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恋 の 病  ~ みさお 発症篇 ~

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だれでも歓迎! 編集
「ただいま~」

 学校から帰ったわたしは、真っ直ぐに自分の部屋に向かい、かばんを床に置いた。
 制服から着替え、そのまま床に寝転ぶ。

「はぁ~・・・・・」

 わたしは大きくため息をつくと、目の前に置いてあった座布団を抱え、一点を見つめた。
 視線の先に浮かんでくるのは、わたしが世界で一番大好きなひと。
 柊かがみ。

 怒るとすげー怖くて、
 がみがみ口うるさくて、
 冷たいつっこみで泣かされそうになる(実際泣くけど)。

 そんな、おっかねーやつなんだけど・・・・・、

 勉強できて、
 運動もできて、
 紫の長い髪も、
 あの大きくて蒼い目も、
 それに、たまに見せるあの照れた顔も、
 全部がすっごく可愛くて・・・・・。

 そんな柊が、すんごく好きなんだ!!

 柊のことは、中学の時からずっと好きで、今でも大好きだ。
 でも、その頃は柊と話す機会も少なくて、教室でも挨拶するくらいだった。
 きっと、あんまり意識もされてなかったんだろうな・・・。
 高校になってからも同じクラスになったけど、休み時間は隣のクラスに行っちゃうし。たまに話しかけても、冷たくあしらわれるし・・・・。

 今まで、何度も告白しようと思った。
 でも、柊の横にはいつもちびっ子がいて、それを見るたびに、無理なんじゃねーかと思って、結局何もできなかった。
 だけど、どうしても諦めきれなくて、毎日話しかけたり、ちびっ子を真似てじゃれついたりもした。
 そのお陰なのか、前よりも少しは仲良くなれたかなって思ってたけど・・・・・・。

 でも、最近は話しかけても上の空だし、たまに相手してくれても、すぐにどっかいっちゃうし・・・。  何か、避けられてる感じがする・・・。

「やっぱり、わたし・・・・、嫌われちゃったんかな・・・・・」

 わたしは、胸の奥にモヤモヤとした気持ちを感じながら、今日の柊を思い出していた。





「ひぃらぎ~。一緒に弁当食べようぜ~」

 授業が終わり、待ちに待った昼休み。わたしは、弁当片手に柊のとこに向かう。
 今日はちびっ子のとこに行く前に、声がかけられた。

 最近、すぐにいなくなってたもんな。
 それに今日はあやのもいねーから、柊とふたりだけ♪
 あ、そうだ!ついでに次の授業のノートも借りちゃおう。
 くふふ。そうすりゃ、指されても大丈夫だし、それに、もっと柊と一緒にいられるしな。

「あ、う、うん・・・」

 声をかけると、一瞬、柊の表情が強張ったように見えた。
 ん?何かあったのか?

「どーした?元気ねーな」
「そ、そんなことないわよ」

 そう言って、柊は顔を伏せた。

「そうか~? 何か気になるんだよな~」

 その様子がどうしても気になって、うつむき加減の柊の顔を覗き込む。
 だけど柊は視線を逸らし、顔を合わせようともしない。

「だ、だ、だ、だから・・・・・な、なんでも・・・」
「ん? 顔、真っ赤だぞ?」
「なっ!?」

 わたしがそう言うと、柊は慌てた様子で、ほっぺに手を当てた。
 お、おい!大丈夫なのか?

「熱でもあんのか?」

 心配になり、柊のおでこに手を伸ばして熱をはかってみる。

「あ、あ、あわわわ!!」

 あ、あれ?なんか、段々熱くなってねーか?
 それに・・・耳まで赤くなってきてるように見えるけど・・・?

「ん~?ちょっと熱い・・・・かなぁ?」
「ち、ち、ちょ、ちょっとトイレ!!」

 柊は、わたしの手から逃げるように顔を離すと、そのまま教室を飛び出していった。

「お、おい! ひ~らぎ~!!」

 咄嗟に追いかけようかとも思ったけれど、逃げるように走っていった柊の様子に、わたしの足は動かなかった。

 いっちまった・・・・。
 わたし、何か悪いことしたのかな?

 仕方なく柊の席に座り、弁当を開く。

「はぁ・・・、一人で食べるか・・・・」

 大好物のミートボールをつまみ、口に放り込んだけど、おいしくもなんともない。

 あ~あ、一人じゃうまくもなんともねーよ・・・。

 早々に弁当を食べ終えたわたしは、もしかしたら柊がいるんじゃねーかと思って、洗面所に向かった。
 だけど、柊は見つからず、仕方なく歯を磨いて教室に戻った。
 教室にも柊の姿は見えず、どこか物悲しい気持ちを感じたわたしは、そのまま柊の机に突っ伏した。

 今日は長く一緒にいられると思っていたのに・・・・。
 こんなことしてるんだったら、もっと探しに行った方が良かったのかな・・・・。
 でも、あんな態度とられたら、行けねーよな・・・・。

 そんなことを考えていると、じわりと涙がでてきた。

 もしかして・・・・・、わたし、迷惑なのかな?

 重苦しい気持ちが、全身を包み込んでいく。
 それを紛らわしたくて、柊の机に顔を乗せていると、いつの間にかわたしの意識は遠のいていった。




「んぁ? ん~・・・・」

 気がつくと、誰かにほっぺを押されているような感覚がする。

 うるさいなぁ~・・・・。
 何だ?誰かがふざけてんのか?

 目を開けるのも面倒臭くて、手で払ってみたけれど、何も当たらない。

 気のせいか?
 まぁ、いいや。もうちょい寝よ。

 その時、甘く柔らかい香りが、ふわりと鼻先を掠めた。

 あ、あれ? 何かいい匂いがする・・・・。
 どこかでかいだことあるんだけど・・・・・・、どこだっけ?
 う~ん・・・・。

 はっきりしない頭で、記憶を辿っていく。

 ああ、そうか。柊の・・・・。
 柊の髪の匂いだ・・・。
 でも、柊はいないはずだよな?
 ・・・夢でも見てんのか?

 その香りは、さっきまでの重苦しい気持ちを消し、代わりに暖かい気持ちを満たしてくれる。

 すっげーいい匂いだな・・・。
 ふふふ。夢でもいいや。柊の匂いが一緒なら・・・。

 目を閉じたまま、幸せな気分でその香りを楽しんでいると、突然、口の中に何かが入ってきた。

 もごっ!!

 細長くて柔らかい。しかもプニプニとした感触。

「う、う~ん・・・・」

 な、何だこれ!? 

 目を開けて確かめようとした瞬間、それは一気に引き抜かれ、同時に耳元で大きな叫び声が聞こえる。

「ひゃあぁぁぁぁっ!!」

 その声に驚いて、わたしは危うく椅子からズリ落ちそうになる。

「うぉあっ!!な、なんだ?」

 何とか体勢を立て直すと、目の前には、真っ赤な顔の柊が立っていた。

「あっぶね~・・・・。  あ、あれ? ひぃらぎ? なんでそんなとこにいるんだ?」

 思いがけない光景に、一気に目が覚める。

「な、ななな、な、なんでって・・・そ、その・・・・。
 そ、それより、あ、あんたこそ、なんで私の席に座ってんのよ!」

 うわっ!!  や、やべー・・・・。
 え、えっと・・。寂しかったから?
 なんて言えねーよ!!
 こ、こうなったら、誤魔化すしかねーか?

「ん~? なんだっけ・・・・・?」

 いつものように、とぼけてそう言うと、柊は、あきれ顔でわたしを見た。

 よしっ!いつもの反応だ! これならいけそーだな。
 んーと・・・、さて、どう言い訳すっかな・・・。
 ん? そ、そうだ!ノートだ!ノート!!

「あっ! そうだっ!ノート借りようと思ってたんだ」
「はぁ?な、なんでよ!」
「いや~。次の授業で指されそうだからさ」
「い、いつもみたく、峰岸に借りれば良いじゃないっ!」
「あやのは風紀委員の集まりで、まだ戻ってきてねーんだよ」
「そ、そう言えば、さっき一人だったわね」
「そうなんだよ。な? 頼むよ~」

 立ったままの柊の顔を、下から覗き込むように見る。
 ダ、ダメかな?

「うぅぅ・・・・。 わ、わかったわよ・・・」
「お、サンキュ。ひぃらぎ」

 ふぃ~、良かった~。これで一安心だな。

 柊からノートを受け取り、鼻歌交じりにそれを写していく。

 ふふ。しかも、これで授業まで柊と一緒♪
 やっぱ頭いいな。わたし。

 機嫌も良くなり、柊に話しかけようと思った瞬間、ふと、さっきの柊の行動を思い出した。

 ところで、さっきは何で走ってったんかな?
 それくらいは、聞いてみてもいいよな・・・?

「なぁ、ひぃらぎぃ」

 それでも、流石に面と向かって聞くだけの勇気はなくて、ノートを写しながら、柊に声をかけた。

「ななな、な、なによ?」
「あ、あのさ・・・・、さっきは何で走ってたんだ?」
「へっ? は、あ、あの・・・・、ちょ、ちょっと気分が悪くなって」
「ふ~ん・・・・」

 確かにおでこは熱かったけど・・・・、ホントにそうなのか?
 最近の柊の態度・・・。それに、さっきのも・・・。

 はっきりしない柊の言葉に、疑問がわいてくる。

 やっぱり変だ・・・。
 柊はなんかを隠してる・・・。

 わたしは思い切って顔を上げ、柊を見据えた。

「なぁ・・・、何か隠してねぇか?」
「なっ!? な、な・・・」

 そう言ってじっと見つめると、そのまま柊は俯いてしまった。
 その様子に、私の疑問は確信へと変わる。

 やっぱり・・・。何かあるんだよな・・・。

 教室は、みんなの声でざわついてるはずだけど、今はそんな声は入ってこない。
 柊は俯いたまま、黙りこくっていた。しかも、身体が小刻みに震えている。
 そのただならない様子に、わたしの中の不安が大きくなっていく。

 ま、まずいこと聞いちゃったのかな・・・・。

 徐々にその不安は大きくなり、耐えきれなくなったわたしは、柊に声をかけた。

「ひ、ひぃらぎ?」

 その途端、柊は俯いたまま、大声で叫んだ。

「う、うるさい!!」

 柊の声に、身体がビクリと跳ね、一瞬、頭の中が真っ白になる。

「あ、あぅ・・・。   ひ、ひぃらぎ・・・。ご、ごめん」

 反射的に、謝罪の言葉が口を突いて出た。

「え?あ、いや、そ、その・・・。こ、これはちが」
「変なこと言って・・・、悪かったな・・・・」

 柊は、モゴモゴと何かを言っていたけど、それをもう一度聞きかえす勇気はなかった。
 泣きそうなわたしは、やっとのことでそれだけを言い、視線をノートに落とした。
 何とかノートを写そうとするけれど、手が震えてうまくかけない。

 うぁぁ・・・、本気で泣きそう・・・。
 でも、柊の前でマジ泣きなんて・・・、そんな顔見せられねぇよ・・・。

 苦労してノートを写し終えたわたしは、そこまで出かかっていた涙を何とか堪え、精一杯の笑顔を作って、柊にノートを返した。

「ありがと」

 それだけを伝え、急いで自分の席に戻った。

 わたしが席に着くと同時に先生が入ってきて、すぐに午後の授業が始まった。
 わたしの気持ちとは正反対の、つまんない話のお陰で、泣くことだけは耐えられたけれど、柊から言われた辛い言葉は、いつまでも頭の中で繰り返されていた。

 柊にあんなこと言われるなんて・・・。
 わたしって、迷惑なのかな・・・?

 授業が終わって休み時間になっても、柊は近づいてくる様子はなかった。
 わたしも、どうしたらいいのかわからなくて、柊の方を見ることさえできない。

 仲良くなれてきたと思ってたけど・・・、わたしの勘違いだったんだ・・・。

 その後も気持ちは立て直せなくて、わたしは鬱々とした気持ちのまま、6時間目の授業が終わった。
 教科書を片づける気力もなく、ボーっと机に座っていると、後ろからあやのが話しかけてきた。

「みさちゃん。一緒に帰ろ」
「・・あ、うん・・」

 あやのって、こういう気持ちになったりしねーのかな・・・。

「なぁ、あやの・・・」
「ん? なぁに?」
「あのさ・・・、あやのってアニキとケンカすることってある?」
「へ? いきなりどうしたの?」
「え?いや、ちょ~っと気になってな」
「ま、まぁ、あるけど・・・」

 へぇ~。 そうなんだ?

「そっかー。いっつも仲良いけど、やっぱりケンカすんだな」
「うん」
「それじゃあさ、ケンカした時って、どうすんの?」
「う~ん・・・・。少し冷静になってから話をしたりとか・・・かな?」
「そうなんだ。じゃ、じゃあさ、すげー頭にきてて、話したくないとか、もうだめだーとかって、思ったりしねーの?」
「え?  う~ん・・・。  そういうこと考えないとは言わないけど・・・・」
「ふんふん」
「・・・・・でも、きっと仲直りできるって思ってるから・・・」
「なるほど。   って、すげー自信だな!」

 途端にあやのは顔を真っ赤にした。

「!? も、もう!!みさちゃん!!」
「ははははは。ごめんごめん」

 あやのの照れた様子に、思わず笑いがこぼれる。
 だけど、わたしの中には重苦しい気持ちが燻っている。

 あやのと兄貴は仲いいもんな。
 わたしだって柊とは中学からの付き合いだし、いままでケンカしたこともあったけど・・・。
 でも、今日のは今までのケンカとは違う気がする・・・・。

 気になって柊の席を見ると、そこにはだれもいなかった。
 慌てて教室を見渡したけれど、柊はどこにもいない。

「あ、あやの~? ひぃらぎ見なかった?」
「え?さっきまでそこにいたと思うけど・・・・」
「いねーんだよなぁ・・・・」
「・・・そういえば、妹ちゃんが来たのが見えたけど・・・・
 もしかしたら、先に帰ったのかな?」
「え・・・?」
「何か用事でもあったの?」
「あ、い、いや。何でもない。  か、帰ろーぜ」
「?」

 柊が先に帰るのはいつものことなのに、今日に限ってわたしの胸はざわついていた。



 あやのと2人の帰り道。
 普段と違うわたしの様子に、あやのも心配しているみたいで、いろいろと話しかけてくれた。
 わたしもできるだけ笑顔を作って、それに応えようとしたけれど、どうしてもいつもと同じようには話せなかった。

「じゃあ、また明日ね・・・」
「お、おう・・・。じゃーな・・」

 家の前に着き、ぎこちない挨拶をしてあやのと別れたわたしは、相変わらずざわついている胸を抱えながら、玄関のドアを開けた。



「やっぱり、わたし・・・・、嫌われちゃったんかな・・・・・」

 柊とのことを思い出し、床に寝ころんだままのわたしは、もう一度同じ言葉を言った。
 部屋は段々薄暗くなっていき、それに合わせるかのように、私の気持ちも沈んでいった。

 気分転換にゲームを始めてみたけれど、柊と一緒にしたことを思い出して、余計に辛くなった。
 身体を動かせば、少しは楽になるかとも思ったけれど、どうしても、外に行く気分にもなれなかった。

 こりゃあ、重症だな・・・・。

 結局わたしは、夕飯まで電気も点けず、ダラダラと部屋で寝ころんでいた。

 夕飯を食べ、お風呂に入っても気分は戻らない。
 家族といる気分でもなかったわたしは、すぐに部屋に戻り、またベッドに横になった。
 わたしはため息をつきながら、頭の横に置いてある携帯のアドレス帳を開いた。

 はぁ・・・、電話してみっかな・・・・。
 だけど、何て話したらいいんかわかんねーし・・・。
 それに、もしつながんなかったら・・・・。

 あまりの不安にわたしは、枕に顔をうずめ、両足をばたつかせる。

 うあぁぁぁ!ダメだ!
 やっぱり、できねぇよ~・・・。

 ひとしきりベッドの上を転がってはみたけれど、それでも不安は消えず、わたしの上に重く圧しかかってくる。

 なんで、あやのみたく信じらんねーんだろ・・・。
 わたしも柊とは付き合いなげーのに・・・・。

 でも・・、私よりもちびっ子の方が、ずっと仲良し・・・だよな・・・・・。
 同じようにじゃれついてても、わたしの時とはどこか違くて・・・。
 わたしの時より、笑顔の時が多くて・・・・。

 ・・・・・・・。
 ・・・もしかして、柊って、ちびっ子のことが好きなのか・・・?

 その瞬間、思いきり心臓を鷲掴みにされたような痛みを感じた。
 そして、瞳からは、みるみるうちに涙が溢れてきた。

「あ・・、あぅぅ・・・。うっ・・く・・・ひぅぅ・・・」

 わたしは・・・、
 わたしは柊のことが好きで・・・・・。
 好きで好きでどうしようもなくて・・・・・。

 もっと柊に触れたい・・・。
 もっと柊に近づきたい・・・。
 もっと柊と一緒にいたい・・・。

 その気持ちだけで、毎日柊を見ていた・・・。
 それなのに・・・。

「な、なんで・・・ひっく・・・なんでなんだよぉ・・・うぅぅぅ・・・」

 無力感と絶望感に捕らわれたわたしは、布団を噛みしめながら、いつまでも泣き続けていた。





 気がつくと、時計は23時を回っていた。
 ようやく落ち着いたわたしは、おもむろに枕カバーの中に手を入れ、中のものを取り出す。

 それは、柊に無理を言って、二人で撮った写真。
 わたしは、満面の笑みで柊の腕に手を回し、柊は、ちょっと困ったような笑顔で、わたしを見ていた。

「ひぃらぎ・・・」

 わたしはそう呟くと、写真の柊にそっと口づけをした。

 ちびっ子と柊が、楽しそうに話している時・・。
 話しかけても相手にされなくて、冷たくあしらわれた時・・。
 そんな辛いことがあった時、わたしはいつもそうしていた。
 それだけで、すごく気持ちは楽になった。

 だけど・・・、今日は、それだけでは治まらない。
 気がつくとわたしの右手は、パジャマの上から、自分の胸を揉みしだいていた。

「・・・ん・・くぅ・・・。は・・ぁぁ」

 柊のことを考えてると、身体の奥がどんどん熱くなっていく。

「はぁ・・・んっ・・・ひ・・いらぎ・・・」

 さっきまであんなに哀しくて、どうにも辛くて仕方なかったのに、今はこんなことをしている。
 そんな自分が嫌なはずなのに、どうしても指を止めることはできなかった。

 パジャマの前をはだけると、スポーツブラの一部が盛り上がっている。
 指でなぞると、ビリビリとした電気みたいのが背中を走った。

「んっ!・・・くぅ・・ん・・・」

 そのままブラをずらすと、露わになった乳首は、すでに固くなっていた。

「はっ!! あぁぁ・・・。き、もち・・いい・・・・」

 人差し指と親指でそれを摘み、コリコリと転がす度に、身体は小刻みに震えてしまう。

「あ、あぁ・・。はぅ・・んっ! はぁ、はぁ、はぁ・・・んくぅ・・・・・」

 その行為を繰り返しているうちに、徐々にお腹の奥が熱くなっていき、わたしは痛いくらいに固くなった乳首から指を離し、そのままお腹の方に移動させた。

「あ・・・、す、すげー濡れてる・・・・」

 ベッドから起き上がり、ズボンを膝まで下ろして、グレーのショーツを見てみると、そこには大きなシミが広がっていた。
 指をショーツの中に入れると、そこは今までにないほど濡れている。
 その様子に戸惑いながらも、わたしはそのまま、直に花芯をなぞった。

「は! くぅぅ・・・んっ! き、きもち・・・ふぁ・・あ・・よすぎ・・る・・・」

 気がつくと、左手には写真を持ったままになっていた。
 わたしは写真の柊にキスをしながら、花芯を撫で続けていく。

「ちゅっ・・・あっ・・・はぅぅ・・・ひ・・ひい・・・らぎぃ・・・。
 わ、わた・・し・・、あっ! ひぃ・・らぎが・・・す・・き・・いぃぃ!!」

 お腹の奥にはムズムズとした感覚があり、それは自分でも抑えられないくらい大きくなっていた。
 その感覚に我慢ができなくなったわたしは、中指を自分の膣にゆっくりと差し込んだ。

「ああぁっ!! くっ! はぁぁ!! あぅ・・ん!! ひぃらぎぃ・・・」

 指を出し入れするたびに、静かな部屋にグチャグチャと卑猥な音が響き、わたしの頭は白くなりかける。
 指の動きは次第に早くなり、徐々にお腹の中から何かが上がってくる。

「はぁっ! く・・・んぅ!・・ひ、ひぃ・・・らぎ・・・。
 も、もう・・あ!あぁぁ・・ふあぁぁ!! い、い、くぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」


 わたしは天井を向いたまま、荒い息を続けていた。
 放心状態のまま、左手の写真を見つめる。

「はぁっ・・はぁっ・・はぁっ・・・・。ひぃらぎ・・・・」

 ・・・ずっと前から思ってたんだ・・・・。
 ホントは、柊がちびっ子を好きなんじゃねーかって・・・。
 けど・・・、そんなこと考えたくなかった。
 考えたら・・・、もう何もできない気がして・・・。

 だけど・・・。それに気がついちゃったんだよな・・・。
 柊のことは好きだけど・・・。
 もう・・・、わたしは・・・・・・。

 その時、突然、携帯の着信音が鳴った。

「 Prrrrrr」
「うひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 突然の着信音に驚き、ベッドから落ちそうになる。
 な、なんだ?! も、もしかして、柊?

 焦りながら携帯を開くと、あやのの名前が表示されていた。

「も、もしもし・・・」
「あ、みさちゃん?遅くにごめんね。 明日の調理実習のことなんだけど・・・」
「へ?  あ、あした?」
「明日、調理実習でカレー作るから、じゃがいも持ってきてってお願いしてたじゃない」
「え?・・・・・・。あれ? そうだっけ?」
「もう。やっぱり忘れてたのね。電話しといてよかったわ」
「ご、ごめんごめん。 忘れてた」
「今から準備できる?」
「あ~・・・、ちょっと待って」

 うぅぅぅぅ、濡れたパンツが気持ち悪いぜ・・・・。

 足音を忍ばせ台所に行くと、野菜置きにじゃがいもがあるのを見つけた。

「おおお、あったあった。え~と、どれくらい持ってけばいいんだっけ?」
「そうねぇ・・・3つくらいかな」
「ん~と・・・・、あ、調度3つあるから大丈夫だぜ」
「良かった。じゃあ、よろしくね」
「おう。 あ、そうだ。柊って、何持ってくるんだっけ?」
「え?えーと・・・、確か玉ねぎだったかな?」
「そっか」
「柊ちゃんのことだから、ちゃんと準備してると思うけど」
「そうだよな・・・。 ありがと、あやの」

 はぁ・・・。諦めようと思っているのに、何でそんなこと聞いてんだ・・・・・。

 電話を切ろうとした時、携帯の向こうから、あやのの声が聞こえた。

「ねぇ、みさちゃん?」
「ん?」
「・・・・・・。今日、何かあった?」
「え?」
「学校から帰ってくる時、何か、いつもと違ってたから」
「そ、そうか?」
「うん・・・・」
「・・・・・・・」

 やっぱわかるよな・・・・。

「・・・・・。私は、みさちゃんが何に悩んでいるのかはわからないけれど・・・。
 でも、みさちゃんが変に考え込んでいる時って、うまくいかないこと多いよね?」
「? ・・う、うん・・・。たぶん・・・」
「きっと、みさちゃんは考えちゃいけないのよ」
「あ、あやの・・・・?」
「みさちゃんは、みさちゃんがしたいように、行動してみれば良いんだと思うよ」
「あ・・・・・」

 あやのの言葉を聞いた瞬間、まるで魔法みたいに今までの重苦しい気持ちが消え、目の前が開けたような気がした。

 そう・・・。そうだよな。
 確かに柊は、最近変な態度ばっかりだし、今日も変だったけど、
 それで、わたしを嫌ってるかはわかんない。

 柊はちびっ子のこと好きかもしんねーけど、
 でも、それだってどうなのかはわかんねー。

 だって、何も聞いてないんだもん。

 だったら、ちゃんと話してみねーと。
 言いたくないなら、無理には聞けないけど、でも、何もしないで諦めるのは、わたしらしくないよな。

 あぁ、やっぱりあやのはすげーな・・・。
 あやののお陰で、わたしは頑張れているんだな・・・・。

 わたしのことを心配してくれたあやのの優しさが、痛いほど伝わってきた。
 そして、わたしが受け取った優しさは、涙になって溢れだした。

「う、うぅぅぅ・・・・ぐすっ・・・あやの~」
「よしよし」

 あやのは理由も聞かず、泣いているわたしを慰めてくれた。
 ひとしきり泣いたあとのわたしの気持ちは、夜中だけど、とても晴れやかだった。

「ありがと。あやの」
「うん。じゃあ、また明日ね」
「おうっ。おやすみ~」

 さっきまで、あんなに辛かったのに、あやののお陰で、ウソみたいに元気になれた。
 そうだよな。クヨクヨ考えてても仕方ねーか。
 いつものわたしらしく、何も考えないで、やるだけやってみよ。

 おしっ! 玉ねぎも持っていくか!
 ・・・2つもあればいいか?

 わたしは鼻歌を歌いながら、手近にあったスーパーの袋に、じゃがいもと玉ねぎを入れた。


                                         続





恋 の 病  ~ かがみ 発症篇 ~(かがみ×みさお)(かがみ視点)(かがみ自慰)

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  • あやのみたいになりたい。 -- 名無しさん (2010-01-05 23:35:21)
  • みさかがは需要がないのだろうか? -- 名無しさん (2010-01-11 06:05:47)
  • 凄いよかったです。続き期待してます。 -- 名無しさん (2010-02-26 18:11:31)
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