冬のソナタDS
【ふゆのそなたでぃーえす】
| ジャンル | アドベンチャー (公式ジャンル名:ドラマゲーム)
 |  
 | 
| 対応機種 | ニンテンドーDS | 
| メディア | DSカード | 
| 発売元 | D3パブリッシャー | 
| 開発元 | SKONEC | 
| 発売日 | 2009年12月13日 | 
| 定価 | 5,229円(税5%込) | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| レーティング | CERO:D(17歳以上対象) | 
| セーブデータ | 1個 ※中断データ3個作成可
 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | ドラマの雰囲気を再現しきれていない 人を選ぶシナリオ
 観光ガイドの一面あり
 | 
 
概要
日本での韓流ドラマブームの火付け役であり、「ヨン様」ことペ・ヨンジュンの出世作ともなった「冬のソナタ」のゲーム化作品。
あらすじ
チョン・ユジンは高校2年生の女の子。そんなユジンの前に突然現れた転校生のカン・ジュンサン。
最初は不良っぽいチュンサンが気に入らないユジンだったが、時がたつにつれ、チュンサンの不思議な魅力に惹かれていく。
そしてチュンサンも明るくて素直なユジンに惹かれていた。それは二人にとっての初恋だった。
しかし突然の別れが二人に訪れる…。
(説明書より)
システム
- 
ストーリーモード
- 
原作ドラマ(全20話)をテキストで楽しめるモード。ページをめくる形式で冬のソナタの物語を読み進めていくことになる。
- 
DS下画面にテキストが表示され、上画面にドラマのワンシーンが静画あるいは動画で流れる。
- 
バックログは完全ではないが、130ページ前までは巻戻せる機能はついている。130ページはおおむね1話の1/4~1/3のボリュームに相当。
- 
ストーリーモード1話につき、ミニゲームが5つ挿入される。飛ばしても次に読み進めることは可能。
- 
内容はDS下画面とタッチペンを使ったものが大半。ジャンルは小学生レベルの算数、ハングルの書き取り、パズル、間違い探し、記憶クイズ、立体視を用いたクイズなど多様。
 
- 
デートモード
- 
ストーリーモードの進捗に応じて、ユジンとチュンサンゆかりの地の観光的な解説がもらえる。
- 
訪れるたびに少しずつ会話が変わっていき、当時のロケの様子といった薀蓄も語られる。
- 
同じ場所に複数回訪れていると、その地に関するクイズも出されるようになる。
- 
問題は、物語をきちんと読んでいれば答えられる内容。ガイドをしてくれるヨン様が話した内容からの出題もある。
 
 
- 
思い出のかけら
- 
特典映像開放に必要なアイテム。
- 
ストーリーモードに登場するミニゲームをクリアすると、クリアにかかった時間にしたがって「思い出のかけら」というアイテムがもらえる。
- 
早くクリアできるほど高得点で、1つのミニゲームにつき合計5個までもらえる。
- 
ミニゲームは納得いくまで何度も挑戦できるし飛ばして物語の続きを楽しんでもよい。
 
 
- 
ストーリーモードしか遊べないが、ストーリーモードをクリアしていくことで逐次開放されていく。
- 
ギャラリー
- 
思い出のかけらを消費して、音楽データ、広報用情報、ヨン様のショットを購入できる。
- 
ヨン様のショットの占める率が高い。
 
評価点
- 
原作に忠実
- 
大幅な省略・改変は基本的に無い。
- 
開発元が海外のため、翻訳作業もバカにならないのだが、24話分の全ての流れをテキストに起こしてある。
- 
文字に起こしたことで、登場人物の心理描写もふんだんに追加されているが、物語に齟齬はきたしていない。
- 
儚げな印象を持ちつつも芯の強い登場人物、昔の恋人か今の恋人をとるかといった王道展開は楽しめる。
 
- 
実用ソフトの一面がある
- 
韓国の地名を行政地図のスタイルで表示してある。
- 
ユジンとチュンサンがどこで生まれて、どこで出会ってデートをして、……といった出来事と紐付けされるため、覚えやすさには貢献している。
 
賛否両論点
- 
横恋慕という題材
- 
本作は結婚が決まっていたヒロインのもとに、元カレと瓜二つの男の人がやってきて……というのが事の発端。人によっては不倫に見えなくもない。
- 
もっともヒロインの婚約者が人格的に色々問題があるため、ヒロインの恋を応援したくなるのだが。
 
- 
中盤は特に、ヒロインの優柔不断さが目立つ。横恋慕してきた男の人も尊重するし、問題行動を数々引き起こす元婚約者も尊重するし、自身の恋心も尊重するため、事態がいろいろややこしくなる。
 
問題点
- 
バックログ機能が弱い
- 
ページを巻き戻すようにできるとはいえ、ジャンプする機能がなくバックログできる範囲も狭い。
 
- 
DS上画面にユジン(チェ・ジウ)とチュンサン(ペ・ヨンジュン)しか登場しない
- 
その他のキャラが写真で登場しない(良くても後ろ姿だけの登場)ため、物語が殺風景である。肖像権の問題が原因と思われる。
- 
登場人物はもちろん韓国人なので、ライバルキャラのチェリンやサンヒョクはともかく、ユジンたちの友人といったジンスクとヨングク等のサブキャラを覚えにくい。原作をあまり知らない人からすれば性別すら確認しにくい場合もある。
 
- 
ゲームがワンパターン
- 
ストーリーモードでは、良くも悪くも原作どおりのシナリオをただただ読み進めるだけなので、本編を読んだところで原作ドラマの追体験になれるかは怪しいところ。
- 
ただ物語を読み進めるだけでは殺風景だったろうが、いまいち挟んだ意味が感じられない。
- 
やり応えがあるミニゲームもあるにはあるが、物語の流れに関係が無かったり、ちょっと前にやったミニゲームの高難易度版だったりする。
 
- 
演出がいまいちチープ
- 
雪に関する象徴的なシーンが多い。しかし、そのようなシーンの静画に対して、DSでは明らかに絵で描いたような雪のエフェクトを降らせてくる。
 
- 
中盤以降からだれる
- 
ユジンの元婚約者がいわゆるライバルキャラとして立ちはだかるのだが、ユジンとチュンサンの関係を認めず邪魔をするだけの展開が終盤まで続き、事態が殆ど進まない。
- 
前半はチュンサンの恋人からの妨害、チュンサンの愛の告白といいテンポはそれなりに良いので、落差を感じやすい。
- 
もっともこれは原作ドラマにも言えたことである。
 
総評
ミニゲームでテンポをさえぎられたり、ユジンとチュンサン以外の登場人物が出てこないなど、原作の雰囲気を完全再現できていないところもある。
しかし特に原作に対して矛盾も無くかなり手堅い出来の読み物ゲーとなっている。観光ガイドとしての機能も若干備えており、総じてファンにはうれしい出来。
平成末期にかけてすっかり下火になってしまった韓流ドラマではあるが、今からでも原作を知りたい人や原作ファンなら買って損はないだろう。
余談
- 
本編中はペ・ヨンジュンが演じる「カン・ヂュンサン」をチュンサンと呼ぶが誤字ではない(韓国語には文頭を必ず濁音半濁音にしない語法上のきまりがあるため)。
最終更新:2024年05月25日 16:10