「いやぁ……予想以上につらくてさぁ、こりゃ今夜のエヴァ再放送も完走できるか微妙なところだね」
「エヴァの再放送って深夜じゃない、ダメよ、ちゃんと寝てなきゃ」
「エヴァの再放送って深夜じゃない、ダメよ、ちゃんと寝てなきゃ」
ベッドの上で力なく笑いながら言うこなたにツッコむかがみだが
いつものようにこなたのボケを拾うだけでなく
こなたを心配しての言葉だった
バイト先の冷房が効き過ぎていたせいで調子が悪いとこなたが言っていたのが木曜日
その翌日の金曜日、こなたは熱を出して学校を休み、かがみはそんなこなたを心配して泉家に見舞いに来ていた
いつものようにこなたのボケを拾うだけでなく
こなたを心配しての言葉だった
バイト先の冷房が効き過ぎていたせいで調子が悪いとこなたが言っていたのが木曜日
その翌日の金曜日、こなたは熱を出して学校を休み、かがみはそんなこなたを心配して泉家に見舞いに来ていた
「でもでも、今日はアスカ来日だよ?アスカかわいいんだよねぇ、ちょっとかがみんに似ててさぁ」
「なっ?!似てないわよっ!!バカな事言ってないでおとなしく寝てなさいったら」
「なっ?!似てないわよっ!!バカな事言ってないでおとなしく寝てなさいったら」
この期に及んで「ほらほら、そういう所が……」と食い下がるこなたをたしなめて布団をかけてやるかがみ
元気に振舞ってはいるが、思ったよりも熱が高いのか、呼吸もどこか苦しそうだった
元気に振舞ってはいるが、思ったよりも熱が高いのか、呼吸もどこか苦しそうだった
「ありがとね、お見舞い来てくれて」
「いいって、あんたも何度か来てくれてるじゃない、それにしても、今日はずっと一人だったの?大丈夫?」
「お父さん、締め切り間際で担当さんに拉致されちゃって……」
「いいって、あんたも何度か来てくれてるじゃない、それにしても、今日はずっと一人だったの?大丈夫?」
「お父さん、締め切り間際で担当さんに拉致されちゃって……」
「俺が居ないせいでこなたにもしもの事があったらどうするんだ!俺は書かないぞ!ここでなきゃ書かない!」と必死に抵抗するそうじろうだったが
当のこなたに「お父さんここに居たら私の様子ばっかり見に来て余計書かないじゃん」と説得され
しぶしぶ「何かあったらすぐ連絡しなさい」とだけ言い残し、家を後にした
当のこなたに「お父さんここに居たら私の様子ばっかり見に来て余計書かないじゃん」と説得され
しぶしぶ「何かあったらすぐ連絡しなさい」とだけ言い残し、家を後にした
「それじゃあ、ゆたかちゃんは?もう学校終わってるはずだけど」
「ゆい姉さんに言って疎開させる事にしたよ、ゆーちゃん最近は病気もしないで元気で学校に行ってるのにうつしたら悪いから……」
「何言ってんのよ、それで、あんたは一人でどうすんのよ?!」
「大丈夫、何とかなるってば」
「ゆい姉さんに言って疎開させる事にしたよ、ゆーちゃん最近は病気もしないで元気で学校に行ってるのにうつしたら悪いから……」
「何言ってんのよ、それで、あんたは一人でどうすんのよ?!」
「大丈夫、何とかなるってば」
普段マイペースで周りの事なんか気にしない、むしろ周りの人が気になるような事ばかりするのに
変なところで気を使いすぎる、かがみはそんなこなたがいじらしく感じると同時に、心配でしょうがなかった
変なところで気を使いすぎる、かがみはそんなこなたがいじらしく感じると同時に、心配でしょうがなかった
「まったく、何とかなるじゃないでしょうに、しょうがないわねぇ」
そう言うと、どこかに電話をするかがみ
用件はすぐ済んだようで、早速こなたの方に向き直り、言った
用件はすぐ済んだようで、早速こなたの方に向き直り、言った
「明日は土曜日だし、今日は私が看病してあげるわよ、家には連絡したから」
「えっ……そんな悪いよかがみん、私本当に大丈夫だから」
「そんな事言って、私が見張ってないと本当に最後までエヴァ見てそうだからね」
「あちゃー、こりゃ録画するしかないかぁ……ま、これで本当に何とかなったみたいだね」
「えっ……そんな悪いよかがみん、私本当に大丈夫だから」
「そんな事言って、私が見張ってないと本当に最後までエヴァ見てそうだからね」
「あちゃー、こりゃ録画するしかないかぁ……ま、これで本当に何とかなったみたいだね」
そう言っておどけるこなただったが、かがみが居てくれるとわかった途端
熱でつらそうだった顔に明るい表情が浮かんでいた
熱でつらそうだった顔に明るい表情が浮かんでいた
学校帰りに見舞いに来ていたため
制服のままだったかがみは一度荷物を取りに行ってから再びこなたの部屋に戻った
制服のままだったかがみは一度荷物を取りに行ってから再びこなたの部屋に戻った
「ん、かがみんわざわざありがとうね」
「いいからいいから、調子はどう?悪くなったりしてない?」
「ちょっとつらいかも、なんか思ったより熱あるみたいで」
「そっか……薬は飲んだ?あ、ポカリ買ってきたから飲む?」
「いいからいいから、調子はどう?悪くなったりしてない?」
「ちょっとつらいかも、なんか思ったより熱あるみたいで」
「そっか……薬は飲んだ?あ、ポカリ買ってきたから飲む?」
かがみがコップにポカリを注いでこなたに持たせてやると
こなたは俯いたまま息を詰まらせるように肩を震わせ
次第にすすり上げるような音がこなたの方から聞こえてきた
こなたは俯いたまま息を詰まらせるように肩を震わせ
次第にすすり上げるような音がこなたの方から聞こえてきた
「ちょっと、大丈夫?どこか痛い?」
「や……ごめ……かがみ、なんか弱ってる時に優しくされると……切ないっていうか……」
「や……ごめ……かがみ、なんか弱ってる時に優しくされると……切ないっていうか……」
ポロポロと涙を溢しながら、それでも申し訳なさそうに笑うこなた
それを見るとかがみはこなたの手から、まだ口をつけてないコップを外して机の上に置いてやると
そのままそっと抱いて頭を撫でた
それを見るとかがみはこなたの手から、まだ口をつけてないコップを外して机の上に置いてやると
そのままそっと抱いて頭を撫でた
「無理しちゃって、本当は一人で心細かったのよね?」
涙に声にならないので、かがみの胸に頭をうずめたまま小さく頷くこなた
かがみはそんなこなたの頭を優しく撫で続けた
こなたの涙が止まるまで、ただただ優しく
かがみはそんなこなたの頭を優しく撫で続けた
こなたの涙が止まるまで、ただただ優しく
「どう?落ち着いた」
「うん、それにしても、かがみに抱っこしてなでなでしてもらえるなんて、夏風邪もひいてみるもんだねぇ」
「なっ!?さっきまで心細くて泣いてたクセに、ほら、ポカリでも飲んでおとなしくしてなさいったら」
「はーい、おとなしくしてたらまたなでなでしてね」
「うん、それにしても、かがみに抱っこしてなでなでしてもらえるなんて、夏風邪もひいてみるもんだねぇ」
「なっ!?さっきまで心細くて泣いてたクセに、ほら、ポカリでも飲んでおとなしくしてなさいったら」
「はーい、おとなしくしてたらまたなでなでしてね」
泣き止んだと思ったらすぐいつもの調子でかがみをからかうこなたを
「はいはい」とやりすごしながらも満更でもない様子のかがみ
体の調子の方はあまり思わしくないものの、こなたもそれなりに元気を取り戻しつつあった
「はいはい」とやりすごしながらも満更でもない様子のかがみ
体の調子の方はあまり思わしくないものの、こなたもそれなりに元気を取り戻しつつあった
「あれ?かがみん、どったの?その格好」
かがみが居る事で安心したのか、しばらく眠っていたこなたが目を覚まして
何故かエプロン姿でこなたの額の汗を拭ってくれていたかがみに声をかけた
何故かエプロン姿でこなたの額の汗を拭ってくれていたかがみに声をかけた
「ああ、これ?食事、風邪ひいてるあんたに用意させるわけにはいかないでしょ?」
「かがみが作ったの?」
「な、なによ?大丈夫よ、一応つかさにメールして聞いたし、味見もちゃんと……」
「んじゃ、お腹すいたし、もらおうかな」
「え?そ、そう、それじゃ用意するから、ちゃんと上に一枚羽織ってからね」
「かがみが作ったの?」
「な、なによ?大丈夫よ、一応つかさにメールして聞いたし、味見もちゃんと……」
「んじゃ、お腹すいたし、もらおうかな」
「え?そ、そう、それじゃ用意するから、ちゃんと上に一枚羽織ってからね」
出来に関しての不安を口にしないこなたに拍子抜けしながらも
椅子にかけられていた夏には若干場違いなフリースジャケットをこなたの肩にかけてやり
無意識に肩を貸すように組むかがみ
椅子にかけられていた夏には若干場違いなフリースジャケットをこなたの肩にかけてやり
無意識に肩を貸すように組むかがみ
「かがみん、そこまでもしなくてもいいんじゃないかな?」
「え、あっ……これは……いいのよっ!病人なんだから、素直に甘えなさいよ」
「え、あっ……これは……いいのよっ!病人なんだから、素直に甘えなさいよ」
赤くなるかがみにニヤニヤとしながらも「はーい」と返事だけは素直にして
そのまま腕を絡めるこなた
その行動に、肩を貸したのを指摘された時よりも一層顔を赤らめるかがみ
そのまま腕を絡めるこなた
その行動に、肩を貸したのを指摘された時よりも一層顔を赤らめるかがみ
「これじゃどっちが熱があるかわかんないねぇ」
「う、うるさいっ!」
「う、うるさいっ!」
そんなやり取りをしながら食卓にこなたを座らせ、つかさ直伝の卵粥を用意してやるかがみだったが
どことなく先程のこなたの温もりが恋しい気持ちでいた
どことなく先程のこなたの温もりが恋しい気持ちでいた
「おおっ、これはなかなか……熱で味覚がボケてるのがもったいないぐらいだねぇ」
「そ、そりゃどうも、半分以上つかさのおかげだけどね」
「そ、そりゃどうも、半分以上つかさのおかげだけどね」
料理の出来を褒められても素直に嬉しいと言えないかがみを見て
少し眠っていくらか回復したこなたがいたずらを思い付く
少し眠っていくらか回復したこなたがいたずらを思い付く
「これでかがみが食べさせてくれたらす~ぐ元気になれるのになぁ」
「はいはい、バカな事言ってないで、さっさと……いや、ゆっくりでいいからちゃんと食べなさいよ?」
「はいはい、バカな事言ってないで、さっさと……いや、ゆっくりでいいからちゃんと食べなさいよ?」
一旦は軽くあしらったものの
「さっき甘えろって言ったじゃん、ねね、一口だけ」と瞳を潤ませて上目づかいにねだるこなたに
かがみの中の何かが壊れた
「さっき甘えろって言ったじゃん、ねね、一口だけ」と瞳を潤ませて上目づかいにねだるこなたに
かがみの中の何かが壊れた
「……っ、しょうがないわねぇ、本当に一口だけよ?」
「えっ?……そ、そだ、かがみん、ちゃんと『はい、あーん』って言ってよ?」
「えっ?……そ、そだ、かがみん、ちゃんと『はい、あーん』って言ってよ?」
今にも発火しそうに顔を赤らめて卵粥を皿から掬うかがみの仕草に
自分で頼んでおきながらもドキドキしてしまい、妙にぎこちなくなるこなた
自分で頼んでおきながらもドキドキしてしまい、妙にぎこちなくなるこなた
「わかったわよ、はい、あーん……これでいい?」
「お、おっけー……」
「お、おっけー……」
お互い恥ずかしいので早く済ませてしまいたい反面
済ませたら済ませたでそれもまた恥ずかしい気がして
終わった後に何を言おうかと迷いながら、かがみはスプーンをこなたの口に
こなたは自分の口をかがみの持つスプーンに、スローモーションのようにゆっくり近づける
済ませたら済ませたでそれもまた恥ずかしい気がして
終わった後に何を言おうかと迷いながら、かがみはスプーンをこなたの口に
こなたは自分の口をかがみの持つスプーンに、スローモーションのようにゆっくり近づける
今まさにかがみの左手のスプーンがこなたの口に入る……という瞬間
二人にとって聞き覚えのある賑やかな声が食卓に響き渡った
二人にとって聞き覚えのある賑やかな声が食卓に響き渡った
「やほー!こなた、ゆい姉さんがうどん買ってお見舞いにきたよーーっ」
「「Σっ!!!!?」」
瞬時にそのままのポーズで固まる二人
突如現れたゆいはそれを見て少し何かを考えて、申し訳なさそうに話し始めた
突如現れたゆいはそれを見て少し何かを考えて、申し訳なさそうに話し始めた
「あー……いや、お姉さんこなたが心配だったんだよ、ゆたか連れて来ちゃって、こなた一人じゃない?
決して二人の邪魔をしようとかそういうワケじゃ……うん、でも安心した、二人が仲良しで……っと、そうじゃないや、こなたが元気そうで」
「ちょっ?!ゆい姉さん?これは違っ……そ、そだ、かがみがお粥作ったんだよ?ゆい姉さんも良かったら」
「あ、いえ、その……私こそ成美さんが戻って来るなら余計なことしちゃったかなー、なんて、あはは……」
「わかってる、わかってるよー、この事は内緒にしとくからさっb」
決して二人の邪魔をしようとかそういうワケじゃ……うん、でも安心した、二人が仲良しで……っと、そうじゃないや、こなたが元気そうで」
「ちょっ?!ゆい姉さん?これは違っ……そ、そだ、かがみがお粥作ったんだよ?ゆい姉さんも良かったら」
「あ、いえ、その……私こそ成美さんが戻って来るなら余計なことしちゃったかなー、なんて、あはは……」
「わかってる、わかってるよー、この事は内緒にしとくからさっb」
二人の弁解にもなっていない話も聞かず、必死に呼び止める二人の声に
「末永く御幸せにねー」と言い残し、嵐のように去っていくゆい
「末永く御幸せにねー」と言い残し、嵐のように去っていくゆい
「それで、どうすんのよこれ?」
「せっかくだから、イタダキマス」
「せっかくだから、イタダキマス」
騒動の間中、すっかり放置されていたかがみの差し出したスプーンにようやくこなたが口をつけると
二人は顔を見合わせて、恥ずかしそうに、そしてどこか嬉しそうに笑った
二人は顔を見合わせて、恥ずかしそうに、そしてどこか嬉しそうに笑った
二人にとって恥ずかしくもあり、楽しい食事も終わり
それぞれシャワーを浴びる事にした
風邪をひいているこなたをシャワーに行かせるのはどうなのかと思ったが
季節でなくても風邪をひいてもシャワーだけは浴びたいという気持ちは同じ年頃の女性として痛いほどわかってしまうので
「汗流す程度にしときなさいよ」とだけ言い、こなたを風呂場に送り出すかがみだったが
そこまで心配する事ではないと思いながらも、なんとなく風呂場の前で待ってしまう
それぞれシャワーを浴びる事にした
風邪をひいているこなたをシャワーに行かせるのはどうなのかと思ったが
季節でなくても風邪をひいてもシャワーだけは浴びたいという気持ちは同じ年頃の女性として痛いほどわかってしまうので
「汗流す程度にしときなさいよ」とだけ言い、こなたを風呂場に送り出すかがみだったが
そこまで心配する事ではないと思いながらも、なんとなく風呂場の前で待ってしまう
「あれ?かがみん、部屋で待ってれば良かったのに」
「病人がシャワー浴びてるんだから、そういうわけにもいかないでしょ」
「私が心配で待っててくれたんだ、お礼にお背中でも……」
「今回は気持ちだけ受け取っておくわ、あんたは先に寝てなさい」
「かがみん?今回は……って事は次回は……って事かな?」
「病人がシャワー浴びてるんだから、そういうわけにもいかないでしょ」
「私が心配で待っててくれたんだ、お礼にお背中でも……」
「今回は気持ちだけ受け取っておくわ、あんたは先に寝てなさい」
「かがみん?今回は……って事は次回は……って事かな?」
そんな事を言いながらニマニマと笑うこなたに「そうねぇ、まずは風邪治しなさい」と返すかがみ
「う~ん、かがみは以外と看護婦さんに向いてるかも知れないねぇ」
そう呟いてナース姿のかがみを妄想する
「……いけないいけない、なんか熱が上がりそうだよ……」
そんな一人芝居を演じながら部屋に戻り
かがみが今夜のために用意した布団を見て、またしても何かを思い付くこなた
「なんだかんだで、今日はかがみんに甘えていいみたいだし、大丈夫だよね」
そんな事を思いながら、咄嗟に思いついたそれを実行に移すのだった
かがみが今夜のために用意した布団を見て、またしても何かを思い付くこなた
「なんだかんだで、今日はかがみんに甘えていいみたいだし、大丈夫だよね」
そんな事を思いながら、咄嗟に思いついたそれを実行に移すのだった
「ふぅ、お風呂いただいたわよ……って何であんたがそっちに居る」
「賢明に看病してくれたかがみのためにお布団を温めておきました」
「ほほう、サルめ、気が利くではないか……って、そんな事してないで寝てなさいよ」
「寝るよ、今から、ここで」
「何言ってんのよ、あんたのベッドはあっちでしょ?」
「今日はここが私の布団でかがみの布団、なんて、ダメかな?」
「えーと、つまり、それって……」
「賢明に看病してくれたかがみのためにお布団を温めておきました」
「ほほう、サルめ、気が利くではないか……って、そんな事してないで寝てなさいよ」
「寝るよ、今から、ここで」
「何言ってんのよ、あんたのベッドはあっちでしょ?」
「今日はここが私の布団でかがみの布団、なんて、ダメかな?」
「えーと、つまり、それって……」
風呂上りで降ろした長い髪を指で弄びながら言葉を詰まらせるかがみに対して
ダメ押しとばかりに得意(?)の上目づかいで見つめるこなた
ダメ押しとばかりに得意(?)の上目づかいで見つめるこなた
「体が弱ってて心細いから、かがみに一緒に寝て欲しいなぁ……ダメ?」
「……そんなこったろうと思ったわよ、今日だけ……だからね?」
「……そんなこったろうと思ったわよ、今日だけ……だからね?」
子供のように「わぁい」とはしゃぐこなたに照れ隠しするようにかがみが続ける
「ま、まぁ、私も体が弱ってて心細くなるのはわかる気もするし……本当に今日だけなんだからねっ」
「それでこそかがみん!ツンデレの鑑だよっ!」
「それでこそかがみん!ツンデレの鑑だよっ!」
くだらないダジャレを呆れたように笑って受け流しながらも
どこか恥ずかしそうにしながらこなたの居る布団に潜り込む
どこか恥ずかしそうにしながらこなたの居る布団に潜り込む
灯りを落として真っ暗になった部屋の中、寄り添って横たわる二人
「ちょっと暑いかな?エアコン強くする?」
「ダメよ、あんた風邪ひいてるんだから、暑いぐらいがちょうどいいのよ」
「でも、それじゃかがみ……」
「もう、あんたはまた……」
「ダメよ、あんた風邪ひいてるんだから、暑いぐらいがちょうどいいのよ」
「でも、それじゃかがみ……」
「もう、あんたはまた……」
そこまで言ってから一つ深呼吸して、言葉を繋ぐかがみ
「わがままで、マイペースなクセして、変なとこで気遣うんだから、つらい時ぐらいちゃんと甘えなさいよ、バカ……」
「ごめん、かがみに心配かけちゃったね」
「ごめん、かがみに心配かけちゃったね」
なんとなく湿った声の調子に驚きながらも
かがみに心配されていた事を嬉しく思ったこなたは、ほとんど抱き合う形でかがみの胸に顔をうずめた
かがみに心配されていた事を嬉しく思ったこなたは、ほとんど抱き合う形でかがみの胸に顔をうずめた
「今日、かがみが抱っこしてくれた時、嬉しかったんだ……心細かったのもあるけど、かがみだから、かがみが抱っこしてくれたから……」
「私も、こなたじゃなかったらああしてあげなかったかも知れないわね」
「私も、こなたじゃなかったらああしてあげなかったかも知れないわね」
その言葉を聞いて、こなたが決心したように言葉を搾り出す
「えっと……かがみ?私ね、かがみに聞いて欲しい事があるんだけど、今はアレだから、治ったら言うね」
「そう、奇遇ね、私もこなたに聞いて欲しい事があるけど、今日はやめておこうと思ってたのよ」
「なんか元気出たかも、明日には良くなる気がするよ」
「それなら早く元気になってよね、無理はして欲しくないけど」
「うん、ありがと、かがみ」
「どーいたしまして」
「そう、奇遇ね、私もこなたに聞いて欲しい事があるけど、今日はやめておこうと思ってたのよ」
「なんか元気出たかも、明日には良くなる気がするよ」
「それなら早く元気になってよね、無理はして欲しくないけど」
「うん、ありがと、かがみ」
「どーいたしまして」
それから、会話を止めた代わりに、しっかりと抱き合う二人
まだ熱の引いていないこなたの吐息は少しつらそうではあったが
表情は幸せそのものだった
まだ熱の引いていないこなたの吐息は少しつらそうではあったが
表情は幸せそのものだった
翌朝、かがみが目を覚ますと布団の中にこなたの姿はなかった
しばらく部屋を見回した後、下階の様子を見に行くと台所を通りかかったあたりで声が聞こえた
しばらく部屋を見回した後、下階の様子を見に行くと台所を通りかかったあたりで声が聞こえた
「おはよ、かがみん、ゆい姉さんが置いてってくれたうどん茹でたから食べようよ」
「おはよ、こなた……って風邪はもういいの?」
「かがみの添い寝が効いたんだねぇ、きっと、もう全然元気、元々熱以外どこか悪いっていうのはなかったし」
「よかった、元気になったみたいね、うどん、いただくわ」
「おはよ、こなた……って風邪はもういいの?」
「かがみの添い寝が効いたんだねぇ、きっと、もう全然元気、元々熱以外どこか悪いっていうのはなかったし」
「よかった、元気になったみたいね、うどん、いただくわ」
そう言って柔らかく笑い、テーブルにつくかがみ
二人で朝食のうどんを食べながら、話は昨晩の布団の中でした話の続きに
「あのさ、かがみん?昨日の事だけど」
「何よ、まさかあんたあれ、今言うつもり?」
「ダメかなぁ?」
「ダメって事はないけど、うどん食べながら言うような事なの?」
「いやぁ、それはうどんを買って来たゆい姉さんに言おうよ、それに、これはこれで私達らしいんじゃない?」
「あー……否定出来ない自分が情けないわ」
「えっとね、それじゃ、言うよ?」
「は、はいっ」
「何よ、まさかあんたあれ、今言うつもり?」
「ダメかなぁ?」
「ダメって事はないけど、うどん食べながら言うような事なの?」
「いやぁ、それはうどんを買って来たゆい姉さんに言おうよ、それに、これはこれで私達らしいんじゃない?」
「あー……否定出来ない自分が情けないわ」
「えっとね、それじゃ、言うよ?」
「は、はいっ」
「あのね、私、―――――――」
「――――――」
「ふぅ……今日も暑いねぇ」
「言うな……余計暑くなる……」
「でもでもっ、この暑い中出かける気になるのはやっぱり私とかがみが愛しあってr」
「やめい!ここでそんな事言うなっ」
「つれないねぇ、かがみんは、二人っきりの時はデレデレだけど」
「言うな……余計暑くなる……」
「でもでもっ、この暑い中出かける気になるのはやっぱり私とかがみが愛しあってr」
「やめい!ここでそんな事言うなっ」
「つれないねぇ、かがみんは、二人っきりの時はデレデレだけど」
うどんを食べながらの告白から一週間
二人は初めてのデートに出かけた
とは言っても、お互いに想いを伝えた事以外はほとんど今までと変わってはいない
二人は初めてのデートに出かけた
とは言っても、お互いに想いを伝えた事以外はほとんど今までと変わってはいない
「ねぇ、こなた、いきなりだけど、夏休みに行きたい所とかある?」
「んーまずはコミケでしょ……後は……」
「んーまずはコミケでしょ……後は……」
そこまで聞いて「あんたに聞いたのが間違いだった……」と呆れるかがみに
ちょっと待ったとばかりにこなたが続ける
ちょっと待ったとばかりにこなたが続ける
「あー、かがみとは『どこに行くか』より『何をするか』なのだよ」
「ほう、それじゃあ、こなたは私と夏休みに何をしたいの?」
「私はこの夏かがみとチューしたいっ!!」
「ちょっ?!!」
「それに、忘れたとは言わせないよ?今度は私と一緒にお風呂入ってくれるんだよねっ?」
「あー、そんな事、言ったわね……言っちゃったわね……」
「言っちゃったって、もう、かがみは私とチューしたり、お風呂入ったりするの嫌?」
「ばっ!そんなわけないでしょっ!?ただ……ちょっと、恥ずかしい……かな」
「ほう、それじゃあ、こなたは私と夏休みに何をしたいの?」
「私はこの夏かがみとチューしたいっ!!」
「ちょっ?!!」
「それに、忘れたとは言わせないよ?今度は私と一緒にお風呂入ってくれるんだよねっ?」
「あー、そんな事、言ったわね……言っちゃったわね……」
「言っちゃったって、もう、かがみは私とチューしたり、お風呂入ったりするの嫌?」
「ばっ!そんなわけないでしょっ!?ただ……ちょっと、恥ずかしい……かな」
かがみが顔を赤く染めて言うのを聞いて、今でも十分ご機嫌な様子のこなたが一層嬉しそうになる
少しストレートすぎるこなたの愛情表現に戸惑い気味のかがみも、その表情を見ると恥ずかしさも吹き飛ぶような気になる
少しストレートすぎるこなたの愛情表現に戸惑い気味のかがみも、その表情を見ると恥ずかしさも吹き飛ぶような気になる
「それでこそかがみん、さすが私の嫁っ!私のツボを押さえてるねぇ」
「言い方はアレだけど、私の事好き……って事なら嬉しいわよ」
「言い方はアレだけど、私の事好き……って事なら嬉しいわよ」
ふと顔を覗かせたかがみの“デレ”の部分に、今度はこちらにあまり免疫のないこなたが頬を赤らめる
見慣れないこなたの照れる様を見て、かがみの表情に再び照れの色が浮かぶ
それでもお互いに嬉しい表情を隠せないまま、どちらからともなく手を繋ぐ二人
見慣れないこなたの照れる様を見て、かがみの表情に再び照れの色が浮かぶ
それでもお互いに嬉しい表情を隠せないまま、どちらからともなく手を繋ぐ二人
この先何があるかはわからない
女同士で付き合うという事は、予想している以上に大変な事かも知れない
それでも、お互いの手から伝わるこの温もりさえあれば、どこまでも行ける気がする
女同士で付き合うという事は、予想している以上に大変な事かも知れない
それでも、お互いの手から伝わるこの温もりさえあれば、どこまでも行ける気がする
「行こう、かがみ」
「行くって、どこに?」
「私達の夏に……だよっ!」
コメントフォーム
- こなかがのお陰で、今日も頑張れる! -- チャムチロ (2013-04-04 21:24:16)
- ほんわかだぁ -- 名無しさん (2010-11-23 20:46:45)
- 何かいい…こなかがは明るく楽しいストーリーが一番似合うな。 -- 名無し (2010-06-16 10:49:16)
- 二人とも可愛い、こなかがはこうでないと -- 名無し (2010-06-10 15:57:43)
- 二人とも可愛い。
二人とも可愛い。 -- 名無しさん (2009-12-22 20:46:32) - なんかいいねこういうの
こなかがは正義!! -- 名無しさん (2009-10-19 00:26:21) - うん、やっぱ二人はこうだよな -- 名無しさん (2009-08-05 11:40:39)