あれから、どれくらいの年月が流れたのだろう。
一瞬にも永遠にも感じられる時。
時間の感覚がないって言った方が正しいだろうか。
太陽が滲み月が翻る。
花が息絶え、また蘇る。
鳥が空を泳ぎ、魚が海を飛翔する。
最初は新鮮だったそれも、今では見慣れた光景だ。
一瞬にも永遠にも感じられる時。
時間の感覚がないって言った方が正しいだろうか。
太陽が滲み月が翻る。
花が息絶え、また蘇る。
鳥が空を泳ぎ、魚が海を飛翔する。
最初は新鮮だったそれも、今では見慣れた光景だ。
『生きていた時』にはたくさん感じた、時間の錯覚。
楽しいことをしてる時には、時間はすごく駆け足に過ぎて
暇なときには、一分一秒が一時間にさえ感じるときもある。
楽しいことをしてる時には、時間はすごく駆け足に過ぎて
暇なときには、一分一秒が一時間にさえ感じるときもある。
だから『今』が怖かった。
大事な人の中に、私は居るのだろうか、とか……私の中にいるあの人達は、今でもあの人達のままなのか……とか。
本当は、私があの人たちを置いて、先に行ってしまったのはずなのに
まるで、私がそこに取り残されているんじゃないかって……心を掻き毟られるくらいに、不安になる。
本当は、私があの人たちを置いて、先に行ってしまったのはずなのに
まるで、私がそこに取り残されているんじゃないかって……心を掻き毟られるくらいに、不安になる。
痛いとか苦しいっていう感覚はもうなくなった。
だけどその分『怖い』という感情が、今の私を縛っていた。
終わらない輪廻。
これを終わらせることができるとしたら
その方法は、一つしかない……と思う。
だけどその分『怖い』という感情が、今の私を縛っていた。
終わらない輪廻。
これを終わらせることができるとしたら
その方法は、一つしかない……と思う。
――会いたい
『母と娘と幸せと……』
「ど、どうしましょう」
遥か向こうの星空に輝く、真ん丸な黄色い月。
街を優しく照らす光も、暗がりで慣れていた私の目には少し眩しく感じた。
私が居るのは、17年前に旅立った我が家の丁度玄関前。
何が起こったのかしら……
2秒くらい前……ううん、瞬き一つ前まで、私はこの世界にいなかった……はず。
ところが今私は、残していった家族の住んでいるであろう場所に、ぽつんと佇んでいる。
目の前には、脳裏に焼きついて離れなかった扉が、今もまだデンと構えたままだ。
遥か向こうの星空に輝く、真ん丸な黄色い月。
街を優しく照らす光も、暗がりで慣れていた私の目には少し眩しく感じた。
私が居るのは、17年前に旅立った我が家の丁度玄関前。
何が起こったのかしら……
2秒くらい前……ううん、瞬き一つ前まで、私はこの世界にいなかった……はず。
ところが今私は、残していった家族の住んでいるであろう場所に、ぽつんと佇んでいる。
目の前には、脳裏に焼きついて離れなかった扉が、今もまだデンと構えたままだ。
す、少し経緯を辿ってみましょうか。
私はいつものように何もない世界で、過ぎてゆくのであろう時間を惜しんでいたと思います。
それで、ふと寂しいって感じて……それからそれから……
私はいつものように何もない世界で、過ぎてゆくのであろう時間を惜しんでいたと思います。
それで、ふと寂しいって感じて……それからそれから……
――会いたい
そうだ、会いたいって願ったんでした。
……え、それだけ?
それだけで私は今ここにいるのでしょうか?
神様からのプレゼント?ドッキリテレビ?
いや、後者は在り得ませんか。
……え、それだけ?
それだけで私は今ここにいるのでしょうか?
神様からのプレゼント?ドッキリテレビ?
いや、後者は在り得ませんか。
そのまえに、こういう場合はやっぱり喜んだ方がいいのでしょうか。
よ、喜びを表現するには……
よ、喜びを表現するには……
「ば、ばんざーい……」
……いや……べ、別に恥ずかしさを紛らわせていたわけではありませんよ?
「あのぉ……どうかなさいましたか?」
「……え?」
不意に後方から聞こえた声に驚いた。
振り向くと、どうやら巡回中のお巡りさんみたい。
少し不思議そうな視線をこちらに向けている。
もしかして不審者だと思われてるのかしら……
「あ、いえ、少し散歩しているだけですので」
「そうですか……では、お気をつけて」
特に質問は投げかけずに、お巡りさんは暗がりへと姿を消した。
あ、そうか、巡回の人ならいつもこの辺りを回ってるわけだし
たぶん私を、こなたと勘違いしたのでしょうね。それなら、すぐに行ってしまったのも納得できます。
「……え?」
不意に後方から聞こえた声に驚いた。
振り向くと、どうやら巡回中のお巡りさんみたい。
少し不思議そうな視線をこちらに向けている。
もしかして不審者だと思われてるのかしら……
「あ、いえ、少し散歩しているだけですので」
「そうですか……では、お気をつけて」
特に質問は投げかけずに、お巡りさんは暗がりへと姿を消した。
あ、そうか、巡回の人ならいつもこの辺りを回ってるわけだし
たぶん私を、こなたと勘違いしたのでしょうね。それなら、すぐに行ってしまったのも納得できます。
……?
なんだか、もっと根本的な疑念を見逃しているような……
なんだか、もっと根本的な疑念を見逃しているような……
―――――――――!!
見えてる!?
なんで!?
急いで自分の体を確認すると、いつもの半透明な体ではなく、しっかりとした存在が確かにあった。
こんなことって……
あれかしら、蘇り?でもそんなことが現実にあるなんて……
……疑うわけにもいかないか。
いままで信じていなかったのに、自分が死んだ後で『本当にお化けっているんだ』って信じざるを得なかったわけですし。
今回だって、現に私は実体を持ってしまっている。これは事実だもの。
なんで!?
急いで自分の体を確認すると、いつもの半透明な体ではなく、しっかりとした存在が確かにあった。
こんなことって……
あれかしら、蘇り?でもそんなことが現実にあるなんて……
……疑うわけにもいかないか。
いままで信じていなかったのに、自分が死んだ後で『本当にお化けっているんだ』って信じざるを得なかったわけですし。
今回だって、現に私は実体を持ってしまっている。これは事実だもの。
……どうしましょう、顔がにやけてしまう。
だって、また人間として生活することが出来るのなら……私のあの夢が叶うということなんだもの。
だって、また人間として生活することが出来るのなら……私のあの夢が叶うということなんだもの。
――もう一度会いたいっていう、夢が
金属の擦れる音と同時に、扉に僅かな隙間ができる。
「わ、開いてる……」
恐らく深夜といえる時間帯にもかかわらず、玄関の扉は鍵がかかっていなかった。
無用心ね、とは思いつつも、かなり感謝していた。
鍵がかかっていたら、家に入れなかったわけですし……
「わ、開いてる……」
恐らく深夜といえる時間帯にもかかわらず、玄関の扉は鍵がかかっていなかった。
無用心ね、とは思いつつも、かなり感謝していた。
鍵がかかっていたら、家に入れなかったわけですし……
ゆっくりと、できるだけ音をたてずにドアを開けた。
中で燻っていた空気が、外へと流れ出す。
中で燻っていた空気が、外へと流れ出す。
「変わってない……」
ちょっとした飾りとか、匂いとか、ところどころ変わっている部分はあるものの
根本的な部分……私のことを受け入れてくれるような、優しい雰囲気は、17年前から全く変わっていなかった。
ちょっと涙でちゃった……
根本的な部分……私のことを受け入れてくれるような、優しい雰囲気は、17年前から全く変わっていなかった。
ちょっと涙でちゃった……
居間を覗き込むと、電気は付いたままだけれど、そうくんはいないみたい。
テーブルの前に置かれたパソコンの画面には、たくさんの文字が並んでいた。
そうくん……がんばってるみたいね。
耳を澄ませると、脱衣所のほうからシャワーの音が聞こえてきた。
そうくん、お風呂なのかな。
ゆらゆらと誘われるようにお風呂へと向かう。
お風呂のぼやけたドアから見える体は、どうやら体を洗っている最中のようだ。
背中のサイズからすると、どうやらこなたではないみたい。
「……」
テーブルの前に置かれたパソコンの画面には、たくさんの文字が並んでいた。
そうくん……がんばってるみたいね。
耳を澄ませると、脱衣所のほうからシャワーの音が聞こえてきた。
そうくん、お風呂なのかな。
ゆらゆらと誘われるようにお風呂へと向かう。
お風呂のぼやけたドアから見える体は、どうやら体を洗っている最中のようだ。
背中のサイズからすると、どうやらこなたではないみたい。
「……」
やだ、私ったら……これじゃあ覗きと変わらないじゃない。
頭をふるふると振って、思考を振り払った。
頭をふるふると振って、思考を振り払った。
「こなたぁ?いるのかぁ?」
「っ!?」
気づかれちゃった!?
わ!!わ!!どうしよう!?
ととと取り敢えずここから出なきゃ!!
急いで洗面所から飛び出し、階段を音もたてずに駆け上った。
我ながら器用なものですね。
「っ!?」
気づかれちゃった!?
わ!!わ!!どうしよう!?
ととと取り敢えずここから出なきゃ!!
急いで洗面所から飛び出し、階段を音もたてずに駆け上った。
我ながら器用なものですね。
というか私、なんで逃げたのでしょうか……
廊下をすり足で進むと、こなたの部屋の前へと辿り着いた。
あの子、まだ起きてるんじゃないかしら。
っと思ったけれど、部屋の電気は点いていないようだし、寝てるみたいね。
安心だけど、ちょっと寂しいかな。
……あ、そうだ。
あの子、まだ起きてるんじゃないかしら。
っと思ったけれど、部屋の電気は点いていないようだし、寝てるみたいね。
安心だけど、ちょっと寂しいかな。
……あ、そうだ。
細心の注意をはらって、扉を開ける。
ゆっくりと部屋の中へと足を踏み入れた。
……なんだかすごい部屋ね。
あ、この人形かわいい。
ゆっくりと部屋の中へと足を踏み入れた。
……なんだかすごい部屋ね。
あ、この人形かわいい。
……なんて和んでる場合じゃない。
ベッドの方へと視線を移すと、愛しい娘が仰向けに寝息をたてていた。
「スゥー……スゥー」
「うふふ♪」
すぐ近くまで移動して、ベッドの端に腰かける。
ギシッとバネが軋んだ。
「クゥー……ん、ぅ」
「……」
寝顔は天使ね。あ、これって親バカかしら。
本当は見ているだけにしようと思っていたけれど
こんなにかわいい寝顔見せられたら……
「スゥー……スゥー」
「うふふ♪」
すぐ近くまで移動して、ベッドの端に腰かける。
ギシッとバネが軋んだ。
「クゥー……ん、ぅ」
「……」
寝顔は天使ね。あ、これって親バカかしら。
本当は見ているだけにしようと思っていたけれど
こんなにかわいい寝顔見せられたら……
「こなた……」
思わず、頭に手を添えて、優しく撫でる。
ちょっと擽ったそうに身を捩った後、再び気持ちよさそうな寝息をたて始めた。
心なしか、さっきよりも笑顔な気がする。
「ふぇ……ん?」
「……あ」
ゆっくりと、何かを確かめるように瞼を開けるこなた。
しまった、起こしちゃったかしら。
「んぁ?おかーさん?……どうしたのこんな時間に」
「ごめんね、起こしちゃったね。なんでもないから、もう一度お休みなさい」
「うん……おやすみなさい」
そう言って、タオルケットを首辺りまで引っ張り上げ、目を閉じた。
寝ぼけちゃってるのかしら、かわいい♪
「……」
「……ふふ♪」
思わず、頭に手を添えて、優しく撫でる。
ちょっと擽ったそうに身を捩った後、再び気持ちよさそうな寝息をたて始めた。
心なしか、さっきよりも笑顔な気がする。
「ふぇ……ん?」
「……あ」
ゆっくりと、何かを確かめるように瞼を開けるこなた。
しまった、起こしちゃったかしら。
「んぁ?おかーさん?……どうしたのこんな時間に」
「ごめんね、起こしちゃったね。なんでもないから、もう一度お休みなさい」
「うん……おやすみなさい」
そう言って、タオルケットを首辺りまで引っ張り上げ、目を閉じた。
寝ぼけちゃってるのかしら、かわいい♪
「……」
「……ふふ♪」
「―――――っ!?!?!?!?」
ガバッ
という擬音語が飛び出しそうなほど、激しく身を起こすこなた。
あまりの激しさに、一瞬だけど、こなたがベッドから30cmくらい浮き上がった。
という擬音語が飛び出しそうなほど、激しく身を起こすこなた。
あまりの激しさに、一瞬だけど、こなたがベッドから30cmくらい浮き上がった。
「!?!?!?だ、誰!?あ、お母さん!?あれ!?私!?」
「ちょ、ちょっとこなた、落ち着いて?」
あたふたと手をばたつかせながら、必死に今の状況を把握しようとしているこなた。
余程混乱しているのか、頭の上から煙が上がっている。
大丈夫なのかしら……
「と、取り敢えず深呼吸しましょうか」
「お、オーケーマイマザー……オフコース……すぅーはぁー」
やっと落ち着いてきたみたい。
大きな深呼吸を何度も続けるこなたを、また優しく撫でる。
ちょっと頬が赤くなっているみたいだけど、照れているのかしら。
「聞かれる前に、今の状況を説明しちゃうわね」
「イ、イエスサー」
ビシッと敬礼をしながら、こなたは聞き入る体勢に入った。
なんかカタコトなのは気にしないで、私は事の発端と恐らく原因であろうことを事細かに説明した。
「ちょ、ちょっとこなた、落ち着いて?」
あたふたと手をばたつかせながら、必死に今の状況を把握しようとしているこなた。
余程混乱しているのか、頭の上から煙が上がっている。
大丈夫なのかしら……
「と、取り敢えず深呼吸しましょうか」
「お、オーケーマイマザー……オフコース……すぅーはぁー」
やっと落ち着いてきたみたい。
大きな深呼吸を何度も続けるこなたを、また優しく撫でる。
ちょっと頬が赤くなっているみたいだけど、照れているのかしら。
「聞かれる前に、今の状況を説明しちゃうわね」
「イ、イエスサー」
ビシッと敬礼をしながら、こなたは聞き入る体勢に入った。
なんかカタコトなのは気にしないで、私は事の発端と恐らく原因であろうことを事細かに説明した。
「つまり、今お母さんが今目の前にいるのは、奇跡、ミラクル、ミックルンルン♪ってこと?」
完全に落ち着きを取り戻したこなたが、一階から持ってきた麦茶をコップに注ぎながら言った。
口をつけて飲み下すと、涼しげな味が口の中いっぱいに広がった。
「最後のはよく分からないけど……そういうことになるわね」
「んー、でもいまいち信じられないような」
それはそうよね。
私は自身に起きた出来事だから、すぐに納得することができたけれど。
私がこなたの立場だったら、やっぱり信じられないかも。
「でも、私がここにいるのは事実よ」
そう言って、私の存在を記すように、ノンスリーブで露出したこなたの肩に手を置く。
そのまま横に移動させて、鎖骨から首辺りにかけて、ゆっくり撫でるように動かした。
こなたは小さく『ん』と単音を発したけれど、私の行為に身を任せてくれた。
完全に落ち着きを取り戻したこなたが、一階から持ってきた麦茶をコップに注ぎながら言った。
口をつけて飲み下すと、涼しげな味が口の中いっぱいに広がった。
「最後のはよく分からないけど……そういうことになるわね」
「んー、でもいまいち信じられないような」
それはそうよね。
私は自身に起きた出来事だから、すぐに納得することができたけれど。
私がこなたの立場だったら、やっぱり信じられないかも。
「でも、私がここにいるのは事実よ」
そう言って、私の存在を記すように、ノンスリーブで露出したこなたの肩に手を置く。
そのまま横に移動させて、鎖骨から首辺りにかけて、ゆっくり撫でるように動かした。
こなたは小さく『ん』と単音を発したけれど、私の行為に身を任せてくれた。
「こなたの肌、すべすべしてるわね……」
「……お母さん」
「ん?」
胸元を見ていた視線を、顔の方に移すと
真剣で、それでいて優しいような顔をしていた。
「私、お母さんのこと……信じるよ」
「こなた……」
「だって私が信じなきゃ、他に誰が信じるっていうのさ」
「……ありがと」
そっか、ちゃんと人を信じられるような、素直な子に育ってるみたいね。
お母さん嬉しいわ。
膝のところで、ぎゅっと握りこぶしを作っていた小さな手に、私の手を重ねて
ゆっくり、やさしく解してゆく。
こなたはそれに答えるように、いそいそと少し強く握り返してくる。
そんな健気なところが、とても愛おしく思えた。
「……お母さん」
「ん?」
胸元を見ていた視線を、顔の方に移すと
真剣で、それでいて優しいような顔をしていた。
「私、お母さんのこと……信じるよ」
「こなた……」
「だって私が信じなきゃ、他に誰が信じるっていうのさ」
「……ありがと」
そっか、ちゃんと人を信じられるような、素直な子に育ってるみたいね。
お母さん嬉しいわ。
膝のところで、ぎゅっと握りこぶしを作っていた小さな手に、私の手を重ねて
ゆっくり、やさしく解してゆく。
こなたはそれに答えるように、いそいそと少し強く握り返してくる。
そんな健気なところが、とても愛おしく思えた。
「でもさぁ、お母さん」
「何かしら?」
「これが全部夢だって可能性もあるんだよね」
「……ほっぺたでも引っ張ってみる?」
ふぇ?っと私が言ったことを理解できていないよな反応をしたけれど
無視して、こなたのほっぺに手を伸ばした。
「何かしら?」
「これが全部夢だって可能性もあるんだよね」
「……ほっぺたでも引っ張ってみる?」
ふぇ?っと私が言ったことを理解できていないよな反応をしたけれど
無視して、こなたのほっぺに手を伸ばした。
「そーれ、うにょーん♪」
「うぇ!?ひょ、おひゃーはん!!らにふんふぉ!!」
「夢じゃないって教えてあげてるのよ?」
「だふぁらっふぇ……ふぉのー!!」
こなたが、反撃!!とばかりに、私のほっぺを左右に引っ張った。
たぶん今の私は、こなたと同じ顔をしているんだと思う。
「あっふぁふぁ♪おひゃーはんへんなふぁおー♪」
「ぷっ♪こなふぁだっふぇ♪」
「うぇ!?ひょ、おひゃーはん!!らにふんふぉ!!」
「夢じゃないって教えてあげてるのよ?」
「だふぁらっふぇ……ふぉのー!!」
こなたが、反撃!!とばかりに、私のほっぺを左右に引っ張った。
たぶん今の私は、こなたと同じ顔をしているんだと思う。
「あっふぁふぁ♪おひゃーはんへんなふぁおー♪」
「ぷっ♪こなふぁだっふぇ♪」
2人で笑った。
大きな声で。
こんなに笑ったの、何年ぶりかしら。
だけど、隣の部屋にゆたかちゃんが寝ていることを思い出し
急いで口に手を当て、笑い声を遮断した。
向かい側のこなたも、私と全く同じタイミングで、全く同じポーズをしている。
それがまたおかしくて、私たちは、顔を見合わせてクスクス笑った。
たったそれだけなのに、私の体の真ん中には、暖かくて優しいふわふわとした何かが生まれていた。
大きな声で。
こんなに笑ったの、何年ぶりかしら。
だけど、隣の部屋にゆたかちゃんが寝ていることを思い出し
急いで口に手を当て、笑い声を遮断した。
向かい側のこなたも、私と全く同じタイミングで、全く同じポーズをしている。
それがまたおかしくて、私たちは、顔を見合わせてクスクス笑った。
たったそれだけなのに、私の体の真ん中には、暖かくて優しいふわふわとした何かが生まれていた。
あー、これが幸せなんだって、私は改めてその大切さをかみ締めた。
「ねぇお母さん」
下を向いたままのこなたが、私を呼んだ。
まだその表情を知ることはできない。
「どうしたのこなた?」
「いや、あの……その」
ようやく顔を上げて、こちらを上目遣いで見上げるこなた。
両手の人差し指をつんつんとつき合わせて、頬を赤く染める。
その表情は、言ってもいいのかどうか迷っている、といった感じだろうか。
そんなに恥ずかしいこと言おうとしているのかしら。
でも恥ずかしい事に耐える自信は結構あるのよね、私。
そうくんにこれ着てあれ着てとせがまれて、たくさんコスプレしたし。
「なぁに?言ってみて?お母さんができることならなんでもやってあげるわよ?」
「そ、そお?それじゃあ……」
下を向いたままのこなたが、私を呼んだ。
まだその表情を知ることはできない。
「どうしたのこなた?」
「いや、あの……その」
ようやく顔を上げて、こちらを上目遣いで見上げるこなた。
両手の人差し指をつんつんとつき合わせて、頬を赤く染める。
その表情は、言ってもいいのかどうか迷っている、といった感じだろうか。
そんなに恥ずかしいこと言おうとしているのかしら。
でも恥ずかしい事に耐える自信は結構あるのよね、私。
そうくんにこれ着てあれ着てとせがまれて、たくさんコスプレしたし。
「なぁに?言ってみて?お母さんができることならなんでもやってあげるわよ?」
「そ、そお?それじゃあ……」
「あの、ぎゅってして……いい?」
――――え?
それってつまり、抱きしめるってことよね。
そんなに恥ずかしいことかしら。
それってつまり、抱きしめるってことよね。
そんなに恥ずかしいことかしら。
「ほら、私小さい時お母さんに甘えた記憶ないからさ……それで、その……
この年になって恥ずかしいんだけど、だ……抱っことか、してほしいなぁ……なんて」
この年になって恥ずかしいんだけど、だ……抱っことか、してほしいなぁ……なんて」
顔を真っ赤にしながら、ぽつぽつと言葉を吐き出していくこなた。
あーもう、この子ったらなんてかわいいのかしら。
そうくん好みの子に育っちゃったみたいで、かなり心配だったけれど
まさか、私好みの子にまで育っていたなんて。
あー、なんて素晴らしいのでしょうか。
可愛すぎるわこなた……
あーもう、この子ったらなんてかわいいのかしら。
そうくん好みの子に育っちゃったみたいで、かなり心配だったけれど
まさか、私好みの子にまで育っていたなんて。
あー、なんて素晴らしいのでしょうか。
可愛すぎるわこなた……
「ダメ……かなぁ?」
「……おいで、こなた」
私は両手を広げて、抱きしめる準備をした。
さぁおいでこなた、お母さんの胸に飛び込んで来て!!
「……おいで、こなた」
私は両手を広げて、抱きしめる準備をした。
さぁおいでこなた、お母さんの胸に飛び込んで来て!!
「……うん」
私の目の前に近づいてきてはみたものの、手を伸ばしたり縮めたりで躊躇しているよう。
こなた……お願いだから、そんな可愛い仕草でお母さんを惑わせないで。
あ、そんな。耳まで真っ赤にして。お母さん我慢できなくなっちゃうでしょ。
私の目の前に近づいてきてはみたものの、手を伸ばしたり縮めたりで躊躇しているよう。
こなた……お願いだから、そんな可愛い仕草でお母さんを惑わせないで。
あ、そんな。耳まで真っ赤にして。お母さん我慢できなくなっちゃうでしょ。
「お母……さん」
意を決したのか、私の背中に手を回……そうとしたその時。
意を決したのか、私の背中に手を回……そうとしたその時。
「か、かなた?」
「へ?」
「お、お父さん!?」
声のしたほうに顔を向けると、そうくんが唖然と突っ立っていた。
お風呂からあがったばかりのようで、肩から湯気が立ち昇っている。
「俺に会いたくて……戻ってきてくれたのか!?」
「そ、そうくん?落ち着いて?」
愛しいその人は、今にもこちらに飛び掛りそうな体勢だ。
で、でも今そんなことされたら……
「へ?」
「お、お父さん!?」
声のしたほうに顔を向けると、そうくんが唖然と突っ立っていた。
お風呂からあがったばかりのようで、肩から湯気が立ち昇っている。
「俺に会いたくて……戻ってきてくれたのか!?」
「そ、そうくん?落ち着いて?」
愛しいその人は、今にもこちらに飛び掛りそうな体勢だ。
で、でも今そんなことされたら……
「かなたぁああぁぁあぁぁぁあああ!!」
「だめぇええぇぇえぇぇええぇえええ!!」
「だめぇええぇぇえぇぇええぇえええ!!」
ボッコォオオォォオォォオオオ!!
「ぐほぁ!?……か、かな……」
『ルパンダイブ』で飛び掛ってきたそうくんを、渾身のアッパーで打ち返す。
そのまま廊下まで転がって、壁にぶつかり止った。
『ルパンダイブ』で飛び掛ってきたそうくんを、渾身のアッパーで打ち返す。
そのまま廊下まで転がって、壁にぶつかり止った。
「あ、あの……お母さん?」
「な、なにかしら?こなた」
「お父さん、白目向いてる」
「き、気のせいよ」
「な、なにかしら?こなた」
「お父さん、白目向いてる」
「き、気のせいよ」
明らかに気のせいではないんだけどね……
心の中で『そうくんごめん、あとでちゃんと説明するね』と謝りつつ、立ち上がりドアのところまで行き
倒れているそうくんが挟まらないように、気をつけながら扉を閉めた。
乾いた音が部屋に響く。
心の中で『そうくんごめん、あとでちゃんと説明するね』と謝りつつ、立ち上がりドアのところまで行き
倒れているそうくんが挟まらないように、気をつけながら扉を閉めた。
乾いた音が部屋に響く。
「ささ、こなたさっきの続きね」
元の位置に戻り、さっきと同じ姿勢でこなたを待つ。
こなたは、これ以上このことには触れずに、私に体を預けてきた。
ぎゅっと抱きしめる。
元の位置に戻り、さっきと同じ姿勢でこなたを待つ。
こなたは、これ以上このことには触れずに、私に体を預けてきた。
ぎゅっと抱きしめる。
あ、私より少し暖かい……
それにこの匂い。なんだかやさしい気持ちになる。
今まで忘れていた感覚。そっか、これがお母さんなんだ。
ただ抱きしめるだけで、体全体に広がっていく、温もり。
好きな人を抱きしめた時とはちょっと違う。
守ってあげたい、離したくないっていう……狂おしいほどに、強い感情。
それにこの匂い。なんだかやさしい気持ちになる。
今まで忘れていた感覚。そっか、これがお母さんなんだ。
ただ抱きしめるだけで、体全体に広がっていく、温もり。
好きな人を抱きしめた時とはちょっと違う。
守ってあげたい、離したくないっていう……狂おしいほどに、強い感情。
腕の中にいるこなたは、至極安心したように目を瞑り、腕に込める力を少し強くして、呟く。
「お母さん、いい匂いするね」
そう言った後、さっきよりも強く、顔を私の胸に擦り付ける。
こなたも、やっぱり私の匂いで安心してるんだ。
血が繋がっているから、なのかな……それとも……
「お母さんもやっぱり……」
「ん?」
「胸無いね」
「何 か 言 っ た か し ら?」
「ご、ごめんなさい……」
全くもう、この子は……そうくんみたいなこと言って。
「お母さん、いい匂いするね」
そう言った後、さっきよりも強く、顔を私の胸に擦り付ける。
こなたも、やっぱり私の匂いで安心してるんだ。
血が繋がっているから、なのかな……それとも……
「お母さんもやっぱり……」
「ん?」
「胸無いね」
「何 か 言 っ た か し ら?」
「ご、ごめんなさい……」
全くもう、この子は……そうくんみたいなこと言って。
……。
「こなた」
「何?お母さ……んぅ!?」
こなたが顔を上げたところを見計らい、唇を重ねた。
極限まで目を見開いて、私の服をキュッと握り締めてくるこなた。
こなたのそんな表情を楽しんだ後、私は目を閉じる。
「ん……っちゅ……」
「お、お母ふぁん……んむ……ちゅ」
啄ばむようにキスの雨を降らせる。
ごめんねこなた、お母さん、抱きしめるだけじゃ我慢できなくなっちゃった。
ずっと触れられなかったから、愛しいっていう感情が爆発しちゃったのかも。
ちょっと親子の触れ合いが過激になってるかもしれないけど、お母さんの我侭、許してね……
「何?お母さ……んぅ!?」
こなたが顔を上げたところを見計らい、唇を重ねた。
極限まで目を見開いて、私の服をキュッと握り締めてくるこなた。
こなたのそんな表情を楽しんだ後、私は目を閉じる。
「ん……っちゅ……」
「お、お母ふぁん……んむ……ちゅ」
啄ばむようにキスの雨を降らせる。
ごめんねこなた、お母さん、抱きしめるだけじゃ我慢できなくなっちゃった。
ずっと触れられなかったから、愛しいっていう感情が爆発しちゃったのかも。
ちょっと親子の触れ合いが過激になってるかもしれないけど、お母さんの我侭、許してね……
背中に回していた左手を頭の方に移動し、向こうに逃げられないようにして唇の接触面を増やす。
キスに慣れていないのだろうか。こなたはプルプルと震えたままだった。
キスに慣れていないのだろうか。こなたはプルプルと震えたままだった。

「んふ……ぴちゅ……あむ」
「んん!?っは……んむぁ……ちゅぷ」
舌を入れてみた。
一瞬体が強張ったけれど、おずおずと私に合わせるように、舌を動かすこなた。
少し薄目を開けてみると、瞳は焦点が合っておらず、とろんとしていた。
そんな弱々しい表情が、また私の心を波打たせる。
「んん!?っは……んむぁ……ちゅぷ」
舌を入れてみた。
一瞬体が強張ったけれど、おずおずと私に合わせるように、舌を動かすこなた。
少し薄目を開けてみると、瞳は焦点が合っておらず、とろんとしていた。
そんな弱々しい表情が、また私の心を波打たせる。
「おふぁ……はん……んちゅ、ぴちゃ……ちぅ」
「んっちゅ、ぴちゃ……くちゅ……っぷあ」
「んっちゅ、ぴちゃ……くちゅ……っぷあ」
思う存分堪能してから、私は唇を離す。
一呼吸置いてからこなたを見た。
ぴくぴくと小さく痙攣しながら、呼吸を整えようとする。
この子、私より敏感なのかしら。
「こなたごめんね?あんまり可愛いものだから、ちょっと我慢できなくなっちゃって」
「……だ、大丈夫。ちょっと……驚いたけど、い……嫌じゃなかったし」
「そぉ?」
もう一度こなたを抱きしめた。
興奮したせいか、さっきよりも暖かい気がする。
ゆっくり確かめるように、こなたが背中に手を回してきた。
一呼吸置いてからこなたを見た。
ぴくぴくと小さく痙攣しながら、呼吸を整えようとする。
この子、私より敏感なのかしら。
「こなたごめんね?あんまり可愛いものだから、ちょっと我慢できなくなっちゃって」
「……だ、大丈夫。ちょっと……驚いたけど、い……嫌じゃなかったし」
「そぉ?」
もう一度こなたを抱きしめた。
興奮したせいか、さっきよりも暖かい気がする。
ゆっくり確かめるように、こなたが背中に手を回してきた。
「それにしてもお母さん、大胆だね」
「こなたが可愛いからよ」
「むぅ……なんか振り回されてるような」
「仮にもお母さんですから♪」
「……なんか、お母さんには一生敵わない気がしてきたよ」
「こなたが可愛いからよ」
「むぅ……なんか振り回されてるような」
「仮にもお母さんですから♪」
「……なんか、お母さんには一生敵わない気がしてきたよ」
そんなことないわ。
むしろ、こんなにも愛しく思ってしまう時点で
私の方が、負けてるのかもしれないわね……
むしろ、こんなにも愛しく思ってしまう時点で
私の方が、負けてるのかもしれないわね……
「ごめんね、こなた」
「え?どうしたのいきなり」
「ずっと、寂しい思いさせちゃって」
「……」
「え?どうしたのいきなり」
「ずっと、寂しい思いさせちゃって」
「……」
友達の前では強がっていたみたいだけど、本当はすごく寂しかったんだって……
笑って済ませていたけれど、本当はその話になるたびに、傷ついていたんだって……知ってた。
だって私はお母さんだもの。
だからこそ逆に、傍にいられなかったことが、悔しくて悔しくて……仕方がなかった。
だけど、今こうして抱きしめてあげられる。
その幸せにもう一度、深く感謝した。
笑って済ませていたけれど、本当はその話になるたびに、傷ついていたんだって……知ってた。
だって私はお母さんだもの。
だからこそ逆に、傍にいられなかったことが、悔しくて悔しくて……仕方がなかった。
だけど、今こうして抱きしめてあげられる。
その幸せにもう一度、深く感謝した。
「お母さん……」
「何?こなた……」
抱きしめた腕の中で、こなたがぽつりと呟く。
俯いていた顔を上げたけれど、私のことは見ずに視線を左右にうろうろさせている。
「どうしたのこなた?」
「あ、いや、その……」
「?」
「手が……」
手?
手がどうかしたのかしら。
「手?痺れちゃった?」
「いや、そうじゃなくて……」
私の服を掴む力が強くなる。
こなたは、私に聞かせるつもりがないのではないか、と思えるほど小さく
それこそ自分にすら、聞こえているのか分からないほどにか細い声で言った。
「何?こなた……」
抱きしめた腕の中で、こなたがぽつりと呟く。
俯いていた顔を上げたけれど、私のことは見ずに視線を左右にうろうろさせている。
「どうしたのこなた?」
「あ、いや、その……」
「?」
「手が……」
手?
手がどうかしたのかしら。
「手?痺れちゃった?」
「いや、そうじゃなくて……」
私の服を掴む力が強くなる。
こなたは、私に聞かせるつもりがないのではないか、と思えるほど小さく
それこそ自分にすら、聞こえているのか分からないほどにか細い声で言った。
「お母さんの手が、その……お、お尻に」
「え?」
「え?」
あら、本当。
触ってるわ。
ぷにぷにした感触が掌に伝わってくると思ったら、こなたのお尻だったのね。
張りが……いいのね。
私は、こなたの焦りをよそに、体を弄り始めた。
「ふぁ!?お、お母さん!?」
「こなた、私が最後にあなたに触れたの……いつだか分かる?」
「え!?……ん~と」
体を撫で回されているにも関わらず、右上を向いて考えるような仕草をするこなたが、可愛らしかった。
「お母さんの没年は、私が1歳の時だから……17年前?ひゃう!!」
「そ、当たり♪」
正解♪とばかりにうなじを下から上に指でなぞる。
「お母さんね、こなたが私の知らない間にどのくらい大きくなったのか、知りたいの」
「お母さん……」
「成長したこなた、もっとお母さんに見せて?お願い」
「……」
こんな言い方、卑怯かしら。
こなたなら断らないって分かってやってるんだもの、お母さん……卑怯よね。
でも、止められないの……ごめんね、こなた
触ってるわ。
ぷにぷにした感触が掌に伝わってくると思ったら、こなたのお尻だったのね。
張りが……いいのね。
私は、こなたの焦りをよそに、体を弄り始めた。
「ふぁ!?お、お母さん!?」
「こなた、私が最後にあなたに触れたの……いつだか分かる?」
「え!?……ん~と」
体を撫で回されているにも関わらず、右上を向いて考えるような仕草をするこなたが、可愛らしかった。
「お母さんの没年は、私が1歳の時だから……17年前?ひゃう!!」
「そ、当たり♪」
正解♪とばかりにうなじを下から上に指でなぞる。
「お母さんね、こなたが私の知らない間にどのくらい大きくなったのか、知りたいの」
「お母さん……」
「成長したこなた、もっとお母さんに見せて?お願い」
「……」
こんな言い方、卑怯かしら。
こなたなら断らないって分かってやってるんだもの、お母さん……卑怯よね。
でも、止められないの……ごめんね、こなた
「うん……いいよ、お母さんなら」
ほら、やっぱり。
なんていったって、私の子なんですものね。
「ありがとう、こなた」
腕を解き、こなたの肩を優しく押して、ベッドへと横たえる。
少しだけ頭を撫でた後、その手を私譲りの控えめな胸に移す。
触れた瞬間、こなたがぴくんと跳ねた。
嫌がっていないことは分かっているので、気にせず続ける。
小さいなりにもしっかりとした弾力があり、服の上からでもその感触を楽しむことができた。
ゆっくりと掌で円を描き、形を確かめるように揉む。
そのリズムに合わせるように、こなたが
ほら、やっぱり。
なんていったって、私の子なんですものね。
「ありがとう、こなた」
腕を解き、こなたの肩を優しく押して、ベッドへと横たえる。
少しだけ頭を撫でた後、その手を私譲りの控えめな胸に移す。
触れた瞬間、こなたがぴくんと跳ねた。
嫌がっていないことは分かっているので、気にせず続ける。
小さいなりにもしっかりとした弾力があり、服の上からでもその感触を楽しむことができた。
ゆっくりと掌で円を描き、形を確かめるように揉む。
そのリズムに合わせるように、こなたが
ピクン ピクン
と、震える。
首を曲げて私の手の動きを見ながら、頬を染めるこなたは
恥ずかしさを手から滲み出させるように、ベッドのシーツを握り締めていた。
そんなに恥ずかしいなら見なければいいのに。
首を曲げて私の手の動きを見ながら、頬を染めるこなたは
恥ずかしさを手から滲み出させるように、ベッドのシーツを握り締めていた。
そんなに恥ずかしいなら見なければいいのに。
……でもそんなところが、更に私を沸き立たせる。
手の動きを止めずに、首筋にキスをする。
途端に、こなたは『あっ』と、妙に艶っぽい声を出す。
その声が耳から入り脳を揺らすと、全身にぞくぞくするような電気が走った。
私、娘で快感を得るような、おかしな母親だったのかしら……
なんて自分を責めつつも、手は止まることがない。
こなたが可愛すぎるせいね、なんて責任転嫁をしてみる。
途端に、こなたは『あっ』と、妙に艶っぽい声を出す。
その声が耳から入り脳を揺らすと、全身にぞくぞくするような電気が走った。
私、娘で快感を得るような、おかしな母親だったのかしら……
なんて自分を責めつつも、手は止まることがない。
こなたが可愛すぎるせいね、なんて責任転嫁をしてみる。
胸を捏ねくり回していた手の片方を下にずらし、Tシャツとズボンをずらしながら体をなぞる。
運動はしていないはずなのに、キュッと引き締まった体は他の女子からすれば羨ましい限りだろう。
手を添えた肌は、きめ細かく瑞々しい。筋肉と皮だけなわけではなくて、程よい柔らかさがあって均等の取れたさわり心地。
女性としてのふくよかさはないけれど、こなたの体はどれをとっても女の子そのものだった。
というか、さわり心地でいうと『極上』の部類に分類されるくらい綺麗な体なんじゃないかしら。
運動はしていないはずなのに、キュッと引き締まった体は他の女子からすれば羨ましい限りだろう。
手を添えた肌は、きめ細かく瑞々しい。筋肉と皮だけなわけではなくて、程よい柔らかさがあって均等の取れたさわり心地。
女性としてのふくよかさはないけれど、こなたの体はどれをとっても女の子そのものだった。
というか、さわり心地でいうと『極上』の部類に分類されるくらい綺麗な体なんじゃないかしら。
そうね……言うなれば『究極の抱き枕』といったところかしら。
今度は、張りのいいお尻に手を触れた。
だけどそこまで。
これ以上は、大事な人ができたときのために、とっておいてあげなくちゃいけませんからね。
だけどそこまで。
これ以上は、大事な人ができたときのために、とっておいてあげなくちゃいけませんからね。
右手をお尻、左手を胸に添えた状態で、大人のキス。
こなたは今まで以上に大きく、全身で反応した。
「んちゅ……はむ……んぅ……おふぁ……はん」
こんな切羽詰った状況でも、健気に私を呼んでくれるこなた。
あぁ……私の可愛いこなた。
自然と舌の動きが激しくなる。
「んく……ちゅぷ……あむ……ちゅぅううぅう」
「っんふぁ!?」
ぎこちなく動き回る、こなたの舌を唇で捕まえて強く吸うと
こなたが一際大きく跳ね上がった。
……もしかして
こなたは今まで以上に大きく、全身で反応した。
「んちゅ……はむ……んぅ……おふぁ……はん」
こんな切羽詰った状況でも、健気に私を呼んでくれるこなた。
あぁ……私の可愛いこなた。
自然と舌の動きが激しくなる。
「んく……ちゅぷ……あむ……ちゅぅううぅう」
「っんふぁ!?」
ぎこちなく動き回る、こなたの舌を唇で捕まえて強く吸うと
こなたが一際大きく跳ね上がった。
……もしかして
「っぷぁ!!……はぁ、はぁ……ん……は、ぁ」
「ふぅ……こなたもしかして……イっちゃった?」
唇を離して、息を整えながらこなたに聞く。
こなたは、耳まで真っ赤に染めながらコクンと小さく頷いた。
「ふぅ……こなたもしかして……イっちゃった?」
唇を離して、息を整えながらこなたに聞く。
こなたは、耳まで真っ赤に染めながらコクンと小さく頷いた。
き、キスだけで?……こなた、敏感すぎるのにも限度ってものがあるでしょ。
ぅうぅぅうう……ここは我慢しなくちゃ、我慢を。
ぅうぅぅうう……ここは我慢しなくちゃ、我慢を。
「そう……」
まだ焦点の合わない目で私を見るこなたを、そっと撫で
前髪をかきあげて、おでこにキスをする。
まだ焦点の合わない目で私を見るこなたを、そっと撫で
前髪をかきあげて、おでこにキスをする。
すると、糸が切れるように、ふっと寝息をたて始めた。
あらあら。疲れちゃったのかしら。
あらあら。疲れちゃったのかしら。
――あ、なんだか手が暖かいと思ったら
――ふふ♪本当に幸せそうな顔して……
――おやすみ
――― 愛 し い こ な た
「んぁ?」
開け放たれた窓。
風が吹き込み、波打つカーテンの隙間から差し込む日の光が眩しい。
白んだ街の風景と、囀る小鳥達の声に、朝が来たということを再確認する。
開け放たれた窓。
風が吹き込み、波打つカーテンの隙間から差し込む日の光が眩しい。
白んだ街の風景と、囀る小鳥達の声に、朝が来たということを再確認する。
「……」
昨夜のことを確かめるように、掴んだはずの右手を見つめる。
だけど、もうそこに母の温もりはなかった。
あったのは、汗のにじんだ自分の手だけ。
意味もなく、グーパーグーパーと手を閉じたり開いたりするこなた。
昨夜のことを確かめるように、掴んだはずの右手を見つめる。
だけど、もうそこに母の温もりはなかった。
あったのは、汗のにじんだ自分の手だけ。
意味もなく、グーパーグーパーと手を閉じたり開いたりするこなた。
――夢
そう自覚したのだろう。
胡坐をかいて、何かに思いを馳せるように、すっと目を閉じた。
その横を、窓から吹き込んできた風が、掠めるように通り過ぎてゆく。
胡坐をかいて、何かに思いを馳せるように、すっと目を閉じた。
その横を、窓から吹き込んできた風が、掠めるように通り過ぎてゆく。
「!!」
そこで始めて少女は、自分に刻まれている……愛された証に気がづいた。
体にかすかに残っているのであろう、暖かい何か。
形としては残っていないのに、確かにそこにあったんだって。
そう信じられる、確かな何か。
その何かは何なのか……なんて、言葉で表すのは難しいかもしれない。
だけどこなたは、言った。
自分の言葉に、精一杯の愛を乗せて……
そこで始めて少女は、自分に刻まれている……愛された証に気がづいた。
体にかすかに残っているのであろう、暖かい何か。
形としては残っていないのに、確かにそこにあったんだって。
そう信じられる、確かな何か。
その何かは何なのか……なんて、言葉で表すのは難しいかもしれない。
だけどこなたは、言った。
自分の言葉に、精一杯の愛を乗せて……
――ありがとう、お母さん
【fin】
……♪
なんて♪
センチメンタルな顔も可愛いけれど
やっぱりこなたは、笑顔が一番ね。
「こなた♪お母さんを勝手に帰らせないでくれるかしら?」
「うぉおぉぉおおぉおおお!?おおおおおお母さん!?な、なんで!?帰ったんじゃ!?」
「帰るなんて一言も言ってないのだけど?」
あ、そういえば……なんて、苦笑いを浮かべるこなた。
してやったりって感じかしら♪
「さぁこなた、準備して。出かけるわよ!!」
私が昔着ていた服をこなたに渡す。
こなたはまだ状況の変化についていけていないみたい。
「で、出かけるって……ていうかこの服なに!?」
「私が高校生の時に着ていたお古よ?あ、もしかしてお母さんに着替えさせて欲しいの?こなたは甘えんぼさんなんだから♪」
こなたの後ろに回りこんで、両手でホールド。
Tシャツに手を掛けた。
あら、カペカペ……私のせいかしら。
「ちょ!!お母さんテンション高いって!!ってかお父さんは!?」
「そうくんなら、もう着替えて準備万端よ?何ていっても、初めての家族3人での旅行ですからね♪」
センチメンタルな顔も可愛いけれど
やっぱりこなたは、笑顔が一番ね。
「こなた♪お母さんを勝手に帰らせないでくれるかしら?」
「うぉおぉぉおおぉおおお!?おおおおおお母さん!?な、なんで!?帰ったんじゃ!?」
「帰るなんて一言も言ってないのだけど?」
あ、そういえば……なんて、苦笑いを浮かべるこなた。
してやったりって感じかしら♪
「さぁこなた、準備して。出かけるわよ!!」
私が昔着ていた服をこなたに渡す。
こなたはまだ状況の変化についていけていないみたい。
「で、出かけるって……ていうかこの服なに!?」
「私が高校生の時に着ていたお古よ?あ、もしかしてお母さんに着替えさせて欲しいの?こなたは甘えんぼさんなんだから♪」
こなたの後ろに回りこんで、両手でホールド。
Tシャツに手を掛けた。
あら、カペカペ……私のせいかしら。
「ちょ!!お母さんテンション高いって!!ってかお父さんは!?」
「そうくんなら、もう着替えて準備万端よ?何ていっても、初めての家族3人での旅行ですからね♪」
今日の旅行を提案したのはそうくん。
昨日こなたが眠りについた後、ようやく目を覚ましたそうくんに、私は帰ってきたんだということを示す。
なんの疑いもなく信じて、泣きながら私に抱きついてくるんですもの。
泣き止ませるのにすごく時間かかっちゃった。
でもこれで……私たちはまた『家族団欒』をすることができる。
それならと、そうくんは3人で旅行に行くことを提案した。
勿論私も大賛成♪
昨日こなたが眠りについた後、ようやく目を覚ましたそうくんに、私は帰ってきたんだということを示す。
なんの疑いもなく信じて、泣きながら私に抱きついてくるんですもの。
泣き止ませるのにすごく時間かかっちゃった。
でもこれで……私たちはまた『家族団欒』をすることができる。
それならと、そうくんは3人で旅行に行くことを提案した。
勿論私も大賛成♪
初めて、家族3人で旅行にいけるんですよ?こんなに嬉しいことはありません。
「そ、それにお母さん。あんまり私にばっかり構ってると、お父さん凹んじゃうよ?」
「大丈夫よ、さっきそうくんにも抱きついてきたし。それに、いままでできなかった分、こなたに抱きつきたいの」
「……べ、別にいいけどさ」
そこで頬を染めるからいけないんですよこなた。
だから私が止まれなくなってしまうのよ?
「さぁさぁこなた♪脱いで脱いで♪」
「ちょ!!ま!!お母さん……あーれ―――――」
一瞬で裸になるこなた。
およよと涙を流し『もうお嫁に行けない』なんて呟く。
ノリノリねこなた。
「さぁ!!目指すは沖縄よ!!」
「お、沖縄!?待ってよお母さん!!明日学校」
「一日くらい大丈夫よ♪」
「お母さん……なんかお父さんに似てきてるような……」
呆れたような溜息を一つ、だけどこなたは笑顔だった。
こなたも、私が戻ってきたこと……喜んでくれているみたい。
「大丈夫よ、さっきそうくんにも抱きついてきたし。それに、いままでできなかった分、こなたに抱きつきたいの」
「……べ、別にいいけどさ」
そこで頬を染めるからいけないんですよこなた。
だから私が止まれなくなってしまうのよ?
「さぁさぁこなた♪脱いで脱いで♪」
「ちょ!!ま!!お母さん……あーれ―――――」
一瞬で裸になるこなた。
およよと涙を流し『もうお嫁に行けない』なんて呟く。
ノリノリねこなた。
「さぁ!!目指すは沖縄よ!!」
「お、沖縄!?待ってよお母さん!!明日学校」
「一日くらい大丈夫よ♪」
「お母さん……なんかお父さんに似てきてるような……」
呆れたような溜息を一つ、だけどこなたは笑顔だった。
こなたも、私が戻ってきたこと……喜んでくれているみたい。
いつの間にか着替え終わったこなたの手を引いて、部屋を出る。
そしてそのままの勢いで、外に飛び出した。
そしてそのままの勢いで、外に飛び出した。
空には眩しいほどに明るい太陽。
雲はそれに圧倒されて、隠れてしまったみたい。
雲はそれに圧倒されて、隠れてしまったみたい。
そうくんは、もう待ちきれないとばかりに、その場で足踏みをしている。
もー、そんなに荷物いらないでしょ。そうくんってば……
ほら、こなたも呆れてるじゃない……
もー、そんなに荷物いらないでしょ。そうくんってば……
ほら、こなたも呆れてるじゃない……
そんな私達の反応をそっちのけで、スポーツバック3つ分もの荷物を抱えたまま
汗を撒き散らして、走っていってしまったそうくん。
汗を撒き散らして、走っていってしまったそうくん。
その光景を唖然と見つめていた私に、こなたが手を差し出してきた。
「行こう!!お母さん!!」
握り締めたその手は、17年前と同じ
優しい温もり。
優しい温もり。
――ありがとう
――こなた、私がんばるからね
――これからも、あなたの大好きなお母さんでいられるように
【 True Fin 】
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- GJーーー!!泣b(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-04-30 16:34:30)
- かなたさんにはやっぱり生きてて欲しかったなぁ
でもかなたさんが生きてたら「幸せ願う彼方から」は生まれなかった訳で…ジレンマ -- 名無し (2014-01-16 22:37:21) - 今までかがみ専門だったのですが、
作者さんの作品を見て、かなたも
ありだと気付きました!!出来れば続編
を見たいですね。とってもいい作品を
有り難うございました。 -- チャムチロ (2012-07-23 20:40:58) - 17年分の肉欲が娘に向けられた~ -- 名無しさん (2011-04-28 21:42:47)
- 神様GJwwwwwww
でも、ゆーちゃんを忘れてませんか・・・?
作者さんは涙腺、腹筋を同時に破壊させる才能をお持ちのようでwww -- 名無しさん (2010-07-06 17:15:03) - 成長・・・のあたりのかなたの言い方がうまいと思った。
-- 名無しさん (2009-11-13 07:17:20) - 二人とも可愛すぎ・・・特にこなたがwww
あと、俺も最後の所に目から塩水がこぼれました -- 名無しさん (2008-12-31 13:20:02) - 終盤のかなたさんのセリフに不覚にも涙が・・・
良かったです -- 名無しさん (2008-10-24 12:55:40) - こなたは5月28日じゃなかったっけ?
-- 名無しさん (2008-05-25 12:45:06) - 続きの沖縄編もお願いします -- 名無しさん (2008-05-25 10:43:35)
- 17年前か・・・
かなたはこなたが生まれてすぐ死んだっけ。こなたは5月17日生まれ。
ノースリーブを着ているので季節は夏または秋。ってことはそもそもゆたかはまだこの家にいないんじゃ?
面白かったです。 -- 名無しさん (2008-05-22 23:49:33) - いや、こなたの飛び起きるリアクション最高だった。
マジ笑った! -- 名無しさん (2008-05-21 23:22:24) - きっとゆーちゃんはみなみちゃんのところでお泊まり -- 九重龍太℃ (2008-04-21 16:50:13)
- イイよイイよー
ゆたかは何処かに出かけたのだと脳内補完 -- 名無しさん (2007-11-27 17:06:32) - 感動しました!ぜひ続編をおねがいします
-- namu (2007-10-01 14:22:00) - とっても楽しませていただきました。
こういったハッピーエンドは読んでいて嬉しいですね。出来れば続編もお願いします。
ありがとうございました。 -- かなた (2007-10-01 00:30:45) - とても面白かったけどラストの部分でゆたかの存在を派手に忘れているようなのが残念 -- 名無しさん (2007-09-30 19:32:49)
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