【元ネタ】創作・史実
【CLASS】
キャスター
【マスター】-
【真名】折口信夫
【性別】男性
【身長・体重】不明
【属性】混沌・中立
【ステータス】筋力:E 耐久:E 敏捷:E 魔力:D- 幸運:D 宝具:A
【クラス別
スキル】
陣地作成:D 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。”結界”の形成が可能。
道具作成:D 魔術的な道具を作成する技能。キャスターは読んだ人間の精神へ影響を与える文章を作成可能。
【保有スキル】
病弱:C-
天性の打たれ弱さ、虚弱体質を示すスキル。キャスターは生前病弱であり、死因は胃癌だった。
しかしこの病弱は身体的な問題ではなく、幼少から異常に「死」という物に対して惹かれていた
キャスターの精神性からくるものである。全ては、初恋の人が死んだ時からである。
キャスターが行動する際に幸運判定を行い、失敗すると行動を行えなくなる。
また、耐久のランク値を下げる。
詩歌:A
作成する詩歌の出来を示すスキル…ではない。
キャスターの作成する詩歌は神代の魔術が込められた日本最古の「ことば」、
その体系を解体し国文学として再解釈し、詩歌として利用している。
キャスターの作り出す詩詩はそれ自体がひとつの魔術であり、
読んだ人間に大きな精神的影響をもたらすものである。
生前の彼が詩歌の類まれなる名人であった理由のひとつだろう。
民俗学:A
キャスターの民俗学者としての知見を示すスキル。
「折口派」という後世にも名が残る派閥を作り出すほどに、
キャスターの考え出す概念は新しく画期的であった。
相手の外見、宝具、スキル、喋り方等、情報が多ければ多いほど
判定にプラスし、成功すると相手の真名を看破する事ができる。
【宝具】
『死者の書(我が生涯、我が最愛なる、彼のために)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1
「わたしがいなくなっても、この本は残る。」
キャスターが生涯をかけて執筆した名著。
中将姫伝説を基にし、死した大津皇子を神として再臨させるまでの過程を描いた物語。
あまりにも脈絡の無さと意味の分からなさから文壇では嫌煙されたり絶賛されたりしていたが、
その実は昔愛していた人の宗教思想を基に、大津皇子を生涯愛した男性に重ね、
神として昇華…つまりは供養したという物語である。
キャスターはこの宝具を展開する事で、自身の霊基を作中の人物である「中将姫」へと変化させる。
ただしこの宝具により現界した中将姫はスキル、ステータス共にランクダウンし、
その霊基にもキャスターの痕跡が残る。
具体的には中将姫の性格がキャスターに依った物となり、
宝具により神霊と化す故人が「藤無染」となる。
【解説】
実在した国文学者、民俗学者の折口信夫。
民俗学者の祖とも言われる柳田圀夫の弟子であり、釈迢空の名で詩人としても有名。
ホモセクシャルで女嫌い。生活の世話は弟子の男たちにやらせ、女性には冷たくしたという。
自身の母親と言われる人は本当の母親ではなく、父が叔母との間に作った子だとうすうすは気づき、
男色という性癖故に社会にも家庭にも居場所がない折口がのめりこんだのは、
既に死んだ人々の文化や風俗に他ならなかった。
著作「くちぶえ」は中学生男子二人が思い立ち、心中を行うが、15と16の頃の折口は二度も自殺を失敗している。
折口の詩歌や小説、特に「死者の書」の中で大津皇子に込められていた人物はかねてより養子であり、
愛人である、第二次世界大戦中に戦死した藤井春洋と思われていたが、
折口の学生時代の同棲相手である藤無染がその人であると近年では言われている。
無染は新仏教家であり、「仏耶同一論」…仏教とキリスト教の同一性を述べ、更に他の宗教との同一性を指摘し、
その根源は同一であると論じた人物である。
「死者の書」は元々古代エジプトにて死者の埋葬の際に一緒に埋葬され、
パピルスに書かれた死者が死後の楽園に入るまでの過程を描いたものであり、
折口の著作の「死者の書」では、仏教だけでなく、神道やキリスト教の意匠が込められている所から、
まさしく藤無染が提唱する「仏耶同一論」の基にかかれた作品であると判明した。
新しい論を提唱しながらも志半ばで亡くなった藤無染を悼み、文章という言葉の紡がれた糸でもって
物語の中で神々しい神へと再臨させる折口の「死者の書」は、作中の中将姫が紡ぐ曼荼羅そのものに他ならない。
【セリフ集】
ない。
現界と同時に「死者の書」を展開し、解除後は霊基が耐えられずに消失するからである。
【聖杯にかける願い】
自身と藤無染を復活させ、心中すること。
最終更新:2016年10月05日 06:11