送ってやろう!

「スイッチを……押すんだ。スイッチを……」

せっ……せっ……せっ……押せ……押せ……押せぇっ……!

全神経を集中させても、左手を添えても、かじかんだかのように震えが止まらない……だと?
奴め、手の甲が砕けるぐらいに強く殴りやがってッ! 関節が折れ曲がって、上手く握ることが出来ない!
ただ握りこぶしを作って、親指を人差し指にくっつけるだけで起爆するというのに!
ここまで来て……ここまで来たと……いうのにッ!

「上手く動かないようだな。『右手のスイッチを押せ』と、DISCで命令するか?」

隣に座るディオが提案する。
その声、冗談めかしたり、調子こいて見下したり、嘲る類のもの、いずれでもない。
確かに『参加者を殺して回る、この過程において、我々は絶対に協力し合う』とは言ったが、戦闘前の皮肉と言い、こいつは私を確実に恨んでいる。
いやに協力的なその言葉、信用すべきか?

「貸し借りなど気にするな。邪魔者は減らさなければならないからな。それより、察したあいつがこちらに向かうのは避けたい」
「た、頼む……」

そうだ。気に食わないが、右手どころか全身こうなってしまった以上、結局は怪我の処置だってこいつに頼らねばならんのだ。
くだらないプライドなんぞ気にしていられるか。平穏を手にする犠牲としては些細なものじゃあないか。
即決。

ぬるりとした感触で、脳に盤が挿入されるのがわかった。

左手が胸元を探る。
無意識下の行動だったが、何をしようとしているか理解した。必要なモノは普段はここに入れているからな。
胸元を離れた左手がズボンのポケットから取り出したのは、角砂糖。無論、甘いのを欲しているわけではない。使うのは、入れ物となっていたハンカチだ。
右手に巻きつけ、左手と口を使って縛る。強引にではあるが、拳の形は出来た。
布が巻かれていなければ直視できないであろうグチャグチャな握り。ハンカチが鮮赤に染まり、溢れ、収まりきらず滴るのがわかる。
DISCなしではきっと悶え苦しんでいただろうが、まるで痛みはない。
来る勝利に向けて鼻歌の一つでも歌ってやりたい気分だ。

「ハハッ……これで、私の平穏は、また一歩、近付く……」

あの日々を、争いの無い日常を取り戻す。
このクソゲーム、深夜からの馬鹿騒ぎで寝つく暇なんぞありゃしなかった。
夜8時には仕事を切り上げ帰宅する、11時には床に就く――平穏どころか、こんな簡単な日々の習慣まで崩されてしまったじゃあないか。
天井を見上げる目が霞む。ああ、日課を語ってしまうほどに、私は眠りを欲している。ここにきて、積もり積もった疲労が一気に圧し掛かってきたのだろう。
睡眠に移るにしてはいつもと違う。何だか体が強張る。そうだった、銃創やらなんやらが痛むのもあるが、寝る前には柔軟体操をするのが日課だったな。
布団で暖まるのも重要だが、人肌に温めたミルクを飲んで、胃を通し内部から体を温めるのも大切な事だ。
しかも、牛乳に含まれるトリプトファンとかいうアミノ酸は、脳内でセロトニンという睡眠物質をつくる材料となるらしい。
そうやって疲労やストレスを残さない安眠を確保していく。日々の細やかな努力が健康を生み出すというのに、何故乱されなければならん。
そうだ、私が何をした? 争いを好まず、あまつさえ健康にも気を配れる、社会人の鏡みたいなもんじゃあないか。
性癖がどうした。秘密の一つや二つ、人間なら持って当たり前だろうに。むしろ、処理の仕方を誤らない私が自制の効かないクズと一緒くたにされてたまるか。
闘争が新たな闘争を生むのは自明なのに、わきまえず、ひたすらに欲を満たそうとしてキリの無い、虚しい行為に身を投じる奴らが私は嫌いだ。
……眠りを欲しているとか何とか言っていたわりに、もうギンギンに目が覚めてしまった。
今現在の就眠を妨げるのはストレス要因だけではない。DISCで命令されても負傷は堪えられないのか、手の震えが止まらない、というのもある。
だが、眠れないのはかえって好都合なのかもしれないな。私はまだ、眠るわけにはいかない。ここでしばらく眠ったってあの朝はやってこない。
頬どころか全身痛むんだ、覚めない以上これは現実、夢じゃあないというのは腹立たしいほど理解している。
……そうは言っても、平和が恋しい。ここで眠って、悪夢が覚めて、昔に帰れればいいのに。
目覚めた先が何一つ変わりないいつも通りの朝なら、朗らかな陽光を浴び心地よくなったところで、しのぶがウェッジウッドのハンディングシーンで朝の紅茶を――

――何故、ここで川尻しのぶが出てくる?

まあ、いいさ。
ここの参加者や、正体を知る早人を始末するのが重要で、川尻家は後から考えればいいし、どうとでもなる。
無事戻ったところで元の世界では騒ぎを起こしてしまったんだし、下手な事は出来ない。川尻しのぶの『手』はしばらく我慢せざるを得ないだろうな。
もう父も母もいない……二人だけ、夫婦揃って仲良く生活、か。

悪くないかもしれない。

こんな掃き溜めみたいな惨めな環境よりは、よっぽどな。

カチリ。


  ★


ポン、と、誕生日パーティーで鳴らすクラッカーのような破裂音が鳴り響いた。
被害者はきっと、何が起こったか認識することも、反射で認識を超越することも出来ない。痛みは一瞬だ。
命を奪う音にしては静かで、淡白で、それがまた残酷だった。

「俺のように爆発を食らった感想はどんなものなんだろうな?」

ディオは明日の天気を尋ねるぐらいに軽々しく、質問した。
命を奪ったにしては――などとまた続けてしまうと、人の命は重いのかと、哲学的な方面へ持っていくみたいで野暮だ。
ディオにしてみれば命は軽い。ディオの見据える肉塊に、かつて命の重さがあったとしてもだ。

「まあ、聞くだけ無駄か。恨むなよ。規約通り、俺は直接手を下しちゃあいない。それに今のは、参加者を減らすための共同作業だ」

視線の先には、口から赤黒い液体を吐き散らした躯、吉良吉影。

ディオは嘘をついた。DISCに命じたのは『右手のスイッチを押せ』ではない。
下した命令は――『自分の心臓を爆弾に変えて起爆しろ』。

『参加者を殺して回る、この過程において、我々は絶対に協力し合う』――ディオと吉影は、協力して吉影を絶命させた。
『各々、最後まで同盟者には手を出さない』――止めを刺したのは吉良自身。
ディオは、あくまで規約に則り、吉良を不帰の道へと突き落とした。
誰が文句を言えようか。少なくとも、同盟者の誰からも、非難を受けることはない。
吉良が地獄の底から抗議しようと、規約を立てた者自身が規約に殺されたのだと言われたら、返す言葉があるだろうか。

「俺が『参加者を殺して生き残る事を目的としている』、と判断したようだが……ただの思い込みだ。
 ジョージが死に、遺産の継承がほぼ確実となった今、俺から積極的に殺しに行く理由はない。お前が片手を消し飛ばしたこともあるしな。
 なんにせよ、ボロ雑巾のようになったお前なんぞ、数を減らすには一番の邪魔者だ」

吉良吉影は思い出せなかったのか。
止めを刺したのは由花子とはいえ、空条承太郎を殺害する御膳立てをしたのは自分だということを。
敵対する者同士が手を組む、その結果を自身が体現したことに気が付かなかったのか。
吉良吉影はかつて空条承太郎がそうであったように、透き通る薄氷を渡り、踏みぬいた。
前例を知っていながら同じ轍を踏んだのだ、なおさらタチが悪い。

「ジョナサンは離れ、御し難い殺人鬼どもは行方知れず。盾になるものが近くにいなくなった今、同盟のメリットは消え失せる」

意のままに働いてくれる者が必要だった。その点、殺ししか眼中にない彼らはミスマッチ。
自分から探しに行くのは割に合わない。ハイリスク・ローリターンだ。
では、自分の思うままに動くというわがままを聞き届けてくれる慈悲深い人々とはどのような人物か。
ディオは、破裂した吉良の心臓目掛け、支給品の一つ、アイスピックを突き刺す。

「取り入るべきは、荒木に仇為す者どもだ。未来の汚名は懸念されるが、今の俺なら自然に出来る。吉良の死体とジョージの首輪を使えば、な」

このゲームを脱出しようといきがっている正義のミカタが徒党を組んで襲ってきたらどうすると、吉良は迫ったことがある。
簡単な話だ、最初から敵対しなければいい。
右手を見せしめに脅され、協力せざるを得なかったが、隙を見て心臓を突き刺し、離反したとでも言っておけば争わずに済む。
デイパックにジョージの首輪を入れておけば、なおさら信じ込むだろう。
スタンドを手に入れるまでは襲われる立場だったし、先の戦闘は吉良の同盟のせいにでもしてしまえばいい。
ジョージを除けばディオは、殺しに消極的な者を殺していないのが功を奏した。
唯一であるジョージ殺しさえも、吉良に罪を被せてしまえるのだ。もはや、客観的には未来の罪しか糾弾する要素がない。
しかもディオが知る限り、右手を復元できる能力者はジョルノしかいないのだ。
脱出派である彼の生死が知れない今、殺しに積極的になるのは得策ではない。

「荒木の下に辿り着くには可能性は広げておきたい。いざとなればスタンドで従わせる」

『ホワイトスネイク』の能力は、従える集団がいてこそ威力を発揮する。
最後の一人になろうと野望をぎらつかせる連中より、協力を前提とする者の方が命令は容易。
正義感が邪魔になるのならDISCで上書きすればいいが、優勝狙いは同盟を結んだところで警戒心からそうそう挿入させてはくれないだろう。
能力のアドバンテージを最大限生かすには、闇雲に殺して優勝を狙うのは愚策。
手駒を増やす必要がある。勝負を有利に進めるために。
殺し合いが成立しなくなれば荒木が出向くしかない。いや、集団を形成し、早急に出向かせるのがディオの目的。

「覚悟は諦めではない、とは、実に良い言葉じゃあないか。ああそうだ、ユカコもだが、俺はまだ荒木に何の復讐も果たしちゃあいない!
 俺に不利なルールに流されるまま従って、ただ一人生き残って荒木に許しを請うなどと! 諦めたも同じ!」

荒木の仕打ちは、到底、黙認できそうにない。
参加者のほとんどがスタンド使いの中、貴様はただの人間だと、添え物程度の扱いだと馬鹿にされた。
明らかに不利な状況からのスタート。未来の信望などほとんど頼りにならず、策略に使われることさえあった。
スタンドは何のために受け継がれた? 帝王になるためだ。反目する者どもを根絶やしにし、意のままに従う軍団率いる帝王に。
荒木と決着をつける前にただ一人生き残った、では帝王の名折れ。

「小競り合いはやめだ。俺が上に立つためにも、復讐のためにも、必ずや荒木を引きずりだしてやる!」

しかし、ディオが荒木に勝利しようとする理由は何か。単なる怒りならばいずれは冷めるだろうに。
正義に感化された? 邪悪の化身、百余年に渡る因縁の発端が?
否、否、否。
優勝も脱出も眼中にない。彼の願いは、欲望は、際限なく。



「そしてゆくゆくは……荒木のスタンドを手に入れてみせるッ!」



欲するは、望むは、人が持つには過ぎた力。
ならば問おう。その言葉、人間としての言葉か。人間を止めたものとしての言葉か。



【吉良吉影 死亡】
【残り 12(13)名】



【C-5 西部/1日目 真夜中】
【ディアボロ】
[時間軸]:レクイエムジョルノに殺された後
[状態]:右つま先に爆発によるダメージ。頭部に軽い打撲。強い決意。恐怖。
[装備]:なし
[道具]:支給品一式(水は全消費)、ポルナレフのデイパック(中身は確認済み):空条承太郎の記憶DISC、携帯電話
[思考・状況]
基本行動方針:ジョセフの遺志を継ぎ、恐怖を乗り越え荒木を倒す。
1.天の光は、こうも美しいものだったのか。
2.別行動を取った露伴たちが心配。無事ジョルノに『伝言』が伝わればいいが……
3.恐怖を自分のものとしたい。
4.『J・ガイルを殺す、花京院に謝る』。2つのポルナレフの遺志を継ぐ。
5.駅にあるデイパックを回収したい。
[備考]
※音石明の本名とスタンドを知りました。
※参加者が時を越えて集められたという説を聞きました。
※『恐怖を自分のものとして乗り越える』ために生きるのが自分の生きる意味だと確信しました。
※アレッシーとの戦闘により、『エピタフ』への信頼感が下がっています。
※キング・クリムゾンの制限は『吹き飛ばせる時間に限りがある』でした(『エピタフ』含む)。これを破ると首輪が爆発します。
※↑の制限とは関係なく、精神状態の変化から時を飛ばせる時間が少なくなっています。
※サンドマンのメッセージを聞きました。
※露伴たちと情報交換をしました。内容は『迷える奴隷』参照。
※荒木を倒し全てが終わった後、露伴に『記憶を読ませる』という約束をさせられました。
※ポルナレフのデイパックも確認しました。DISCに描かれている絵が空条承太郎であることは把握しましたが、DISCの用途に今回の戦闘で気が付いたかは不明です。



【D-5 北部/1日目 真夜中】
【ディオ・ブランドー】
[時間軸]:大学卒業を目前にしたラグビーの試合の終了後(1巻)
[状態]:内臓の痛み、右腕負傷、左腕欠損(波紋と、ジョナサンが持っていた包帯で処置済み)、軽度の銃創、左足負傷、
    ジョルノ、シーザー、由花子(と荒木)への憎しみ
[装備]:『ホワイトスネイク』のスタンドDISC
[道具]:ヘリコの鍵、ウェザーの記憶DISC、アイアンボールボウガンの鉄球、剃刀&釘セット(約20個)、基本支給品×2(水全て消費)、
    不明支給品0~1(確認済み)
[思考・状況]
基本行動方針:なんとしても生き残って、荒木のスタンドを手に入れる。
0.とりあえず放送まで休む。方針は放送次第で決定。
1.ジョージ殺しの罪を吉良になすりつけることで集団に入りやすくする。
2.吉良を殺せてスッキリ。ジョナサンにも殺意。
3.荒木のスタンドDISC生成の時間稼ぎのために、スタンド使いを『上に立って従わせる』。
4.ジョルノ、由花子に借りを返す
5.ジョナサンには最終的には死んでほしい
6.ジョルノが……俺の息子だと!?
[備考]
※見せしめの際、周囲の人間の顔を見渡し、危険そうな人物と安全(利用でき)そうな人物の顔を覚えています
※ジョルノからスタンドの基本的なこと(「一人能力」「精神エネルギー(のビジョン)であること」など)を教わりました。
 ジョルノの仲間や敵のスタンド能力について聞いたかは不明です。(ジョルノの仲間の名前は聞きました)
※ラバーソールと由花子の企みを知りました。
※『イエローテンパランス』、『キング・クリムゾン』の能力を把握しました。
※『ホワイトスネイク』の全能力使用可能。頭部を強打されればDISCが外れるかもしれません。


※吉良吉影の死体の胸元にアイスピックが突き刺さっています。吉良吉影の最後の支給品でした。
※【C-5西部 民家】吉良吉影の死体の近くに、ティッシュケースに入れた角砂糖(爆弾に変える用・残り4個)、携帯電話、折り畳み傘、
 クリップ×2 、ディオの左手、 ハンカチに包んだ角砂糖(食用)×3、ティッシュに包んだ角砂糖(爆弾に変える用)×5、
 ポケットサイズの手鏡×2、支給品一式×2、緑色のスリッパ、マグカップ、紅茶パック(1/4ダース)、ボールペン二本、
 CCDカメラの小型モニター、ギャンブルチップ20枚、二分間睡眠薬×1 が放置されています。
※【D-4 北部】に支給品一式 ×5(内一食分食料と方位磁石消費)が放置されています。
※【C-5 西部】にサブマシンガン(残弾なし)、巨大なアイアンボールボウガン、ボウガンの鉄球が放置されています。
※ヨーロッパ・エクスプレスはDIOの館を離れました。どこに行ったのかは不明です。



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203:箱庭の誓い、その果てに ディオ・ブランドー 210:ただの人間だ。人間でたくさんだ。
203:箱庭の誓い、その果てに 吉良吉影 GAMEOVER
203:箱庭の誓い、その果てに ディアボロ 210:ただの人間だ。人間でたくさんだ。

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最終更新:2011年05月13日 23:20