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汗と涙の1025

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だれでも歓迎! 編集
助けてください。


「みゆきさん、私と一つにならない?それはとても気持ちのいい事なのよ」
私の横から曖昧3センチで迫りくる泉さん。

「こなた!?私というものがいながら!」
その後ろを鬼の形相で追い掛けるかがみさん。

「柊ぃぃぃぃたまには構ってよぉ~」
さらにその後ろを泣きながらかがみさんに縋る日下部さん。

「ゆきちゃん……えへへ」
泉さんとは逆側から私に迫るつかささん。

「胸…………私も……」
私の胸を凝視するみなみさん。

「私が…私が下手だって彼氏が言うの………」
私の後ろからしくしく泣きながら抱きついてくる峰岸さん。

「スー……スー……」
「あ、ぁ、あー……もう、飲めないっス……」
ディープスリープに入った小早川さんと田村さん。

「おそるべし……JAPANESE………」
そしてついに、パティさんまで倒れてしまわれました……。

どうしましょう、完全に八方塞がりです。

逃げてた歯医者にもスキップで行きます。
水の中で目を開ける練習もします。
これからは11時じゃなくて10時に寝るようにします。
だから、あぁ、誰かこの状況を助けてください!


【汗と涙の1025】



●
何故こんな事態に陥ったかは、床に散乱するビールや酎ハイの空き缶でお察ししていただけると思います。
要約すると、皆さん完全に酔ってらっしゃるのです。

まず、私たちは未成年なのに何故飲酒をしているのか。

今日は、10月25日。
お恥ずかしながら、この高良みゆき、18歳の誕生日です。
嬉しい事に、泉さんやつかささん、かがみさんが誕生日会なるものを開催してくださる事になりました。
当日は、日下部さん達やみなみさん達も来てくれて、
とても賑やかな会になりました。
私なんかのために皆さんがプレゼントやケーキまで用意してくれて、
本当に泣きそうになりました。

…………ただ、問題はその後で……。

「お酒持ってきたよーん」
「く、日下部!?おま、何そんなに酒持ってきてんの?」
「祭り事には酒は必須なんだぜー」
「みさちゃん、私たち未成ね……」
「硬い事言うなって!」


●
彼女の手には数十本の缶の入ったコンビニ袋。
どうやらつい先程に近くのコンビニで買ってきたようです。
「Oh!ステイツではバースデーパーティにアルコールは必須でしたネ!」
「わかってんじゃん1年!」
「さぁ、ではみさきち殿、頂戴しようか」
「うら!飲め飲め!」
犯罪のニオイがしました。
確か、未成年飲酒禁止法が………あれ?でもそれ自体は未成年の所持を禁止してるわけではなく……。
じゃあ、酒を売った店員さん……。
「ゆきちゃん、はい」
悩む私につかささんが銀色の缶を手渡します。
気が付くと皆さんの手に缶が回っていました。
いいのでしょうか……いやよくないです。
「あの、皆さん、アルコールは」
「今日ぐらいいいっスよ!高良先輩の誕生日なんですから!」
「ひよりんが今いいこと言った!!」
「でも……」
「ま、まぁいいじゃないみゆき!たまには!」
普段なら率先して止める係のかがみさんですが、乗り気なようです。
ぶつぶつと
『こなたを…………』『既成事実で……』
とつぶやいています。
一体何を計画なさってるのでしょうか。
「お姉ちゃん、私お酒飲めないよぉ」
「じゃあゆーちゃんは酎ハイね」
「あの……私も酒は……」
「ん。はい、これ」



●
せっかく祝ってくださるのに、無下にするのもどうかと思いました。
それに私は、父も母も兄も酒には強いので大丈夫な体質と考えましたので。
「で、では……」
缶のプルタブをおこします。
「待った!!」
「はぃぃ!?」
「乾杯!」
泉さんが缶を掲げました。
つられて皆さんが乾杯をします。
そして続々と炭酸特有の音が聞こえてきます。
私もちびちびと啜る事にしました。
ですがやはりどうもビールは苦くて口に合いません。

飲みはじめた最初のうちは皆さん普通だったのですが、
「ジャンクのくせに……」
「あははーバルサミコ酢ぅー」
「こなた、私、ちょっと酔っちゃったみたいなんだけど……」
「美味しくないよぉ、やっぱり」
「ゆたか……無理しないほうがいい」
「Oh、ミナミ、結構いけるクチね?」
「(あぁ、こんなときでも妄想してしまう私自重!!………うぷっ)」
「あやのぉ、柊がぁ」
「うーん、みさちゃん、察しなさい」

アルコールが人をオープンにする、という話はどうやら本当のようで。
皆さんの顔はとても綻んでいました。
私は味がダメだったので、まだ結構中身が残っています。
大人になったら美味しさがわかるようになるといいますが、本当でしょうか?

「きゅう……」
「!!ゆたか!」
「小早川さん!」
そうこうしてる合間に小早川さんが、ぱたりと目を回して倒れてしまいました。
やはり小早川さんはお酒に弱かったようです。
無理矢理でも止めればよかった……責任を感じてしまいます。
「うっ……た、高良先輩………ちょっと横になっていいっスか……」
そして意外にも田村さんも。
率先して盛り上げていましたが、今は真っ青な顔をしています。
二人とも、大人になってもお酒は飲まないでくださいね。
そう思いながら私は二人に毛布をかけました。



●
対称的に相変わらず向こうでは盛り上がりがすごいです。
「こなた、ねぇ、ちょっとぉ」
「絆と呼ぶのよ!」
「どんだけー」
「AHAHA!Liquor is KUROKIRISIMA, isn't it?」
「黒霧島…………」
「私だって、柊の事………ちびっ子めぇ!」
「津軽海峡冬景色ぃ~………うっ、うっ、あんな男ぉ~」
…………。
大丈夫でしょうか……。
峰岸さんに至っては完全に泣き上戸です……。
ため息をつきながら、次の脱落者が出たときのために輪の中に戻ります。
すると、ふと泉さんがこちらを見ている事に気付きました。
「……ね、みゆきさん」
ぽーっとした様子で私の顔を見つめる泉さん。
目が据わってます。泉さんもダウンでしょうか。
「なんでしょうか?」
心配になり、私は泉さんの元へ軽く4つ足で近づきました。
ですが、次の瞬間、その心配は見事に打ち砕かれたのです。

「……みゆきさんの貞操奪っていい?」

もしも私が口に飲み物を飲んでいたら、
盛大に吹き出すという大惨事が起きていたでしょう。
まるで荷電粒子砲を撃たれたようなくらい私は衝撃を受けました。
「いいいいいい泉さんななななな何を!?」
確かにまだ私は……と、何を言わせるんですか。
というか何故泉さんは私の……何でもないです。
「いや、だってみゆきさん、半端なく可愛いし」
「そ、そんなこと」
「……あぁぁぁ萌えっ!!」
次の瞬間、私は床に押し倒されていました。
泉さんの目は……キラキラしていました。
「い、泉さん、ちょ」
私の制止も聞かず、泉さんは服に手をかけます。
本格的に危険な展開になってきました。
「泉さん!危険です!危k」



●
「こなたぁぁぁぁ!あんた何してんのよ!!」
あっ!
この声はかがみさん。
目を釣り上げて怒鳴るように泉さんを叱りつけました。
泉さんはびっくりした様子で手を止めます。
さすがかがみさん………と思ったのも束の間。
「あんたには私がいるのに!!」
ぽかんとかがみさんの顔を見ました。
お二人がそんなご関係だったなんて、今まで気付きませんでした………!
確かに匂わせる行動はあったように思いますが…………。
「ちょ、かがみ、何すんの」
「こなたのバカッ!!」
そのままズルズルと、泉さんは引きずられていきました。
やはり、二人はお付き合いをされているのでしょうか。
「うっ、柊のバカヤロー!!」
その後ろを泣きながら追い掛ける日下部さん。
なんだか三角関係が見えてきました。
不信のとき………いえ、なんでもありません。

「高良ちゃん……」
「はいっ!?」
この声は峰岸さんです。
かがみさんのクラスの方なので、お友達になったのはつい最近のお話です。
「ねぇ……私、下手なんだって」
呟くと、私を背後から抱いてきました。
気分はなんだか『行かないで!』と止められる男性のようです。
「え?何がですか?」
「私、一生懸命やってるのに、彼氏が……」
そういえば峰岸さんには彼氏が。
恐らく、この中で唯一だと思います。
「痛いの我慢してるのに……ううっ………」
……一体、何のお話なのでしょうか。
「自分だけが気持ち良ければいいの!?」
私の髪の毛に顔を埋めて泣いておられます。
本当に一体何のお話なのでしょうか。ほんのり怪しくなってきた気がします。
男女間の恋愛にはまだまだ謎が多いです。


●
「……………………」
と、今度は上から視線を感じました。
顔をあげるとみなみさんが、じっと私を見つめていました。
手には缶。みなみさん、酒豪だったのですね。
「みなみさん?どうかしました?」
「………吸収………」
呟くと彼女は缶をぐっと握り潰しました。
って、あの、それ、スチール……。
彼女とは小さな頃からのお付き合いですが、
こんなみなみさんは初めてです。
一抹の恐怖を感じました。
「あの、みなみさん?」
「みゆきさんの……触ったら、……私に……」
おずおずとみなみさんが手をのばしてきます。
行き着く先は…………私の胸!?
「み、みなみさん!?」
「みゆきさんが、みゆきさんが…………」
一種のトランス状態に陥ってしまっています。
なんとか後退って手から逃れようとしますが、後ろには峰岸さん。
「こんなに奉仕してるのにッ!」
………だから一体何のお話なんですか!?
「私に…………私も吸収…………!」
あぁぁ、みなみさんが段々と迫ってきます……。


●
「ね、ゆきちゃん」
この切羽詰まった状態に横から、今度はつかささんが来ました。
つかささんも相当飲んでらっしゃるようで、顔が赤に染まっています。
私の首に腕を回すと、私によりかかってしまいました。
「つ、つかささん?」
「あのね、私………前から、ゆきちゃんの事…」
「え?」
潤む瞳でこちらを見るつかささん。
これは、内容がどうあれ、泉さんが仰る『告白フラグ』でしょうか。
「その、前から私、ゆきちゃんの事、ずっと目で追っちゃってて……」
これが、夕焼けの入る放課後の教室でしたら未だしも、
この状況ではつかささんが正気かどうかすらわかりません。
というより、この部屋に於いて私のほうが正気を保てているかわかりません………。
「あ、あの、落ち着いた時にもう一度、言っていただけますか?」
うん、と頷くとつかささんはさらに腕を回して絡んできました。

「A……あまーいアップルパイ…………B……びっくりビスケット………」

ハッ!
あぁ!気が付けばみなみさんが!!
両手を少しわきわきして私を期待の目で見ています。
そんな目で私を見ないでください!


●
逃げようにも私はもはや、2人の方にロックされて動けません。
「2人とも、とりあえず手を……」
ですが峰岸さんもつかささんも見かけによらない力で私を逃がしません。

「みゆきさん、ごめん、続きしようか」
「泉さん!?いつのまに!?」
さらに私の横から、ボロボロになりながら泉さんが現れました。
衣服が乱れているところを見ると、先程、乱闘があったことがわかります。
ただ、その目は輝きを失っていません。
膝をつくと私に顔を寄せてきます。

…………ここで、最初に戻るわけです。

これでは、まるで中東の王国にあるハーレムです。
あぁ、やはり是が非でも飲酒は止めるべきでした……。

「みゆきさん……大丈夫、私に任せて、私エロゲでいろいろ学んでるから」
「何もわかってくれないのよぉ~!」
「胸、……せめて!Bだけでも!」
「ゆーきちゃん♪」
「こなた!あんたまだわからないの!?」
「ひーらぎぃ!私柊の事……」

「だ、誰か………助け…………て………」

私の意識は、ここで途切れました。



チュン………チュン、チュン


………あれ?もう朝でしょうか。
部屋の窓から光が差し込みます。
もしかすると、あの暴走は夢だったのでしょうか。

………いえ、部屋全体がアルコール臭で溢れています。

そして私の現在の状況………。
私の頭と逆方向に峰岸さんが眠っていて、
片腕にはつかささんがしがみついています。
そして私の胸を枕にするようにみなみさんが覆いかぶさってて、
もう片腕には泉さん。
器用なことに、その泉さんの胴体にかがみさん、
そのかがみさんの胴体に日下部さんが連なっていらっしゃいます。
パティさんや小早川さん、田村さんはまだ起きておられないようで……。

「みなさーん……」

小さく呼び掛けても誰も起きてくれません。



●

気が付けば、25日は終わり、26日が始まっていました。
18歳最初の朝がこんなことになるなんて……。

どうにもできず、首を動かすと何やら声が聞こえてきました。

「むにゃ………みゆきさぁん、萌えるよその仕草ぁ……………」

「こなたぁ、こなたぁ…………」

「みゅー……柊……やっと私の想いが……」

「……うふふふふ、うまくなったでしょ……肩叩き………」

「ABCDEFG……私はEになりた……い」

「ゆきちゃん……大好きぃ…………」

「お姉ちゃ………ん」

「………Mother……」

「……ネタぁぁ……………」

……皆さん、どんな夢をみてらっしゃるのでしょうか。



●
………でも、何故でしょう?
皆さんの寝顔を見ていると、とても心が穏やかになります。
ここにいてくれたという安心。
私のために祝ってくれたという喜び。
身体にひしひしと感じます。

こういうのを『幸せ』と言うのでしょうか。

「……たまには、いいかもしれませんね」

中々感じることのない重量級の幸せ。

噛み締めながら私は再び目を閉じると、
その身を捨て、意識を闇に落とすのでした。


【終?】















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  • 手が痛くなるまで肩たたきですか~ -- 名無しさん (2011-04-18 12:57:20)
  • 酔っ払い→雑魚寝は、一番ほのぼのするな。 -- 名無しさん (2009-12-02 11:20:13)
  • 酔ったら皆こうなりそうだけど、パティが何もなしに終わっちゃったなぁ。 -- 名有りさん (2009-12-01 22:58:58)
  • みなみよ・・・頼むから普通でいてくれ・・ -- aizen (2009-11-29 05:55:14)
  • みなみ怖えぇ -- 名無しさん (2009-11-22 16:55:55)
  • ゾイドwww -- 名無しさん (2009-03-29 14:18:06)
  • ↓あ、なんか私と似たような感想の方が二人も -- 名無しさん (2009-03-15 14:23:02)
  • ↓よう俺 -- 名無しさん (2009-03-15 02:04:03)
  • あやのさん…肩たたきて…
    セッk…何でもないです -- 無垢無垢 (2009-02-23 20:26:22)
  • かがみw既成事実てwww -- 名無しさん (2008-07-17 10:13:44)
  • A……あまーいアップルパイ…………B……びっくりビスケット………
    何故にどれみ……? -- 名無しさん (2008-07-16 23:08:30)
  • スチールwww -- 名無しさん (2007-11-27 19:13:25)

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