この日も私は憂鬱な気持ちで家に着くと、自分の部屋に入った。
かばんを置き、ベッドに横になって天井を見上げる。
かばんを置き、ベッドに横になって天井を見上げる。
「はぁ・・・・。どうしたらいいんだろ・・・・・」
視線の先に浮かんでくるのは、私を憂鬱にさせている張本人。日下部みさおだ。
勉強は嫌い。
宿題もやらない。
遊ぶことばかり考えて、
将来のことなんて何も考えていない。
宿題もやらない。
遊ぶことばかり考えて、
将来のことなんて何も考えていない。
こんなどうしようもないやつなのに・・・・・。
底抜けに明るくて。
いつも楽しそうに笑っていて。
黒髪のショートカットも、
栗色の大きな瞳も、
それに、あの八重歯も、
全部がとっても可愛いくて・・・・・。
いつも楽しそうに笑っていて。
黒髪のショートカットも、
栗色の大きな瞳も、
それに、あの八重歯も、
全部がとっても可愛いくて・・・・・。
なんでこんなに好きなのか、全然わかんない!!!!
日下部とは中学から同じクラスだけど、そんなに意識したこともなくて、ずっとただの友達だと思ってた。
でも最近は、気がつくと日下部のことばかり目で追ってるし、普通に話しているだけなのに勝手にドキドキしてくる。
でも最近は、気がつくと日下部のことばかり目で追ってるし、普通に話しているだけなのに勝手にドキドキしてくる。
それだけならまだしも(いや、良くはないけど・・・)、一人になると日下部の顔が浮かんできて、
なぜか身体の奥が熱くなってきてしまう。
気がつくと、いつの間にか自分で胸を触っていて・・・、その・・・、一人でしちゃったり・・・・とか・・。
って、な、なに言ってんのよっ!!
なぜか身体の奥が熱くなってきてしまう。
気がつくと、いつの間にか自分で胸を触っていて・・・、その・・・、一人でしちゃったり・・・・とか・・。
って、な、なに言ってんのよっ!!
も、もとい。ま、まぁ、こんな状態が続いてるのよ。
だけど、自分でもどうしたらいいのかわかんないんだよな・・・。
だけど、自分でもどうしたらいいのかわかんないんだよな・・・。
「しかし・・・、今日は最悪の日だ・・・・・・」
私は目をつぶると、胸に小さな痛みを感じながら、一日を振り返った。
「ひぃらぎ~。一緒に弁当食べようぜ~」
午前中の授業も終わり、教科書をしまっていると、待ち構えていたように日下部が声をかけてきた。
それだけなのに、すでに鼓動は速くなっている。
それだけなのに、すでに鼓動は速くなっている。
「あ、う、うん・・・」
「どーした?元気ねーな」
「どーした?元気ねーな」
日下部の言葉に、一瞬ギクリとする。
い、いかん。平常心、平常心。
い、いかん。平常心、平常心。
「そ、そんなことないわよ」
「そうか~? 何か気になるんだよな~」
「そうか~? 何か気になるんだよな~」
そう言って日下部は、私の顔を覗き込んできた。
大きな瞳が私の目に飛び込んでくると、途端に心拍数が急上昇し、しどろもどろになってしまう。
大きな瞳が私の目に飛び込んでくると、途端に心拍数が急上昇し、しどろもどろになってしまう。
「だ、だ、だ、だから・・・・・な、なんでも・・・」
「ん? 顔、真っ赤だぞ?」
「なっ!?」
「ん? 顔、真っ赤だぞ?」
「なっ!?」
思わず頬に手を当てる。
な、なんでこんな熱くなってんのよっ!!
な、なんでこんな熱くなってんのよっ!!
「熱でもあんのか?」
言いながら日下部は、突然左手を伸ばすと、私のおでこにくっつけた。
「あ、あ、あわわわ!!」
「ん~?ちょっと熱い・・・・かなぁ?」
「ん~?ちょっと熱い・・・・かなぁ?」
日下部の突然の行動に、さらに体温が跳ね上がる。
くはっ!!やばい・・・・・。も、もう・・・無理!!!
くはっ!!やばい・・・・・。も、もう・・・無理!!!
「ち、ち、ちょ、ちょっとトイレ!!」
「お、おい! ひ~らぎ~!!」
「お、おい! ひ~らぎ~!!」
私はそう叫んで教室を飛び出し、そのまま女子トイレに向かった。
「はぁ・・はぁ・・・はぁ・・・・・こ、これは・・・本格的にヤバイわ・・・」
洗面台に寄りかかり、懸命に落ち着かせようと深呼吸をする。
でも、走った所為なのか、それとも日下部の所為なのか、呼吸は全然整わないし、心臓はバクバクしっ放し。
でも、走った所為なのか、それとも日下部の所為なのか、呼吸は全然整わないし、心臓はバクバクしっ放し。
もうっ!!なんで、いっつもあいつは突然なのよっ!!!
心の中で日下部に毒づきながら、さっきのことを思い返し、また顔が熱くなる。
はぁ・・・・、なんでこんなになっちゃうのよ・・・・・。
絶対、おかしいって・・・・。
絶対、おかしいって・・・・。
蛇口を捻り、冷たい水で顔を洗うと、少しだけ頬の火照りも治まったみたいだった。
けれど、お昼を食べる気分にもなれず、気持ちを切り替えようと、一人校舎をブラブラして過ごした。
けれど、お昼を食べる気分にもなれず、気持ちを切り替えようと、一人校舎をブラブラして過ごした。
はぁ~・・・。何か、教室戻るのも憂鬱だな・・・・。
そのまま早退したいくらいだったけれど、そんなことをして、余計に日下部に心配されるのも嫌だった。
時計を見ると、昼休みも終わりに近づいていて、仕方なく私は教室に戻ることにした。
時計を見ると、昼休みも終わりに近づいていて、仕方なく私は教室に戻ることにした。
ドアの端から中を見渡すと、日下部が私の机に座り、口を半開きにして昼寝をしていた。
周囲も慣れたもので、誰一人気にしてはいない。
峰岸もどこかに行っているのか、見当たらなかった。
周囲も慣れたもので、誰一人気にしてはいない。
峰岸もどこかに行っているのか、見当たらなかった。
あんまり近づかない方がいいんだけど・・・。
でも・・・日下部の寝顔・・・かわいいなぁ・・・。
でも・・・日下部の寝顔・・・かわいいなぁ・・・。
恐る恐る日下部に近づいてみると、完璧に熟睡しているみたいで、まったく起きる気配はなかった。
その様子に少しだけ安心して、私は日下部の前の席に座り、しばらくそれを眺めていた。
その様子に少しだけ安心して、私は日下部の前の席に座り、しばらくそれを眺めていた。
あぁ・・・、ホント、かわいい。
起こさないように、日下部のほっぺをプニプニと指で押してみる。
「んぁ? ん~・・・・」
日下部は一瞬眉間にしわを寄せたけれど、また寝てしまった。
もう一度押してみると、今度はうるさそうに指を払おうとする。
もう一度押してみると、今度はうるさそうに指を払おうとする。
ふふ、日下部のほっぺって柔らかい・・・。
ムニムニと日下部のほっぺで遊んでいると、あるものが目に留まった。
それは、口元から可愛らしくちょこんと見えている、日下部の八重歯だった。
それは、口元から可愛らしくちょこんと見えている、日下部の八重歯だった。
そういえば、前から気になってたのよね・・・・。
マジマジと日下部の八重歯を観察してみる。
それは独特の光沢を放ち、日下部の呼吸に合わせて上下していた。
それは独特の光沢を放ち、日下部の呼吸に合わせて上下していた。
・・・田村さんが言ってたけど、確かにポイント高いわ・・・。
お昼の後に歯を磨いたのだろうか、日下部の息からは微かにミントの香りがしていた。
その香りをかいでいると、なぜか全身が熱くなり、つい顔を近づけてしまう。
その香りをかいでいると、なぜか全身が熱くなり、つい顔を近づけてしまう。
な、なんか・・・変な気分になってきちゃった・・・・。
口元に近づくとミントの香りは一層強くなり、その香りが私の心臓を早鐘のように鳴り響かせた。
・・・・・日下部の息・・・・。良い・・匂い・・・・・。
気がつくと、日下部の唇に触れそうなくらいにまで、顔が近づいていた。
うぉあっ! ス、ストップストップ!!
間一髪のところで何とか思いとどまり、日下部から離れる。
だ、誰も見てなかった・・・・よね?
慌てて周りを見回したけれど、特に変わった様子はない。
ほっと胸を撫で下ろし、改めて日下部を見ると、相も変わらず気持ち良さそうに眠っていた。
ほっと胸を撫で下ろし、改めて日下部を見ると、相も変わらず気持ち良さそうに眠っていた。
あっぶな~・・・・。これ以上、日下部にちょっかい出すのはまずいわね・・・・・。
名残惜しいけど・・・、そろそろ止めとこ・・・・。
・・・・・。
でも・・・、最後にもう一回・・・。
名残惜しいけど・・・、そろそろ止めとこ・・・・。
・・・・・。
でも・・・、最後にもう一回・・・。
柔らかな感触をもう一度感じたくて、日下部のほっぺを指で押そうとした瞬間、
日下部が身じろぎ、指はそのまま日下部の口に入ってしまった。
日下部が身じろぎ、指はそのまま日下部の口に入ってしまった。
「えっ?」
一瞬、何が起こったのか理解できなかった。
あ、あれ?日下部の・・・口に・・・・。
次の瞬間、指が生暖かい感触に包まれているのに気がつき、一気に顔が紅潮する。
ちょちょちょ、ちょっと!!な、なんてことしてんのよ!!
「う、う~ん・・・・」
突然日下部が起きそうになり、私は驚きのあまり、指を引き抜くと同時に、大声を出してしまった。
「ひゃあぁぁぁぁっ!!」
「うぉあっ!!な、なんだ?」
「うぉあっ!!な、なんだ?」
日下部は、驚いてズリ落ちそうになる身体を、寸でのところで立て直す。
さ、さすが陸上部!!
さ、さすが陸上部!!
「あっぶね~・・・・。 あ、あれ? ひぃらぎ? なんでそんなとこにいるんだ?」
「な、ななな、な、なんでって・・・そ、その・・・・。
そ、それより、あ、あんたこそ、なんで私の席に座ってんのよ!」
「ん~? なんだっけ・・・・・?」
「な、ななな、な、なんでって・・・そ、その・・・・。
そ、それより、あ、あんたこそ、なんで私の席に座ってんのよ!」
「ん~? なんだっけ・・・・・?」
おいおい・・・。
「あっ! そうだっ!ノート借りようと思ってたんだ」
「はぁ?な、なんでよ!」
「いや~。次の授業で指されそうだからさ」
「い、いつもみたく、峰岸に借りれば良いじゃないっ!」
「あやのは風紀委員の集まりで、まだ戻ってきてねーんだよ」
「そ、そう言えば、さっき一人だったわね」
「そうなんだよ。な? 頼むよ~」
「はぁ?な、なんでよ!」
「いや~。次の授業で指されそうだからさ」
「い、いつもみたく、峰岸に借りれば良いじゃないっ!」
「あやのは風紀委員の集まりで、まだ戻ってきてねーんだよ」
「そ、そう言えば、さっき一人だったわね」
「そうなんだよ。な? 頼むよ~」
椅子に座ったままの日下部は、そう言って上目遣いで私の顔を覗き込んだ。
くぅぅ・・。その顔は反則よ・・。
くぅぅ・・。その顔は反則よ・・。
「うぅぅ・・・・。 わ、わかったわよ・・・」
「お、サンキュ。ひぃらぎ」
「お、サンキュ。ひぃらぎ」
日下部は、上機嫌で私の差し出したノートを受け取ると、自分のノートに写し始めた。
何の疑問もなく写している日下部の態度に、小言の一つでも言ってやろうかと思ったその時、人差し指のひんやりとした感覚に気がついた。
何の疑問もなく写している日下部の態度に、小言の一つでも言ってやろうかと思ったその時、人差し指のひんやりとした感覚に気がついた。
そう言えば、さっき、この指が日下部の口に入っちゃったんだっけ・・・・・。
よく見てみると、指先が日下部の唾液で少しだけ濡れていた。
これって・・・日下部の・・・・・。
指を見つめていると、あのミントの香りが思い出され、どうしてもそれを味わってみたい衝動が湧き起こってきた。
・・・・・日下部のって、いったいどんな味がするんだろ・・・・。
ドクドクと、大きく脈打つ心音を聞きながら、指をゆっくりと口元に近づけていく。
「なぁ、ひぃらぎぃ」
すると、それまで黙ってノートを写していた日下部が、不意に声をかけてきた。
その声に慌てて指を引っ込め、日下部の方に向き直る。
その声に慌てて指を引っ込め、日下部の方に向き直る。
「ななな、な、なによ?」
「あ、あのさ・・・・、さっきは何で走ってたんだ?」
「へっ? は、あ、あの・・・・、ちょ、ちょっと気分が悪くなって」
「ふ~ん・・・・?」
「あ、あのさ・・・・、さっきは何で走ってたんだ?」
「へっ? は、あ、あの・・・・、ちょ、ちょっと気分が悪くなって」
「ふ~ん・・・・?」
一瞬の沈黙の後、日下部は顔を上げ、私を見つめた。
「なぁ・・・、何か隠してねぇか?」
「なっ!? な、な・・・」
「なっ!? な、な・・・」
あまりにも唐突な質問に、一瞬、心臓が大きく跳ねる。
目を見開き日下部を見ると、日下部は首を傾げたまま、私をじっと見つめていた。
その真っ直ぐな視線は、私の気持ちを見透かしているような気がして、耐えきれずに、うつむいてしまう。
目を見開き日下部を見ると、日下部は首を傾げたまま、私をじっと見つめていた。
その真っ直ぐな視線は、私の気持ちを見透かしているような気がして、耐えきれずに、うつむいてしまう。
ど、どうしよ・・・・。このままじゃ日下部にばれちゃうよ・・・。
床を見ながら、必死に考えを巡らしても、一向に考えはまとまらない。
それどころか、頭の中ではいろんな言葉が浮かび、私を混乱させていった。
それどころか、頭の中ではいろんな言葉が浮かび、私を混乱させていった。
わ、私は・・・・。
日下部のことが・・・好き・・・・・・。
でも・・・。
でも、言ったら日下部にひかれちゃうよ・・・。
そんなことになったら私・・・・、耐え切れない・・・・。
日下部のことが・・・好き・・・・・・。
でも・・・。
でも、言ったら日下部にひかれちゃうよ・・・。
そんなことになったら私・・・・、耐え切れない・・・・。
・・・・・。
だけど・・・・・、
ずっとこのままでいいの?
このまま卒業するまで。
卒業したら・・・もう会えないかもしれないのよ?
そうなったら、一生言えないのよ?
だけど・・・・・、
ずっとこのままでいいの?
このまま卒業するまで。
卒業したら・・・もう会えないかもしれないのよ?
そうなったら、一生言えないのよ?
そ、そんなこと言ったって、やっぱり無理よ!!
だって・・・、好きなんだもん・・・。
すごく・・・、すっごく好きなんだもん!!
だから・・・。
そんなことになるくらいなら・・・・。
いっそこのままの方が・・・・。
だって・・・、好きなんだもん・・・。
すごく・・・、すっごく好きなんだもん!!
だから・・・。
そんなことになるくらいなら・・・・。
いっそこのままの方が・・・・。
でも・・・・。
本当に・・・、
本当にそれでいいの?
本当に・・・、
本当にそれでいいの?
あぁー!!うるさいうるさいうるさい!!
いったい、どうしたらいいのよ!!
いったい、どうしたらいいのよ!!
積み重なる葛藤と、言葉にならないもどかしさ、私を見つめる日下部の視線、その全てが私をイライラさせていく。
「ひ、ひぃらぎ?」
そのイライラは、日下部に声をかけられた瞬間、爆発し、自分自身に向けたはずの言葉が、口をついて出てしまった。
「う、うるさい!!」
その声に日下部は身体をビクッと震えさせる。
はっとして視線を上げると、日下部は、今にも泣きだしそうな顔でこっちを見ていた。
はっとして視線を上げると、日下部は、今にも泣きだしそうな顔でこっちを見ていた。
あ・・・、わ、私・・・なんてこと言ってんのよ・・・・。
日下部は、何も悪くないのに・・・・。
日下部は、何も悪くないのに・・・・。
「あ、あぅ・・・。 ひ、ひぃらぎ・・・。ご、ごめん」
「え?あ、いや、そ、その・・・。こ、これはちが」
「変なこと言って・・・、悪かったな・・・・」
「あ・・・・」
「え?あ、いや、そ、その・・・。こ、これはちが」
「変なこと言って・・・、悪かったな・・・・」
「あ・・・・」
そう言って日下部は、またノートに視線を戻した。
その寂しそうな姿に声をかけることもできず、私はただ黙ってそれを見つめていた。
気まずい沈黙が流れ、その間私の胸は、ズキズキと突き刺さるような痛みを感じていた。
その寂しそうな姿に声をかけることもできず、私はただ黙ってそれを見つめていた。
気まずい沈黙が流れ、その間私の胸は、ズキズキと突き刺さるような痛みを感じていた。
「ありがと」
ノートを写し終えた日下部は、少しだけ寂しそうな笑顔でそう言うと、ノートを渡して自分の席に戻っていった。
午後の授業が始まっても、どうしても日下部のことが気になってしまい、私はチラチラと様子を伺っていた。
日下部は何か考え込んでいるようで、珍しく真剣な顔でノートを見つめている。
日下部は何か考え込んでいるようで、珍しく真剣な顔でノートを見つめている。
日下部・・・・・。嫌われちゃったよね・・・・・。
授業終わったらちゃんと謝らないと・・・・。
で、でも、何て謝ったら・・・・。
授業終わったらちゃんと謝らないと・・・・。
で、でも、何て謝ったら・・・・。
何度か声をかけようとしてはみたけれど、なかなか決心がつかず、ずるずると6時限目まできてしまった。
つ、次こそは・・・。
授業が終わり、意を決して日下部のところへ向かおうとした時、ドアの方から声をかけられた。
見ると、つかさがかばんを持って立っている。
見ると、つかさがかばんを持って立っている。
「お姉ちゃ~ん。一緒に帰ろう」
「う、うん。あ、あれ?こなたは?」
「今日はバイトなんだって~」
「そ、そうなんだ」
「う、うん。あ、あれ?こなたは?」
「今日はバイトなんだって~」
「そ、そうなんだ」
日下部の方を見ると、峰岸と何かを話していた。
日下部は、さっきまでの泣きそうな顔じゃなくて、すごく楽しそうな笑顔になっていた。
2人が話しているその光景は、なぜか私の心をざわつかせた。
日下部は、さっきまでの泣きそうな顔じゃなくて、すごく楽しそうな笑顔になっていた。
2人が話しているその光景は、なぜか私の心をざわつかせた。
「お姉ちゃん? どうしたの?」
「う、ううん・・・・。なんでもない」
「?」
「・・・・。さ、帰ろ」
「う、ううん・・・・。なんでもない」
「?」
「・・・・。さ、帰ろ」
帰り道、つかさはクラスの出来事を、とても楽しそうに話していた。
私も適当に相づちを打ってはいたけれど、頭の中では日下部のことばかり考えてしまう。
私も適当に相づちを打ってはいたけれど、頭の中では日下部のことばかり考えてしまう。
あ~あ、結局謝れなかったな・・・・。
絶対、日下部に誤解されちゃったよね・・・・。
絶対、日下部に誤解されちゃったよね・・・・。
つかさの笑顔とは対照的に、私の中には重苦しい気持ちが満ちていった。
「かがみ~。ごはんよ~」
「う・・・・・、ん?」
「う・・・・・、ん?」
お母さんの声が聞こえ、ゆっくりと目を開く。
気が付くと部屋の中は暗くなっていて、慌てて時計を見ると、もう夕食の時間になっていた。
あ、あれ?寝ちゃってた・・・・のか?
気が付くと部屋の中は暗くなっていて、慌てて時計を見ると、もう夕食の時間になっていた。
あ、あれ?寝ちゃってた・・・・のか?
「みんな待ってるわよ~」
「あ・・・、い、今行くー!!」
「あ・・・、い、今行くー!!」
お母さんの声に促され、急いで着替えると、下に降りてご飯を食べた。
正直、食欲はなかったんだけれど、食べないとみんな心配するだろうから、無理して食べた。
その後、居間でテレビを見始めたけれど、胸を締めつけるような苦しさは消えず、どうしても落ち着かなかった。
正直、食欲はなかったんだけれど、食べないとみんな心配するだろうから、無理して食べた。
その後、居間でテレビを見始めたけれど、胸を締めつけるような苦しさは消えず、どうしても落ち着かなかった。
「わ、私、先にお風呂入るね」
居たたまれなくなり、一緒にテレビを見ていたつかさに声をかける。
「うん。 あ、お姉ちゃん。この後見たいドラマがあるから、ちょっと早めに出てほしいんだけど」
「う、うん。 わかった・・・」
「よろしくね~」
「う、うん。 わかった・・・」
「よろしくね~」
そう言ってつかさはテレビに向き直り、また無邪気に笑い始めた。
あの子はこういう気持ちとは無縁そうよね・・・・。
やっぱり、双子でも違うものなのかな?
やっぱり、双子でも違うものなのかな?
そんなことを考えながら、着替えを持ってお風呂に向かった。
身体を洗い終え、いつもより熱めのお湯に、ゆったりと身体を伸ばして浸かる。
いつもだったら、それだけで気分も軽くなるはずなのに、重苦しい気持ちはいつまでも消えなかった。
いつもだったら、それだけで気分も軽くなるはずなのに、重苦しい気持ちはいつまでも消えなかった。
今日のこと・・・・。日下部には悪いことしちゃったな・・・・。
私んとこ・・・、全然来なかったもんね・・・。
やっぱりあれじゃ・・・、嫌われても仕方ないよね・・・・。
・・・・・・・。
私んとこ・・・、全然来なかったもんね・・・。
やっぱりあれじゃ・・・、嫌われても仕方ないよね・・・・。
・・・・・・・。
「・・・・・うっ・・・、ぐす・・・・・・・、うぅぅ・・・・」
取り返しのつかないことをしてしまったような想いが募り、絶望感と一緒に涙が溢れてくる。
うう・・・・、嫌だよ・・・・・。
このまま・・・離れていくなんて・・・・。
このまま・・・話せなくなっちゃうなんて・・・・。
このまま・・・離れていくなんて・・・・。
このまま・・・話せなくなっちゃうなんて・・・・。
もう・・・・、どうしたらいいのかわかんないよ・・・・・。
不安感と孤独感に苛まれ、私はただ、声を殺しながら涙を流すことしかできなかった。
涙を拭い、顔を洗おうとしたその時、ふと、左手の人差し指が目についた。
涙を拭い、顔を洗おうとしたその時、ふと、左手の人差し指が目についた。
お湯で多少赤くなっただけの、何の変哲もない指。だけど・・・・・。
日下部の口に入っちゃった・・・のよね・・・・。
指を見つめていると、日下部の口中の感触が思い出され、鼓動は次第に早くなっていった。
同時に、身体の奥の方が、徐々に熱くなってくる。
同時に、身体の奥の方が、徐々に熱くなってくる。
「日下部・・・・・・」
重く、苦しい気持ちのはずなのに、身体を熱くしてしまう自分を、浅ましく思う一方で、
私を包む孤独感は、そんな自己嫌悪の気持ちを無視させた。
私は、日下部とのつながりを求めるかのように、見つめていた指を口に含んだ。
私を包む孤独感は、そんな自己嫌悪の気持ちを無視させた。
私は、日下部とのつながりを求めるかのように、見つめていた指を口に含んだ。
「は・・んむ・・・・ちゅ・・・く、くさ・・んっ・・・か・・・べ・・・・」
指を舐めながら、あのミントの香りを思い出していく。
「ん・・・・・。ちゅぷ・・・・・くちゅ・・あ・・・・んむ・・・・ちゅぱ・・・・」
指全体を口に含み、丹念に舌を絡めていくと、次第に気分は高揚していき、
私はまるで日下部とキスをしているような気持ちになっていた。
私はまるで日下部とキスをしているような気持ちになっていた。
「あ・・・・ん・・・・ちゅっ・・・・くさ・・・・かべ・・・に・・触れ・・たい・・。ちゅ・・・は・・あ・・・ん・・・もっと・・感じたい・・・」
あたかも口中を犯すかのように、激しく指を出し入れすると、その度に口の端からは唾液がこぼれ落ち、首筋から鎖骨にかけて、生温かい感触が伝っていった。
「ん・・あぁぁ・・くさかべ・・・。はっ・・ん・・・。キス・・・したい・・・。
キスしたいよぉ・・」
キスしたいよぉ・・」
口の中は、まるで性器のように敏感になっていて、差し込んだ指で口の内壁を優しくなぞると、身体は小さく身震いをしてしまう。
「あぁぁ・・・・。はっ・・ん・・く・・くさ・・かべ・・・・。も、もっと・・・あっ・・んむ・・・キス・・して・・・。
日下部の・・・舌・・あっ・・・は・・ん・・・いっぱい・・い・・入れてぇ・・・」
日下部の・・・舌・・あっ・・・は・・ん・・・いっぱい・・い・・入れてぇ・・・」
そのうち、指を舐めているだけでは、どうしても我慢ができなくなり、
私は空いている右手で身体を伝っていた唾液をすくうと、そのまま胸の先端に塗りつけた。
ヌルヌルとした感触が、乳首をより敏感にさせる。
優しく指先で転がしながら、時折強くつまむと、そのたびに身体は小刻みに震え、吐息と一緒に声が漏れてしまう。
私は空いている右手で身体を伝っていた唾液をすくうと、そのまま胸の先端に塗りつけた。
ヌルヌルとした感触が、乳首をより敏感にさせる。
優しく指先で転がしながら、時折強くつまむと、そのたびに身体は小刻みに震え、吐息と一緒に声が漏れてしまう。
「んっ・・・く・・・・。はぁっ、はぁっ・・・んっ・・・く・・はぁ・・・。
つ、つま・・んで・・・。もっと・・・つ・・よ・・・くぅぅぅ・・・」
つ、つま・・んで・・・。もっと・・・つ・・よ・・・くぅぅぅ・・・」
繰り返される快感の波に、私の理性はもう何の役にも立たなくなっていた。
欲望に支配された私は、口に含んでいた左手を抜くと、内腿の間に差し込む。
欲望に支配された私は、口に含んでいた左手を抜くと、内腿の間に差し込む。
「あっ! あぅ・・・・んっ・・・・ぐ・・ぅ・・・むぅぅぅぅ!!」
そこは今までにないくらい濡れていて、お風呂の中にいるのに、ねっとりとした体液が、指にまとわりついてきた。
指が秘裂をなぞるだけで身体は大きく仰け反り、お風呂にいることを忘れて、つい大きな声を上げそうになってしまう。
指が秘裂をなぞるだけで身体は大きく仰け反り、お風呂にいることを忘れて、つい大きな声を上げそうになってしまう。
「はっ・・・あぁぁ・・・ん・・む・・・。あっ・・・・はぁ・・・だ、だめ・・・。き、きちゃう・・・よ・・。く・・さ・・・かべ・・・」
お腹の奥から、徐々に登りつめていくような感覚が迫り、自分でも限界が近づいているのがわかった。
私は、秘裂をなぞっていた指を秘芯へと移し、優しく撫でる。
私は、秘裂をなぞっていた指を秘芯へと移し、優しく撫でる。
「あ・・、あっ!・・ぐ・・・ぅぅ・・んっ!
き、きもち・・・いぃぃ・・あっ・・・もっ・・もっと・・こすっ・・・て・・」
き、きもち・・・いぃぃ・・あっ・・・もっ・・もっと・・こすっ・・・て・・」
すべりの良くなった指は滑らかに動き、想像以上の快感がゾクゾクと背中をなぞっていく。
口からは、唾液と一緒にあられもない言葉が漏れ、最早私は、快感を貪ることしか考えられなかった。
口からは、唾液と一緒にあられもない言葉が漏れ、最早私は、快感を貪ることしか考えられなかった。
「は・・あっ・・あぁぁ・・ん・・。はぁっ・・・はぁっ・・も、もう・・・む・・り・・・」
秘芯を撫で回す指の動きは徐々に速くなり、その動きに呼応するかのように、お腹の奥の感覚も、次第に大きくなっていく。
「あぁぁ・・・はっ・・・あぁぁぁ、んん!・・・だ、だめっ!くぅぅ・・くさかべ・・・はぁぁ・・
く、くるっ・・・きちゃうっ・・・・・あ・・あ・・あっ!
いく・・・い・・・く・・、い、い・・・ぃくぅぅぅぅぅぅ!!!!」
く、くるっ・・・きちゃうっ・・・・・あ・・あ・・あっ!
いく・・・い・・・く・・、い、い・・・ぃくぅぅぅぅぅぅ!!!!」
その感覚が私の中ではじけた瞬間、大きな快感の波が一気に押し寄せ、頭の中は真っ白になった。
気がつくと私は、お風呂の縁に頭を乗せ、天井を見上げながら荒い呼吸を続けていた。
「はぁっ・・・・・・はぁっ・・・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・」
おぼろげな意識の中、目の前には日下部の姿が浮かんでいる。
「日下部・・・・・好き」
そう呟いた時、パズルのピースが、スルリと枠にはまったような感覚が訪れると同時に、自然と気持ちが溢れ出してきた。
そう・・だ・・・。
私は、日下部のことが好き・・・・。
すごく好きなんだ・・・・。
だから嫌われたくない。
離れたくない。
そんなの・・・絶対、嫌・・・。
だけど・・・・。
私は、日下部のことが好き・・・・。
すごく好きなんだ・・・・。
だから嫌われたくない。
離れたくない。
そんなの・・・絶対、嫌・・・。
だけど・・・・。
もっと日下部に近づきたい。
もっと日下部に触れていたい。
もっと日下部と・・・一緒にいたい。
もっと日下部に触れていたい。
もっと日下部と・・・一緒にいたい。
学校で私を混乱させたのと同じ言葉が、次から次へと浮かんでくるのに、今はまったく混乱はしない。
むしろ、その言葉たちが不思議な力で紡ぎ合わされていく。
むしろ、その言葉たちが不思議な力で紡ぎ合わされていく。
このまま何もしなかったら・・・・、日下部のことで悩むだろうけど・・・・、
そのまま卒業して、大学行って、就職して、社会に出て・・・・、そのうち、今の気持ちも忘れていっちゃうんだろうな・・・。
そのまま卒業して、大学行って、就職して、社会に出て・・・・、そのうち、今の気持ちも忘れていっちゃうんだろうな・・・。
それも一つの選択肢よね・・・。大人になってくって、そういうことだもん・・・。
だけど・・・・、それを選んだら、私はきっと後悔する。
振られたら・・・。嫌われたら・・・・。
そんなことを考えると・・・、怖いし・・・、苦しいし・・・。
そんなことを考えると・・・、怖いし・・・、苦しいし・・・。
それでも私は・・・、自分が好きになった人に何もしないで、まして、気持ちを忘れるのを待つなんて・・・。
そんなこと、絶対にしたくない。
そんなこと、絶対にしたくない。
日下部の気持ちは、正直わかんない・・・。でも・・・、私はもう、自分の気持ちを誤魔化したくない。
日下部に嫌われても・・・・・。そうしないと・・・・、私は一生後悔してしまう・・・。
だから・・・・・・。
日下部に嫌われても・・・・・。そうしないと・・・・、私は一生後悔してしまう・・・。
だから・・・・・・。
私の胸を支配する重苦しい気持ちは、相変わらず消えていなかった。
でも、その時の私には、そんなものは気にならないくらいの、大きな覚悟があった。
でも、その時の私には、そんなものは気にならないくらいの、大きな覚悟があった。
私は日下部に告白する。
それに思い至った時、日下部への想いが、胸の奥からフツフツと溢れてきた。
その想いに奮い立たされるかのように私は立ち上がると、お風呂にいることも忘れて叫んだ。
その想いに奮い立たされるかのように私は立ち上がると、お風呂にいることも忘れて叫んだ。
「よし! 今度こそ絶対にするわよ!!」
「え?何を?」
「え?何を?」
その時、着替えを抱えたつかさが、突然ドアを開けた。
「・・・・・・・つ、かさ?」
「う、うん」
「あ、あの・・・、い、いつから・・・、そこに?」
「え?い、今来たんだけど・・・。ところで、なにをするの?」
「あ、あの・・ちがうのよ・・ここ、これは・・・、って、う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「う、うん」
「あ、あの・・・、い、いつから・・・、そこに?」
「え?い、今来たんだけど・・・。ところで、なにをするの?」
「あ、あの・・ちがうのよ・・ここ、これは・・・、って、う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
何とか取り繕うと、焦って前に踏み出した瞬間、私は湯船の底に足を滑らせ、盛大にひっくり返った。
「ブクブクブクブクブクブクブク」
「お、おねえちゃ~ん!!」
「お、おねえちゃ~ん!!」
つかさに助けられ、なんとか湯船から起き上がる。
は・・はは・・・・。
こんなんで・・・・大丈夫なのかな?
こんなんで・・・・大丈夫なのかな?
頭までずぶ濡れになった自分を見つめ、私はちょっぴりだけ、先行きに不安を感じた。
続
恋 の 病 ~ みさお 発症篇 ~(かがみ×みさお)(みさお視点)(みさお自慰)
恋の病 ~治療篇 ~ 前編(みさお&かがみ)(かがみ みさお両視点)
恋 の 病 ~ 治療篇 ~ 中編(みさお×かがみ)(かがみ みさお両視点)(エロあり)
恋 の 病 ~ 治療篇 ~ 後編(みさお×かがみ)(かがみ みさお両視点)(エロあり)
恋 の 病 ~ 治療篇 ~ 中編(みさお×かがみ)(かがみ みさお両視点)(エロあり)
恋 の 病 ~ 治療篇 ~ 後編(みさお×かがみ)(かがみ みさお両視点)(エロあり)
- そのお湯…ただおが羨ましいwww -- 名無しさん (2009-07-23 02:56:20)
- ツンヂレかがみも日下部みたいなのに恋いをするんだな~~ -- バイヤイ (2010-01-01 00:58:04)
- みさおのを読んでから見たが…すんげぇ大どんでん返しwww -- 名無しさん (2010-01-11 06:17:14)
- かがみ可愛い -- 名無しさん (2010-03-01 16:05:05)