星に願いを 第4話に戻る
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5. (つかさ視点)
柊つかさです。
今日の朝、こなちゃんが、お姉ちゃんと入れ替わったと話したときは
とても信じられなかった。現実的にありえないと思ったから。
でもね。お姉ちゃんの姿をした『こなちゃん』と一緒に、こなちゃんの
家に行ってから、考えが変わったんだ。
こなちゃんの姿をした『お姉ちゃん』が、お姉ちゃんと私しか知りようが
ない昔の秘密を、いとも簡単に明かしちゃったから。
今日の朝、こなちゃんが、お姉ちゃんと入れ替わったと話したときは
とても信じられなかった。現実的にありえないと思ったから。
でもね。お姉ちゃんの姿をした『こなちゃん』と一緒に、こなちゃんの
家に行ってから、考えが変わったんだ。
こなちゃんの姿をした『お姉ちゃん』が、お姉ちゃんと私しか知りようが
ない昔の秘密を、いとも簡単に明かしちゃったから。
ずっと昔の事なんたけど、だんだんと思い出してきたよ。
境内から程近い空き家でお姉ちゃんと、探検をしたり、ゲームをしたり、
おままごとをしたりしていたんだ。お姉ちゃんと過ごす時間は、とっても
温かくて心地良かった。
でもね、空き家は小2の夏に取り壊されてしまって、二人だけの
秘密基地はなくなっちゃった。
だから、私とお姉ちゃんしか知りようがない思い出。
境内から程近い空き家でお姉ちゃんと、探検をしたり、ゲームをしたり、
おままごとをしたりしていたんだ。お姉ちゃんと過ごす時間は、とっても
温かくて心地良かった。
でもね、空き家は小2の夏に取り壊されてしまって、二人だけの
秘密基地はなくなっちゃった。
だから、私とお姉ちゃんしか知りようがない思い出。
お姉ちゃんの姿をしたこなちゃんに、私の家族のみんな。つまり、
お父さんやお母さん、まつりお姉ちゃん、いのりお姉ちゃんのことを話したの。
あと、神社のお手伝いのこととかも。
こなちゃんは「巫女さんのコスプレができる」って喜んでいたけど、
境内の掃除とか、いろいろお手伝いがあることを話したら、
げんなりしていた。
お父さんやお母さん、まつりお姉ちゃん、いのりお姉ちゃんのことを話したの。
あと、神社のお手伝いのこととかも。
こなちゃんは「巫女さんのコスプレができる」って喜んでいたけど、
境内の掃除とか、いろいろお手伝いがあることを話したら、
げんなりしていた。
お姉ちゃんの姿になっている、こなちゃんを観察していると、
仕草や癖がやっぱり違っている。
お姉ちゃんは自分の髪の先端をよくいじるけど、こなちゃんは
あまりしない。
お姉ちゃんは怒ったり、笑ったり、と表情の変化が大きいけれど、
こなちゃんは、どちらかというとポーカーフェイスって感じかな。
仕草や癖がやっぱり違っている。
お姉ちゃんは自分の髪の先端をよくいじるけど、こなちゃんは
あまりしない。
お姉ちゃんは怒ったり、笑ったり、と表情の変化が大きいけれど、
こなちゃんは、どちらかというとポーカーフェイスって感じかな。
最初はとても信じられなかったけど、二人の小さな違いを発見する度に、
私はこなちゃんとお姉ちゃんが入れ替わったという事実を、素直に
受け入れるようになっていた。
もし、本当の事をこなちゃんたちに教えて貰わなかったら、今頃、
私はお姉ちゃんがおかしくなったって、オロオロしていたんじゃないかなあ。
私はこなちゃんとお姉ちゃんが入れ替わったという事実を、素直に
受け入れるようになっていた。
もし、本当の事をこなちゃんたちに教えて貰わなかったら、今頃、
私はお姉ちゃんがおかしくなったって、オロオロしていたんじゃないかなあ。
こなちゃんの姿をした『お姉ちゃん』と、ゆたかちゃんと別れた後、
私とこなちゃんは家に戻って、お昼ごはんを食べた。
それから、いよいよ境内の掃除を始めたんだ。
今日は、落ち葉集めがメインだったけど、量が多いから結構大変なの。
こなちゃんは「何で私がこんな事しないといけないのかな」なんて
ぼやいていたけど、体力はやっぱりこなちゃんの方があって、終わりの
頃には、私はふらついていたけど、こなちゃんは平気な顔をしていた。
私とこなちゃんは家に戻って、お昼ごはんを食べた。
それから、いよいよ境内の掃除を始めたんだ。
今日は、落ち葉集めがメインだったけど、量が多いから結構大変なの。
こなちゃんは「何で私がこんな事しないといけないのかな」なんて
ぼやいていたけど、体力はやっぱりこなちゃんの方があって、終わりの
頃には、私はふらついていたけど、こなちゃんは平気な顔をしていた。
ようやく掃除が終わって家に戻ると、空は茜色に変わっていた。
流石のこなちゃんも「疲れた~ 」といいながら、私のベッドに
へたり込んで、私はこなちゃんの隣に座る。
窓から差し込む柔らかい日差しが差し込んでいる。
流石のこなちゃんも「疲れた~ 」といいながら、私のベッドに
へたり込んで、私はこなちゃんの隣に座る。
窓から差し込む柔らかい日差しが差し込んでいる。
黄昏時は、逢魔が時――
私は、お姉ちゃんから「ひとがいい」なんて言われているけど。
本当はそんなことない。こなちゃんやお姉ちゃん、ゆきちゃんみたいに
綺麗なココロなんて全く持っていない。
それを、今から証明することになるんだ。
本当はそんなことない。こなちゃんやお姉ちゃん、ゆきちゃんみたいに
綺麗なココロなんて全く持っていない。
それを、今から証明することになるんだ。
「ねえ。こなちゃん」
「なに? つかさ」
こなちゃんは寝転んだまま、眠そうな瞳を私に向けてくる。
「お姉ちゃんのこと好き? 」
私が何気なく放り込んだ爆弾で、こなちゃんは文字通り固まった。
「なに? つかさ」
こなちゃんは寝転んだまま、眠そうな瞳を私に向けてくる。
「お姉ちゃんのこと好き? 」
私が何気なく放り込んだ爆弾で、こなちゃんは文字通り固まった。
「つかさ。突然、何を言い出すの?」
あからさまに動揺するこなちゃん。でもね。分からない振りを
しなくてもいいんだよ。
「私、お姉ちゃんのことは好きだよ。お姉ちゃんと私は、結局ふたりで
ひとりだから」
「えっと。どうゆうことカナ? 」
こなちゃんは、腕組みをしながら、首をかしげている。
あからさまに動揺するこなちゃん。でもね。分からない振りを
しなくてもいいんだよ。
「私、お姉ちゃんのことは好きだよ。お姉ちゃんと私は、結局ふたりで
ひとりだから」
「えっと。どうゆうことカナ? 」
こなちゃんは、腕組みをしながら、首をかしげている。
「私とお姉ちゃんは、根っこのところは同じだから、恋人として
好きになることはありえないんだ」
「百合姉妹フラグは立たないのかな」
「こなちゃんらしいね」
秋の日差しの名残りを浴びながら、微笑んだままこなちゃんの
顔を覗き込むと、首の後ろにゆっくり腕をまわす。
「つかさ……!? 」
私は、驚いているこなちゃんを無視して、唇を奪い取った。
好きになることはありえないんだ」
「百合姉妹フラグは立たないのかな」
「こなちゃんらしいね」
秋の日差しの名残りを浴びながら、微笑んだままこなちゃんの
顔を覗き込むと、首の後ろにゆっくり腕をまわす。
「つかさ……!? 」
私は、驚いているこなちゃんを無視して、唇を奪い取った。
「な、なんですと」
こなちゃんは大きくのけぞった。当たり前だね。
いきなりクラスメイトにキスされたら驚くよ。
こなちゃんは大きくのけぞった。当たり前だね。
いきなりクラスメイトにキスされたら驚くよ。
でもね。大きな外人さんから助けてもらったことがきっかけで、、
こなちゃんと仲良くなったけれど。
いつしか、こなちゃんのことが好きなことに気づいて、でも
ずっと言えなかったの。
だけどね。もう我慢できない。こなちゃんを誰にも渡したくない。
こなちゃんと仲良くなったけれど。
いつしか、こなちゃんのことが好きなことに気づいて、でも
ずっと言えなかったの。
だけどね。もう我慢できない。こなちゃんを誰にも渡したくない。
「こなちゃんは、お姉ちゃんが一番好きなの? 」
「そ、そんなことないよ」
こなちゃんは首を振ったけど、とても悲しいことに、私はこなちゃんが
お姉ちゃんに向ける視線が特別なことに、以前から気がついているんだ。
こなちゃんは、お姉ちゃんをからかって、その度に怒られたりしたけど、
愛情の裏返しにすぎないことも知っているんだ。
「そ、そんなことないよ」
こなちゃんは首を振ったけど、とても悲しいことに、私はこなちゃんが
お姉ちゃんに向ける視線が特別なことに、以前から気がついているんだ。
こなちゃんは、お姉ちゃんをからかって、その度に怒られたりしたけど、
愛情の裏返しにすぎないことも知っているんだ。
あと。いつだったかな。
こなちゃんと私だけで遊んでいたときに、ふいに寂しそうな顔になった
ことがあるけど、ものすごく切なくて悲しくなったこともあるよ。
こなちゃんの為だったら何でもできるのに、こなちゃんの前ならいつでも
笑顔でいられるはずだったのに……
どうして、よりによって、お姉ちゃんを好きになったのだろう。
こなちゃんと私だけで遊んでいたときに、ふいに寂しそうな顔になった
ことがあるけど、ものすごく切なくて悲しくなったこともあるよ。
こなちゃんの為だったら何でもできるのに、こなちゃんの前ならいつでも
笑顔でいられるはずだったのに……
どうして、よりによって、お姉ちゃんを好きになったのだろう。
「こなちゃんのこと、ずっと前から好きだったの」
「つかさが…… 私を? 」
「そう」
「私、リアルで同性趣味ないよ」
こなちゃんの趣味は普通の女子高生とかなり違うけれど、こなちゃんの
性に対する考え方は意外と常識的なんだね。
「つかさが…… 私を? 」
「そう」
「私、リアルで同性趣味ないよ」
こなちゃんの趣味は普通の女子高生とかなり違うけれど、こなちゃんの
性に対する考え方は意外と常識的なんだね。
だけど、私はこなちゃんが欲しい。今はお姉ちゃんの姿をしているけど、
中身はこなちゃんだということは間違いない。
こなちゃんの距離は50センチ。
これを零にするにはさっきみたいに不意をつくか、正面から強行するだけ。
中身はこなちゃんだということは間違いない。
こなちゃんの距離は50センチ。
これを零にするにはさっきみたいに不意をつくか、正面から強行するだけ。
私は、こなちゃんを押し倒して、両手をつかむ。
こなちゃんは驚いたまま、半ば反射的に振り払おうとする。
私は必死でこなちゃんの動きを封じ込めると、こなちゃんの唇に触れた。
こなちゃんは驚いたまま、半ば反射的に振り払おうとする。
私は必死でこなちゃんの動きを封じ込めると、こなちゃんの唇に触れた。
「んくっ…… 」
『お姉ちゃん』の声色で、こなちゃんが声を漏らした。
「つかさ、今日は変だよ」
一旦、唇を離した時に、戸惑いながらこなちゃんは言った。
「急にこんなことするなんて、つかさらしくないよ」
「お姉ちゃんの後ろで、にこにこと笑っているのが私? 」
なんだろう。心がとっても乾いている。
「そんなこと…… 」
こなちゃんは言葉を濁す。
「だからね。本当の私を知って欲しいの」
『お姉ちゃん』の声色で、こなちゃんが声を漏らした。
「つかさ、今日は変だよ」
一旦、唇を離した時に、戸惑いながらこなちゃんは言った。
「急にこんなことするなんて、つかさらしくないよ」
「お姉ちゃんの後ろで、にこにこと笑っているのが私? 」
なんだろう。心がとっても乾いている。
「そんなこと…… 」
こなちゃんは言葉を濁す。
「だからね。本当の私を知って欲しいの」
瞼を大きく開いたままのこなちゃんを抱きしめると、体温が
伝わってくる。
軽いフレンチキスでは物足らなくなって、私はディープなキスを
しようと、こなちゃんの可愛い口をこじ開ける。
こなちゃんは僅かに抗ったが、やがてあきらめたような顔つきで、
私を受け入れた。
「んっ……んくぅ 」
こなちゃんのくぐもった声を聞きながら、私は心の渇きを癒そうと
こなちゃんをむさぼった。必死に舌を絡めながら口の中をかき回す。
その度に、ぴちゃぴちゃとえっちな音が部屋に響いた。
長いキスで気分が高まった私は、深く差し入れていた唇をはなして、
『お姉ちゃん』の服を脱がしにかかる。
でも、こなちゃんは抵抗をやめて、静かに言っただけだった。
伝わってくる。
軽いフレンチキスでは物足らなくなって、私はディープなキスを
しようと、こなちゃんの可愛い口をこじ開ける。
こなちゃんは僅かに抗ったが、やがてあきらめたような顔つきで、
私を受け入れた。
「んっ……んくぅ 」
こなちゃんのくぐもった声を聞きながら、私は心の渇きを癒そうと
こなちゃんをむさぼった。必死に舌を絡めながら口の中をかき回す。
その度に、ぴちゃぴちゃとえっちな音が部屋に響いた。
長いキスで気分が高まった私は、深く差し入れていた唇をはなして、
『お姉ちゃん』の服を脱がしにかかる。
でも、こなちゃんは抵抗をやめて、静かに言っただけだった。
「つかさの好きにしていいよ」
どうしてそんな事を言うんだろう。
「こなちゃん。抵抗しないの? 」
「つかさが想いに気がつかなくて…… ごめんね」
謝らないでよ、こなちゃん。お願いだから。私が余計惨めになっちゃうよ。
「これはもともと『かがみ』の身体だしね。つかさとかがみは
一心同体でしょ。だったら繋がっても、私がどうこう言う筋合いでもないから」
「あ…… 」
こなちゃんは、とうの昔に私とお姉ちゃんの関係を見抜いていたんだ。
「こなちゃん。抵抗しないの? 」
「つかさが想いに気がつかなくて…… ごめんね」
謝らないでよ、こなちゃん。お願いだから。私が余計惨めになっちゃうよ。
「これはもともと『かがみ』の身体だしね。つかさとかがみは
一心同体でしょ。だったら繋がっても、私がどうこう言う筋合いでもないから」
「あ…… 」
こなちゃんは、とうの昔に私とお姉ちゃんの関係を見抜いていたんだ。
こなちゃんに冷然と事実を指摘されて、正気に戻った私は、身体を離して
へたり込んだ。
心に吹き込む風があまりにも冷たくて、身体を小刻みに震わせる。
視界が滲んで前がよく見えない。どうしちゃったのかな。
「つかさ…… 」
こなちゃんの声がやけに遠い。瞼から溢れた涙をぽろぽろと零れ落ちて
頬をつたう。
それでも、こなちゃんは限りなく優しくて、とてもヒドイ事をしてしまった
私の背中をさすってくれた。
秋の日が完全に落ちるまで、私は、子供のように泣き続けることしか
できなかった。
へたり込んだ。
心に吹き込む風があまりにも冷たくて、身体を小刻みに震わせる。
視界が滲んで前がよく見えない。どうしちゃったのかな。
「つかさ…… 」
こなちゃんの声がやけに遠い。瞼から溢れた涙をぽろぽろと零れ落ちて
頬をつたう。
それでも、こなちゃんは限りなく優しくて、とてもヒドイ事をしてしまった
私の背中をさすってくれた。
秋の日が完全に落ちるまで、私は、子供のように泣き続けることしか
できなかった。
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星に願いを 第6話へ続く
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- つかさも良いですね!
少し切ない感じですが -- チャムチロ (2012-08-23 07:30:40)