meet again

D-3、古びた廃洋館内。
屋内は閑散としており異様な静寂に包まれていた。
窓から僅かなは光が差しているものの、どこか薄暗い雰囲気を感じさせる。
整頓された内装とは裏腹に不気味なまで生活感を感じさせない。
埃の匂いが充満し、朽ちた様子を伺わせる館だ。
まさに『廃洋館』という呼称通りの廃墟だろう。
本来ならば亡霊達の巣食う館に人がいる筈がない。
少なくとも『生者』が訪れるような場所ではないのだ。

だが、今は殺し合いのただ中だ。
亡霊の姉妹が住まう館も今やゲームの会場に存在する施設でしかない。
誰が足を踏み入れても不思議ではないのだ。
だからこそ当然の如く『彼』はこの館に訪れた。
リビングと思わしき部屋で、男は座禅を組むように暖炉の前で座り込んでいた。

両目を抉った傷。筋肉隆々の肉体。古代の部族にも似た衣装。負傷を感じさせぬ程の気迫。
それらは仏像の如く動かぬ男の異様さを物語っていた。
この男が異端の怪物であることを端的に物語っていた。


(傷は決して浅くないが…それなりに癒えてきたか)


柱の男『ワムウ』はこの廃洋館内で日光から身を隠し、自らの傷を癒していた。
第一回放送前、彼は魔法の森でジョリーンとマリサの前に敗北した。
端的に言って、彼女達は『強かった』。
奇妙な人形を操る魔術。優れた実力と連携。決して屈せず立ち向かう強靭な意思。
それらはワムウの心に確かな炎を灯していた。
『強敵との戦い』という、久しく感じていなかった『喜び』を思い起こさせたのだ。
あの太陽の如し炎を操る少女もそうだ。
まだ未熟でありながら、彼女達は確かな強さを秘めていた。

この地には数々の『強者』が存在する。
己の魂を満たしてくれる強い戦士たちがいる。
自らの傷を癒しつつ、ワムウはそう直感していた。

だが、今はまだ傷を癒さねばならない。
二度の死闘によって受けた傷はワムウに相応の消耗を与えていた。
如何に柱の男と言えど、強敵との連戦はその身に堪える。
それに、今は闇の一族の弱点である太陽が昇っている時刻だ。
暫くはこの廃洋館で休む他ないだろう。
ある程度傷が癒えた頃に館内の捜索を行うことも視野に入れるべきか。



(…それにしても)


やや呆れ気味に、ワムウは己の片足にしがみ付く存在へと意識を向ける。
仏像めいて動かぬ彼の片足には一人の少女が抱きつきながら眠っていた。
彼女の名は古明地こいし
地霊殿の主の妹であり、無意識を操る能力を持つ覚の妖怪だ。


(余程疲労していたのか)


こいしは寝息を立てており、未だに目覚める様子はない。
ワムウの力ならば彼女を振り払うことも容易いだろう。
だがこいしは一向に目覚める様子を見せないし、身を休めている状況で彼女を無理に引き離す必要もない。
故にワムウは彼女の存在を容認し、その場に像の如く留まっていたのだ。
古明地こいしは『弱い』。
真の強さを見出せず、周りに流されながら彷徨っている。
ただ状況に翻弄されながら此処までかろうじて生き延びてきたのだろう。
とはいえ、そんな彼女を鏡としワムウは己の弱さを自戒した。
この会場には数々の『強者』が存在する。彼らとの戦いは実に心が湧き踊る。
だが、闘争に溺れ真の目的を失ってしまえば形無しだ。
この命はあくまで主の為のもの。自らを戦士として育て上げた二人の君主に尽くすことこそが己の使命だ。
弱さを抱えるこいしと語らったことでワムウは改めて自覚することができた。
故にワムウはこいしに助言をしたのだ。
彼の生涯の大半は主の為の闘争によって彩られていた。
数々の勇猛な戦士と出会い、己の力を以て彼らを蹂躙していった。
特に2000年前、ローマでの波紋戦士の一族との戦いは実に熾烈なものだった。
ワムウの魂を満たすほどの強者は居らずとも、彼らは皆勇敢に立ち向かってきた。
そう、ワムウは常に『戦士』と相対してきたのである。
こいしのように何も出来ず、自らの力で何も選べぬ者には見向きもしなかった。
普段のワムウならば彼女のような存在を軽蔑し、見下していただろう。
だが、今のワムウは不思議とそのような想いを抱かなかった。
それは先程の語らいによって自らの弱さを振り返ることができ、彼女に敬意を表した結果なのか。
あるいは、初めて面と向かって弱者と語らったことで微かな慈悲でも芽生えたのか。
今のワムウはまだ答えを見出せなかった。


(……この音、気配……参加者か)


そんな思考を繰り返す中、ワムウはあることに気づく。
何かが軋むような音が耳に入ったのだ。
これは玄関の扉が開いた音か。
同時に『気流』にも反応があった。
玄関の扉から洋館内に誰かが侵入してきたのだ。

風の流法を操るワムウは気流を感知する術にも長ける。
ごく僅かな人間の気配を感じ取ることなど彼に取っては雑作も無いのだ。
そして、主が得手とする『熱』による生体の探知も組み合わせればより高度な察知が可能となる。
今のワムウは柱の男としての能力を最大限に活かし、生きる生命探知機として機能していたのだ。


(歩行音も聞こえてくる。この歩幅は若い男。身長は185…否、186か。不安定な足取りだ。
 そして、相手はこちらへと確実に接近してきている)


他人の認識そのものを欺く古明地こいしが接近してきた時には気配を殆ど感じ取れなかったが、今回は通常通り感知出来る。
対象の足音、歩幅、動きが気流と熱によって感じ取れる。
そして、それらの気配はこのリビングの扉の前で止まった。


(…来るか)



ゆっくりと開かれるリビングの扉の音と共に、ワムウは察知する。
来訪者はこの部屋に入ってくるつもりらしい。
そして再び耳に入った足音は、ゆっくりと此方へ接近してくる。


「去れ、来訪者よ。さすれば命は取らん」


故にワムウは警告を飛ばした。
どのような参加者かは解らぬが、今は争うつもりはない。
もし殺し合いに乗っている参加者であるとしてもこのワムウが負けるつもりは無い。
未だ傷を負っている状態とは言え、十分に身体を動かせるレベルには回復した。
風の流法も十分に機能する。故に彼は強気の姿勢を取ったのだ。


「ほう、こんな所にいたとはな。確かにここは『日光』を避けるには打ってつけの場所だ。
 我々の隠れ家としては特に適しているだろう。何はともあれ、お前と合流できて良かった」


だが、相手の態度は予想と反していた。
まるで知り合いと再会したかのような様子で話しかけてきたのだ。
そして、その『声』を耳にしてワムウは一層警戒を強めた。
間違いない。ローマの地下遺跡で出会ったシーザーとかいう波紋戦士の声だ。
だがヤツは死んだはず。第一回放送にその名を連ねていたのだから。

「その声、波紋戦士の」
「いいや違うぞ。私は一万二千年前にお前を拾った『主』だ。
 荒事に巻き込まれ、今は『波紋戦士』の肉体を使っているがな」

どこか落ち着き払った態度で相手はそう語り掛けてくる。
疑心を抱いていたワムウは、来訪者の正体に気づいた。
その口調と態度は彼にとっても確かな覚えがあるものだったのだから。
このワムウを戦士として育て上げた、我が主の一人だ。
光の流法の使い手にして一族の長――その名はカーズ



「ご無事でしたか、カーズ様」
「ああ。ワムウ、おまえも無事で何よりだ。…で、それは子守の真似事か?」



そういってカーズはワムウの足に纏わりつく古明地こいしを指差す。
何処か茶化すような主の言葉に対し、ワムウは何とも言えぬ沈黙で返した。


◆◆◆◆◆◆◆◆


◆◆◆◆◆◆◆◆



ブジュル、ブジュルと気味の悪い咀嚼音がリビングに響き渡る。
『戦士だったもの』の血肉が、彼の肉体に取り込まれていく。
そう、シーザー・アントニオ・ツェペリの屍体だ。
激しい出血と消耗によって使い物にならないと判断されたシーザーの肉体は、カーズの『食料』として処分されることとなったのだ。
右腕だけは遺している。カーズの失った右腕の部位に移植する為だ。
それ以外の肉体は埋葬されることも弔われることもなく、全身で捕食する柱の男の餌として消費された。
カーズはワムウにもシーザーの屍体を食料として与えるつもりだったが、彼はそれを拒否した。
主であるカーズの回復を優先させるためだ。
主君への忠義を優先するワムウへの『信頼』を改めて噛み締め、カーズは彼の意思を尊重した。
その後カーズはワムウの辿った道筋を聞き出していた。
ワムウに情報を聞き出す中で、カーズが一つ気づいたことがある。
ワムウとカーズの間に僅かな認識の違いが存在していたのだ。
カーズはエシディシ、シーザーを死者として認識していた。
だが、ワムウは彼らを生者として認識していたのだ。
話を続けるうちに、二人は自分たちの「時間軸」が異なっていることに気付いたのだ。

(まさかとは思うが…あの荒木に太田とやら、時間さえも超越する力を?
 有り得ぬ話ではない。現に我々の間で時間の認識が異なっていたのだから。
 それに、スタンドという未知の力が存在する以上どのような現象が起こっても不思議ではない)

カーズは己の中で推測を纏める。
時空間を超越する力。荒唐無稽だが、今や有り得ぬ話とは断言できない。
この会場は未知の力が数多く存在している。
それに、相手は「90人もの参加者を一堂に呼び寄せ、隔離された空間内で殺し合いを強いる」ことが出来る力を持った主催者だ。
ワムウとの認識の違いを把握した以上、最早時空間の干渉という現象でさえ可能性としては有り得ると推測した。

――カーズはワムウの死についても言及した。

「お前もまた、このカーズの前で死んだ」と。
カーズはそうワムウに告げたのだ。
詳しいことは語らなかった。だが、ワムウはただ無言でそのことを受け入れていた。
彼が何を思っているのか、何を感じていたのか。
カーズはそれを読み取ることはできなかったが、少なくとも彼の意思を揺るがすことはなかったらしい。

そのままカーズは更なる情報を聞き出す。
どうやらワムウは此処に至るまで、幾つかの死線を乗り越えてきたらしい。
一つ目は黒翼の少女との戦闘。
太陽の如し熱を操る力はワムウでさえも苦戦させたという。
ワムウの傷の治りが遅いことから、その熱は実際に『太陽』や『波紋』に由来するものである可能性が高い。
彼女の名はワムウも把握しておらず、知らぬうちに脱落している可能性もあるが警戒は必要だろう。
最悪の場合、我々の天敵となる危険性があるのだから。
二つ目は人形を操る二人の女との戦闘。
カーズはこの話に関心を抱いた。
彼女らは特異な能力を持つ人形――力(パワー)ある像(ビジョン)を操っていたというのだ。
ワムウの話を聞く限り、その人形は自らの知る『スタンド』の情報と特徴が一致している。
恐らくは彼女らもスタンド使い。やはりDISCによってそれを獲得したのだろうか。
何にせよ、この会場には自分の予想していた以上にスタンド使いが存在する。
どれほどの限界を持つか解らぬ未知の能力だ。最大限警戒せねばならないだろう。

「『スタンド』…我々も知らぬ力が存在するとは…」
「私も驚いているさ。どうやらこの会場には数多の『未知なるもの』が存在するらしい」
そう言ってカーズもまた、ワムウに対し口を開いた。
「紅魔館という施設は把握しているな?この会場の中央の『霧の湖』の小島に存在する館だ」
「霧の湖…この廃洋館に足を踏み入れる前、僅かながら目視での確認をしました。
 周辺には翼竜にも似た奇妙な生物が幾匹も見受けられました。まるで紅魔館の近辺を監視するように」
「ふむ、やはりお前も見ていたか。あれも恐らく『スタンド』だろう。
 あの館にはそれを使役する本体が存在する。それに、そいつを上回るやもしれぬ『厄介なスタンド使い』も…」


自らの記憶を掘り起こし、カーズは険しい表情を浮かべる。
無数の恐竜を自在に使役するスタンド使い。
あのシーザー・アントニオ・ツェペリが恐竜に変貌していたことから、人間を恐竜化させることも可能らしい。
どんな条件によって恐竜化するのか。柱の男に対してもそれは有効なのか。まだ確定した判断を下せる材料は少ない。
そして、あの時突然現れた金髪のスタンド使い。
ヤツは音も気配もなくその場に現れ、カーズを吹き飛ばした。
一体如何なる術を使っているのか。少し前に考察した通り、奴の能力の謎を暴く必要がある。
そして、面倒なのは『その二人』が結託している可能性があるということだ。
恐竜のスタンド使いが未だに健在であることは、紅魔館の周囲を飛び回る翼竜が証明している。
奴が金髪のスタンド使いを撃退した可能性も考慮したが、可能性は低いだろう。
あの男はカーズとの戦闘で消耗している。対する金髪のスタンド使いは、一瞬見た限りではほぼ無傷の状態だった。
恐るべきパワーとスピード、そして瞬間移動にも似た圧倒的な能力を持つ金髪のスタンド使いが手傷を負った恐竜のスタンド使いに敗北するだろうか?
少なくともカーズはそうは考えられなかった。
もしかすれば、あの二人は結託し紅魔館で籠城をしているのではないか――そんな疑念を抱いたのだ。

「この仮定が正しいとすれば、相当厄介なことになるな」
「翼竜軍団による監視と警備、それに未知の能力を持つ強者…確かに、強力な牙城と言えるでしょう」
「だからこそ、ヤツらは仕留める必要がある。特に金髪のスタンド使い…ヤツは特に危険だろう。
 ヤツに対しては早い内に手を打っておきたいものだ」

未知の力を持つ金髪のスタンド使いはどんな手を使ってでも始末する必要がある。
他者をぶつけて能力を探る。漁夫の利を狙う。手段を問うつもりはない。
ただ勝てばいいのだ。それがカーズの流儀であり、卑劣な信念なのだから。

まだ見ぬ未知の強者たちはやはり幾人も存在する。
この会場の底知れなさを改めて理解したワムウの胸には、僅かな期待が込み上げる。
やはりこの場には己の渇きを満たす強者が数多く存在しているのだろう。
しかし今重要なことは主に忠誠を尽くすことだ。
このような私欲に溺れてはならない。そう己を戒めたばかりなのだ。
故にワムウは己の意思を封じ込める。
そして僅かな沈黙の後、ワムウが再び口を開いた。


「して、カーズ様。ヤツ……人間共から『サンタナ』と呼ばれていた同胞と再会しました」


ほう、とカーズは抑揚の無い無感情な感嘆の声を上げる。
まるで『道端で子犬を見かけた』などと言うどうでもいい話を聞いたかのような反応だ。


ワムウはサンタナと再会した際の経緯を話した。
ヤツが他の参加者を喰らっている所を発見し、接触を試みた。
一族の一人である彼を一応の仲間と見做し、主の捜索を命じた。
ヤツとの出会いはそれきりだ。
少なくとも第一回放送を超えているのは確かだが、今生きているのかさえ解らない。
とはいえ、ヤツとて闇の一族の一人。主にとっては番犬に過ぎぬとはいえ、そう簡単にやられるはずもない。
ワムウはそう考えていた。

「ヤツにはカーズ様、エシディシ様の会場の南方における捜索を命じました」
「お前がヤツを使うとはな」
「落ちこぼれと言えどヤツもまた我らが同胞、利用する手はあるかと」
「それもそうか。で、エシディシは見つけたのか」

淡々と問いかけるカーズに対し、ワムウは答える。

「いえ、未だにエシディシ様との接触は果たせておりませぬ。
 もしかすれば、ヤツが合流している可能性もありますが…」
「そうか。エシディシとは早急に合流を果たしておきたいものだな」

カーズはきっぱりとそう言った。
それを聞き、ワムウは静かに頷く。
ワムウもとうに理解していたことだが、カーズはサンタナのことを一切気に留めていなかった。
所詮は落ちこぼれの青二才。メキシコの地に捨て置いた犬。
恐らく、カーズにとってサンタナなどその程度の認識だろう。
カーズの意思に対して、ワムウが異を唱えるつもりはない。
だが、ワムウは僅かに口惜しさを感じていた。
久々に同胞と再会したことで微かな干渉が芽生えてしまったのかもしれない。
らしくない感情だと、ワムウは心中で自嘲する。
主がサンタナをどう扱おうと、自らには関係ない。
所詮自身もサンタナも、主達のしもべに過ぎないのだから。



「で、その小娘――――――」



サンタナの話を切り捨てるように、カーズは次の話を切り出す。
小娘。つまり、ワムウの足にしがみつく古明地こいしのことだろう。
彼女は一向に目を覚ます様子を見せなかった。
ここに至るまでに相当の心労や疲労を抱えていたのか。
あるいは、ワムウの傍にいることで余程安心しきっているのか。
理由は解らない。
そもそも、カーズは理由など興味を持たない。


「起こせ。お前とて、いつまでもしがみつかれては堪ったものではないだろう」


カーズはワムウに対しそう言い放った。
その声色からして、単なるしもべに対する慈悲ではないということはワムウもすぐに理解できた。
故にワムウは問いかける。


「カーズ様、如何なされるおつもりですか」
「決まっておろう。その小娘から情報を引き摺りだすのみ。
 利用できるかできないかは、その後に判断する」


そう呟くカーズの口元には、冷酷な笑みが浮かんでいた。


◆◆◆◆◆◆◆◆


◆◆◆◆◆◆◆◆


ワムウは主の指示に逆らうつもりはなかった。
元よりこの命は主の為に存在するものだ。
彼らの命令は絶対であるし、自らがそれに逆らう必要など無い。
主もまたワムウの意思を尊重することこそあれど、主導権を委ねることは無い。
2000年以上も前に波紋戦士の子供と相対した時もそうだった。
ワムウは幼子に手を掛けることを嫌い、ついにはそれを仕留めることが出来なかった。
カーズはそれを咎めはしなかった。代わりに己が手で子供を殺した。
お前の信念は理解しているが、お前の意思は関係ない。
物事を決めるのは、相手の生死を選別するのはいつだって主である自分達だ。
カーズはワムウに身を以てそう教えたのだ。

以来、ワムウは主の選択を従順に受け止めることを改めて決意した。
自らの理念に反する時は口を挟むこともあるだろう。
だが、最終的にすべての決めるのは主だ。しもべの意思など関係ない。
そう理解してから、ワムウはカーズの所業を見過ごすようになった。
例え主がどんなに卑劣で残虐な所業を行おうと、仕方が無いと割り切ることに決めた。

ワムウが清廉なる強者との死闘を貪欲なまでに望むようになったのは必然だったのかもしれない。
自らの理念と相容れぬ生き方を貫く主へのジレンマを、闘争によって晴らしていた。
武人として魂を燃やすことこそが、彼にとっての安らぎとなっていた。
彼は『無意識』のうちに己の心中の孤独を癒すことを求めるようになっていたのだ。
このバトル・ロワイアルはそんな彼の意思を刺激し、久方ぶりの強い闘争本能を呼び起こしたのだ。

だが、今は主の指揮下にある。
忠義と渇望を天秤に掛けた場合、己の渇望を押し殺して忠義を優先する。
それがワムウのサガだった。

主の言葉が正しいとすれば、未来で己は死ぬらしい。

その最期がどのようなものであったのか、敢えて聞き出すことはしなかった。
未来を知ったところで、ワムウは逃げも隠れもするつもりはないのだから。
ただ己の掟を貫き通し、戦い続ける――それだけだ。
今のワムウはただ主の意思に従うのみ。
主が古明地こいしをどう扱うのか。
それについても、口を挟むつもりは無かった。




【D-3 廃洋館内/午前】

【カーズ@第2部 戦闘潮流】
[状態]:怒り、疲労(中)、体力消耗(中)、胴体・両足に波紋傷複数(小)、全身打撲(中)、シーザーの右腕を移植(いずれ馴染む)
[装備]:狙撃銃の予備弾薬(5発)
[道具]:基本支給品×2
[思考・状況]
基本行動方針:どんな手を使ってでも生き残る。最終的に荒木と太田を始末。
1:休息を取り、傷を癒す。
2:地下への入り口を探す。
3:エシディシと合流する。
4:古明地こいしから情報を聞き出す。
5:金色のスタンド使い(DIO)は自分が手を下すにせよ他人を差し向けるにせよ、必ず始末する。
6:上記のためにも情報を得る。他の参加者と戦わせてデータを得ようか。
7スタンドDISCを手に入れる。パチュリーと夢美から奪うのは『今は』止した方がいいか。
8:この空間及び主催者に関しての情報を集める。そのために、夢美とパチュリーはしばらく泳がせておく。
  時期が来たら、パチュリーの持っているであろうメモを『回収』する。
[備考]
※参戦時期はワムウが風になった直後です。
ナズーリンタルカスのデイパックはカーズに回収されました。
※ディエゴの恐竜の監視に気づきました
※ワムウとの時間軸のズレに気付き、荒木飛呂彦、太田順也のいずれかが『時空間に干渉する能力』を備えていると推測しました。
※シーザーの死体を補食しました。
※ワムウにタルカスの基本支給品を渡しました。

【ワムウ@第2部 戦闘潮流】
[状態]:全身に小程度の火傷(再生中)、
右手の指をタルカスの指に交換(ほぼ馴染んだ)、頭部に裂傷(ほぼ完治)
    失明(いつでも治せるがあえて残している)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品
[思考・状況]
基本行動方針:掟を貫き、他の柱の男達と合流し『ゲーム』を破壊する
1:傷の回復が終わり次第、廃洋館内の地下を調べる。
2:エシディシと合流する。サンタナに関しては主の判断に従う。
3:霊烏路空(名前は聞いていない)と空条徐倫(ジョリーンと認識)と霧雨魔理沙(マリサと認識)と再戦を果たす。
4:ジョセフに会って再戦を果たす。
5:主達と合流するまでは『ゲーム』に付き合ってやってもいい。
6:こいしの処遇は主に一任する。
[備考]
※参戦時期はジョセフの心臓にリングを入れた後~エシディシ死亡前です。
※失明は自身の感情を克服出来たと確信出来た時か、必要に迫られた時治します。
※カーズよりタルカスの基本支給品を受け取りました。
※スタンドに関する知識をカーズの知る範囲で把握しました。
※未来で自らが死ぬことを知りました。詳しい経緯は聞いていません。

【古明地こいし@東方地霊殿】
[状態]:肉体疲労(中)、精神疲労(大)、睡眠中、ワムウの足に抱きついている
[装備]:三八式騎兵銃(1/5)@現実、ナランチャのナイフ@ジョジョ第5部(懐に隠し持っている)
[道具]:基本支給品、予備弾薬×7
[思考・状況]
基本行動方針:…………
1:少女睡眠中。
2:自分自身の『強さ』を見つける。
3:ワムウおじさんと一緒にいたい。
[備考]
※参戦時期は神霊廟以降、命蓮寺の在家信者となった後です。
※ヴァニラからジョニィの能力、支給品のことを聞きました
※無意識を操る程度の能力は制限され弱体化しています。
気配を消すことは出来ますが、相手との距離が近付けば近付くほど勘付かれやすくなります。
また、あくまで「気配を消す」のみです。こいしの姿を視認することは可能です

120:Awake 投下順 122:岸辺露伴は動かない ~エピソード『東方幻想賛歌』
118:紅蒼の双つ星 ― ばいばいベイビィ ― 時系列順 122:岸辺露伴は動かない ~エピソード『東方幻想賛歌』
103:ワムウとこいしのDOKIDOKI添い寝物語 古明地こいし 128:四柱、死中にて
103:ワムウとこいしのDOKIDOKI添い寝物語 ワムウ 128:四柱、死中にて
120:Awake カーズ 128:四柱、死中にて

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最終更新:2021年02月18日 22:11