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夏の夜の約束

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 ゆーちゃんにイタズラのお仕置きをした翌朝。さすがに疲れたのか、私の方が先に起き出した。
 横にあるゆーちゃんの可愛い寝顔をずっと眺めていたいけど、今日の朝食当番は私なので、着替えて台所へ向かう……その前にゆーちゃんのほっぺにキスを1つ。くすぐったそうに身動ぎしても起きる気配はない。まぁ仕方ないかな?
 台所へ行くとお父さんがすでに起き出していて、新聞を読みながらノンビリとお茶をすすっていた。
「お?こなた、今日は早いな。」
「おはよーお父さん。なんだか目が覚めちゃってね。それに今日の朝ご飯は私の番でしょ。」
「いつもこうだといいんだがなぁ。ゆーちゃんは……まだ寝てるみたいだな?」
 と新聞越しに言ってくる。声が妙に楽しそうだ……まさか夕べの聞かれてた?平静を装いつつ冷蔵庫から麦茶を出してコップに注ぎながら、
「えっ、と。うん、夕べちょっと遅くまで話し込んじゃってねー。」
「そうか。まぁ夏休みだからいいが、程々にな。ゆーちゃんは夜更かしとかには慣れてないみたいだし。」
「うん、そだねー。気をつけるよ。」
 どうやら気付かれてない?
「あと騒ぎ過ぎないようにな?」
 ……訳はなかったらしい。新聞越しで見えないけど、絶対に笑ってる。
「気をつけるよ……」
 さすがにそれ以上何も言ってこないのは空気を読んでの事か。
 エプロンをつけてフライパンを火にかける。

「じゃあゆーちゃん起こしてくるね。お箸とか出しといてー。」
「おー、わかった。冷めないうちに戻ってこいよ?」
「なっ?!あ、当たり前だよっ!」
 危うく転びそうになった。余計なことは言わないで、本当に。
 自分の部屋に戻るとゆーちゃんはまだすやすやと寝ていた。
「ゆーちゃん。朝だよー。」
「んん……」
 ほっぺをぷにぷに突付くと、逃げるようにもぞもぞして。
「早く起きないとご飯冷めちゃうよ~。」
「んみゅ……もうちょっと~……」
 可愛いなぁ、本当に。とはいえ、お父さん待たしてるしなぁ。あと1回声掛けてダメなら……と思ったところにふと閃くものがあった。
「ゆーちゃん♪ちゅっ」
 唇にキス。
 するとゆーちゃんの腕が私の首に回されて。私の口にあったかい何かが入ってくる。応えるように、入ってきた舌に自分のを絡めるとぴちゃぴちゃと水音が響く。
 ゆっくり唇を離すと銀色の橋が2人の唇に架かり、音もなく途切れる。
「おはよー、ゆーちゃん。」
「えへへ、おはよう。お姉ちゃん。」
 にっこり笑顔を浮かべて抱きついてくるゆーちゃん。
「いつから起きてたのかな?」
「ほっぺにキスしてくれた時からだよ。」
「じゃあ私と同じくらいだ。って、なんで寝た振りしてたの?」
「お布団からお姉ちゃんの匂いがしてね、なんだかいい気持ちだったから。あとお目覚めのキスしてくれないかなぁって、ね。」
「あーもう!可愛いなぁゆーちゃんはっ!」
 ぎゅっと抱きしめて頬擦りする。
「あぅ。お、お姉ちゃん?」
「っと、いけないいけない。ゆーちゃん起こしに来たんだっけ。ご飯の支度出来てるよ。」
 名残惜しいけど体を離し、手を取って起こしてあげる。
「じゃあ着替えてくるね。」
「そんなに急がなくていいからね。」
「うん。でもおじさん待たせてるんでしょ?すぐ行くね。」
 そう言って自分の部屋に戻るゆーちゃんを見送ってから台所へ行くと、お父さんが準備をすっかり整えていてくれた。
「ありがと、お父さん。ゆーちゃんもすぐ来るって。」
「お目覚めのキスでもしてきたのか?顔が赤いぞ。」
「……んな!ちょ!お、お父さん?!」
「はっはっは、図星か。そんな事だろうとは思ったがな。」
「いくら私達の事を認めてるからって、そーゆうのは言わないで……恥ずかしいから、さ。」
「いや、あまりに嬉しそうな顔してたからな。つい。」
「おはようございます、おじさん。」
「おー、ゆーちゃん。おはよう。」
「お待たせしてすみません。」
「いやいや、気にしなくていいよ。じゃあ食べようか。」
「「「いただきまーす!」」」

 こうして3人揃っての朝食は珍しい。まぁ主な原因は私なんだけど。
 他愛もないおしゃべりをしながらご飯を食べていると、お父さんは今日打ち合わせとかで1日出掛けるらしい。
「夕飯には戻れると思うけど、2人で済ませちゃっても構わないからな。」
「んー、帰ってくる時間次第かな。近くまで戻ったら連絡くれる?」
「じゃあこっちの目処が立ったら一旦連絡入れるか。」
「うん、そうしてくれれば準備とかしやすいね。」
「気をつけて下さいね、おじさん。」
「ありがとう、ゆーちゃん。さて、じゃあそろそろ支度して出掛けるよ。」
「ほーい。片付けなんかは私達でやるから、このままでいいよ。」
「ああ、じゃあ留守番よろしくな。」

 お父さんを見送って、後片付けを済ませると、麦茶を片手に広告のチェック。
 あちこちからそうめんをもらって来てるのでそれを如何に飽きずに食べれるか、そんなことを考えていると隣にゆーちゃんが座ってきた。
「おねーちゃん♪」
「どしたの、ゆーちゃん?」
「んーん、何でもない。」
 ふむ……片付けてる時もそうだったけど、今まで以上にくっついてきてる気がする。夕べの事がきっかけなんだろうけど。
 私を見てくれるのは嬉しい。でも私『だけ』を見るようになると、それはいけない。
 気にし過ぎかもしれないけど、夕べの言動からちょっと心配になる。
「ねぇゆーちゃん。今日は涼しいし、急だけどちょっとお出掛けしようか?」
「え?うん、いいよ!」
「よし決まり。じゃあ着替えて準備しておいで。」
「はーい。」
 さて、私も部屋に戻って着替えるとしよう。

 数分後、2人並んで家を出る。
「お姉ちゃん、今日はどこに行くの?」
「んー?実は決めてない。その辺ブラブラ歩くのもいいかな、なんて思ってるけど。」
「私もそれでいいよ。」

 おしゃべりをしながら適当に歩く。普段何気なく歩いてる道もこうしてゆっくり歩くと違って見えるのは不思議だね。
 まぁ歩きっぱなしもどうかと思うので、少し離れた公園で一休み。
 ジュースを買って、公園の端の方にある木陰のベンチに並んで腰掛ける。公園には子供達が元気一杯に駆け回っていた。
「ゆーちゃん大丈夫?ちょっと歩き過ぎたかな?」
「ううん、全然平気だよ。」
「そっか……ねぇゆーちゃん。私の事好きって言ってくれたけど、どのくらい好き?」
「え?どのくらいって言われても……うーん、世界で1番大好きだよ。こんな事言うと変だけど、誰にも渡したくない、かな。お姉ちゃんは?」
「もちろん、私も一番好きなのはゆーちゃんだよ。でも、同じようにかがみやつかさ、みゆきさんも好き。まぁ好きのベクトルは違うけどね。」
 首を傾げるゆーちゃんを真っ直ぐ見て言葉を続ける。
「ゆーちゃんを1番愛してるのは間違いないよ。けど、ゆーちゃんだけがいればいい、とは言わない。だって、私達2人だけで生きていける訳じゃないよね。」
「うん、そうだよね。」
「夕べのゆーちゃんを見てたら、余計なお世話かも知れないけど少し気になっちゃって、ね。」
「ううん、そんな事ないよ。言われても仕方ない事しちゃったし。私もあんなに嫉妬深いなんて思わなかったもん。」
「あははは。まぁ『あんなコト』見たら、ねぇ。その辺り私は心配が少なくてよかったかも。」
「心配させちゃってごめんね。でも大丈夫。お姉ちゃんも大事だけど、みなみちゃん達も大切なお友達だよ。みんながいるから楽しく学校に行けるんだもんね。」
「こっちこそ変な事言ってゴメンね。」
 2人して笑いながらぎゅっと手を握る。私が思っていたよりしっかりしていたんだね。

 さて、私の心配が思い過ごしで済んで安心すると、もう1つ気掛かりな事がある。
「そう言えばゆーちゃんさ。」
「ん?何、お姉ちゃん。」
「私達の事、みんなにいつ言おうか?」
「あ……そう言えば、私もまだ言ってない……」
「それぞれ別々に言うよりはみんな一緒の時の方がいいような気もするけど、どうだろ?」
「うーん……お姉ちゃん達は確か明日お勉強会するんだよね?」
「その予定だけど。」
「私達も同じなんだ。だからうちで一緒にして、その時に言うのはどうかな?」
「んー、じゃあその線で行こう。ついでにみんなには素麺を減らす手伝いをしてもらおうかな?」
「あとでおじさんにも言っておかないとね。」
「まぁお父さんなら平気だと思うけどね。今夜帰ってきたら伝えよっか。」
「そうだね。それとみんなにもうちでやるって伝えないと。お夕飯の事もね。」

 その後お昼を外で済ませ、いろいろ買い物をしてから家に帰る。
 夕方のお父さんからの電話によると思ったより早く帰れるらしい。ついでに明日の事を伝えると快く了解してくれた。
 お父さんの確認を取ってから勉強会と夕飯の事をみんなへ連絡すると、これまた2つ返事でOKが出た。どうやら心当たりと言うか、身に覚えがあるらしい。こういう頂き物はどこも一緒みたいだね。

 翌日。お昼過ぎにみんな集まって、1年組と3年組に分かれて勉強会を始める。
 相変わらずのプレッシャーを感じながら、いつまでもこのままじゃダメかな、と思い始める。
 すぐ近くに私を頼りにしてくれる存在がいるのだから、それに応えられるようにならないとなぁとぼんやり考える。いつも逃げるんじゃカッコ悪いしね。

 日も傾いてくる頃、切りのいいところで終わりにして夕飯の準備に取り掛かる。
 私とゆーちゃんの2人で9人分の準備はなかなか大変かと思ったけど、つかさやみゆきさん、みなみちゃんが手伝ってくれたので思ったよりスムーズに出来た。
 かがみはお父さんと小説の事であれこれ話していたし、ひよりんとパティに至ってはかがみとお父さんを巻き込んで萌え談義に花を咲かせていた。なんか「俺は勝ち組だーー!」とかいう歓喜の雄叫びが聞こえたけどまぁ聞かなかった事にする。

「お待たせー。ご飯だよーー!」
 つゆと具を数種類用意し、サラダ風にアレンジし、春巻の皮に包んで揚げてみたり……3人寄れば何とやら、5人もいれば色々出来た。
「Ohコナタにユタカ、すごいゴチソウデス!」
「うわー、本当に凄いわね、これ。ほとんど素麺なの、本当に?」
「うん、そだよ。こなちゃん達ってお料理の事いろいろ知ってて楽しかったよ。」
「そりゃー毎日やってるからねぇ。まぁ私とゆーちゃんの2人じゃさすがにここまでは出来なかったね。」
「デザート用にスイカを冷やしてあるからね。遠慮せず食べていいよ。」

 さすがにこの大人数だと食卓は賑やかなものになった。用意した料理も好評で、見事に空になった。
 スイカを切り分けてみんなで食べている時に頃合かなと思ってゆーちゃんをチラッと見ると、私の言いたい事を察してうなずき返してくれた。
「ねぇ、みんなに伝えたい事があるんだけどいーかな?」
「ん?なんスか、泉先輩?」
「急に改まってどうしたの、こなちゃん?」
「うん。私ね、ゆーちゃんと付き合う事にしたんだ。」
 と何でもない事のようにサラッと言う。ゆーちゃんは耳まで真っ赤だけど。
「おー、おめでとうッス。泉先輩にも春到来ッスね。」
「あらあら、おめでとうございます。泉さん。」
「What?!ユタカ、それは本当デスカ?」
「ゆたかちゃんの事大事にしなきゃダメだよ、こなちゃん?」
 思っていたよりもあっさりと受け止められた……もうちょっと反対とかされると思ってたのに。
 そんな中で違う反応を示したのは
「……はぁ?!ちょっとこなた、それ真面目に言ってるの?」「ゆたか……冗談、だよね?」
 険しい表情で詰問してくるかがみ、少し寂しげな表情を浮かべたみなみちゃん、の2人だ。
「今の私は大マジだよ、かがみ。2人には悪いけど、こんな事は冗談じゃ言えないって。」
「私もお姉ちゃんの事が誰よりも大好きなんです。それで普段お世話になってる皆のいる時に伝えようって決めました。」
 私達2人の言葉を受けて、まず口を開いたのはかがみ。
「2人とも自分達が何を言ってるのかわかってる?男女ならともかく、同性での恋愛なんて辛いだけでしょ。周りの目に耐えられるつもり、ゆたかちゃん?」
「心配してくれて嬉しいけど、でも大丈夫です。これでも色々調べたりもしましたから。私達のような同性の恋愛が少数派で他人から受け入れられにくい事も、『日本では』法律で触れられていない事も。」
「だったら……」
「でも、だから何だと言うんですか?周りに否定されたからって私達の想いは消せませんし、法律に守られていないからって悪い事をしてるんじゃないですよね?」
「……でも後ろ指を差されたままで、平気なの?」
「見ず知らずの人達から言われるくらいなら気にしないよ、みなみちゃん。」
「まぁ平気なのは『見ず知らず』の人であって、友達から拒絶されたりってのは辛いかな。だから理解してして欲しいとこだけど、無理強いは出来ないよね。」
「みなみちゃん、かがみ先輩。どうしても認められませんか?」
「少し、考えさせて。少なくても、嫌悪とかはないけど……」
「かがみは……どうかな?」
 みなみちゃんは何か悩んでいるみたい……理由はまぁ、察しはつくけど。一方かがみは険しい表情のまま私達を見て、
「1つ聞きたいんだけど。同性の恋愛については置いとくとして、何でこんな事を言い出したの?言わずに内緒で付き合ってれば私達からあれこれ言われる心配はなかったのに。」
「秘密にするなんて、そんなのあり得ないよ。」
「だってみんな大事な友達ですから。隠し事はしたくないです。」
「そそ。反対されるかも知れない、最悪絶交なんてのもあり得るけどさ、あとで知らされていい気持ちはしないでしょ?私達だって、隠れてこっそりなんて気分が悪いしね。」
「お互いが一番なのは譲れませんけど、周りに友達のみんながいて初めて私達は幸せなんだと思います。だから今はダメでも、いずれは認めて欲しいなって思うんですけど……」
「ま、生理的に受け付けないって言われたらそれまでだけどね~。」
 ちょっと茶化したように締め括ると、みなみちゃんがゆっくりと口を開いた。
「私は、認めてもいいと思う……正直に言うと、ゆたかの一番じゃないのは少し悔しいけど。」
「え、あ……ありがとう、みなみちゃん。ごめ……」
「謝らなくていいよ、ゆたか。けど、幸せになってね?泉先輩、ゆたかの事お願いします。」
「もちろんだよ、みなみちゃん。」
 お互いに頭を下げ、顔を上げた時にはみなみちゃんはどこか吹っ切れた顔で。ゆーちゃんは少し目尻に涙を浮かべていて。みなみちゃんの想いを裏切らないよう心に誓うとかがみを見る。
 百面相とは言わないけど、表情を変えながらすごく悩んでるのがわかる。皆の視線がかがみに集まる。
 やっと決心がついたのか1つ頷くと指で拳銃を形作り私達、特にゆーちゃんに向けて、こう言い放った。
「いいわ、認めてあげる。でもゆたかちゃん、覚悟しておいてね?いつかこなたの事を振り向かせて見せるから。」
「ふぇっ?あの、どういう?」
「あーもぅ!最初っから同性云々なんてどうでもよかったの。私だってこなたの事が好きだったんだから。いい加減な態度だったらこなたを奪ってやろうかと思ってただけよ。」
「ちょ、ちょっと、お姉ちゃん?!何言ってるの??」
「Oh!三角関係という奴デスネ!みんなFightデス!」
「あ……じゃあ私も、ゆたかを諦めなくてもいい、のかな?」
「ちょ、みなみちゃんまで?修羅場ッスか?修羅場なんスね?!」
「あらあら、こんなに積極的なみなみさんは初めて見ますね。私は友達と妹、どちらを応援しましょうか?」
 かがみの爆弾発言をきっかけに場は一気にヒートアップ。さっきまでの重い空気はどこへ行ったのやら。その様を呆然と眺めるゆーちゃんの手をしっかりと握ってあげると、こっちを振り向いて『どうしよう?』って顔をしてる。
 いい加減収拾がつかなくなったので、ゆっくりとかがみに近づいて背後から抱きしめて、
「ありがとう、かがみ。」
 と囁くと、驚いたように振り向いて。そのおでこに軽く触れるだけのキスをして、
「な、ななな!何してるのよっ!」
「ん~、何となく。それにしても、そこまで驚くかねぇ。」
「そりゃ驚くわよ!す、好きだった相手に……されたら……」
「おやおや、『好き』なんて普通に出てくるなんてデレ期かな?」
「う、うるさ~~~い!」
「こ、こなちゃん。あまりからかうのは止めようよ。ね?」
「あのっ!かがみ先輩、ありがとうございます。でもおねえちゃんは絶対に譲りませんからっ!」
「まったく。ゆたかちゃん、こいつが変な事しないようにちゃんと手綱を握っておくのよ?じゃなきゃこっちの心臓が持たないわ……それにああは言ってもね、他人のお下がりなんかじゃ願い下げだからね。こなたも捨てられたからって泣きつくんじゃないわよ?」
「まったく素直じゃないッスねぇ、かがみ先輩は。まぁツンデレなんてこんなもんッスか。」
「ゆたかも、泉先輩にひどい事されたら言ってね。私はいつでもゆたかの味方だから……」
「あははー。宣戦布告かな、みなみちゃん?」
「そう取ってもらって、結構です。でも、出来ればそんな事にはならないで下さいね。」
 どうやら皆認めてくれたみたい。本当にいい友達を持ったな、とつくづく思う……

「いや~、騒いだ騒いだ。もういい時間だけど、みんなどうする?」
 皆で大いに騒いだ後、時計は既に10時半を指していた。
「みゆきちゃんとみなみちゃん、遠いならおじさんが車で送っていってもいいよ?それとも皆で泊まっていくかい?人数分の布団があるか怪しいけど。」
「え、でもこの人数は多過ぎませんか?それにうちなら家に連絡して車を出してもらっても……」
「ん~~、お邪魔でなければお泊りさせてもらいたいッスねぇ。2人の事いろいろ聞きたいし、おじさまにも聞きたい事あるッスから。」
「そうだよ、みんな泊まっていこうよ。夏休みもそろそろ終わりなんだし。ね?」
「ではお言葉に甘えさせていただいてよろしいですか?」
「じゃあうちに電話しておくね、お姉ちゃん。」
「私も、電話してきます。」
「ワタシハNo Problemデス!……Oh ドウセナラ色々Costume持ってくるんデシタ……」

 結局みんなで今夜はお泊り会になった。みんなが家に連絡してる間に私とゆーちゃん、お父さんで布団や着替えの準備。
 さすがに6人分の布団は用意出来ないので、敷くものだけは確保して掛け布団はタオルケットで我慢してもらうことになったけど。
 一通り準備して、縁側で1人涼んでいると横にかがみが腰を下ろしてきた。
「ねぇこなた。あそこで私が絶対に譲らなかったらどうするつもりだったの?」
「直球だね。ん~~、どうだろ。少なくとも同性っていう事に関しては心配してなかったけどね。」
「へ?どうしてよ。」
「だって、かがみの気持ち気づいてたから。」
「……いつから?」
「3年になってからかなぁ。ちょうどゆーちゃんの事が好きになった頃かな?」
「それ以前は気づいてなかったんだ。」
「ん。同じ立場……誰かを好きになってようやく気づいた、ってとこだね……でも不思議だよね、それまでは同性なんて興味は全くなかったのに、一旦意識し始めたら止まらなくなってた。」
「じゃあさ、もし私が……いや、いいや。」
「うん……」
「ゆたかちゃんの事もそうだけど、あんたも幸せになりなさいよ?じゃなきゃ許さないからね。」
「わかってるよ。」
「さてと。じゃあ戻ろ。今夜のメインディッシュはあんた達なんだからね。覚悟しておきなさいよ?」
「お手柔らかに頼むよ、かがみ?ただでさえひよりんとパティがいて大変なんだからさ。」
「ふふっ、さてどうかしらね。」
 そう言って颯爽と部屋へ向かうかがみはとても格好よくて。その背中にそっと呟く。
「ありがとう、かがみ。かがみが友達でいてくれて、私……私達は幸せ者だよ。」



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  • ヤヴァイくらい良い話だな。そしてそうじろう俺と代われ -- 名無しさん (2008-02-09 23:14:34)
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