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今までも。ずっとこの先も。

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「せーのっ」
「お誕生日、おめでとうー!」
 こなたの掛け声にあわせ、こなた、つかさ、かがみの祝いの声が続き、更に同時にクラッカーが鳴らされた。
 今日、10月25日は、日本航空が初めて運航を開始した民間航空記念日である。しかし、今、この東京某所の高良家では、そんなこととは全く関係なく、高良みゆきという一人の人間の誕生日が祝われていた。
 当のみゆきはというと、クラッカーの紙吹雪を体中に受けながら、はにかんで、お礼の言葉を述べ始めた。
「あ、ありがとうございます……。こんな……大きなケーキも作っていただいて……そして、とんでもない祝福を受けられて……私は……世界一の幸せ者です」
 そう、みゆきが言うとおり、彼女らの目の前にはケーキが置かれていた。高良家のみゆきの部屋で、ケーキが置かれたテーブルを、みゆきたちが囲んでいる格好であった。
 そして、感謝の言葉を述べ終わったみゆきは、口は笑っていたが、瞳は若干潤みをたたえ始めていた。
 そんなみゆきを気遣うように、
「ふふ。そんなにお礼を言われるまでもないよ~。でも、ケーキは気合入れて作ったから、たくさん食べてほしいかな……」
 つかさはそんなことを言った。
「はい、ありがとうございます、つかささん」
 みゆきは目を潤ませながらも、頭を下げて、つかさに礼を言った。
 そんな様子をにやつきながら見ていた人物がいる。そう、泉こなたである。
「むふふ~。やっぱり、みゆきさんはかわいいね~」
 そんな事を言うと、こなたは隣にいたみゆきの右半身にしがみついて、すりすりと身体をこすり付けはじめた。
「い、泉さん……?」
「んー、もふもふー、もふもふー」
 みゆきの言葉も意に介さず、こなたは至福の表情を浮かべる。
 その様子につかさも羨ましくなったようで、
「あー、こなちゃん、ずるいよー。私も私もー」
 みゆきの腕を取り、その腕に抱きつくと、やはり自分の顔をこすり付けはじめた。
「ゆきちゃんの身体、あったかーい。何だか眠くなっちゃいそう……」
 つかさは目をとろんとさせながら、そう言った。つかさのことだから、あながち嘘でもなさそうだ。
 そんな風に、こなたとつかさが「もふもふ分」を摂取している様子に、かがみは呆れたようにため息をつき、
「二人とも……。今日はみゆきの誕生日なんだから、迷惑かけちゃダメじゃない」
「いやいや! 今日がみゆきさんの誕生日だからこそ、だよ、かがみ!」
「そうだよ、お姉ちゃん。だって、こんなに気持ちいいんだよー?」
 かがみの苦言に対し、二人揃ってこなたとつかさは反論する。そして、言ってしまうと、再び「もふもふ分」摂取に取り掛かる。
 その様子にかがみはため息をもう一度つき、テーブル越しにみゆきに聞いた。
「いいの? みゆき」
 そんなかがみの問いに対し、みゆきは少し考えると、
「……はい。お二人に喜んでいただけるならば」
 破顔一笑させてそう言った。
「……そう。まあ、みゆきがそう言うならいいわ。あんたってやつは……本当にいい子なんだから」
 かがみはそう言うのもそこそこに立ち上がると、歩いてみゆきの目の前に立った。
「……?」
 みゆきは上目遣いにかがみを見上げた。何のことか全く分からない様子である。
 すると、かがみは少し笑い、右の手のひらをポンッと、みゆきの頭に置き、わしわしと撫で回した。
「か、かがみさん……?」
 驚きでしばらく声も出ず、しばらく経ってから、困惑した顔でみゆきが口を開いた。
 「もふもふ分」を摂取していたこなたとつかさも、口をあんぐりと開けて、その様子を見つめているしかない。
「いいの、いいの。何も言わなくて。私たちは、いつもみゆきに迷惑ばかりかけているから、これはそれに対する感謝の証よ。まあ、こんなことぐらいしか出来ないけど……ね?」
 その言葉に、みゆきはまた破顔一笑させた。
「ありがとうございます……。本当に嬉しい、です」
 そして、みゆきはしばし、かがみと見つめ合った。
 しかし、その様子をじっと見ていたこなたが、気に入らないような調子で、
「かがみん、ずるいよー」
 と、声をあげる。
 かがみは、顔をにやつかせ、
「んー、羨ましいのー? でも、あんたたちはそれ以上にいい思いをしてるでしょう。だから、文句は言えないはずよ」
 したり顔でそう言った。
 さすがのこなたも反論できなかったが、
「ちぇー……。でも、いいもん。私には、みゆきさんの「もふもふ」があるんだもん」
 こなたはそういい、みゆきに後頭部を預け、ふんぞり返るように姿勢を変えた。思う存分「もふもふ分」を摂取することに決めたらしい。
「全く、仕方のない奴ね……」
 かがみはまた呆れ顔になりながらも、みゆきの頭を撫で続ける。
「いえ、でも……泉さんも、つかささんも喜んでくれているようですし……皆さんの幸せが、私の幸せですから」
「……本当に聖人君子ね。そして、憎いくらいに可愛いやつだわ。でも、だからこそ、私にとってみゆきは、誇れる親友よ」
 そのかがみの言葉に、こなたは顔を明るくさせ、
「そうそう、かがみの言うとおり! さっき、みゆきさんは自分を幸せ者だって言ったけど、みゆきさんを友達に持てた私たちのほうが幸せ者だよ!」
「うん、本当にお姉ちゃんとこなちゃんの言うとおりだよ。ゆきちゃんは頭も良くて、運動も出来て、優しくって、それで、それで……え、えーと……と、ともかく! ゆきちゃんは私たちの宝物だよ! ……あ、ダジャレじゃないからね」
 つかさも顔を赤くさせながらも、そう言った。
「み、皆さん……」
 みゆきは、三人からの言葉をしばしかみ締め、そして……感極まって泣き出した。











 思えば、このお三方と出会ってからどれくらい経つのでしょう。
 正確な年月は忘れてしまいました。でも、人生の中で考えれば、まだまだ浅い付き合いであることは間違いないでしょう。
 それでも……今や、私にとって、お三方がかけがえのない存在であることもまた、間違いのない事実です。
 集団になる目的は、お互いを利用するためか、お互いを助け合うためかのどちらかだと聞いたことがあります。私たちの場合、後者でしょう。お互いを利用しようなんて考えている人は一人もいません。
 悲しいこと、苦しいこと、嬉しいこと、楽しいこと、それら全てを分かち合い、お互いを想いあう。それが親友なのでしょう。
 その定義が正しいとしたら、私たち四人は……親友同士だということなのでしょう。
 いつも場を楽しくさせてくれる泉さん。いつも厳しいようだけど、本当は友達想いで優しいかがみさん。いつも私たちに癒やしと笑いを提供してくれるつかささん。このうちの誰か一人でも欠けたとしたら、私には耐えられません。
 よくかがみさんは寂しがり屋だと、泉さんにからかわれますが、それは当然のことでしょう。親友がそばにいなくて、寂しくないことなんて普通はありません。だって、親友がそばにいると……本当に嬉しく、そして楽しいのですから。
 今日だってそうです。皆さんからいただいたプレゼントも当然嬉しかったですけど、私にとっては、私の誕生日に、皆さんがそばにいてくれたということが最高の誕生日プレゼントでした。
 本当に、本当に……泉さんとかがみさん、つかささん、このお三方と仲良くなれて、良かった。いずれ、高校で毎日会えるという日常は終わるでしょうけど、お三方と出会えたことは一生の幸せです。
 だから……今までも。ずっとこの先も。不束者な私ですが、皆さん、どうぞよろしくお願いしますね。


















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コメント:
  • 「皆さんがそばにいてくれたということが最高の誕生日プレゼント」
    私もこんな風に言える友達が欲しい……
    GJでした♪ -- 名無しさん (2009-05-22 16:49:39)
  • この四人は最強のグループだと断言出来ます!異論は認めません!(キパッ
    作者殿GJでした -- にゃあ (2008-10-29 07:18:36)
  • いい話だ・・・ -- 名無しさん (2008-10-28 20:45:12)
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