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病は突然やってくる

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だれでも歓迎! 編集
「お姉ちゃん……まだ寝てるのかな……?」
私とお姉ちゃん以外はみんな朝から出かけていて家には私達二人だけの日曜日。
お昼近くになっても中々部屋から出てこないお姉ちゃんが気になった私は
部屋まで様子を見に行ってみたら……

「ぅ……うぅ……はぁ……はぁ……」
「お、お姉ちゃん大丈夫!?」
お姉ちゃんは凄く辛そうにうなされてた。
「ぁ…つかさ……おは…よ……」
お姉ちゃんの声はいつもからは考えられないほど弱々しい。
「お、お姉ちゃん、ちょっと熱を測るね!」
慌てて体温計を持ってきて熱を測ってみたら……さ、38度8分~!?
「…お姉ちゃん……」
「何泣きそうになってるのよ……これ位寝ていれば治…ゲホッ、ゲホゲホッ……うぐっ」
その時お姉ちゃんが激しくむせて、口を手で押さえながらふらふらとベッドから這い出て
同じ階のトイレに向かう。
「うぐぐっ……うぇ…」
お、お姉ちゃん……トイレで吐いちゃってる……。
熱も39度近くもあるし寝てれば直るなんてものじゃないよ。
病院行って薬もらわなきゃ。
でも今日は日曜日だし…
私はどうしていいのか分からないで頭の中が真っ白になって気づいたら涙を流していた。

ガチャ
「ほらつかさ…いちいち泣くんじゃないの……うつったら大変だからあんたは今日は
 私に近づかないようにしときなさいね…」
トイレから出てきたお姉ちゃんは自分の方が辛いはずなのにそう言って
私を頭を軽く撫でてからおぼつかない足取りで自分の部屋に戻って行った。


……………

……ど……どうしようっ!

そうだ!お母さん達に電話して帰って来る様にお願いしよう。
私は慌てて自分の部屋に戻ると携帯に手を伸ばす。
お父さんとお母さんは今日大事な神社の集まりがあるみたいだったけど
お姉ちゃんの事を話したらきっとすぐ帰ってきてくれるよね。

家にちゃんと人がいればお姉ちゃんも安心して…

…家に人がいれば?
ちょっと自分の考えが矛盾してるのに気づいて、私は思わず携帯を押す指を止めた。

家にちゃんと人がいればって、
よく考えると今家には私がいるんだよね……
…でも…私じゃあんな酷そうなお姉ちゃんを
どうすればいいかなんて分からないよ……


……………


……ダメッ!
私は思わず自分の頬を両手でペシペシと叩いた。

……私……全然ダメだった。
…これじゃあいつまで経っても一人じゃ何も出来ないよね……
もっとしっかりしなきゃ!
今この家にはお姉ちゃんを守れるのは私しかいないのに
その私が人に頼ってばかりじゃダメだよ!
一番辛いのはお姉ちゃんなのに私まで泣いてる場合じゃないよね。

私は涙をぬぐってから気をしっかり持ち直すと
私が小さい頃熱出してた時、お母さんがどうしてたか落ち着いてよく思い出してみた。





*************







「お姉ちゃん、タクシー呼んだから一緒に病院行こうね」
何だかいつもと違う雰囲気のつかさが部屋に入ってくるなりそう言ってきた。
その手には私の保険証が握られている。
「だ、大丈夫よ…そこまで大げさにしなくても……」
「少し熱が出てるだけならそれでもいいかもしれないけど、ここまで酷いのなら1回診て貰わないとだめだよ!」
「でも今日…日曜日……」
「大丈夫、日曜日でもやってる病院調べたから。急いで行ったら今からでも
 午前中の診療時間に間に合うみたいだから、大変だけど頑張ろう」
「つかさ……」

「はいお姉ちゃん、バンザイして」
何だかいつもより真剣なつかさに戸惑っているうちにパジャマを脱がされてしまって、
手伝って貰いながら暖かさ重視の服に着替える。

「これ位…自分で出来るわよ…」
「いいからいいから」
つかさはそう言いながら最後に私のジャンパーのチャックを上げて服を着せ終わると、
今度は私に背中を向けてそっと屈み込んできた。

「それじゃあタクシーまでは私がおんぶして連れていくね」
「ちょっと、つかさ……」
「お姉ちゃん、無理しちゃダメだよ……歩くの辛いんでしょ?
 さっきトイレに行った時もフラフラだったよ?」

確かに……家の中のでの移動も一苦労な状態なのに、外に出て一歩きしなければならない事に
体中から悲鳴があがっている。
着替えの件も含めて妹にそこまでされるのが少し恥ずかしかったけど
それ以上にキッパリ断る気にもなれず、結局言われるままにつかさの背中に体を預けてしまった。

「…つかさこそあまり無理するんじゃないわよ?」
「うん……でも頑張るっ」

正直つかさが同じ位の体格の私をおんぶして歩けるかどうか心配だったけど、
最初に腰を上げるのに少し苦戦しただけで、立ち上がりさえすれば意外にも順調に歩き出した。
階段は踏み外さない様に一歩一歩慎重に降りていく。

「お姉ちゃん、1回降ろすね」
玄関で靴を履かされてドアの外までの数メートルだけを支えて貰いながら歩くと、
戸締りをしたつかさに再びおんぶされる。

……こんな事になるんだったらもっとダイエット頑張っとけば良かったな……
それにしてもつかさにこんな風におんぶされる日が来るなんて夢にも見なかったわよ……

私を一生懸命運んでいる華奢な背中を見つめながらそんな事を思っていたけど
いつの間にか少しボーっとしてしまってて、気づいたら私は病院に向かってるタクシーの中で
つかさにもたれ掛かっていた。

重い頭を上げるとそれに気づいたつかさが無言でスポーツドリンクの
ペットボトルを私の口に当てて来る。
高熱のせいで水分不足だった私はありがたくそれを口にした。


…20分後。
「えっと、昨日の夜までは平気で朝起きたらそうなってたの?」
「うん…明け方に体が苦しくて目が覚めて、そのまま横になってるうちにどんどん酷くなってきちゃった……」
「うわ、可哀想……(カキカキ)…お姉ちゃんは今までに大きな病気になった事なかったよね?」
「うん…」
「ふむふむ…お姉ちゃんは高校生だからお酒もダバコも「無し」っと…(カキカキ)
 それとお姉ちゃん、えっと…生理は確か10日前だったよね?」
無事に病院に着いた私は、私の初診受付をして問診表も代わりに書いてくれている
つかさからの質問に答えながら、さっきみたいにもたれかかっていた。

「柊かがみさーん」
「あ、はーい。お姉ちゃん立てる?」
書き終わった問診表をつかさが受付に提出してからしばらくすると
名前を呼ばれて診察室に通されてた。
つかさの付き添い付きで…

お医者さんと向かい合って座ってる私の椅子には背もたれが無かったせいで
上半身をフラフラさせてしまうけど、すぐにつかさが落ちない様に後ろから私の両肩を支えてくれた。
本来そういう事をするはずで、つかさに先を越された看護婦さんは感心した様子でつかさを見ている。

「はい、そうです。熱は1時間半位前に計ってみたんですけど38度8分ありました」
「なるほど…風邪には変わりないですけど症状が大分重く出てますね」
「そ、それで先生、お姉ちゃ…姉は大丈夫でしょうか?」
「今は熱がかなり出てますけど薬を飲んでしっかり休めば心配いりません」
「良かったぁ……あ、それと、えっと、さっきお話した通り
 家でもどしちゃったんですけど、食事とかは普通に食べさせても大丈夫ですか?」
「高熱が続いてる間は消化にいい物を食べさせてあげて、ある程度下がったら普通に
 取られて問題ないですね。」

うぅ…我ながら情けない。
診察もほとんどつかさに任せっきりで
私はといえば喉を見せたのと聴診器を当てられたのと
最低限私自身が答えた方がいい質問に短く返答しただけだ……。

本当はなら自分の事なんだし私自身でしっかり受け答えしたいんだけど頭がまわらない……。
「それにしても妹さんは随分しっかりなさってますね」
「え!? し、しっかり!? …ぜ、全然そんな事ないです。普段は私の方が助けられてるし…」

本当に今日のつかさは…正確には今日最初に会ったつかさと2回目以降のつかさとじゃ全然違う。
別人みたいで何だかお母さんみたいだ……

「それじゃあお大事に」
「先生、ありがとうございましたー」
「ありがとうございました…」
結局最初から最後までつかさにまかせっきりなままで、私はつかさにおぶって貰いながら病院を後にした。
こんなつかさ…多分生まれて初めて見るよ……
正直普段の私でも、今のつかさみたいにまでしっかり出来るかどうか分からない。

つかさ…あんたにそんなにも頼りになる一面がったなんて……お姉ちゃん気づかなかったよ……



*************

家に戻ってきてからも私は本当につかさにお世話になりっぱなしだった。

タクシーから降りると早速またつかさにおんぶされてから部屋まで運ばれると
パジャマに着せ替えられてベッドに寝かされる。

「お姉ちゃん、今日は私静かにしながらお姉ちゃんの部屋にいるから。何かして欲しかったら言ってね」
そう言いながら水枕を作ってきて私の頭を優しく上げると、普通の枕と取り替てくれるつかさ。


更にしばらくすると美味しそうなおかゆを作ってきて
「お姉ちゃん…今日何も食べてないでしょ? おかゆ作ってたんだけど食べれそう? 薬も飲まないといけないしね」
っと言って食べさせてあげようとしてきた。
「はい、お姉ちゃん、アーン」
無垢な笑顔を向けてスプーンを差し出してくるつかさ。

さすがにそれは気恥ずかしくて自分で食べようとしたら
「ダメだよっ、あんまり体を起こしちゃ!」
っと怒られてしまって結局つかさに食べさせられてしまった。


無事に食べ終わって薬も飲んでしばらくすると……
「お姉ちゃん、空気を入れ替えるために少しの間窓を開けるから、ちゃんとお布団被っててね」
っと言い、布団を首まで上げ直してから枕元の窓を開けてくる。

サァ……っと心地よい風が室内に入り込んできて火照った頭を撫でてくれるのが気持ち良くて
いつの間にかウトウトしてしまった。


「・・・あ・・お姉ちゃん、起きた・・?お水飲む?」
目が覚めた時には日はすっかり傾いていたけど、その間もずっとつかさに見守られていたみたいで
目覚めると同時に優しい声を掛けられる。

……病気の不安と寂しさで弱気になってる時にこうまで優しくされると何だか本当に嬉しくて涙が出そうになる。
つかさ本人は、自分が病気になった時のお母さんのマネをしてるだけだって言ってるけど
それだけじゃない気がする・・
もし今日つかさも家にいなくて一人ぼっちだったら・・私一体どうなってたんだろう・・


*************


「…つかさ…今日は本当にありがとね……お世話になりっぱなしで何だか申し訳ないけど…」
夜になってもまだ部屋にいてくれてるつかさには感謝してもしきれない。
「そんな事ないよ。いつもは私がお姉ちゃんのお世話になりっ放しだもん」
「でも……私時々つかさにキツい事言ってしまったりしてる……」
「ううん、それは私の為を思って言ってるんだって分かってるもん。お姉ちゃんは凄く優しいよ」

つかさはそう言いながら布団の中に手を入れて来ると、私の手をしっかりと握ってきてくれた。
「"かがみ"、早く良くなってまた一緒に学校いこうね」
「・・つかさ・・・ひぐっ」

…あ、あれ? おかしいな……何で涙が出てくるんだろう……
「ぐすっ…ひっくっ……つかさお願い……今日は私が寝るまでずっとそばにいて
 …起きてる間はどこにも行っちゃやだよぉ……」
「うん、かがみ、私はどこにもいかないよ……下の階から使ってないお布団持ってきてるし
 寝るまでじゃなくて朝までずっとここにいてあげるよ」
「ごめんね……つかさに病気うつすかもしれないのにこんな悪い子で…」

「クスッ、かがみは凄く良い子だよ」
そう言ってつかさは空いてる方の手で私の頭を撫でてくる。
うぅ…つかさずるいよ……弱気になってる時にそこまで優しくされると涙が止まらなくなっちゃうじゃないのよ……
「えぐっ……ひぐっ……"お姉ちゃぁん"」
ああ…もうダメだ……今日はもう完全につかさの事をお姉ちゃんかお母さんとしてしか見る事が出来そうにないよ……
無意識にお姉ちゃんなんて言葉が口から出ちゃうし……
重い病気にかかるとここまで寂しがり屋になっちゃう物なんだね・・

つかさは何も言わず優しく私の頭を撫で続けてくれて、私は次第に泣き疲れていって
つかさの温もりを感じながら夢の中へと引きずり込まれていった。

*************


「スー……スー……」
「"お姉ちゃん"寝ちゃった…」
まだ少し熱っぽいみたいだけど、そんなに苦しそうにしてないしとりあえず一安心……なのかな?
ティッシュでお姉ちゃんの涙を拭き取ってあげながら私は今日一日を振り返る。
結局…私が病気になった時のお母さんのマネしか出来なかったけど……
私、今日はちゃんとお姉ちゃんを看病出来てたのかなぁ…?

う~ん、自分じゃよく分からないや。
でもこんなに弱々しくて心細そうにしながら甘えてくるお姉ちゃん、多分始めて見たよ。

今までお姉ちゃんは何でも出来る強い子で、私は頼ってばかりしか出来ないんだと思いこんでたけど
実際はまだ私と同い年の女の子でなんだって実感する。

「お姉ちゃん…、多分私はこれからもお姉ちゃんに頼ってばかりだと思う。
 だけどこういう時は私がお姉ちゃんをしっかり守れる様にがんばるから」

私は起こしてしまわない様に小さな声でお姉ちゃんにそう言うと
名残惜しかったけど手をそっと離して隣に敷いたお布団に入った。
お姉ちゃん…早く元気になってね。






1時間後、下の階

「今覗いて来たけど、もうすっかり落ち着いててつかさと一緒にグッスリ寝ちゃってるみたい」
まつりの言葉にみんなが安堵の色を浮かべる。
「良かったぁ…帰って来てみたらこんな書き置きがあってさすがに焦っちゃったわよ…」
いのりの見てる書き置きには

『お昼前にお姉ちゃんが39度の熱を出して吐いちゃったから病院に連れていきます。
 詳しい事は私の携帯に電話してください つかさ』
っと書かれててその下に
『お医者さんの話だと症状は重いけどただの風邪みたいで、今は衰弱してるけど休養取ったらすぐ元気になるみたいです。
 私も看病の為にお姉ちゃんの部屋にいるので何かあったら来て下さい。※お姉ちゃん達、出来るだけ静かにしてあげてね』
っと付け加えられてる

「みんなこういう日に限ってすっかり帰って来るのが遅くなってしまったからな……
 娘がこんな事になってるのも知らずに神主仲間と飲んでたなんて我ながら情けないよ」
「でもその分つかさがしっかり看病してくれてたみたいで、今日は私達が出る幕はなかったみたいですね」

居間に置きっぱなしのタウンページからは日曜でもやってる病院を一生懸命探してた様子、
少しゴチャゴチャになってるタンスからはかがみの保険証を必死に探してた様子が伝わってくる。
他にも特製おかゆを作った形跡や水枕のケースにまとめ買いしたスポーツドリンク、
そしてこの書き置きが今日1日のつかさの頑張りを物語ってる。

「あのつかさがかがみを病院に連れて行ってお母さんに負けない様な看病……か……」
「何だかんだでつかさもかがみと同じだけの時を生きてるんだ。
 しっかり者のかがみの傍にいて気付きずらかったけどしっかり成長してたって事だよ」
末っ子でまだまだ子供だと思ってたつかさの今まで見せる機会の無かった一面に
温かい気持ちになる柊一家だった。

*************



翌日、夕方

「そろそろつかさが帰ってくる頃ね…」
1日経過したら体調は随分と回復してきて、このままいけば明後日あたりには学校に行けるようになると思う。
「うぅぅ、昨日あんなに甘えてしまっただけに顔を合わせずらい…」
朝起きた時にはもうつかさは学校に行った後だったみたいで、今日はまだつかさとは顔を合わせてないんだけど…
症状が軽くなってそこそこ元気が戻ってきた頭で、改めて昨晩の事を思い出すと顔から火が出そうになる。
うぅ…つかさに泣かされちゃったよ……
「つかさお姉ちゃん…か…… あ~もうっ! 一体どんな顔すればいいのよ~!」
思わず布団に潜り込んでジタバタしてると…
「何がー?」
「うわっ!つ、つかさ!?」
いつの間にか部屋に入ってきてたつかさに変な所をしっかり見られてしまった。

「ちょ、ちょっとつかさ!あんたノック位しなさいよ!」
「ごめんねお姉ちゃん…具合はどうか気になったんだけど寝てたらどうしようかと思って…
 でもその様子なら大分良くなったんだね、良かったぁ~」
「…つかさの看病のおかげよ、昨日は本当にありがとね」
「えへへ」
なんだ、実際に顔を合わせてみたら意外と普通に話せるじゃないのよ私。

「それよりつかさ、昨日あれだけ私のそばにいてあんたこそ体調崩してない?」
「あ、うん、私は大丈夫みたい」
つかさはそう言いながらベッドに座るとおもむろに私を軽く抱き寄せておでこに手を当ててきた。
「ちょ、ちょっとつかさっ」
「熱も…うん、昨日に比べたら全然下がってるみたいだね。
 食欲はある?あるなら今晩はちゃんと栄養があるのを作ろうかと思うんだけど…
 おかゆもいいけど早く良くなる様にスタミナも付けないとね」

ああ…つかさやめてよ……まだ完全に元気が戻ってなくて心細さが残ってる時に
昨日みたいにそんなに優しくされると……なんだかあの気持ちがまた……

「お姉ちゃん、とりあえずちゃんとお布団に入ろう?治ってきてるからって油断してるとまた…」
ガバッ
「うゎっ!お、お姉ちゃん!?」
気づいたら体が勝手につかさに抱きついていた。





「つかさ~、ちょっとの間だけ私をギュ~ってして~ そしたら多分元気が出るから」
「え?でも…」
「いいじゃないのよぉ~どうせ今二人っきりなんだし。今だけだから…ねえつかさぁ~」
「えっと、お姉ちゃん…二人っきりじゃないんだけど…」
「え?」
「|ω=.)ジー」
「こっ!…こっ…こなたぁああ!!?」
「こなちゃんがお見舞いに来てくれたの。全くお姉ちゃんはしょうがないなぁ~」
慌ててつかさから離れようとした直前につかさにしっかりと抱きしめられてしまう。
…こなたの見てる目の前で……

「まさかかがみんのデレはここまでだったとは……こんなかがみんが見れるなんて、今日は本当に来たかいあったよ~」
「いやぁああ! つかさ! やっぱり放してー!」
「もうっ! お姉ちゃん! まだ治ってないのに暴れたりしちゃダメ!」
何とか離れようとするけどつかさは離してくれなくて
まだ本調子じゃない私の力では振り解く事が出来ない。
「お姉ちゃん…風邪ひいてるのに一人っきりで寂しかったんだね……
 学校に行ってる間はそばにいる事が出来ない分、家にいる時はずっとお姉ちゃんのそばにいるから」

うわっ、つ、つかさっ、こんな時に限って恥ずかしいけど嬉しい事言わないでよっ。
「う…あ、ありがとう……じゃない!だから離してば つか…さ…」
こなたが見てる手前それでも抵抗しようとしたけど、つかさと目が合った瞬間私の動きは止まってしまった。
力強く抱きしめてくるのに反して私を見つめてるつかさの目はお母さんみたいに凄く優しい・・
私の事を本気で思ってくれてるんだという思いが伝わってくる…。

「……つかさ……」
やだ…私ったら……こなたが見てるのに……
「かがみ…つかさの言う通りだよ……昨日は凄い熱でかなり危なかったって聞くし
 寂しがり屋になっちゃうのも無理もないよ……」
「こなた?」
「私、かがみの事笑わないし後になって変な事言わないって約束するからさ、我慢する事なんかないんだよ?
 かがみはこういう時位は素直になってつかさに甘えるべきだよ」
こなたはそこまで言うと
「私が見てるとかがみが遠慮するだろうから今日はもう帰るね。バイニ~」
って言って部屋を出て行ってしまった。
今度こそ本当に私と私を抱きしめてるつかさの二人っきりになってしまう。





「つかさ…」
こなたにからかわれる所か逆に後押しされてしまって
余計につかさが恋しくなってしまった私はそっとつかさの体に手を回した。
つかさは何も言わず少し力を抜いて私を包み込むように抱きしめ続けてくれたのが嬉しかった。

「つかさ…今晩私、つかさの作ったシチューが食べたいなぁ……」
「えへへ、うんいいよ。腕によりをかけておいしいシチュ-作るから早く良くなろうね」

今までの私はどんな時もつかさに対しては弱さを決して見せない、強い姉であろうと頑張って来た。
だけど……こんな時位は素直につかさに甘えてもいいわよね?

つかさ、風邪が治るまでは存分に甘えてあげるから覚悟しときなさいよ!

つかさの暖かい温もりを全身に感じながら、シチューも昨日みたいにつかさに食べさせてもらおうって企んで
すっかりニヤけてしまった顔を隠すために、つかさの胸に顔をしっかりうずめる私だった。





オマケ

翌々日・昼休み

久しぶりに学校に来た私はみんなと楽しい昼食を取ろうとしていた。
「かがみさん、風邪はすっかり良くなられたみたいですね」
「うん、心配かけちゃってごめんね」
「何だが4人でお弁当食べるのは凄く久しぶりな気するね」
「かがみがいないと何だか物足りなかったよ~」

そんなやり取りをして、みんなの暖かい言葉に内心嬉しくなりながら
準備を済ませて『いただきま~す』っとつかさの作ったお弁当に箸を入れようとすると…

「はい、お姉ちゃん、ア~ン」
つかさがいきなりお弁当のおかずをつまむと私の口に持って来た。
「ア~ン …って!ちょっとつかさ!」
「はうぅっ お姉ちゃんのお世話してた時のクセでつい~…」

全くつかさったら…もう病気治ってるのにいきなり何してくるのよ…
そう思いつつも視線が気になって恐る恐る他の二人の様子を見てみると…
みゆきは微笑ましそうに私達を見つめていて、こなたも何も言わずに様子をじっと伺ってた。

「…こなた…約束通り気を使ってくれてるのはありがたいけど
 何だか余計に気まずいからいっそいつも通りに絡んでくれ…」
「そぉ~? かがみがどれだけつかさに甘えてたのか、今のでよぉ~~く分かったよぉ~♪」
「う、うるさいなっ」
「お姉ちゃん……、もう治ってるのに余計な事してごめんね……」
「べ、別に余計だなんて思ってないわよ。ほらもうちょっと箸を近づけなさい。(パクッ)」
「ニヤニヤ(=ω=.)」



 終

ちなみにかがみの症状は作者が高校生の時にかかった食中毒をベースにしてたり。
…実際は下痢も酷くてゆっくり寝るどころではありませんでしたがw


















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コメント:
  • 弱ってるかがみも、可愛いですね!
    頑張ってるつかさも可愛いですけど!
    とても良い作品を有り難うございます。 -- チャムチロ (2012-09-10 21:43:44)
  • 感動しました
    やっぱりつかさはかわいいな -- 名無しさん (2009-08-16 00:53:16)
  • ご馳走様でした~

    ニヤニヤが止まらんww -- 名無しさん (2008-08-14 18:21:06)
  • 頑張るつかさは良い!!

    GJな作品ご馳走さまでした -- 名無しさん (2008-08-11 15:16:15)
  • 面白かったです。このssは全体的にレベルが高い気がします。 -- 名無しさん (2008-08-06 03:57:31)
  • 素晴らしい!最高のショーだと思わんかね! -- ムスカ (2008-08-06 00:04:03)
  • すごく、良い話でした。 -- 名無しさん (2008-08-05 18:55:22)
  • ニヤニヤと変な笑いが止まらない -- 名無しさん (2008-08-05 17:56:00)
  • いつからコナタはこんな気配りや配慮が出来る様に・・・w -- 名無しさん (2008-05-10 11:42:49)
  • つかさが頑張る話が好きです。かがみやこなたやみゆきさんがパニックになったような時、つかさは意外と落ち着いて最善策を見い出すような気がします。 -- 名無しさん (2008-04-27 14:49:39)
  • つか×かが保管庫にあった話っすね。良い話でGJっす! -- 名無しさん (2008-04-26 22:35:27)
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