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ドッキリし返し大作戦

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だれでも歓迎! 編集

「かがみん、どしたの? 最近テンション高くない?」
「そ、そうかしら」
「たしかにそうですね。何か良いことでもあったのですか?」
「てか基本ニヤニヤしてるよ。最近は一緒に帰ってないしね。――あ、ついに男ができましたか」
「え、あ、そ、そんな事ないってば」
「むふー♪ こりゃ図星だねー。でどんな男なんですかい、かがみさん?」
「だ、だから違うってば!」
「顔真っ赤にしながら違うと言い張りますかー。それはちょっと無理があるんじゃないですかい?」
「お待たせー、おトイレ結構込んでてさー」
「もうつかさ、遅いじゃない。さっ、帰りましょ!」
「あ、ちょっ、かがみーんずるいよー」
「え、何のことー? ほら帰るわよ」

私が無駄な涙を流してから早2ヶ月。もう梅雨に差し掛かろうとしている6月のある日
私は自らが打ち立てた作戦の準備を終わらせ、後は実行に移すだけという状況になっている。
作戦内容が決定して以来、私は水面下で行動を続けてきた。
といっても委員会活動と称して放課後に残ってある人と打ち合わせをしてるだけなんだけどね。
休み時間とか昼休みはこなた達といつも一緒にいるから、というより私がそっちのクラスに遊びに行くんだけども。
とにかく二人で会うには休み時間とかでは怪しまれる。しかもその人はこなた達とクラス一緒だしより都合が悪い。
「で、かがみん。このツンデレを落とした噂の彼はどんな人ー?」
「だから違うってば」
「お姉ちゃんどうしたの?」
「つかさのお姉様についに男ができたんですよ」
「ホントにー? おめでとう、お姉ちゃん!」
「だからできてないってば。てかつかさも簡単に騙されるな」
「かがみんったら、恥ずかしがっちゃってー」
「うーん、もうしょうがないわね。んじゃそのうち色々と教えてあげるから」
「お、ついに認めた!」
「だーかーら、違うってば。とにかく今日はネトゲしないで早く寝なさいよー」
「もう、かがみんは口うるさいなー。だから彼氏でき……たんですよねー」
「うるさいわねー。それじゃまた明日」
「バイバイこなちゃん」
「んじゃねー、つかさに彼氏持ち」
「うるさいっ!」


ふぅー、疲れたー。
バッグを下ろしベッドに飛び込む。
かれこれみんなと一緒に帰ったのは1週間ぶりくらいだろうか。それに帰りなんかは質問しかされなかった気がするし……。

もっと手こずると思っていたけれども、作戦は割とスムーズに進んだ。
まず、最も重要な主役である彼氏役を見つけなければならなかった。
彼氏役さえ決まってしまえば、頭の中で組み立てたシナリオもある程度はあったし、あとはすんなりと進むだろうという自信もあったし。
自分で言うのも変だけど、どんな男子とも分け隔てなく話したりとかはしてるつもり。
けどこういう頼みごとをできるほど仲の良い男友達がいなかったもんだからちょっと不安だったんだけどね。
で、その彼氏役ってのはセバスチャン。そう、こなた達もよく知ってるセバスチャンですよ。
この人選はむしろ都合が良いってだけでなんだけど。ごめんね、セバスチャン。
それで、あれこれ事情をセバスチャンに話してみたら(もちろん、私が泣きじゃくった話は伏せた。黒歴史すぎるわ)案外乗り気になっちゃって。
それからは何故かセバスチャンが積極的だったせいもあって、このほど準備が完了したってわけです。

作戦の全容はざっとこんな感じ。
まず4人集まったところで彼氏がいるということを匂わせつつ、じらす。
              ↓
スペシャルゲスト呼んであるわ、とセバスチャンを呼びお披露目。
              ↓
2人ののろけ話を散々聞かせラブラブなんですよ、という雰囲気を強調。
              ↓
最後に一言、『もう一緒にお弁当食べたりできないだろうから』と言い残し2人で帰宅。
              ↓
みんなが悲しんでいる所にもう一度戻り、ネタばらし~

といった具合。我ながら底意地の悪い作戦だわ……
てかこれって、悲しいってより腹立つだろうな。
まぁどっちにしろ同じようなものね。私嵌められたんだし。
仕返しはでっかくいきたいですもの……。


その後も学校では質問の嵐。それをかわしながら迎えた決戦前夜……
プルルル ガチャ
『かがみん、どしたー?』
「お、すぐ出た」
『いやー、それほどでもー』
「決して褒めてないからな。で、明日の午後は暇かしら。色々話したいことがあるんだけど」
『男か』
「……鋭いわね」
『当ったり前じゃん。あの口うるさい凶暴な寂しがり屋のうさちゃんツンデレかがみんに彼氏だよー? 正直考えられないね』
「……一言二言、いやもっと余計だぞ」
『とにかくっ! 明日はたっぷり聞かせてもらいますぜ』
「はいはい分かったわよ。あとつかさとみゆきにも同席してもらうから」
『かがみーん、みんな呼んで自慢するつもり? それとものろけ話ー?』
「違うわよ! とにかく、明日の1時に行くから」
『楽しみで夜も眠れないなぁ♪』

ふっふっふ。楽しみで眠れないのはこっちも同じだよ……。

プルル ガチャ
「セバスチャン、明日の午後1時よ」
『了解、かがみ』
「私はつかさと先にこなたの家に行くから……2時頃までに駅にいてて」
『ん? 一緒に行くんじゃないのか?』
「まぁそうね、スペシャルゲスト的な感じでいきましょう。
それで時間になったら私が迎えに行くから」
『了解。んじゃまた明日』
「頼んだわよ、セバスチャン」

「ついに、ここまできたかぁ……」
ベッドに横になり私はこれまでのことを思い出す。
唐突に告げられたこなたの引っ越し。それもアメリカに。しかも翌日に、と。
最後の思い出作りとして行った公園。
こなたが桜を見たいって言いだしたのよね。とてもきれいな夜桜だったわね。
あの公園でこなたは泣いていたわね。後にも先にもこなたの涙を見たのはこの日だけだった。結局嘘泣きなんだけども。
そしてこなたの家に行ってお酒を飲んで、私の感情が爆発して泣きじゃくって。
そして訪れたネタバレの瞬間。金縛りかなんかに遭ったんじゃないかと自分でもそう思ったわ。
で、あのビデオを事あるごとに観せられる始末。誰にも観せたくないわ……。
そこから思いついたドッキリし返し大作戦。
全くネタのない状況からよくここまで辿り着いたわ。
あとは明日を待つばかり。早くこなた達の驚く姿が見たいわね!

明日の事を考えるとベッドに入ってもしばらく寝付けなかった。
それでも人間の三大欲求の一つである睡眠欲に勝てるはずもなく、夢の世界へと私は徐々に近づいていく。
――でも、何でこなたは私にドッキリなんて仕掛けたんだろう?
一番始めに考えなければいけない問題が、ふと私の頭をよぎる。
しかし眠りに落ちる寸前の人間の思考力にこの難問が解けるはずもなく、問題を放棄し目を閉じた。


うう、寒い~
肌寒さに強引に夢の世界から引きずりおろされた。
そういえばどんな夢だったかしら。なにか楽しかったことは覚えているんだけれども。まぁいいや。
私は立ち上がってカーテンを開けると、どんよりとした灰色の空が目に入る。
今にも雨が降りそうな空模様に私は思わずため息をついた。
それでも私は今日これから起こることを思うとそんな心配も吹き飛ぶような気がした。

しかし寒さのせいとはいえ、休日だっていうのに平日よりも早く目が覚めるとは。なんだか子供の頃に戻ったみたいだわ……。
何はともあれしっかりと朝ご飯を食べ、眠い目をこすりながら下に降りてきたつかさを見届けた後、自分の部屋で宿題を片付けた。
お昼ご飯を早めに食べ終えつかさと家を出た頃には太陽が雲の間から顔を覗かせていた。
そのおひさまを見て、作戦の成功の暗示か? と思いニヤリとした。

他愛のないことをつかさと話し合いながらこなたの家へと向かう。
自転車で行くことも考えたのだが、天気予報を見ると夕方からの天気が良くないということなので傘を持って歩いていくことにした。
「今日は何でこなちゃんの家に行くの?」
「まぁ色々と話したいことがあるのよ」
「お姉ちゃんが?」
「そうよ。あとみゆきも呼んだから」
「ゆきちゃんも来るんだー」
ターゲットとしてつかさとみゆきを追加したのにはそれなりの訳がある。
本来ならばこなたに対してのみ仕返しをすればいいのだが、あの時は二人ともこなたの計画に充分加担していた。
そして何より私が下校時に一緒に帰れないということを、こなたと同様に悲しんでいたからだ。
みゆきは、帰れない理由として挙げていた委員会活動に対して、私も手伝いましょうか? とか、声を掛けてくれていたし、つかさはつかさで、家にいる時でさえ、委員会って大変なの? と私にすがりついて半泣きになりながら聞いてくるのだった。
という訳で二人追加。私ばっかりやられっぱなしじゃ嫌だもの。
みゆきはどういう反応するか分からないけど、つかさなんかセバスチャン呼んだ時点で泣き出しちゃいそうだしね。
「……お姉ちゃんどうしたの? ニヤニヤして」
「え、だ、大丈夫よ。何でもないわっ」
とにかく! この際だから二人も追加して、一気に驚かせてやる! といった感じになったわけである。



「やぁかがみんにつかさー」
「こんにちは、こなちゃん」
「おっす」
「さぁさぁ、上がって上がって」
丁寧に並んだこなたに似合わないだろうな、といった感じの靴が既に一つ並んでいた。どうやらみゆきはもう来ているみたいね。
こなたの先導で部屋に入ると、みゆきはフローリングに座って何か本を読んで待っていた。
「あらこんにちは、かがみさんにつかささん」
「ゆきちゃん早いねー」
「今日はなんだかかがみさんが重要な事を告白すると聞いて、気づいたら早めに着いてしまいました」
お恥ずかしながら、と言わんばかりに顔に手を当て笑みを浮かべるみゆきを見て、このあと私の話を聞いてどんな顔をするのかしら……と想像していると
「どした? 何をそんなにニヤニヤしているんだね?」
と、こなたにニマニマした顔で訊かれて戸惑う。そしていつものようにつっけんどんな返答をしてしまう。
――ああ、なんか楽しいな
このところの作戦会議のお陰でなかなかこの空間にいられなかった分、余計にそう感じた。
こなたが私をからかったり、それに対して私が答えれば『ツンデレだー』などとさらに茶々を入れてきたり、つかさの天然ボケな所を突っ込んでみたり、博識なみゆきの話に耳を傾けたり。
そんな他愛のない事がとても楽しくなっていくこの暖かい4人だけの空間を壊しちゃうことになるのかもしれない、なんて考えが一瞬頭の中をよぎる。
そう思うと作戦の実行を躊躇してしまう自分がいた。
そ、それでもやると決めたのだ。女に二言などないっ!

「あ、あのさみんな聞いてっ!」
や、やっぱり視線が集まるのって緊張するわ。思わず声上ずっちゃったし。
「か、彼氏ができたの!」

……あ、やば

やばいやばいやばい! 言っちゃった! どうしよ! 違う! シナリオと全然違うじゃない!
まず焦らして、セバスチャン連れてきて、それからそれk
「お、ようやく口を割ったねかがみん」
「ホントですか? おめでとうございます、かがみさん」
「お姉ちゃんおめでとー♪」

え? 何で悲しまない?
「かがみんが一番乗りかー、本命はみゆきさんだったんだけどなー」
「いやいや、私はそんな……」
「私もゆきちゃんが一番最初に誰かと付き合うんだろうなー、って思ってた」
「つかささんまで……」
「みゆきさんは絶対モテるしねー。
 で、かがみんを落とした素敵な王子様って誰ー?」

あ、あれー? 想像してたのと全く違うんですが……むしろ歓迎されてる気がする……
で、でも聞いてみないと分からないものよね……明るく振舞っているけど実は、みたいな。
「ね、ねぇ、私がその、誰かと付き合うのって悲しく、ないの?」
「ねぇ、何で動揺してんの? まさか良からぬ考え持ってるんじゃないだろうねぇ?」
とニヨニヨとするこなた。
う、嘘!? たったこれだけで見抜かれたの!? ちょっとこなたさん!? あんた勘良すぎだろ!
でも、何とか耐えきってみせるわ! セバスチャン、安心しなさいっ!
「だ、だってこういうのって慣れないし緊張するじゃない! と、とにかく私の質問に答えてよね!」
「何でここでツンを混ぜ込むのやら……」
「これから彼氏とお弁当一緒に食べるようになったり、帰りに一緒に帰ったりしたら悲しくないの?」
「で、でもお姉ちゃんが幸せそうならそれでいいと思うけど……それじゃダメ?」
「それはたしかに悲しい事かも知れないですが、休日にお会いすることだって出来ない事ではないですし」
「みゆきさん、デートデート」
「あ、そうでしたね……」
「でもかがみんが彼氏と遊ぼうが何しようが私達って親友じゃない?」
「そうですよ」
「そうだよ、お姉ちゃん」
「だから悲しむとかそういうのっておかしくない?」


あ、ダメだ。私の負けみたい。

いや、負けってのもおかしいわね。こんな風に思ってくれる友達が出来たってことは私の勝ちなのかも知れないわ、なんてね。
とにかく、やられたらやり返すとかそういうのって間違ってる気がする。ってここまでやっといて思うのも変だけどね。
でも、嬉しいや。謀ったわけではないけど、みんなこんな嬉しい事言ってくれるなんて……
「あの、ありがとう。でもごめんなさい」
「ん? どしたの?」
「実は……」
この前ドッキリを仕掛けられて、やられっぱなしじゃ嫌だから仕返ししようとしたこと。
先日から委員会活動と称して作戦会議をしていたこと。
それから、嘘とはいえみんなが素直に祝福してくれたこと。
謝罪と感謝。それぞれを漏れなく打ち明けた。
全て話し終えて、それまでそれを黙って聞いてくれた三人の穏やかな笑顔を見ると、何だかちょっぴり泣きそうになった。
「……というわけです」
「そういう訳ですかー。ん、どしたの? かがみん泣きそうだよ?」
「う、うるさいっ! 別にそんなことないっ!」
「あの、ハンカチなら貸しますよ?」
「そんなことないから! あと、みゆきも大丈夫だから。あの、ありがとう……」
「こなちゃん、今のがお姉ちゃんの『デレ』ってやつなの?」
「そうだよ、つかさー。いやー、良いもの見たねー」
「もう、うるさいっ!」

「……こなちゃん、あの事ってもう言っちゃっていい?」
「あの事? あぁあの事ね」
「いや、でもこれは言わなくてもいい事ではないでしょうか……」
え、何それ? いい予感はしないけど気になる……
「気になるから教えてよ」
「いやー、これは……ねぇ」
「そうですよね、かがみさんに良い事ではないですよ……」
「いいからもったいぶらないで教えてよ!」
「かがみんがそんなに言うなら、言っちゃおうか」
渋々とつかさとみゆきが首を縦に振る。
しかし、と言うよりやっぱり私の予感は的中する……



「実は、そのドッキリの事知ってたんだ」

「委員会が忙しいということなので先生にそのことを尋ねてみたところ、『柊は委員会の活動なんてしてないぞ』と回答を頂きまして……」
「家でお姉ちゃんが電話してるところ聞いちゃって……べ、別に、盗み聞きしようとかしたわけじゃなくて、お姉ちゃんの部屋に入ろうとした時に聞こえちゃって……」
えっ

ええええええ!
んじゃ何!? 全部筒抜けだったってこと!? うわ何それ!? これで抜かりない、なんて思ってたの!? 恥ずかしすぎる!
「で、かがみんが意気込んでたからとりあえず最後までやらせてみようか、と思ってやらせてたってわけです」
「申し訳ございません……」
「電話してるときのお姉ちゃん、すごい楽しそうだったし……ごめんね?」
「あっ、あうー……」
「まぁそんな時もあるさ、かがみん♪ まぁお口直しにこれでも観よ?」
そう言って見せてきたのは……
「そ、それだけはやめてー!!!」
「あぁ、あのビデオですか♪」
「久しぶりだねー♪ 見よう見よう♪」
「いやー……やめてー……」
「かがみん、これは私達を陥れようとした罰だよ。これからはもうしないでね?」
「はい…もうしません……」
「よろしい。では、『かがみんドッキリ大作戦』上映しまーす! ポチっとな」

いやああああああ……








「もう陽が翳ってきたんですが……俺はどうすればいいんでしょう……」


















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  • なんか、かがみらしい気が
    します。悪くなりきれない
    トコとか。 -- チャムチロ (2012-09-04 12:55:00)
  • この作品名で検索すると、作者さんのページも表示されますよ -- 名無しさん (2009-07-11 00:27:14)
  • う~む・・・
    この前の話があるようなのですが、作者やタイトルがわからない・・・
    もう少し関連検索しやすくならないものか・・・ -- 名有りさん (2009-07-10 20:03:15)
  • GJ!
    しかし可哀想な白i・・・
    -- オビ下チェックは基本 (2009-07-10 12:45:59)
  • ハハハ。やっぱりこういうオチでしたか -- 名無しさん (2008-09-21 23:38:05)

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