嫁決定戦なるものが開催される事が宣言されてから初めての休日。
私はこなたの家に召集をかけられていた。
今日、運命の闘いがその幕を開ける。
私はこなたの家に召集をかけられていた。
今日、運命の闘いがその幕を開ける。
譲れない想い!第一回嫁決定戦・始
見慣れた泉家のリビングは、今は似合わぬ神妙な雰囲気を纏っている。机を間に挟み椅子に座って静かに対峙する私とこなた。
「あー、マイクテスト、テステス……」
そして少し離れた位置で長机に置いてある有線のマイクのスイッチを入れ、調子を確かめている田村さんと横で目を輝かせて待機しているパトリシアさん。
「遂にこの日がやってきたよ」
こなたが不敵な笑みを浮かべる。
「かがみにこの世の定理ってもんを分からせてあげる」
「その言葉、そっくりそのままのしをつけてお返ししてあげるわよ」
更に言うなら赤く燃えるような色のリボンと私の気持ちを綴ったプレゼントカードもつけて丁寧にラッピングしてあげたい。もっと言うなら裸にリボンで私をプレゼント、いや、逆に貰いたい―――
大切な決戦前にぶっ飛ばすのは止めよう。体力温存体力温存。
売り言葉に買い言葉、私達の闘志は燃え上がりを見せる一方だった。
「二人とも、試合前から睨み合うのは止めて下さいよ……」
横から機械で拡張された田村さんの声が割り込んでくる。呆れている反面何かを期待しているような音声に、私は一先ずこなたから目線を外し向き直った。
「えー、では開会式を執り行います。司会進行を務めさせて頂くのは解説兼実況兼審査員の腐れる女子、田村ひよりッス」
えらく本格的だな。つーかどんだけ兼ねてんだ。
「開会宣言」
田村さんは恐らくは開会式の目次が書かれているのであろう紙に目を通しながら言った。少しの間をおいてから咳払いを一つ。
「只今より、『集え美少女!第一回嫁決定戦』を開催する事をここに宣言しますっ!」
高らかな声が静かな泉家に響いた。
「まずは集まってくれた方々の紹介ッス。私の隣にいるのが補佐のパトリシア・マーティンさん」
パトリシアさんが軽く会釈をして式の進行は滞りなく進む。
「そして特別審査員の柊つかささんと高良みゆきさん」
あ、つかさとみゆきも呼ばれてたんだ。
「……って何でっ!?」
私は思わず身を乗り出した。誰がどう見てもこの感じには程遠い人種よねこの二人は。十人に聞いたら十五人がイエスって答えるわよ。
「一般の人の意見も取り入れた方が良いかと思いまして……それに泉先輩と柊先輩の事情を知っている私達以外の人はこのお二人だけですし」
頭を掻きながら答える田村さん。
「その通りだよかがみん。分かったらさっさと着席したまへ」
くっ、こいつ……本当に平日の昼間から食ってやろうか。
いやいかんいかん。ここで熱くなってしまったらこなたの思う壺だ。こなたを食べるのは後の楽しみにしておこう。自分の席に腰を下ろす私。
「次にルールの説明をするッス。競技は料理、歌唱、客観、想像、実技の五種目に分かれててそれぞれこなすとポイントが貰えるッス。選手はこのポイントで競い合うッス」
ルールは分かったが曖昧な部分も多々見受けられる。料理と歌唱は言葉から何となく分かるが残りの三つは何の競争なのか良く分からない。ってかいきなり私の苦手分野こなたの得意分野か。これは苦戦を強いられそうだ。
「選手宣誓。代表、泉こなたさん」
「はいっ」
威勢の良い返事と共にこなたが立ち上がる。そして田村さんからマイクを受け取り大きく息を吸った。
「宣誓!我々、オタク一同は!」
誰がオタクだ誰が。
「日頃の妄想の成果を十二分に発揮し、顔も知らぬ職人さんへの感謝の気持ちを忘れず!」
大分ぶっ飛んだ宣誓だな。まぁこの大会自体そんなもんだが。
「どんな手を使ってでも、己の嫁を死守する事をここに誓います!」
正々堂々闘わないのかよ。そしてこんなふざけた誓いで湧き上がる拍手。泉家は異様な熱気に包まれて戦の時を迎えた。
「あー、マイクテスト、テステス……」
そして少し離れた位置で長机に置いてある有線のマイクのスイッチを入れ、調子を確かめている田村さんと横で目を輝かせて待機しているパトリシアさん。
「遂にこの日がやってきたよ」
こなたが不敵な笑みを浮かべる。
「かがみにこの世の定理ってもんを分からせてあげる」
「その言葉、そっくりそのままのしをつけてお返ししてあげるわよ」
更に言うなら赤く燃えるような色のリボンと私の気持ちを綴ったプレゼントカードもつけて丁寧にラッピングしてあげたい。もっと言うなら裸にリボンで私をプレゼント、いや、逆に貰いたい―――
大切な決戦前にぶっ飛ばすのは止めよう。体力温存体力温存。
売り言葉に買い言葉、私達の闘志は燃え上がりを見せる一方だった。
「二人とも、試合前から睨み合うのは止めて下さいよ……」
横から機械で拡張された田村さんの声が割り込んでくる。呆れている反面何かを期待しているような音声に、私は一先ずこなたから目線を外し向き直った。
「えー、では開会式を執り行います。司会進行を務めさせて頂くのは解説兼実況兼審査員の腐れる女子、田村ひよりッス」
えらく本格的だな。つーかどんだけ兼ねてんだ。
「開会宣言」
田村さんは恐らくは開会式の目次が書かれているのであろう紙に目を通しながら言った。少しの間をおいてから咳払いを一つ。
「只今より、『集え美少女!第一回嫁決定戦』を開催する事をここに宣言しますっ!」
高らかな声が静かな泉家に響いた。
「まずは集まってくれた方々の紹介ッス。私の隣にいるのが補佐のパトリシア・マーティンさん」
パトリシアさんが軽く会釈をして式の進行は滞りなく進む。
「そして特別審査員の柊つかささんと高良みゆきさん」
あ、つかさとみゆきも呼ばれてたんだ。
「……って何でっ!?」
私は思わず身を乗り出した。誰がどう見てもこの感じには程遠い人種よねこの二人は。十人に聞いたら十五人がイエスって答えるわよ。
「一般の人の意見も取り入れた方が良いかと思いまして……それに泉先輩と柊先輩の事情を知っている私達以外の人はこのお二人だけですし」
頭を掻きながら答える田村さん。
「その通りだよかがみん。分かったらさっさと着席したまへ」
くっ、こいつ……本当に平日の昼間から食ってやろうか。
いやいかんいかん。ここで熱くなってしまったらこなたの思う壺だ。こなたを食べるのは後の楽しみにしておこう。自分の席に腰を下ろす私。
「次にルールの説明をするッス。競技は料理、歌唱、客観、想像、実技の五種目に分かれててそれぞれこなすとポイントが貰えるッス。選手はこのポイントで競い合うッス」
ルールは分かったが曖昧な部分も多々見受けられる。料理と歌唱は言葉から何となく分かるが残りの三つは何の競争なのか良く分からない。ってかいきなり私の苦手分野こなたの得意分野か。これは苦戦を強いられそうだ。
「選手宣誓。代表、泉こなたさん」
「はいっ」
威勢の良い返事と共にこなたが立ち上がる。そして田村さんからマイクを受け取り大きく息を吸った。
「宣誓!我々、オタク一同は!」
誰がオタクだ誰が。
「日頃の妄想の成果を十二分に発揮し、顔も知らぬ職人さんへの感謝の気持ちを忘れず!」
大分ぶっ飛んだ宣誓だな。まぁこの大会自体そんなもんだが。
「どんな手を使ってでも、己の嫁を死守する事をここに誓います!」
正々堂々闘わないのかよ。そしてこんなふざけた誓いで湧き上がる拍手。泉家は異様な熱気に包まれて戦の時を迎えた。
「記念すべき一戦目は……料理対決ー!」
ワイヤレスのマイクに切り替えた田村さんとエプロンを着用した私とこなたがいるのは当然台所。残念な事にその下にはちゃんと服を着用している。実に残念だ。
「ルールの説明に移るッス。お二人には簡単なお弁当を作って貰ってそれを審査員が食して見合ったポイントを贈呈する、という至ってシンプル極まりないものッス」
これは負ける事はほ確定している。となるといかに差をつけられないかが一番の課題となるわね。まぁ勝つつもりでもより美味しいものを作るって事には変わりないんだけど。
「台所は狭いので先攻後攻を決めて一人ずつの競技になります。ここに偶然にもサイコロがあるから偶数が出たら泉先輩、奇数が出たら柊先輩の先攻、とします」
そんな都合良くサイコロがあるものかというツッコミは今は放置しておく。
「では……行くッスよ!」
「運命のダイスロール!」
オタク数名の声が重なった。どっかで聞いた事あるなその台詞。それ言いたいが為にサイコロ用意したんじゃないだろうな。
私の疑惑を知る由もない運命の采、ディスティニーダイスは命運を賭して机上を高速回転。示された目は―――
四!よん!フォー!
「先攻は泉先輩に決定!では張り切っていってみよー!」
「ヨーイ……スタート!」
パフ!気の抜けるような開始の合図が鳴り響きこなたは包丁を手に取る。華麗な手付きでまな板上の食材が均等な大きさに切り揃えられていく。私はそれをただ眺めて尊敬の眼差しを向ける事しか出来なかった。
「えー、ここで遅れましたが勝者へ贈られる特典について説明を加えるッス」
田村さんの声が私の耳に届きそちらを向いた。
「勝者は敗者を自分の嫁とする事が出来るのは既にご存知と思いますが、それに加えて明日の日曜日を思い通りに嫁と過ごせる権利を得られるッス」
へぇ…………えええええぇぇぇぇ!?
そっ、それは明日一日中こなたを独り占め出来てなおかつそれは私の想像上のこなたって事デスヨネ!?答えは聞いてないっ!!
つまりはあの屋上で描いた私の夢物語が現実となっていやっふぅ!って事なのよねっ!?
意味が分からないって?
ググれ!
「お姉ちゃん!何か魂みたいなのが出かけてるよ!」
「はっ!」
私は妹の声に自我を取り戻した。センキューマイシスター。
「お姉ちゃん、大丈夫?こなちゃん料理とっても上手だよ?」
己の精魂を気力と根性で呼び戻した私をつかさが心配そうな顔で見てくる。言われてこなたに目をやれば綺麗な配色のお弁当が完成に着々と近付いていた。
「大丈夫よつかさ。女には負けると分かっていても立ち向かわなければいけない勝負があるの」
確かにここでつかさにアドバイスの一つでも教授して貰えば幾分か勝機は見出せるかもしれない。
だが自分の力でやり遂げてこそ達成感と充実感が私を満たしてくれるというもの。
「心配は無用よ。必ずこなたを家に連れて帰るわ!」
「そしたらもっと賑やかになるねー。頑張ってねお姉ちゃん」
「任せなさい!」
大分思い違いをしている妹を余所に気合を入れなおす。
ワイヤレスのマイクに切り替えた田村さんとエプロンを着用した私とこなたがいるのは当然台所。残念な事にその下にはちゃんと服を着用している。実に残念だ。
「ルールの説明に移るッス。お二人には簡単なお弁当を作って貰ってそれを審査員が食して見合ったポイントを贈呈する、という至ってシンプル極まりないものッス」
これは負ける事はほ確定している。となるといかに差をつけられないかが一番の課題となるわね。まぁ勝つつもりでもより美味しいものを作るって事には変わりないんだけど。
「台所は狭いので先攻後攻を決めて一人ずつの競技になります。ここに偶然にもサイコロがあるから偶数が出たら泉先輩、奇数が出たら柊先輩の先攻、とします」
そんな都合良くサイコロがあるものかというツッコミは今は放置しておく。
「では……行くッスよ!」
「運命のダイスロール!」
オタク数名の声が重なった。どっかで聞いた事あるなその台詞。それ言いたいが為にサイコロ用意したんじゃないだろうな。
私の疑惑を知る由もない運命の采、ディスティニーダイスは命運を賭して机上を高速回転。示された目は―――
四!よん!フォー!
「先攻は泉先輩に決定!では張り切っていってみよー!」
「ヨーイ……スタート!」
パフ!気の抜けるような開始の合図が鳴り響きこなたは包丁を手に取る。華麗な手付きでまな板上の食材が均等な大きさに切り揃えられていく。私はそれをただ眺めて尊敬の眼差しを向ける事しか出来なかった。
「えー、ここで遅れましたが勝者へ贈られる特典について説明を加えるッス」
田村さんの声が私の耳に届きそちらを向いた。
「勝者は敗者を自分の嫁とする事が出来るのは既にご存知と思いますが、それに加えて明日の日曜日を思い通りに嫁と過ごせる権利を得られるッス」
へぇ…………えええええぇぇぇぇ!?
そっ、それは明日一日中こなたを独り占め出来てなおかつそれは私の想像上のこなたって事デスヨネ!?答えは聞いてないっ!!
つまりはあの屋上で描いた私の夢物語が現実となっていやっふぅ!って事なのよねっ!?
意味が分からないって?
ググれ!
「お姉ちゃん!何か魂みたいなのが出かけてるよ!」
「はっ!」
私は妹の声に自我を取り戻した。センキューマイシスター。
「お姉ちゃん、大丈夫?こなちゃん料理とっても上手だよ?」
己の精魂を気力と根性で呼び戻した私をつかさが心配そうな顔で見てくる。言われてこなたに目をやれば綺麗な配色のお弁当が完成に着々と近付いていた。
「大丈夫よつかさ。女には負けると分かっていても立ち向かわなければいけない勝負があるの」
確かにここでつかさにアドバイスの一つでも教授して貰えば幾分か勝機は見出せるかもしれない。
だが自分の力でやり遂げてこそ達成感と充実感が私を満たしてくれるというもの。
「心配は無用よ。必ずこなたを家に連れて帰るわ!」
「そしたらもっと賑やかになるねー。頑張ってねお姉ちゃん」
「任せなさい!」
大分思い違いをしている妹を余所に気合を入れなおす。
……まぁ気合だけで何とか出来たら誰も労する事ないわけで。惨敗だった。
四人の審査員はそれぞれ十点ずつ所有していて、合計四十点を選手に譲渡出来る。結果だけ伝えるとこなた三十六点、私十八点と実に二倍の差がついてしまった。
競技中の描写はあまりにも酷いものがあったので作者の腕をへし折って省かせる。
さて、この行に移るまで長かった。通院や治療や保険金やらの面倒事を済ませるのに約三週間。つまりこの行間には二十四日間の空白と作者の切実な思いが込められているという事だ。
でもこんなへタレの諸事情など気にせずとも大いに結構、と言っている。言わせているのではなく本人が言っている。本当だ。何処からか聞こえる苦痛な叫びは無視を決め込んで物語は次の決闘へと移る。
「第二戦目は歌唱対決ー!」
相変わらずのテンションの田村さんが叫ぶ。
場所は変わってとある市内のカラオケボックス。歌で競うという事で近所迷惑の可能性も考え私達は場所を変えたのであった。
「ルールは簡単!お題の歌を熱唱して頂きカラオケマシーンが採点します!その点を加点要素とするッス!」
なるほど、これなら公平な審判が下せる事もあってここを決戦の場所にした理由も分かる。無計画なようで意外と考えられているこの企画に私は驚いてばかりだった。
「歌って頂く曲は自由ッス!では前回の勝者、泉選手から熱唱願います!」
「ふふふ、このまま永遠に俺のターン!で行くよぉ」
マイクを握りステージに立つとスポットライトがこなたの小柄な身体を照らした。そして機械から音声が流れ始め、こなたが歌い出すと―――
四人の審査員はそれぞれ十点ずつ所有していて、合計四十点を選手に譲渡出来る。結果だけ伝えるとこなた三十六点、私十八点と実に二倍の差がついてしまった。
競技中の描写はあまりにも酷いものがあったので作者の腕をへし折って省かせる。
さて、この行に移るまで長かった。通院や治療や保険金やらの面倒事を済ませるのに約三週間。つまりこの行間には二十四日間の空白と作者の切実な思いが込められているという事だ。
でもこんなへタレの諸事情など気にせずとも大いに結構、と言っている。言わせているのではなく本人が言っている。本当だ。何処からか聞こえる苦痛な叫びは無視を決め込んで物語は次の決闘へと移る。
「第二戦目は歌唱対決ー!」
相変わらずのテンションの田村さんが叫ぶ。
場所は変わってとある市内のカラオケボックス。歌で競うという事で近所迷惑の可能性も考え私達は場所を変えたのであった。
「ルールは簡単!お題の歌を熱唱して頂きカラオケマシーンが採点します!その点を加点要素とするッス!」
なるほど、これなら公平な審判が下せる事もあってここを決戦の場所にした理由も分かる。無計画なようで意外と考えられているこの企画に私は驚いてばかりだった。
「歌って頂く曲は自由ッス!では前回の勝者、泉選手から熱唱願います!」
「ふふふ、このまま永遠に俺のターン!で行くよぉ」
マイクを握りステージに立つとスポットライトがこなたの小柄な身体を照らした。そして機械から音声が流れ始め、こなたが歌い出すと―――
「まさか君とこうなれるなんて、夢にも思わなかったよ」
「ふふ……私もよ」
「後悔……しないか?」
「さぁ?それは分からないわ」
「そうか……」
「ふふ……私もよ」
「後悔……しないか?」
「さぁ?それは分からないわ」
「そうか……」
―――あ、ごめんなさい。あまりの出来事に変な物語が始まっちゃうところだったわ。本編に戻るわね。
私はこなたの歌唱力に完全に魅了されていた。私だけではない、他の四人もこなたのオンステージに釘付け状態である。
「貴方を呼ばないと、約束するから……」
こなたの切なげな歌声が聞いている者の心を揺らす。静かな旋律に叙情的な悲しい歌詞。それはまるで死を目前とした一途な女の子が、最愛の人に辛い胸の内を打ち明けるよう。
こんな声が出せるなんて反則よ反則!秘密特訓でもしてたのかしら。
それにしても良い曲だわ。曲名、何て読むのかな……契り?違う気がするけど良いや。
そして曲は感動のフィナーレを告げ、一室に感動の拍手の嵐が巻き起こった。それが止むと同時に機械の採点も終了する。
「で、出たー!九十六点!」
何という高得点。
「ブラボー!ベリーグッドね!」
「こなちゃんすごーい!」
「素晴らしいですね」
あの、肩身が狭いんですけど。
「さて、お次は柊選手!」
再び拍手が巻き上がる。私はそれを全身で受けながら台に上りこなたからマイクを受け取った。もう一つマイクはあるのだがそれを使わなかった理由は勘の良い皆様ならお分かりのはずだろう。
「頑張ってね、かがみん」
すれ違いざまにウィンクされた。可愛いとかいう感想を抱いている場合じゃない。
非常に由々しき事態となってしまった。ここで更に懸け離されてしまったら追いつく手立てがなくなってしまうかもしれない。残りの三種目は具体的な内容は予想も出来ず危なっかしい。それに逆転の望みを委ねすぎるのはあまりにも危険な賭けだ。
かといって例え点数がこなたを上回っても逆転出来るわけではない。一歩先を行くこなたが、それを追いかけるように必死に足掻く自分が忌々しい。
果たして私はこの闘いを制する事は出来るのであろうか―――
私はこなたの歌唱力に完全に魅了されていた。私だけではない、他の四人もこなたのオンステージに釘付け状態である。
「貴方を呼ばないと、約束するから……」
こなたの切なげな歌声が聞いている者の心を揺らす。静かな旋律に叙情的な悲しい歌詞。それはまるで死を目前とした一途な女の子が、最愛の人に辛い胸の内を打ち明けるよう。
こんな声が出せるなんて反則よ反則!秘密特訓でもしてたのかしら。
それにしても良い曲だわ。曲名、何て読むのかな……契り?違う気がするけど良いや。
そして曲は感動のフィナーレを告げ、一室に感動の拍手の嵐が巻き起こった。それが止むと同時に機械の採点も終了する。
「で、出たー!九十六点!」
何という高得点。
「ブラボー!ベリーグッドね!」
「こなちゃんすごーい!」
「素晴らしいですね」
あの、肩身が狭いんですけど。
「さて、お次は柊選手!」
再び拍手が巻き上がる。私はそれを全身で受けながら台に上りこなたからマイクを受け取った。もう一つマイクはあるのだがそれを使わなかった理由は勘の良い皆様ならお分かりのはずだろう。
「頑張ってね、かがみん」
すれ違いざまにウィンクされた。可愛いとかいう感想を抱いている場合じゃない。
非常に由々しき事態となってしまった。ここで更に懸け離されてしまったら追いつく手立てがなくなってしまうかもしれない。残りの三種目は具体的な内容は予想も出来ず危なっかしい。それに逆転の望みを委ねすぎるのはあまりにも危険な賭けだ。
かといって例え点数がこなたを上回っても逆転出来るわけではない。一歩先を行くこなたが、それを追いかけるように必死に足掻く自分が忌々しい。
果たして私はこの闘いを制する事は出来るのであろうか―――
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- (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-04-28 13:29:21)
- 良い宣誓だ -- 絹街道 (2023-01-28 07:10:56)
- 料理対決の場合、上手い方が嫁
なのでは?上手いこなたが、かが
みの嫁… と思います。 -- チャムチロ (2012-10-17 21:47:07)